『花咲いて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【短歌・僕の作った衣装】
ひらひらとフィッシュテールで踊る君
僕が作ったのだと自慢したい
-斎宮宗・影片みか-
(花咲いて)
身がなり花が咲き綺麗になる日に日にしぼんで行きやがては枯れる
人生と同じ
茎を高く伸ばして
俯いたように咲く
オダマキが静かに
そっと揺れている
ゆらりとゆられて
風と遊び虫と遊ぶ
陽の光りを浴びて
真っ直ぐ上を向き
いつしか種となり
青い空を見ていた
茶色を帯びた姿は
堂々としているよ
知っているんだね
つよく生きること
『花咲いて』
花は儚い
咲いたら枯れ
枯れたら散り
散ったら踏みにじられ
そして消える
散る前に育んだ子孫を
次の姿として遺し
自分の根が残っていれば
翌年も歳を重ねて花開く
しかし、それが出来ない
本当に儚い花もある
真っ暗な夜空に咲く
大輪の打ち上げ花火たち
彼らは もう二度と同じ姿を咲かせられない
咲いてしまえば数十秒で消え去り
それは美しく 夜空に溶ける
今年のそれは 、ひとりで見たい
友情とか 恋愛とか 絆とか 信頼とか
どうでもいいから
もう誰も 私には関わらなくて平気だから。
_ ₉₄
暗闇で密かに開き、時には月明かりでぼうと浮かびあがり、そして空の白みはじめる前にはすでにしぼみ始めている、ヒトの目に触れることのない、そんな花のもとで死ぬことに、彼は、あるいは彼女は納得しただろうか。その花の茎を醜く握りしめた彼にそう問うのは野暮なのだろう。その骸が無粋な力学によって衆目に晒されなければ、彼は、彼女は次の夏にはその花になっているのだろう。いや、なっていてほしい。全てを見渡す御座にあって、それは思った。そしてそれがかなうことはないと、それは知っていた。なぜなら。
耳に男の声が蘇る。おまえは自分の意見をいえると思っているのか。希望が通ると思っているのか。ただ俺の命令を聞いて、それに従えばいいんだ――と。
荒れ地に凛と咲く花は
人の心を揺さぶり動かす
目の前に広がる花畑は
人を楽観的にさせる
枯れかかった葉は
人に哀しみを分け与える
咲きかかった花に
人は情を注ぐ
目立つことのない雑草たちは
目にも留まらず踏まれて消える
『花咲いて』
#花咲いて
花咲いて、周りも笑顔の花が咲く。
だけど君だけは沈んだ顔をする。
何故沈んだ顔をするのか聞いたら君は、
「だって、私を見てくれる人が減ったもの」
そう言った。
大丈夫、僕だけは君を見つめ続けるよ。そう言うと君はさきほまでの沈んだ顔が嘘のようにパッと笑顔の花を咲かせたね。
君のそんな笑顔がまた見たい。
男は遺影の前で呟いた。
【花咲いて】
花 咲 い て
時 と 散 っ て ゆ く
カ ケ ラ た ち
花咲いて
歩いていたら、小さな花がさいてる。
可愛いなとしゃがんで見てた。
この花は隣の花より大きくなってほしい。
そう願ってる。
花咲いて
気づけば君は
崩れ行く
花咲いて
気づけば僕は
墜ちてゆく
誰も僕らを見ていない
このまま墜ちて
君のもとへ
なんて言いはしない
手を差し伸べることもしない
君の服が破れようが
擦り傷だらけになろうが僕はかまわないからさ
さぁ、這ってでもここへ来なよ
君は助けたら怒るだろう?
『偽善者やろう』って
そうだよ、問題ある?
でもほんとは助けてほしいんでしょ?
