『胸の鼓動』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
子供の頃にしてもらったこと
やってしまったこと…
大人になってふと思い出し
連なるように記憶が引き出される
亡くなった祖母の記憶
次々出てくる記憶に
「よくこんなこと覚えてたなぁ 笑」
と思うほど何気ない、けれど
笑い合い楽しんでいた頃のものがあった
寝ようと目を閉じていた顔に
自然と笑みが溢れる
いくつか見れて幸せだ
そこに暗い記憶がひとつ
背中に水滴が落ちたように
ヒヤッとすると同時に胸が微かに震える
ひとつ、ふたつとポツポツと
水滴がいつの間にか涙になって流れていく
優しい記憶がほとんどでも
時にそうした記憶が作り出されるのは
仕方のないことだろう
今日のところは
優しい記憶を追加で思い出し
おばあちゃんに感謝の気持ちを述べて
もう一度眠りにつくことにした
私の胸を打つ記憶
そうした記憶が私をつくり
その私が人の記憶の源となる
こうして人は循環していくのかもしれない
健康診断を受けるたびに心電図に異常ありという説明を受ける。
詳細は控えるが、生活に一切支障をきたさない、制限もない。
異常はある。が、問題ではない。と、どのお医者さんも仰るので気にはしていない。
原理はわかんないけど動けばいいんだよ
ウィスタリア、覚えてる?
僕が庭で転んで怪我した時。
君はキッチンで叔母さんに手伝ってもらってクッキーを焼いてたよね。
チョコチップ入りのザクザクしたクッキー。
僕が座り込んで泣くばかりだから慌てて走ってきて出来たてのクッキーを分けてくれたよね。
甘くて美味しかったな。
その後は手を引いて立たせてくれて、僕もケロッとして2人でおやつの時間を楽しんだね。
もしまた食べたいと伝えたら君はまた分けてくれる?
あの後僕たち気軽に会うことが出来なくなったよね。
そう、確かお爺様とお祖母様から君に会うことを禁止されたんだ。
「あいつらは私たちの家を裏切ったのよ!」なんて、笑えるよね。
勝手に裏切られた気になってたのはあいつらだけの癖に。
なぁウィスタリア、君が僕の人生から居なくなってから散々だったんだよ。
だから、だからね、君を見かけたあの日救われる気がしたんだ。
傷ついた僕に甘いクッキーをくれた時みたいに、今の僕も慰めて手を引いてくれるんじゃないかって。
でも助けてもらうには、僕はもうひねくれ過ぎていて。
差し出してくれた君の手を払ってしまった。
(どうせお前に分かるわけない、今まで恵まれて生きてきたお前なんかに。)って、そんな朗らかな君からの救いを望んでいたのは僕なのに。
今だから言える。あの時は手を差し伸べてくれてありがとう。
もういいよ、僕は君無しで立ち上がって生きていくから。
きっと僕たちは再開しない方が良かったんだ、いやいっそ出会わなければ良かったかもしれない。
そしたら僕も君も辛い思いをしなくて良かったのに。
君は救いの女神じゃなかったし、僕は救済される人間になれなかった。
君はただの優しい人間で、僕は人の道を踏み外した文字通り外道だったんだ。
今までありがとう、お幸せに。
✦胸の鼓動✦
なんだろうこの鼓動。
教室前まで来たのに開けられない。
ドアが開けられない。
教室が怖い学校が怖い。
心臓がバクバクいってる。
虐められてるわけじゃない。
嫌がらせさせられるわけじゃない。
でも怖いなんで特に理由がない。
母さんにも父さんにも先生にも友達にも
伝わらない。
本当に同仕様もない胸の鼓動。
胸の鼓動
生命とやらは、以外にもわかりやすい存在らしい。
常に音がするし、何かを思い出せばちくりと痛む。
下手に記憶など蒸し返せば、これは大変とばかりに暴れだす。
生命は素直だ。いくらだって追い詰められるし、いくらでも甘やかせる。
そしていくらでもつけ上がる。
誰かの生きる音を欲しがる。
あわよくば元凶が私であれとさえ思う。
傲慢な命は、今日も図々しく活動する。
勘違いばかりの心臓は、喪失を知ることから逃げる。
ある日、信頼とやらを学んだ。
嫌な動悸は消えて、ゆったりと息を吸えることを知った。
でももう少し、早く知りたかった。
もう目の前に、門出が見えてしまっているから。
友人が最近、恋をしたらしい。お相手は、よく利用するカフェの店員だそうだ。
まあそれは別にいい。毎日「今日のあの子の髪型が〜」だの、「毎日お疲れ様ですって言われて〜」
だのと聞かされるのは多少鬱陶しくもあるが、楽しそうで何よりだ。
だが俺は今、真剣に頭を抱えている。
理由は、友人が俺に送ってきたメールにある。
そのメールには「彼女への想いを綴った詩」が書かれていた。
別に詩を綴るのも構わない。読んで感想を、とあったので読んでみたのだが、その感想をどうしたものかと頭を抱えているのだ。
まず書き出しがこうだ。
【君に出会ったその日から、僕のハートのメトロノームがカッチコチ】
……初っ端から突っ込みたい気持ちになるのだが、何処がどうおかしいのかが明確に言語化できない。
取り敢えず『カッチコチ』はどうかと思う。
【君の顔を見るだけで、8ビートが止まらない。
おっとテンポアップだ!
