色とりどり』の作文集

Open App

色とりどり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

1/9/2026, 11:35:02 AM

色とりどり

私が受けた義務教育に沿うと、まず光のどうこうで色があって、物体は光を吸収したり反射したりする。

簡単に光の色、物の色と言うことにして。それぞれを構成する色を全て揃えると、光は白、物は黒になるのはきっとご存知だろう。

納得のいく事象だと思う。
図画工作の筆洗いバケツが汚かったこと。かわいい色だったのに、魔女のスープに帰結することを不思議に思っていた。

1/9/2026, 10:19:06 AM

「歩幅」


短い足を精一杯前に出して歩く私の可愛い子供。
この子に歩幅をあわせて歩く。
ゆったりとした坂をゆっくりと歩く。
「あのねぇ」と話しかけるこの子はきっと何よりも
可愛い。
「ふふっ」口を軽く押さえて笑う声はまだ幼さない声。
でも仕草は大人に憧れているみたい。

そういえば私も彼と歩くときは彼に歩幅をあわせてもらっていたなぁ。

彼の歩幅は大きくて、私は小さかった。
でも彼は私にあわせて歩幅を小さくして「遅い」とか言わずに笑って2人でよく歩いた。
そんな彼が大好きで付き合って結婚して子供もできて
幸せだ。

私の人生は幸せで溢れている。
彼とこの子と歩幅を合わせて人生を歩んでいこう。

小さく可愛いうちの子はこれからどんどん大きく成長していくんだろうな。
この子が大きくなったら私の歩幅よりもこの子の歩幅が大きくなるのかな。

未来をしばし夢に見る。
愛しているよ。
何度も何度も伝えていきたい。

1/9/2026, 10:00:42 AM

少女の案内で訪れた家は、昔ながらの木造の民家だった。
引き戸を開けると、踏み固められた土の間に、吹き込む雪が白を添える。

「ここよ。ちょっと狭いけど、ゆっくりしていってね」
「おじゃまします」

少女に続いて、燈里《あかり》、冬玄《かずとら》、楓《かえで》の三人は中へと入る。雪を払い、広い土間から続く式台に上がり少女が部屋の戸を引くと、ぱちん、と火が爆ぜる音がした。遅れてじわりとした温かさが部屋の外へと広がっていく。

「遠くから、よぉ来てくれたねぇ。ささ、何もないとこだけんど、上がりんしゃい」

部屋の中。囲炉裏の前に腰を下ろした白髪の女性が囲炉裏の火を掻きながら、燈里たちを見て穏やかに微笑んだ。



「ばあちゃん。お姉さんたちね、もうヒガタを見たんだってさ」
「おや、そうなのかい。ならば今年も降りてくるんだろうから、戸締りをきっちりせんばいけんねぇ」

茶を出しながら話す少女に、女性はやはり穏やかに言葉を返す。
どうやらヒガタについて話しているようではあるものの、燈里たちには分からないものだ。

「あの、すみません。そのヒガタについて教えて頂けますか?」
「それと、あなたたちは誰で、何で手紙を送ってきたのかもね」

申し訳なさげに尋ねる燈里とは対照的に、楓は出された茶を啜りながら問いかける。その手にはいつの間にか手紙が握られており、ひらひらと動かしながら女性を見据えた。

「何だべ。何も言わんでここさ連れてきたんか」
「だって雪まみれで話すよりはいいかと思って。ごめんってば」

女性に謝りながらも、少女は手慣れた様子で燈里たちの前に茶菓子を置いていく。楓の湯飲みに新たに茶を注ぎ、女性と自分の分の湯飲みに茶を淹れると、ようやく腰を落ち着け頬を染め笑った。

「わたしね、継枝《つぐえだ》睦月《むつき》っていうの!一月に生まれたから睦月なんだよ。それでね、こっちがわたしのばあちゃん!」
「継枝久子《ひさこ》です」
「あ、私は――」
「手紙について聞きたいんだが、何故ここには誰も知りえないはずの娘とヒガタの話が書いてあるんだ?」

