『花束』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
300字小説
花束の人
「今回も……」
毎演、初日と千秋楽に送られてくる花束。花屋を通して匿名で送られてきている。
「本当に誰からかしらね」
初めての舞台からずっと。それはいつしか私の芸能界で生きる支えになっていた。
父が亡くなり私は遺品の整理に久しぶりに実家に帰った。父一人娘一人。父は私が芸能人になるのに大反対で家出同然に上京して今の事務所に入って以来、ほとんど会っては無かった。
「これは……」
机の引き出しからスクラップブックを見つける。私の記事を集めたそれには花屋のレシートが何枚も挟まれていた。日付は全て、私の舞台の初日と千秋楽。
「お父さん……」
最後のページには私の次の舞台のチケット。使われなかったそれに、私は泣き崩れた。
お題「花束」
相手が私に大きな花束をくれた。それは大きくて、美しくて、花らしい良い香りのするものだった。
受け取る前から心が躍った。花の好きな私からするととても嬉しかったのだ。沢山の種類があり、沢山の花が束ねられたその花束は輝きこそするが永遠とは続かない美しい宝箱。どう花瓶に刺すか、また、どこに飾るかを考えたらウキウキが止まらずにいた。
それに加え、宝箱とも例えられる花束をくれたのは自分が愛しいと日頃から感じていた相手から。日々の幸せの中で一段と目立って感じられる特別な幸せとはそうそうないだろう。
そして、また私は花束をくれた相手を愛しく思う日々が続くのだろう。
最近円安なんかで我が家も節約を目標にして過ごしているんですが今の財政の中で高価な花束をもらうというのは贅沢ですね。我慢します。くれるの?!嬉しい!とはなりますが申し訳のないことに、それにかかった代金を生活費に回したいと思い…ません!笑
今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。今日のお題は『花束』です。
(いつか私も貰えるぐらい素敵な人になるんだ!)
花束
『君に花束をあげようと思う
でも、漫画とか、アニメとか、小説とかに出てくる、
「100本のバラ」とか、そんな大きいもんじゃない
そんなん、お金かかるし、どこに飾るの?って話だからね
ってか、あの花束もらった人って、どこに飾ってんのかなって、本当に思うんだよね
不思議だな
こんな話してたらずっと終わらないから、今回は終わり
また今度話そうな
それで、俺があげるのは、この手紙と一緒に置いてある、一本のバラ。それが、俺からの花束。
花束?って思うかもしれない。でも、俺からの気持ちは、100本分だから。十分だと思ってな。
受け取ってください。俺からの、最初で最後の、本気の思いだ。』
「なんでよ…」
ある少女の前には、一本のドライフラワーと、手紙の入っていた封筒。そして、ある男が、横たわっていた。
花束
今日も貴方のために
大きな花束を抱えて街を歩く。
毎日、毎日欠かさずに花束を抱えて。
君は、いつも寝ている。
可愛い寝顔で、
変わらない綺麗な顔で。
君はまるで、百合のようだ。
綺麗で可憐、美しいその姿。
まさに百合のような、そんな姿をしている。
俺は、君が起きないってこと知ってるんだ。
知ってて話しかけているんだよ。
仕事場で起こったことについて。
嫌いなひとの愚痴。
出来事。思い出。
毎日、毎日話してる
なのに、君は一切僕の話を聞いてくれないんだ。
わかってるよ。
俺のことどうも思ってないって。
_どうせ、女の子が好きなんだろうな。
俺はこいつ、君のことが好きだよ。
君のこいつの名前、、河間アキって言うんだ。
俺のたった一人の親友…
いや、好きな人。
俺のことを認めてくれた、大好きな人。
アキは、事故のせいで今は意識がない。
ここ一ヶ月、眠ったままだ。
ぼくは毎日病院に通って、
毎日お菓子や花束を届けている。
__ねぇ いつになったら返事してくれるの?
好きって、答えてくれるの?
