『落下』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
落下する夢を見る
高い所から落ちるわけではなく
ただ、足元が崩れ落ちて身体が宙に投げ出される
暗い暗い底があるかも分からないまま重力に従順に
いっそコンクリートでも針の山でもマグマでも着地してくれれば楽なのに
いや、こんな愚かしい自分には終わらない責苦の中にいる方がお似合いなのだろうか
自嘲し目を閉じる、開いてても風景は何も変わらない
夢なのは分かってる
目を覚ますのを待つだけだ
あぁ、でもいっそ
こ の ま ま さ め な く て も
「ねえ大丈夫?」
ハッと意識が浮上した
酷く汗をかいていて、夢見も相まって気持ち悪い
目を覚ました俺に安心してか、濡れるのも構わず抱きしめられる
その優しさに嬉しい気持ちと惨めな気持ちから引きちぎられそうになる
お前が抱きしめてなかったら真っ二つなってるかもな、なんて
くすりと笑みを浮かべたことに安堵してか、すりすりと肩に頭を押し付け甘えてくる
なあ知ってるか?
いつだって落下する俺を引き上げるのも、奈落へ突き落とすのもお前次第なんだぜ?
一体どこでこんな関係になっちまったんだろうな
「落花生ってなんで落花生なの?」
一秒、二秒と間を置いてから「漢字の理由が知りたいの?」と問い返せば、手元を見つめたままこくんと頷いた。
ふむ、と顎を触るがすぐにスマホを手に取る。こういう由来の調査やイメージを挙げるときこそインターネットに頼るべきである。幼い子供の隣ですぐ検索結果を見せるのも探求心を減衰させそうで悩むが、おやつタイムには逆らえないからね。……などと心の中でだけ喚く教育熱心な己に言い訳を提出しておく。
そして落花生を剥いて小さいお口に渡しながらテーブルに寝かせた画面をスクロールした。
「なんか、落花生のお花が理由なんだって」
「ふうん。ね、ね、それちょうだい」
ふうん、って。興味がないのか。聞いたのはそちらさんだけれど。続けようとした説明も頭から放り出して黙って奥のコップを取ってやった。
子供だから、まあ、そういうこともあるでしょう。
剥いてやる手を止める。なんだかコーヒーを淹れたかった。一度スマホの画面を落としてカーテンで隔てられたキッチンへと向かい、沸かしておいた湯を湯呑みの中の粉へと注いで混ぜる。薄かった。
心の中でだけ喚くコーヒー好きの己がやいのやいのと騒ぐが、薄い上に湯呑みで飲むななんて今更の話であった。ここ数年のおっちょこちょいでカップが減りまくっているので仕方がない。香りはマシなのだし良いのである。
小さな体の隣に再び腰を落ち着け、また落花生を手に取る。中身を盛った皿はすでに空になっていたので、二人でもそもそと指を動かしていく。それでもスピードは随分と差がついていた。
大変頑張っているようだが、難しいのだろう。諦めて差し出されたそれを恭しく受け取り、すぐに剥いて口に放り込んでやる。そうして嚥下まで見届けたらその口が動き出した。
「きれいな漢字だよね」
殻皿へ捨てる間にコーヒーを覗き込んで嗅ぐ、丸くて小さな頭を見下ろす。どういうことだろう。
「流れ星みたいなお花なのかな」
一秒、二秒と間を置いてから「私もお花は見たことないな」と相槌を打った。
彼女の頭上で、薄く黒い夜空の中に星の花が落ちていく様を、ひっそり想像する。良いな、落下星。なら、うん、それでいいんじゃないかな。生来の怠惰よりも愛おしさでそう考える。
出しっぱなしにしていたパッケージの印字をそっと遠ざけて「今度、見に行こうか」と笑った。
飛ぶのは簡単じゃないが
飛び続けるのはもっと難しい。
高みを目指し落下する前に
地に着くべきなのだろうか。
鳥は羽と空気抵抗
人間は実力と自信のバランスで飛んでいる。
その前の努力の助走が私たちを安定させる。
だから運に頼ってられない。
謙虚に飛び続けるために
飛ぶために走るんじゃない。
堕ちないために走るんだ。
#落下
落下
手足が上に向き、体が浮いている感覚から、俺は落ちているのだと理解する。
下を見ても、底がない。ように見える。あるのかもしれないが、真っ暗で判断ができない。
ハハ。これは夢なんだろうな。こんなことが現実にあってたまるか。どうせ夢だ、すぐ目が覚めるかシーンが変わるだろ、と楽観的なことを考えながら落下し続ける。