燈里の言葉を遮り、冬玄は手紙の内容についての疑問を切り出した。
咎めるような燈里の視線を気にせず、冬玄の目は鋭く久子を見据えている。

「手紙には、昔ヒガタについて行った娘がいて、その後からヒガタに似た何かが現れるようになったとあるけど、これじゃあ娘が原因で本当のヒガタが変質したようにも捉えられるよね。というか、これじゃあただの三流の創作話だ……この手紙を送った本当の意味は何なのかな」

楓も久子を見据え、疑問を口にする。口元は笑みが浮かんでいるものの、その視線は鋭い。
二人の視線の強さに、燈里と睦月は息を呑んだ。だが久子だけは穏やかな笑みを崩さず、湯飲みを手に取り茶を啜った。

「その手紙は、私が書いたんだ。睦月の見た夢の内容を書き記して、手当たり次第に手紙を送った……あんたたちだけだ、来てくれたんは」
「夢?」

久子の言葉に、燈里は密かに眉を寄せた。自身が今まで見てきた現実との境が分かりにくい夢を思い出し、湯飲みを持つ手に力が籠る。
もし睦月が見た夢というのが燈里の見たものと同じ類のものであるとするならば、自ずと手紙を送った理由はある程度予想はつく。

「睦月はなぁ、時々変な夢さ見る。ただの夢と区別はつかんが、手紙に書いた夢の内容だけは確かだ」
「何故言い切れる?」
「この娘を知ってるからねぇ」

口調こそは穏やかだが、その声音はどこか悲痛に沈んでいる。過去の後悔を寂しさを思い起こすように、茶うけに出された金平糖を伸ばす。
色とりどりの金平糖の中から、白と赤を手に取る。掌で転がして久子は懐かしむように目を細めた。

「咲子《さくこ》はなぁ、一番の友達だった。しっかりもんで家の手伝いもよぉやるええ子でな、弟が生きてた頃は進んで面倒も見てたもんだ」

また一つ、今度は青の金平糖を掌に乗せる。赤と離すように、白と青を転がした。

「咲子がいねくなったことは、朝に知った。雪かきさしてっときに、大人たちが慌てて村中を駆け回ってな。咲子ぉ、咲子ぉって、呼ぶんだ。咲子のおっかさんが泣きながらうちんとこさ来てな、咲子が来てねぇか聞くんだ……結局、見つかんねかった」

白の金平糖をつまみ、久子は口に放り込んだ。口の中で転がして、小さく息を吐く。

「モドキが出たんは、その次の年だ。山の入り口にぼぅっと突っ立っててなぁ、一目でちげぇって思った。皆怖がって家から出んかったのになぁ……」

ころころと金平糖を転がし、久子は呟く。青が赤に近づきぶつかって、久子はその二つを口にする。何もなくなった手のひらを見て、疲れたように笑った。

「手紙さ書いたんは、何があったんか知りたいのもあるが、誰かに覚えててもらいてぇって思ったからだ。咲子んこと、ヒガタんこと……この村の小正月の祭りんことも、全部なくなってくんが寂しくてなぁ」
「久子さん……」

何も言えず、燈里は目を伏せた。
久子は何かを求めている訳ではない。多くを諦めて、せめて僅かでも残ればと、そう思っているのだろう。

「ありがとうな。こんな遠いとこまで来てくれて、話さ聞いてくれて。今夜はご馳走にするから、泊まってけ。ゆっくりしてってな」

俯く視界に、茶請けの皿が映る。金平糖や落雁、大福など、色とりどりの和菓子が燈里たちのために盛られている。
一つ、黄色い金平糖に手を伸ばす。手の中で転がして、燈里は静かに顔を上げた。

「ありがとうございます。しばらくここにお世話になってもよろしいでしょうか?」
「あぁ、好きなだけいるといい。ただ、夜は外に出んでくれ。外に繋がる戸を開けてもいけないよ」

ヒガタが来るから。

そう告げる久子に、燈里は手の中の金平糖を握りしめて、礼をした。



20260108 『色とりどり』

1/9/2026, 9:57:29 AM

わたしには、この世界が色彩に見えるよ。
 来る途中で読み終わった本について話すあたしに、君はそんなようなことを言った。

 あたしの頭に、君と一緒に観た絵画が浮かぶ。シャガールのブルー、魁夷のグリーン。惹かれる色彩は君とどこか似ていた。

 長い映画を見終わって、暗い劇場から外に出た瞬間の、景色が輪郭を際立たせる感じ。真夏のプールから見上げた空の眩しさ。あたしにとって色彩は、たぶんなにか特別の響きがある。