ぼくがどれだけ伝えても、伝えても届かない。
『いい加減…起きろよ。俺、お前がいなくてさみしいよ』
静かな病院の部屋。
意識がないお前に話しかける。
『また…馬鹿みたいに、元気な声…聞かせてくれよ…っ』
俺は涙する。
『俺を…おいてかないで…っ、』
お前だけが救いだから
お前だけが俺を認めてくれたから
俺は…俺は…
今も…お前のお陰で生きてるんだ。
声にならなかった。
どうしても喉の奥に残っている。
喉の外に出ない。
伝えられない。
…でも、伝えたって…
『…俺は、お前のこと好きなんだよ…どうしようもなく、
ただ…お前のことが大好きなんだ…。』
『だから…っ』
『返事…してよ…アキ。
その瞬間、アキの目は開いた。
『アキ…!!』
俺は嬉しかった。どうしようもなく。
ただ、嬉しかったんだ。
[どうしたの、ユウ]
優しくて、大好きな声。
俺の名前をよぶ、綺麗な、大好きで大好きでたまらない声
『心配…したんだからな…』
『俺…っヒクッ、おいてかれたかと思って…グスッ…!』
[ごめん、ユウ。でもね、]
[大好きだよ]
__いま、なんて言った?
大好き…だよ?
[僕、ユウのこと大好き!]
『俺も!大好きっ!!』
そのときのアキの笑顔は
花束のように 綺麗だった。
100本のバラの花束より、道端に咲く1本のかすみ草が好き。
花束
花は花でも一つ一つ意味があるんだって
一つの花でも素敵だけど、色々な花を束にするのも
素敵だよねっ
追記
私はねブルースターっていう小さな青い花が好きなんだ〜。花言葉はね『幸福な愛』
「花束」
花束なんて柄じゃないけど…
もし貴方に送るとしたら
薔薇100本なんかじゃ
全然足りないくらい
想ってます♡
(私、女だけど…)
なんでもない時でも
花束を渡せるような
仲良し夫婦になりたいな…
大切なひとへ
届けたい想いを
言葉にして
綴り続けた詩
今夜..で
終止符を..
顔も声も
知らない皆様へ
大切な想いに
共感してくださり
心寄り添い
♡を添えてくれた
ひとりでも
いてくれたこと
とても嬉しく
感謝します
ありがとう
ございました
【スマイル】
自分の笑顔が好きになれない
会う人からは笑顔が素敵と言って頂けるけど、そうは思えない
こんな顔のどこが素敵なんだろう
不機嫌そうな真顔の方がマシに思える
不自然な笑い方
口元にできる皺が苦手だ
笑顔が素敵だと感じる人の笑い皺は良いなと思うのに
美しくなくていい
皆から肯定されなくていい
自分で自分を好きになりたい
──────────────────────
【花束】
このテーマを見て、花束を買った
花の種類は詳しくないからおまかせで
ピンクと白の花束を作ってもらった
部屋に花があるとちょっと嬉しい
花束
この世界がとても悲しそうで
幸せそうで
けれど同時苦しそうで
見ていると悲しくなる
どうかこの世界に花束を
私たちを慈しみ
守るこの世界に
色とりどりの花束を
花束
三年付き合った年上の彼に、
「今日はちょっといいところに食べに行こうか」
と、ディナーに誘われた。そろそろかなと胸を躍らせていたけれど、きっと今日プロポーズされるんだろう。彼は仕事の終わりに来ると言っていたから、スーツなんだろうな。それに合わせて私もちょっといい洋服を着て、バッグを肩にかけて、お気に入りのヒールを履いた。香水なんかつけちゃったりして。
待ち合わせ時間、ちょうどに来てくれた彼に連れられて、ちょっといいどころじゃない、高級そうな、私みたいな庶民が入れないようなレストランに彼と一緒に入った。コース料理が出てくるたびにはしゃいでしまう私を見て、彼は優しく微笑んでいた。
レストランを出て、
「次はどこに連れて行ってくれるの?」
と聞くと、
「ちょっと待ってて」
