fumizuki

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落下する夢を見る

高い所から落ちるわけではなく
ただ、足元が崩れ落ちて身体が宙に投げ出される
暗い暗い底があるかも分からないまま重力に従順に
いっそコンクリートでも針の山でもマグマでも着地してくれれば楽なのに
いや、こんな愚かしい自分には終わらない責苦の中にいる方がお似合いなのだろうか
自嘲し目を閉じる、開いてても風景は何も変わらない
夢なのは分かってる
目を覚ますのを待つだけだ
あぁ、でもいっそ


こ の ま ま さ め な く て も


「ねえ大丈夫?」

ハッと意識が浮上した
酷く汗をかいていて、夢見も相まって気持ち悪い
目を覚ました俺に安心してか、濡れるのも構わず抱きしめられる
その優しさに嬉しい気持ちと惨めな気持ちから引きちぎられそうになる
お前が抱きしめてなかったら真っ二つなってるかもな、なんて
くすりと笑みを浮かべたことに安堵してか、すりすりと肩に頭を押し付け甘えてくる

なあ知ってるか?
いつだって落下する俺を引き上げるのも、奈落へ突き落とすのもお前次第なんだぜ?

一体どこでこんな関係になっちまったんだろうな

6/19/2023, 11:13:33 AM