 それ以上なにも言わず、君は薄く微笑んだ。あの時君に線を引かれた。色とりどりの綺麗な線を。


『色とりどり』

1/9/2026, 9:56:47 AM

色とりどりのお墓があっても良いと思う



「色とりどり」

1/9/2026, 9:55:52 AM

遊園地かショッピングモールだったか、『色とりどり』のバルーンに惹かれてそれをねだり、でもそうすると、買ってもらうのならどれか一個、このうちの一色だけに決めなくてはならなくて。

 それでまぁとにかく選んで、それを買ってもらって手に持つのだけど、最初にバルーンを見たときに感じたワクワク感はなくなっていて、なんか違う、なんか足りない……って気持ちになってしまう──。


「ええと……なんのハナシ?」
「いいな、と思ったのはそのときの、総合的な雰囲気のせいで、実際にそこから一つを選んでみたら、がっかりしちゃうこともあるじゃない? ってハナシ」
「……がっかりされたくない、くらいには。俺のこと、考えてくれてる?」
「え? っと、あの、」
「なるほど、そうやって遠回しに本気かどうかを推し量っている、と」
「じゃなくて! つまり……たぶんだけど、気の迷いなんじゃないかな、だって私なんかのことを、その、」
「これください! って、ちゃんと選んだの! 観念しろっての!」
「〜〜〜〜っっっ!」

1/9/2026, 9:55:34 AM

陽光が白いタイルを焼き、眩しさに満ちた昼下がり。美世はテラスの椅子に深く腰掛け、手元の書物に視線を落としていた。その美しい横顔は、周囲の穏やかな空気から切り離されたかのように真剣だ。足元でうごめく幼い存在など、最初から存在しないかのように、彼女の瞳は活字だけを追っている。
 そのすぐ近く。ハルは、ぽてぽて、と頼りない足取りでタイルを歩いていた。重心が安定しない幼児特有の歩き方。短い足が交互に繰り出されるたび、もちもちとした太ももが小さく揺れる。ハルは、てく、と一歩進んでは、ふらり、と身体を揺らし、んしょんしょ、と声を漏らして体勢を立て直した。
 ハルの視線の先には、庭園に咲き乱れる花々があった。赤、黄色、紫、白。陽光を浴びて輝くそれらは、ハルにとって強烈な色彩の塊である。
 ハルは、てちてち、と花壇の縁まで歩み寄り、ぺちっ、と小さな手を石の縁についた。指先はぷにぷにと柔らかく、関節の場所には小さなくぼみがある。ハルは、ぽわん、と半開きの目をさらに細め、目の前の鮮やかな景色を見つめる。

「ん……あか。……きいろ、あお、も。……きれ、ぇー」

 ハルは知っている色の名前を一文字ずつ確かめるように呟く。
 『きれい』。その言葉すら、吐息とともに消えてしまいそうなほどにたどたどしい。ハルにとって、目の前の景色は「いろ」がたくさんある、不思議で特別な場所だった。
「ん、ふーっ」
 ハルは鼻を鳴らしながら、花壇に手を伸ばす。しかし、1歳の幼児にとって、狙った場所へ正確に指を伸ばすのは容易ではない。指先は何度も何度も空を切り、ふらっと上半身が前に傾く。

「あわ、あわ……わわ」

 と、両手を回してバランスを取り、なんとか転倒を免れる。
 ハルは、ぽやんとした表情のまま、足元に落ちていた花びらを見つけた。それは風に吹かれて集まった、さまざまな色の重なりだった。ハルは、んしょっと腰を下ろす。おむつの膨らみでぽんっと丸くなったお尻が、ぺたりとタイルに吸い付く。そのお腹がぽっこりと突き出たシルエットが、逆光の中に浮かび上がる。
 ハルは不器用な手つきで花びらを拾おうとする。人差し指と親指でつまもうとして、肉厚の指先がもちもちしすぎているせいで、掠りもしない。