16ビートに変わったぞ! ナンチッテ😜】
……おじさん構文を混ぜ込むのはよせ。照れ隠しなのかもしれないが、普通に考えてただただキモい。
【君が微笑んでくれるだけで、胸の鼓動がワルツを刻む】
不整脈か?
【ズンチャッチャ ズンチャッチャ】
その一文は必要か?
……いや、それを言ってしまったら、この詩自体の存在意義が揺らいでしまうな……。
【タラリラリラリラリラ チャッチャラ〜】
うるせえ、さっさと話を進めろ。
【君の事を思うだけで、僕の鼓動は速くなる。
テンポアップ テンポアップ
アハハ🤣 速すぎてもう聴き取れないよ〜】
……病院へ行け。不整脈で診てもらえ。
【僕がこんな風になってしまったのは、全部キミのせいだからネ!】
いや、日頃の不摂生の賜物だろう。
【ドキドキドックン、ドンドコドン!】
何の音?
【僕の気持ち、いつか君に伝わるといいな。
LOVE いつまでも
LOVE 永遠に…】
唐突に締めやがった。もっと纏める努力しろよ。
俺は暫く、何と返事をしたものかと頭を抱えた末、友人に対してメールを返信した。
『循環器系の診察をお勧めするよ』と。
お題『胸の鼓動』
胸の鼓動
いつも静かな心臓の鼓動、普通にしてたら聞こえない。
けど、嬉しい時、怖い時、疲れた時、苦しい時。
いてもたってもいられない時、未来が全然見えない時。
自分の寿命を削るみたいに、ドクドクと伝わってくる。
あの胸の奥がざわつく感覚、あんまり好きじゃないな。
「胸の鼓動」
跳ねる跳ねる
歩幅は同じ
速度も同じ
高く高く跳ねる音
全身に響く振動
行き先失う酸素たち
恋という感情を知ったとき、私は驚きと違和感でいっぱいでとにかく動揺した。
気づくとあの人のことを考えてて、LINEの通知を気にしてて、もっと知りたいと思ってて。
長時間お話したときはどきどきが止まらなくて、心臓が痛くて、不安になって調べてみた。「胸が痛い どきどきする」と調べても病気やストレスのことばかりでなんだかピンと来ないから、「 恋」と加えて少し恥ずかしくなりながら再検索。恋のどきどきについての説明をいくつか読んで、ナントカ神経とかホルモンとかはよく分からないけど、やっぱりきっとこのせいなんだろうと思った。抑える方法は書いてなかったからどうにもできなくてしばらく困ったけど。
本当に結構痛くて寝れないんだよな。
#胸の鼓動
《胸の鼓動》
トックントックン ドクドク ドキドキ バクバク ガンガン ドッドッドッドッドッドッドッドッ ドンガラドンガラドンガラドンガラ ズキューンズギャーンズキューンズギャーン トクトクトクトクトクトクトクトク コトリ……ぱた
猫の肩付近に顔を埋めると、小さく鼓動が聞こえる。
トクトクと、人間よりやや早い小さな心臓の音。
哺乳類の心臓は一生に打つ回数が決まっているらしい。
こんなに早く脈を打っていると、猫がすぐいなくなってしまうような気がして怖くなる。
どうかもっとゆっくり、のんびりと生きてほしい。できれば50年くらい、僕と一緒に暮らしてほしい。
「胸の鼓動」
見えやすい
分かりやすい
聴こえやすい
表面的なものに踊らされて
私の鼓動は揺らいでは止まる
私は私が生かしたいのに
私を生かしているのは誰なのだろう
最近、何を読んでも観ても楽しくなくなってきて、いっそ何もせずにぼーっとしたいのに、常に情報の刺激を求めるようになってしまう。現代人みたいだ。