ひねくれた僕にかまってる暇があったら
叫べよ
深海まで届くくらいの大声でさ
『正気かクソ野郎』って
彼が入院してたとき
病院の花壇とは別の場所に1輪の花があって
それはまだつぼみだった
彼はずっと目を覚まさなかったから
病院に行くたびその花を確認するのが
日課みたいになってた
花を見つけて一週間くらいたった頃かな
あの花がとってもきれいに咲いていた
私が育ててたわけじゃないけど
とっても嬉しかった
その後、彼の病室に行ったら
目を覚ました彼がベッドに座っていた
あの花みたいにきれいな笑顔で
「おはよう」って
〈花咲いて〉
『聞いて聞いて!この森の先にね……』
歩く度に花が咲き、声が響く。
森の入り口付近の花は、森の噂と前を通る人の声を響かせた。
『そうなの!私見たんだよ!けどね……』
花は少しずつ、聞いた言葉を響かせた。
上手く聞き取れなかったのかところどころ内容は飛んでおり、どういった話なのかは判らない。
『聞いて聞いて!あのね……』
『さあ、もうお帰りなんし。お母様が……』
幼い声とは別の声が響いた。
『やあ!いらっしゃい!今日は……』
また別の声が響く。
2つの新しい声は、幼い声の主を出迎えたり、送り出したり、この森に住んでいる人なのかもしれない。進めば判る。
『飛天。来たよ、どうし……』
『そうでありんすねえ。帰っていただく……』
幼い声は響かなくなり、2つの声だけが響き始める。
『いらっしゃい!』
『いらっしゃい!』
『いらっしゃい!』
声が響く。
『お待ちしておりんした。さあ、こちらへ。』
花はそう、はっきりと響かせた。
『こっち』
『こちらへ』
『右へレッツゴー!』
『そのまま真っ直ぐでありんす』
はっきりと、はっきりと響く声につられて進む。
『後ろっ!』
声が響くと同時に後ろを見た。
そこには一人の青年が立っていた。
「早く帰らないと、もうすぐ日が沈んでしまいますよ」
青年はそう言うと、後ろ、と声を響かせた花の方へと歩き出した。
早く帰ろうと来た道を進み始めたとき、後ろからまた、声が響いた。
『もう沈みきったみたいだ』
花咲いて
今年も向日葵咲いたよ…写真の中の君に語り掛ける…色褪せた写真の中なのに、向日葵のように眩しい笑顔…そんな君に今でも…
「ねぇ、貴方。憶えていますか。わたしたちが初めて…会った時のことを。」
あの時の貴方は、どこか寂しげによく微笑む人でした。貴方は、わたしの知りうる、どの男の人よりも凪のように穏やかで優しい人でした。
そして、今まで知りうる どんな人よりも、貴方は心を見せぬ人でした。
貴方と初めて逢った、あの日。花蘇芳が咲き乱れる中で行われた、婚礼の儀の後のことを。
あの時のわたしは、とても不安でした。幼き頃に決まっていた方とは違い、貴方のことも、貴方の一族のことも、貴方の国のことも、なにも聞かされませんでした。
だからこそ、とても怖くて、恐ろしくて、これからのわたしの人生がどのように変化するのか分からず、不安が募っていきました。
でも、貴方が婚礼の後、こう云ってくれたのです。
「おなご…だからと、妻…だからと、男の私にむりに付き従わないでほしい。貴女らしく、生きてほしい。一緒に手を取り合い、貴女と生きていきたい」と。
貴方のその言葉でわたしは、募った不安と緊張が解け出して、涙が頬を伝い落ちました。安堵の涙でした。『嗚呼、この人で本当に良かった。』と、心から思えた時でした。
だから、花蘇芳が咲くと思い出す。最愛の貴方のとの出逢いのことを、貴方が心を開いてくれたことを、貴方と過ごした幸せな日々を。
#花咲いて (これは作り話です。)
『気付いて!私はここなの!一緒に遊びましょ!』
誰の声だろうか。遠くにいるような、小さな小さな
声だった。1面の桜の木の下で、花びらが1枚、2枚と落ちていく中で、子供らしき声が聞こえた。