「ぁ……に、げ……め!」

 何度も、しゅるっと指の間から逃げていく。上手くいかないことに、不機嫌にむっとしながらも諦めず、さらに鼻息を荒くして挑戦し続ける。

「ふん……すっ、むぷー……んん」

 ようやく掴んだ数枚の花びらを、ハルは大事そうにお餅みたいなてのひらに乗せた。そして、ぴょこっと顔を上げ、テラスに座る美世を見る。

「せんせ……あ、て。……いろ。……いろ、いっぱい」

 ハルは、よたよたっと立ち上がる。むちむちした膝を震わせ、じりじりと美世の方へ歩き出した。まあるいてのひらの上の花びらを落とさないように、関節がほとんど無いも同然の肘を曲げて固定しているため、その動きはますますぎこちない。ぴょてっと足がもつれそうになるたび、ハルの顔に緊張が走る。

「ぴょ、ぴょ……ぽす、ぽ、す」

 美世の影の内、あと一歩というところでハルは立ち止まった。きゅうっと喉を鳴らしてほんのわずかに笑う。珍しく細められた目が、にへらっと不器用に光る。

「せんせ。……これ、いろ。……きれー、なの。……みる、して」

 ハルは、ぷにぷにのてのひらを美世に差し出した。そこには、赤や紫、黄色の破片が混ざり合い、鮮やかなコントラストを描いている。ハルが知る限りの、最高の「いろ」の集まりだ。
 しかし、美世はページをめくる手を止めない。視線すら落とさず、ただ冷ややかに、そこに存在し続ける。ハルの差し出した手も、必死に紡いだ言葉も、すべてが無機質な壁に跳ね返される。美世はハルがすぐそばで花びらを差し出していることを完全に把握しているが、それを一顧だにしないことで、ハルの存在を否定し続けていた。

「ん……ぅ?」

 ハルは、むちむちと何重にも線の入った首を傾げた。数秒の間を置いてから、もう一度声を出す。聞こえなかったのだと、勘違いしたようだ。

「せんせ、みて。……あか、も……き、ーろ、も……ある。……せんせ……あげる、した」

 美世の周囲の空気は、少しの変化もなく凍りついたままだ。ハルがどんなに慕わしげな視線を向けても、甘えてみせても、可愛子ぶっても。その拒絶が揺らぐことはない。ページをめくる、かさり、という音だけが、ハルの言葉を遮るように響く。
 無視され続ける時間が長くなるにつれ、ハルの表情からにこにこ笑顔が消えていく。ぽわっ、としていた目は不安げに揺れ始め、うるうると湿り気を帯びていく。大好きな「せんせい」の視界に自分が入っていないという事実は、ハルにとって受け入れられないものだった。

「ん……んぅ……。ね、ね……せんせ……? はる、ここ。……ここ、いる。……みる、して、ね……っ?」

 ハルは、びくっと身体を震わせた。美世は徹底してハルを無視し、読書を続けている。その冷徹な横顔には、ハルの焦燥や悲しみに対する関心など微塵も存在しない。
 差し出していた腕が、ぷるぷると震えだす。てのひらの上の花びらが、はらりとタイルにこぼれ落ちた。色とりどりの輝きが無慈悲な白さの上に散らばっていく。
 ハルはそれに気づく様子もなく、ただひたすらに、一向に自分を見ない美世の瞳を追い求めている。

「んっ、ふぇ……ぇ、ぐっ、ぁ……」

 そのストレスでハルの呼吸は乱れ、過呼吸に近くなっていた。泣き出すのを堪えるように、むちむちした手を握りしめる。美世に触れることは許されない。これ以上しつこく話しかければ、もっと無視される。わかっているのに、やめるという理性は働かない。
 美世は本を読み終えたのか、静かに本を閉じた。そして、足元で震えるハルに視線を向けることすらなく、ゆっくりと立ち上がり、歩き出す。
 そして、その冷たく磨かれた革靴の底が、タイルに散らばったばかりの鮮やかな色彩の上に、何のためらいもなく下ろされる。
 ──ぐしゃり。
 微かな、乾いた音が響いた。薄く繊細な花びらは、硬い靴底とタイルの間で無惨にすり潰され、原形をとどめないほど散り散りになる。ハルが集めた鮮やかな「いろ」は、一瞬にして、ただの汚れたシミへと変わった。
 ハルの動きが、ぴたっと止まった。ぽやり、としていた目が大きく見開かれ、みるみるうちに涙が溢れ出していく。大好きな「せんせい」が、自分の一番大切なものを、まるで道端のゴミのように踏み潰した。その事実がハルの小さな胸に耐え難い衝撃を与える。
 一方、美世は足裏の感触など気にも留めず、そのまま優雅な足取りでテラスを去ろうと足を進めた。ハルの存在も、ハルが集めた宝物も、彼女にとっては認識する価値すらない塵芥に過ぎない。完璧な無視。
 ハルは、呆然と涙を流しながら、自分の足元を見た。