と、言って私を置いてどこかに走って行った。レストランに忘れ物したのかなと思っていると結構すぐに戻ってきた。彼は何かを隠しているのか、右手を後ろにまわしている。
「ごめん、お待たせ。あの、これ、、、俺と結婚してください」
彼は息切れしたままの声で一本の赤いバラを差し出した。
「ごめん、100本のバラの花束でプロポーズされるのが夢って言ってたのに、なかなか勇気出なくて恥ずかしくて買えなかった。本当にごめん」
確かに、100本のバラの花束を渡されて結婚しようと言われるのが小さい頃からの夢だった。でも想像の100本のバラよりも彼からもらった一本のバラの方がとても綺麗だと思った。
「もちろん!大好き」
「花束」
貴方からの初めての花束は
実は初めてではなかったの。
【#36】
花束
今までにもらった中でとっても嬉しかったのは
「ことばの花束」
当時ともに学ぶ仲間とのワークでの体験
ぐるっとみんなに囲まれ、私に向けてたくさんの素敵な言葉を360度からシャワーのように浴びせてもらったあの感動は忘れられない
自分が欠点だと思うことも、素敵な言葉で褒めていただけると、それは自分では思いつきもしないリフレーミングとなった
私も誰かに素敵なことばの花束を渡せる人になりたい
☆花束☆
誕生日にあなたは
いつも色鮮やかな花束に
プレゼントを添えて
「おめでとう
そしてこれからもよろしくね」
と言ってくれたね
私はその時の
はにかんだあなたの笑顔が
たまらなく好きでした❣
そして
どんどんあなたを好きになる自分が
怖くもあり
たまらなく幸せでもありました
そんな素敵な思い出を
花束は思い出させてくれる😁
ある日の朝、仕事に行こうとドアを開けると、玄関ドアの前に花束が置かれていた。
昨夜は無かったはずだ。
心当たりがなくて、それでもかなり気になって、後日、マンションの監視カメラ映像を見せてもらう。
見覚えのない、でもかなり綺麗な女性。
深夜0時頃、そっと玄関ドアの前に花束を置く。
そしてしばらくそこに佇んだ後、帰っていった。
どこに帰っていったのかは分からない。
職場で同僚に話すと、
「街中で見かけて惚れられたんじゃないの?奥手過ぎて声もかけられなくて、ラブレター代わりにひっそり花束を置いたとか」
…それはかなり不気味だ。いくら美人でも。
とはいえ、どこかで何かを期待している自分がいることも確かだった。
ある夜、部屋で過ごしていると、玄関付近で物音が。
あの女性か?と思ってドアを開けると、見知らぬ男が立っていて、「人の女に手を出しやがって」とどこかで聞いたようなセリフとともに、刺された。
その後のことは、分からない。
「…つまり、本当に惚れた男を守るために、今付き合ってる男には、別のまるで関係ない男を好きになったと嘘をついた、と。それで今の彼氏が逆上して、そいつに何かしでかせば、彼氏は逮捕されて、晴れて惚れた男と付き合えると。かなり計画的だな」
「刺された男は、単に街中で見かけただけの相手を選んだそうですよ。まあそりゃ、何かされても気にならない相手を選びますよね」
「赤の他人をそんなことに巻き込むとは、血も涙もない女だな」
「確かにそうなんですが…彼女は彼女なりに、被害者に弔いを行っていたようですね」
「…弔い?」
「ええ、刺される数日前に、被害者宅の玄関前に百合の花束を…」
小さな幸せを詰めて、いつかのあなたに「好きだよ」と伝えたい
『花束』
"花束"
この前治した患者が来て、小さな長方形の箱を渡された。その人曰く、この小さな箱は《フラワーボックス》らしい。
リボンに括り付けられていた二つ折りのカードを取り出して開くと、万年筆で書いたような手書き風のフォントで【Thank you very much.】というメッセージが書かれていた。
──「いい」って言ったのに……律儀だな。けど、男に花敷き詰めた箱を贈るって……。俺が女だったら、もっとマシな反応できただろうな……。