辺りを見回しても、誰もいない。僕は、そっと木に手をかざしてみた。真下で声が聞こえる。下を見ると、花びらだった。花びらが話すなんて、ちょっと物語みたいな話だけど、冗談じゃない。
その叫ぶ花びらを取って、ニコッと笑う僕。
花びらは、その小さな声で、ふふっと笑った。
僕はその花びらを家に持ち帰り、水に入れてあげた。花びらは気持ちよさそうに泳ぐ。花びらの名前を決めてみた。『2人』で悩んだ結果、「桜子」になった。桜子は、とても純粋で、可愛かった。
その日の夜、夜ご飯を食べると、桜子が、お腹がすいたと言うらしい。花びらは、何か食べるのかな?笑いながら、考えた。桜子はどうやら、水だけで
いいらしかった。別の水を用意して、桜子に飲ませると、とても美味しいらしかった。次の日、なぜか桜子は枯れていた。急いで新しい水に変えるが、
もう手遅れだった。涙をふいて、外の土に埋めてあげた。誰も来ない土の中に、自分の看板を立てて。水をあげて。まさか育つことはないだろうと思っていたが、とりあえず、水をあげて観察はした。
次の日、小さな芽が出ていた。これは、もしかして、と思って、水やりを続けた。
7月31日、7月最後の日だった。
なんと、桜子はたくましい桜の木になってたんだ。
育てた甲斐があったと思いながら、桜子のもう大人になった身体に、そっと、手をかざす。あの日を思い出す。あの日も、こうやって、手をかざしたっけ。桜子の笑い声が、僕に染み渡った。
花咲いて
月下美人、一晩だけ咲いて終わってしまう白い大きな花。ご存知の方も多いと思います。
我が家には、義母から預かっている月下美人の大きな鉢があります。預かってもう5年くらい。
初めは扱いが分からず、冬に室内に入れるのが遅れて、弱ってしまい焦りました。
翌春、弱った月火美人をどうにか元気にしたいと右往左往‥。結局、その夏に花は咲きませんでした。それから、いろいろ調べたりしてわたしなりに世話しました。その翌年の夏、花咲いてくれたんです!嬉しかったな〜。
今年は?肥料が足らないのか、鉢の植え替えが不味かったのか、二つしか咲きませんでした。残念!
これからも、月下美人との付き合いは続きます。
お義母さん、わたしちゃんと世話してますから安心してね。
少しずつ花が開いて来た気がする。
頑なだった蕾がようやく1枚ずつ
慎重に開き始めている
今日感じた自分の中の希望
今日感じた自分の中の嬉しさ
どうか花咲いて
どうか花咲いて
咲いて欲しいから何度でも言う
どうか花咲いて
どうか花咲いて
私の中の花。
キレイに咲いて。
#花咲いて -24-
花咲いて
貴方の姿を見掛ける度に心が波打つ。
周囲に紛れていても、日の光を浴びたように一際目立つ。
貴方が発した言ノ葉は、私の中で新たな力となって芽ぶく。
貴方が見せてくれた生き様は、私を原点へとおくり返す。
そして、生きる力を思い出させてくれる。
今にも枯れそうだった私の心にまた蕾がついた。
貴方という存在に出逢えたから。
貴方のように、私の花もいずれは花咲いて。
太陽のような貴方の傍には咲けなくても。
ほんの片隅でいい、想っていてもいいですか。
花咲いて
花が咲いてたらじっと見に行ってしまう。
のどやかな時間が取れて現実を忘れらていいよね。
彼 花咲いて 散りゆく
とある記事に書いてある文章。
その記事とは『奇病』の資料だ。
その中の一つ、『花吐き病』。
ゆっくりと視線を上げ、防犯カメラへ目線を送る。ああ、まただ…部屋が花まみれじゃあないか。
今宵は紅色か。体調が思わしくないのか、『恋』をしているのか……
____先生…先生…俺は…先生が好きなんです…でも、好きになればなるほど、花が紅く染まっていく。俺は…死んでしまうのでしょうか…?