「ぁ……あ……っ」

 ハルは、ひっ、と喉を鳴らしてしゃくり上げた。ひっくひっく、と引き攣れた声と同時に、ぽたぽたと大粒の涙が落ちる。立て続けに流れる涙が、無惨に潰された残骸を濡らす。
 そしてハルは唐突に、無我夢中で美世の行く手を遮ろうと走り出した。よろよろ、と立ち上がり、おむつで膨らんだお尻を左右に揺らしながら、不器用で転びそうな走りで美世の前に躍り出る。短い足を一生懸命に動かし、てちてちと必死に足元へ縋り付こうとする。

「うっ、やっ! ……やーっ! ……はるの……いろ、さん……! ……せんせ、い、やーっっ!」

 ハルは、太い両腕をぶんぶんと振り回し、顔を真っ赤にして抗議の声を上げた。普段のぼんやりした様子は消え、激しい感情の昂ぶりに身体を震わせる。もちもちとした頬は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになり、ひっ、ひっ、と短い悲鳴のような呼吸を繰り返す。
 ぐしゃり、と音を立てて潰された花びらの残骸。それはハルにとって、大好きな美世に見せたかった、この世で一番綺麗なものだった。

「ぅ、あーっ……! ……せんせ、や。……き、らいっ! だい、き……らいっ!!」

 ハルは、真っ赤な顔をして叫んだ。むちむちとした小さな拳を握りしめ、地面を、ばんばんと叩く。自分の一番大切なものを平気で踏みつけた美世に対し、ハルの胸の奥から、経験したことのないような熱いなにかが込み上げてくる。
 その声が聞こえているだろうに、美世は立ち止まらない。目の前に立ちはだかるハルを、道に転がっている石ころか何かのように、冷たく淡々と避けて歩みを進める。ハルの小さな抵抗など、彼女の歩みを一歩たりとも止めさせる理由にはなり得ない。
 ハルにとって、「きらい」は絶望を意味する言葉だ。美世にそんな言葉を言われたら、真っ暗闇に取り残されたときと同じほどに、世界が粉々になる。でも、その言葉も、美世には全く影響がなかった。それがハルをさらに追い詰めた。

「ううーっ! ……はる、……おこ、た! ……せんせ、いじ、わる……っ!」

 ハルは、だんっと膝をつきながらも、去りゆく美世の裾を掴もうとぷにぷにの手を伸ばした。しかし、美世は汚いものを避けるように、鋭く一歩退いてそれを回避する。ハルの手は虚しく空を切り、勢い余って、どてんっとタイルに転がった。
 ぽっこりと出たお腹が地面に打ち付けられ、ハルは、だんっと鈍い音を立てて倒れ込む。

「ん……ぁ……、あうぅぅ……っ!!」

 ハルは、顔を地面に伏せたまま、激しく泣きじゃくった。むちむちとした手足でタイルを叩き、全身で拒絶と悲しみを表現する。普段のぼんやりとしたハルからは想像もつかないほど、その泣き声は大きく、激しく、庭園に響き渡る。
 美世は一度も振り返らない。ハルが地面でのたうち回り、どれほど喉を枯らして叫んでも、彼女の背中には一欠片の慈悲も浮かばなかった。
 ハルは、ぐらぐらと頭を揺らしながら顔を上げ、散り散りになった花びらの残骸を見つめた。潰され、茶色く変色し始めたそれは、もう二度ときれいな色には戻らない。