そういえば俺の人生も落ちてばかりの人生だったな。恋に落ちたり、行きたかった学校に落ちたり、そこから何もやる気が無くなって、周りから責められる……いわば地位が落ちた、というやつ。……流石にこじつけが過ぎるか。
俺、何もしてこなかったよなあ。どうせと言い訳して逃げてばかりで。目から覚めたら、少しは何かに挑戦してみるか。この夢の内容を覚えているかどうかはさておき。
落下しているせいなのかネガティブなことを考えてしまう。しばらくすると、辺りが明るくなってくる。ようやく目覚めるだろうか。ずっと暗いところから急に明るいところになるため、眩しくて目をつぶる。
目を開くと、無機質な白い天井。周りには見慣れない機器と切迫した表情の家族。俺に気づいたのか、慌てて誰かを呼ぶ。白衣を着た人物が駆けつけてくる。
……なんだ、まだ夢でも見てるのか。もう一度目をつぶる。
「……きて……! ど……して……あなたが……んな目に……!」
母さんがなにか話しているけど、こんな泣きそうな声を聞くのは初めてだ。
「……ちついて……さい!」
母さんと知らない人の声を聞いたまま、俺はまた眠りに落ちた。何だか夢の中で寝るってのも不思議な話だが。
この世では
たまに、心の奥底から苦しみを感じるような
状況に陥る事がある。
「死にたい」「消えたい」「一人になりたい」
そんな気持ちを抱え続けるくらいの。
僕にもそんな日がやってきた。
目の前で吐くんじゃないかな、って
なるくらいの。
目から涙があふれる。
足が震えて脳みそがぐちょぐちょに溶けていくような感覚。
気持ち悪い。
そんな日のこと。
ある日
空が割れた。
ブルーハワイのかきごおりを
落とすように
割れた。
パリパリと。
地面が溶けた。
アイスクリームが溶けるように
溶けた。
ドロドロドロドロと。
空の破片が落ちてきた。
甘い味がする。
地面はもう溶けて残らない。
どこまでもどこまでもどこまでも。
どこまでも、
落下してゆくようだ。
こんな風景で死ねるなら、
溶けた地面から落ちるのも
悪くないな。と思いながら
この世におわかれをした。
#落下
目を覚ます。ベッドの上だった。
『うぅ…、いま何時…?』
やべっ、寝過ごした?! 一瞬、覚醒して時計を見る。5時くらいだ。窓から夕焼けが見える。
…???
…寝起きで頭が回らない。ぼぉーっとする。
えっと…今日何曜日だっけ…?仕事は…?
確か日曜だったような……もしかして夕方まで寝て、た…?
…? 何かがおかしい…なぜだか眠くて眠くてたまらない…
起きていられない……
「…、やっぱ、むり…だ……」
寝た。
―――――――ドゴンッ!!!
「っ、いってぇ~~っ!!……はっ!!」
ベッドの下だった。
(夢の中で寝る、夢。)
タワー型のアトラクションの頂上から一気に落下するような、そんな人生の転落を味わった。
「どうして自分が。何でこんなことに…」
を繰り返し、光の届かない暗い部屋の中で膝を抱え、ただ時間が過ぎていくだけの毎日を過ごしていた。
そんなとき、
「いつまでそうしてるつもり?」
冷ややかな声が聞こえ、膝に埋めた顔を上げると、一筋の光を背に、キミが立っている。
「何?」
「何じゃないでしょ」
怒っているのか、イライラした様子で俺の前に立つと
「歯を食いしばれ」
低い声でそう言い放ち、俺と目線を合わせるように両膝をつくと手を振り上げる。それでも俺は、ぼんやりとキミを見ていたけれど
「…ごめん」
気力をなくした俺の目を覚ましてくれたのは、気の強いキミの涙だった。
「ごめん、ごめんね」
手を振り上げたまま、涙を流すキミにハッとさせられた俺は、力強くキミを抱きしめる。
「私の方こそ、ごめんね」
泣きながらもキミは俺を抱きしめ返し
「あなたが悩んでたのは気づいてた。でも、私にできることなんて。って聞かなかったから。話すだけで心が軽くなることもあるのに、追い詰めてごめんね。けどもうこんなことはしたくない。だから、これが最後だよ」
懇願するように、腕に力を込める。
「うん。もう二度と泣かせないって約束する」
俺を想ってくれるキミがいる。それだけで、こんなにも強くなれることを知った。どん底まで落ちたら、上がっていくだけ。きっとキミがいてくれるなら、できる気がする。やる気を取り戻した俺は、嬉し涙をキミにプレゼントすることを、キミの涙に誓うのだった。
「」ねぇ、おちるってどんな感じなんだろう
『』落ちる?何に?