そのメッセージの下に細字の活字で、説明が書かれている。ドライフラワーを詰めたフラワーボックスで、手入れする必要は無いらしい。飾り方の例も幾つか書かれている。
診察室に戻って、箱をデスクに置いて着席する。
──まぁ、中身は単純に気になるしな。
リボンの端を摘んで引っ張って解き、蓋を開ける。
対角線を境界にして二つの色の花が分けられていて、上部に青色の花が一種類と下部に緑色の花が二種類、小さな箱の中にたっぷり入っていた。
まるで、ラッピングを飛び出したせっかちな花束だ。
入っている花の名前も色別でカードに書かれていて、緑色の花は薔薇とカーネーション、青色の花は霞草と書かれている。
花の色と中身のレイアウトが、ゲームエリアを展開した時に出てくるドラム缶を彷彿とさせる。何故この花と色のチョイスなのか不思議だが。
けれど、とても綺麗なので、蓋を箱の底に重ねて、パソコンのディスプレイの横に立てて、ここに来た患者達にも見えるように角度を調整する。
「……こんくらいか」
感覚で良い感じの角度にすると、出入り口に立って見え方を確認する。
「……ん」
と、声を漏らして小さく頷く。
──花を飾ると、部屋全体が明るく見える。『男が花なんて……』って思ってたけど、性別関係なく花を見ると気分が明るくなる。
「さてと、ベッドメイキングの続き」
その場でくるりと方向を変えて廊下に出ると、診察室の向かいの部屋に行き、患者用ベッドの整頓の続きに取り掛かった。
「花束」
花屋さんに花束を頼む事がある。
主に結婚祝い、誕生日祝い、退職祝いの時に
頼むのだけどその時、
いつも花屋さんの凄さに感心してしまう。
「予算はこれ位で、こんな風に花束を作って下さい。」
と電話や店頭で結構曖昧に頼むと、
とても見事な花束を作ってくれる。
当日どんな花束が来るのか、いつも楽しみに待ってる。
実は、花束を渡す場面より
当日届いた花束を見る瞬間の方が好き。
私の友達はモテる。
昨日はラブレター。今日は花束らしい。
「さっき貴方を見かけて、一目惚れなんですけど……良ければ」
そう言って差し出された赤色の花束を、ソイツは私との遊びの約束に持ち込んだわけだ。
「ねえ砂糖どこ?」
誰もが振り向く美貌と
「水色のラベルもう中身なくない?」
琴を弾くような、少し籠もった繊細な声。
「横のスティック使ってよ」
「はいほーい」
赤い花束はゴミ箱に散っている。
「気持ちだけでも嬉しい」って言うじゃん?
物を受け取ったら相手は気持ちが受け取ってもらえたって思う。
私は物を受け取って気持ちを受け取ったことにする。
だからこれは器なの。気持ちじゃないから捨ててオッケー。
屁理屈を捏ねる彼女は、本当は気持ち悪くてしかたないだけだ。
自分へ向けられる愛とか薄っぺらなのが我慢ならないだけだ。
自分に好意を寄せる人に彼女は興味がない。
そんな彼女が私は大好きだけど、つとめて他の子とは違うみたいな顔をしてる。
突き放されたら地獄だ。でも、応えてもらっても、ね?
【花束】2024/02/09
花束は、いろんな花が束ねられている。
暖色の花も、寒色の花も、明るい花も、寂しそうな花も。たくさんの花がひとつにまとめられている。
明るい花が、寂しそうな花に「どうしたの?」と聞いた。寂しそうな花は、「悲しいの、なんでか分からないけど、ものすごく悲しくて寂しくて、ちょっと怖いの」と言った。明るい花は、「悲しいことも、寂しいことも、ちょっと怖いこともあるけど、自分に自信を持てば、ちょっとだけ嬉しくなって、楽しくなるよ」といった。寂しい花は、少し自信をもらった。
自分では好きじゃなかった水色の花びらも、好きじゃなかったジャスミンみたいな香りも、自分の個性だと思った。
花束は、ひとつだけど、束ねられている花は、それぞれ色々な色があって、個性がある。