「あぅ……っ、ん、んやー……っ!!」

 ハルは、自分を置き去りにして遠ざかる美世の背中を濡れた瞳で見つめ続ける。本能的な見捨てられ不安が、ハルの小さな心を激しく締め付けた。どんなに無視されても、宝物を踏みにじられても、ハルは美世しか寿司じゃない。
 ハルは、ぴとりと自分の掌を頬に当ててしゃくり上げながら、去っていった美世の幻を追いかけるようにその場に丸まった。



#色とりどり
26.1.9

1/9/2026, 9:50:36 AM

色とりどり

スマホの写真フォルダは、色とりどりで彼との思い出で溢れている。
スクロールしてもしても、終わりにはたどり着かない。

半分ほどスクロールしてから、私は写真フォルダを見るのを辞める。
代わりにカメラを起動して、パシャリと音を立てた。
また1枚、私の色とりどりの写真フォルダに、新しい色が追加された。

1/9/2026, 9:43:13 AM

色とりどり

はーいクリスマスプレゼント
真っ赤な包装紙に金色のリボン

贈り物慣れしている孫は
サッとひと引きでリボンを解いた

色とりどり36色のマーカーが鮮やかに花を添える…はずだった
ところが包みから顔を出したのは
原色とは程遠い渋めの色あいのキャップで
私はそれらを二度見して端末の画像で色選びをしたことを後悔し始めていた

ネエ描いていい?
孫は私の動揺には無頓着で得意の女の子をスラスラ描き始めた

あのね
これは重ね塗りやグラデーションを楽しめるペンなんだよ…私は苦し紛れの説明を付け加えた
言い終える前に彼女は新たな色を手にとりスッと重ねていた
色とりどりとは程遠いカラーラインナップのペン先から現れる彼女独自の色たち

お絵描きの大好きな子に届けてね
とカード書き添えていた
ばあばからサンタさんへのリクエスト通り

孫はあっという間に36色を自分流の色合いに変え増やして見せた
温かみのある一枚の絵からはエネルギーに満ちたハッピーオーラが溢れ出ていたわ
いつの間にか好きが高じて自分の色を作れるまでに成長していたのね

1/9/2026, 9:41:14 AM

. 色とりどり



思い出せば思い出すほど、君のおかげで僕の人生はまるで虹色で。
告白した時の君の照れた顔は真っ赤で、君が初めて作ってくれたハンバーグは真っ黒で、共に囲んだ食卓は暖かい色味で、君の指に嵌めたお揃いの指輪は銀色で、今目の前でベールを被る君は、真っ白なのに、今まで見てきたどの色たちより 輝いている。

1/9/2026, 9:39:14 AM

あ、やべ

どした?

箸落とした
いや、でも、大丈夫

何が

3秒ルール
たぶんあたし0.1秒で拾った

嘘をつけ
10秒ぐらい地上にいたろその箸

知らぬが仏つってね
ほれ、あんたも早くお弁当食べないと昼休み終わっちゃうよ

わかってるって

カパ

何カパって

お弁当の蓋を開けた音でしょうが

擬音を口で刻むな

刻むのはビートとネギだけにしとけって?

言ってない

あたしハンバーグ師匠みたいになりたいからさ
こういう言葉遊びには黙ってられないの

スピードワゴンだっけ
その人

はんばああああああああぐ

やかまし

あ、ラッキー
今日の弁当、ハンバーグが2つも入ってる

ほんとだ、いいなあ
あんたのお母さんのハンバーグ、うまいもんな

でしょ
口うるさいけど料理だけは尊敬してんの

それお母さんの前で言える?

母上のことは世界一尊敬しておりますゆえそんな戯言は例え寝言であっても口に出すなんて滅相もございません

恐妻家ならぬ恐母家よな、あんたんちって

うちは母が一番強いから
あ、あんたの弁当はもしや3色弁当?


たまに食べたくなんだよね

さすが料理上手
今日も自作?

うん

うわあすげえ
黄色と茶色とオレンジ
って、なんか暖色縛り?