「」何に…んー落ちるもの全般?
よくある君の変な発言だった。いっつもそうだ。
どうして算数から数学変わるの?
どうして歩行者信号は2色なの?
どうして?がとても多い不思議な女の子だった。
お-ちる【落ちる】
1.下の方へ動き移る。
2.前からの、または本来の位置を離れる。
『』って書いてあるからほんとそのまんまの意味だと思うよ
「」ふーん。
『』今日は何が気になったの?
「」いや別に?
『』なんだよそれ。
いつもならうるさいくらい気になった理由喋るくせに
「」はぁ?いつも私がうるさい人間みたいなこと言うわけ?
『』いや、実際そうだろ。で、なんだったんだよ
「」言わなきゃだめ?
『』気になるから言わなきゃだめ
「」なんでそんなに気になるの?
『』なんで、、なんでだろう。
「」じゃあもっと悩むこと言ってもいい?
『』え、、?なに?
「」君が私に恋に落ちる瞬間っていつだろうなぁって思ってた
『』…っ!?
その瞬間、僕の中で何かが音を立てて落ちて行く音がした。
#落下
# 落下
万物は重力に引かれている。
ニュートンよりもずっと前から当たり前だったその言葉を、私は今更になって意識する。
重力に引かれることを「落ちる」と言うのなら、私たちは今もなお落ち続けているのだ。
鉄球がすとんと落下するように。
鷹が一直線に飛ぶように。
老いた花弁がはらはらと揺れるように。
葉っぱが風に閃くように。
水切り石がゆらゆらと水面に吸い込まれるように。
流星群がさざめくように。
全てのものは落下する。
この景色に見覚えがあるのは、きっとそれが理由だ。
前世が何だったのかは知らないけれど、前世の私は落下して命を終えた。それだけは妙な確信を持って言える。
見下ろす視界が落ち着くのも、それが理由だ。
眠りに落ちるように、私は一歩足を踏み出す。
ぷかぷかと浮かんでいく泡を見る。
ああ、落ちないものもあったんだ。
私はそんなことを思う。
ゆっくりと、落下している。
少年は石蹴りをしながら学校から帰ってる。
いつも、一緒の友達は今日はいない。
他の友達と帰ってしまった。
だから今はこの石が友達。
大人に見られないように蹴ってる。
あと少しで家に着く。
だから思いっきり蹴ったら排水溝に落下した。
少年はやっと着いたと呟いて家に入った。
ほんの少し前まで僕と笑ってた君が
別の誰かと笑ってる。
胸が痛い。苦しい。
今すぐにでも奪ってやりたい。
気持ちのパラメータが一気に上がって行く。
でも、君を傷つけたくは無いから、何もできない。
“ 期待なんて、するもんじゃなかった。”
そう思ったが、君の顔を見るだけで
もっともっと深い所へ落ちていく。
#落下
【落下】
落ちる落ちる
下へ下へ
落ちる落ちる
花が
落ちるとき
君と目が合った
高層ビルの窓の向こう
君はとても笑顔だった
「落下」
「落下」だとなんとなく浮遊感があります。
より空に近いところから、時間をかけて地球に着地するような。
とは言っても、そう長い時間がかかるものではありませんね。
そういえば、二千年間落ち続ける地獄があるとか。
浮遊感をゆっくり味わえるかもしれません。
いかがですか?