いや冷蔵後に卵とひき肉と人参しかなかったから仕方なく

なるほどん
じゃああたしのハンバーグの下にあったレタスあげる

それあんたが苦手だからでしょ
ちゃんと葉っぱも食べなさい

えー
あんまり好きじゃない

我が家がレタス農家と知っての狼藉か

うわ!そうだった!
食べます食べます
レタスまじうめえ

調子の良いやつめ
まあそうだなあ、頑張って食べたあなたには
これを授けましょう

なにこれ

この前ガチャガチャでひいたレタスのミニチュア

えーいらない

……

ちょ、そんな悲しそうな顔しないでよ
わかったよ、もらうもらう
ありがと丸

パァァァ

あたしの歓喜の擬音を口で刻むな

刻むのはビートとネギだけに

やかましい

1/9/2026, 9:38:16 AM

「色とりどり」

ネオンに彩られた店内はまるでクラブのようで酔えるもんも酔えない。映える居酒屋に行こうと誘われてついてきたはいいが1秒ごとに色が変わるネオンに疲れてしまった。
会計しとくから、と自撮りしまくっている友達を外に追い出した。
ふと財布を出す手が止まる。
それは店員の彼女の服と頭がありえないほど奇抜だったからではない。
「小学校…一緒だった…?」
おそるおそる声をかけると驚きで目が大きく開かれた。
私は鳥肌が立った。
クラスに一人はいるおしゃれな女の子だった。
ゆるくウェーブした髪にスパンコールで「SMILE」と書かれたスウェットを着て小学生ながらスキニージーンズを着こなしていた。
新しいものや可愛いものをたくさん持っていて人気者だった。そこまで仲がいいわけではなかったけれど、何人かでお揃いのものを持ってたりした。

「久しぶりじゃーん」
じゃらじゃらと指輪を鳴らして親しげに手を振る。
なんていうスタイルなんだろう?ストリート?ロリータ?ダメージ加工されたTシャツにふわふわのパニエとビビッドピンクのスカートを合わせている。
まさにちくはぐだけれど、ネオン映えを売りにしている独特な居酒屋だから浮いていない。
しかし彼女から目が離せないのはその服装のせいではなかった。
まるで万華鏡のような瞳だった。人形の目に使われるビー玉のような。
白目がほとんど見えない大きな瞳でネオンに照らされているのかくるくると色とりどりの虹彩が回る。
おそらくカラーコンタクトレンズなんだろうけど、じっと見てると催眠術をかけられそうだ。
まるで人ならざるもののような感じがして私は早々に店を後にした。
後日親に彼女のことを話した。母親はありえない、というように眉をひそめた。
「あの子亡くなってるわよ。モデル撮影のスタジオで火事があって。遺体も残らなかったって事務所から連絡があったそうよ」

1/9/2026, 9:37:34 AM

日々いろとりどりに変化し舞う風景に

子どもの純粋な思いに触れ考えさせられて


置き去りのままの遺してく大問題なことがらに…

この子たちに何を託せるのか

それも自我として託していいのか…


この子たちの優しい眼差しに…

私たちは優しい記憶を少しでも遺せるのか…


この問題山積の社会の中で……


……


だいそれた事では…

きっとないな…


だからと言ってどうでもいい

ことじゃさみしすぎるから……


誰も傷つけない

優しい夢を

素敵な夢を

君に引き継げるかな


今日も回ってる愛しき世界

この世界

君と明日も回してこう〜♪


進化論 Mr.Children

1/9/2026, 9:36:58 AM

【色とりどり】

モノクロの世界の住人が
色彩を帯びて顔色を変える

ずっと目で追っていた色は自分が付けていて
『嗚呼、あなたはこんな人だったのね』は
自分に向けた言葉なのかもしれない

1/9/2026, 9:35:13 AM

冬の多肉 色とりどりの表情を
僕と会うこと知ってるように




#色とりどり

1/9/2026, 9:30:29 AM

題名:色とりどり

春の桜も、夏の海も、秋の紅葉も、なくなった冬。

なんとも思えない日々を過ごす。

北風に流されていく枯れ葉だな、私は。

そう思いながらまた、今日が過ぎた。

1/9/2026, 9:22:42 AM

〈色とりどり〉

 年始の街は、いつもより浮かれている気がする。
 初売りに家族で出かけるのは、いつ以来だろう。正直、家で寝ていたかった気持ちもある。でも来てみると、思っていたより悪くない。

 百貨店のドアをくぐった瞬間、空気が変わる。外の寒さや人混みから切り離されて、明るさと音楽と人の声が一斉に流れ込んでくる。

「やっぱり混んでるわねえ」

 母はそう言いながらも、どこか楽しそうだ。
 父は入口で一度立ち止まり、フロア案内を見上げてから言った。

「俺、上の書店に行ってくるよ。時間になったらいつもの喫茶店で」

 それぞれの目的に分かれるのは、いつものことだった。私は母のあとについて、婦人服売り場へ向かう。

 店内には、色があふれていた。
 赤いセールの文字、金色の飾り、マネキンが着せられた淡い色のコート。コスメ売り場からは、花の名前がついた香りが漂ってくる。
 普段からこんなに色があっただろうか、と不意に思う。

 「ねえ、これどう思う?」

 母に声をかけられ、マフラーを手に取る。深い緑色で、端に小さな刺繍がある。

 「いいんじゃない。似合いそう」

 そう答えながら、指先で布の感触を確かめる。柔らかくて、少しだけ温かい。

 母は笑って、マフラーを元に戻したあと、何気ない調子で言った。
「何か上の空ね?」
「久しぶりにこういうところに来たから、色々目に入って。
 ぼーっとしちゃった」
「あんた、毎日忙しいもんね。
 朝早くに出て、夜遅くに帰ってくるから」

 責めるでも、同情するでもない声だった。
 ただ事実を言っただけの、静かな口調。
 私は「そうだね」と返しながら、胸の中では自分の在り方に戸惑っていた。

 仕事のある日は、決まった道しか通らない。まだ暗いうちに家を出て、夜になって帰る。見る景色は、グレーのビルと、白い灯と、スマートフォンの画面くらいだ。季節の色が変わっていくことに、気づく余裕もなかった。
 忙しいのは嫌いじゃない。仕事をしている自分は、ちゃんと立っている感じがする。でも、その代わりに、何かを見落としていたのかもしれない。

 エスカレーターで上の階に上がる。
 見下ろすと、フロア全体がひとつの模様みたいに広がっている。人の服の色、紙袋のロゴ、照明の光。それぞれが違うのに、うるさくはない。

 こんなに色とりどりだったっけ。
 街も、世界も。

 単一の景色しか見えていなかったのは、世界が狭かったからじゃない。自分が、そこしか見ていなかっただけだ。そう思うと、少しだけ可笑しくなる。

 時間を見て、母と喫茶店へ向かう。
 奥の席に、父が先に座っていた。紙袋から、分厚い本の背表紙がのぞいている。

 「やっぱり混んでた?」

 父はそう言って笑い、コーヒーを一口飲む。
 テーブルの上には、運ばれてきた紅茶の琥珀色、ショートケーキのイチゴの赤とクリームの白、窓から差し込む冬の光。

 カップを持つと、湯気が立ちのぼる。
 きれいだ、と思う。

 忙しい日々もきっと続くけど、無理に何かを変えなくてもいい。
 顔を上げれば、世界はこんなふうに、ちゃんと色づいている。
 それをきれいだ、と感じる。それだけで十分な気がした。

 そう気づけただけで、有意義な一日だった。

──────

都会のお店って、何であんなに鮮やかなんでしょうね……デパ地下とかキラキラしすぎて、めまいがします……

1/9/2026, 9:17:58 AM

色とりどり

色は何千種類もある。
人も同じだ。

人には人の考えがある。
人には人の感覚がある。

好きな音楽、好きなこと、好きなスポーツ

人は全く別物。

その別物とどうやって付き合っていくのか。
それが生きてく上で大事だ。

1/9/2026, 9:14:35 AM

色とりどり

沢山の種類の色があるみたいに
沢山の個性もある。
みんなそれぞれ持っている素敵な個性は
誇っていいもの。
自分を大切に。
そして他の誰かの個性を大切にしよう。

1/9/2026, 9:14:17 AM

色とりどり

「うわ、すげえ」
趣味のソロキャンプに来た俺。
初めて来た場所。ということもあり、いろいろと散策していると、色とりどりの花が咲き誇る場所に辿り着いた。
「ホント、すげえな」
一面に広がる花々。そんなに花に興味があるわけではない俺でも、その景色に胸が震える。
「いつか彼女ができたら、この場所に連れて来たいな」
そよ風に揺れる花々を目に焼き付け、その場を後にしたのだった。

Next