【落下】
涙が落ちないように笑みをこぼして生きている。
浮遊感と背中への衝撃。
背の高い本棚の、一番上の段の本が取りたかった。
台に立って、背伸びをしてぎゅうぎゅう詰めになっている本を思い切り引っ張ったら、後ろに倒れてしまったのだ。
でも背中は思ったより痛くない。
顔を上げると今日の担当執事のあごがあった。
主様、大丈夫ですか?と声をかけられて、彼との近さを実感した。
大丈夫だと言って離れる。すると、彼はこのようなことは執事である私を使ってくださいね。と言いながら、いまだに頭上に収納されたままの本を取ってくれた。
ありがとうと受け取ろうとすると手を取られ、主様が傷つくところは見たくありません。と言われた。
そう言われても、自分でできることは自分でやりたい。抗議の意思を持って彼の目を見つめると、目を細めて笑われた。
主様のペースで大丈夫ですよ。少しずつ、この生活に慣れていきましょう。
本のお供に紅茶はいかがですか?と言われてお願いした。彼の淹れてくれる紅茶は美味しい。紅茶が入るまで、夕陽の見えるあの暖かいソファーで待っていよう。
落下について
イカロスの墜落。
美しい海と、のどかな街の風景のはしに
まさに今、溺れ死のうとしている人間を見つけた。
秋の夕日をなめらかに照らしだす水面には、逞しいイカロスの脚が突き出ている。
ゆうゆうと浮かぶ船の帆は、はち切れんばかりに膨らみ、小舟は大きく傾いていて、その落下の衝撃を物語っている。
しかし、誰ひとり、その異変に気がついていない。
過ぎゆく日常の片隅に、イカロスはただ落ちた。
無情で無関心。彼の翼を焼いた太陽だけが、
沈むイカロスを見つめている。
『落下』
冷めた目をして世界を見やる
(どちらが上で、どちらが下だ?)
今日も今日とて誰かが落ちて
夜の恐怖も、朝の恐怖も
どちらも解らぬ馬鹿どもが
落ちる無様を見下ろして
ケタケタ、ケタケタ嘲嗤い
チープな声音で説法たれる
これより下には落ちるまい
これより下には落ちたくないと
楽観主義者のアンビバレンス
拱手傍観の吊られた愚者は
たとえ自由の身になれど
読んで字のごとく何もしない
今日も今日とて夜が更け
視界が歪み、世界が歪み
零れた涙は天へと落ち行く
(どちらが上で、どちらが下だ?)
冷めた目をして世界を見やる
『落下傘奴のノスタルヂアと』
学校の授業が終わり、放課後を迎えて校舎に出たぼくは
たった今恋をしてしまった。屋上から身を乗り出して
飛び降りようとしている知らない少女に。
彼女は僕を見ると、手を振ってそれから──。
まるで羽が生えた天使のようにふわりと舞いながら
落下した。グチャリと潰れた頭からは鮮血が散っていて
花びらのように見えた。誰かの悲鳴が聞こえる。
ああ、なんて美しいんだろう。僕はこの瞬間恋に落ちてしまった。
「本当に綺麗だ。」
そういいながら僕は学校を出る。あの天使に逢うために、落下する場所を探すために。
(※自分語り失礼します)
めっちゃだるい1日でした。
集会も気づいたら視界が真っ暗になってるほど
朝からずっと疲れていました。
先生から「大事な話してるんだからちゃんとして」と言われても
ぼーっとするような1日でした。
放課後はもう辛すぎて泣きたいぐらいにネガティブになっていました。
「死にたい」「消えたい」「もうそろそろいいかな」
なんて久しぶりに思った1日でした。
学校も、進研ゼミも、塾も、テニスも、
全てがいっぱいいっぱいでした。
なにもかも頑張らなくちゃって思って、欲張って、勝手に死にたいと願って。
好きな人は、ただそこにいるだけでした。
天パが揺れて、日に照らされているだけでした。
でも元気が出たんです。
「そうじゃん、好きな人。まだ生きてるじゃん」
心が浄化されたような気がした。
君がこの世界で笑ってくれるだけで、
うちは、僕は、幸せになれる。
知ってる。自分が愛が重いほうだって知ってる。
だから君に近づけない。
傷つけたくない。
きっと君は優しいから、拒絶できないんです。
僕は、僕が辛くても、一生きみが幸せであることを願いたい。
落下する夢って見た事ありますか?見たことがない人でも見たいと思っている人もいると思います。でも、落下する夢って見たいとは思いますが怖いと思ってしまう自分もいます、、。それに、落下する夢を見るとびっくりして起きちゃったという話も来たことがあります。ぐっすり眠っている時に、無理やり起こされるのは嫌ですよね。自分が見たいと思っていることでも不向きがあれば「やっぱやだな」となるのが人間って感じがしますよね。
【⠀落下 】