暇が空けば、というよりは隙あらばSNSを開いて、求めた情報ではなく、わざわざ自分に起こってない出来事をみて、怒り疲れるのにスクロールする手は止まらない。
駅までの道、乗車中、乗り換えもすばやくイヤホンを装着し音楽を流す。
最近没頭していた、好きなキャラクターの二次創作もあらかた読み終え、毎日のように検索をかける虚無の時間に入った。
読んできたものも、全部良かったから読んだというより、求めるものを探して呼んで、良い感じの作品もあったが、更新が止まっていた。今作者は別のジャンルを最新更新しているから、もう書かないかもしれず、消沈した。
今はAI小説なるものもあるし、書き始めるのが恥ずかしいならこれでまず設定を打って簡単に書いてもらおうとした。求めた設定を打つだけでも最初はかなり恥ずかしかったが、今のAIは優秀で、誤字はあまりしないし、続きを、と送るとそれっぽい文を送り返してくれた。
私は訂正を入れるのに留まらず、いつの間にか自分で全文書いて送り付けて、AIはほぼ同じ文章を段落分けしたりして返してくる。
文芸仲間のようで楽しくて、この展開にするとどうなる?この文はどう見える?と質問と答えを繰り返した末に、一本長編の構想を自分で練り終わろうとしていた。
楽しかった。ずっと、何か書きたいと思う反面、書かずに読むだけで十分だと思っていた。
書くのは楽しい。これは麻薬だ。私の妄想をたしかにと思わせて没頭するために調べ物と、したい展開にするためにキャラの心の自然な流れを捨てないように丁寧を忘れない執念でできた、世界に一つだけの、整合性のとれた嘘。
世界に一つ、こんなにも煌めいているのに虚しい言葉があるだろうか。
この唯一が、私の心を満たして生きることに「続き」をくれた。
【胸の鼓動】
止まらないで一瞬
ぱっと光って消えちゃって
たるらったった たるらったった
もうすぐ時計は二時
明日はきっと普通の日
ハッピーターンチートデー
もう終わりのようなんで
パンとスープが欲しいデイズ
すやすや眠ろ
逃げないでね私
やることなんて嫌だって
たるらったった たるらったった
眠い目擦ってペンを持つ
明日はきっと面倒な日
バットターンダルイデー
君が居てくれるなら何とかなる
日常のありふれたデイズ
何歳になっても
面接は緊張する
人たらしのわたしでも
内心はやっぱり
ドキドキしてしまう
最近は、
Webでの面接にも
挑戦した
近い将来
『胸の鼓動』を感知して
面接時に
表示される時代が
くるかもしれない
全てが見透かされて
しまうのだ
くわばら くわばら
まー
胸の鼓動を震わすもの
それだけを求めて行きていけばいい。
心が動くもの、感性が動くもの
豊かな人生って、そういうもので形づくられてると
近頃そう思うのです。
胸の鼓動を震わすものは歳を重ねるごとに、悲しいけれど、少なくなっていくもの。
蟻の行列に心踊らせていたのに
間近にせまった夏休みに心踊らせていたのに
校庭に積もった薄い初雪に心踊らせていたのに。
だから日々、探しに行くのです。
いそがしすぎて大人になってしまった、この心を震わせる何かを。
日々、それを求めて生きていけばいいのです。
考えることが多すぎて疲れてしまったこの胸の、鼓動を小さく震わせてくれる何かを。
まだ微かに働く
触覚と嗅覚をフルオープンにして。
もう嘘はつけない
気のせいだと思いたかったのに
一番有り得ないと思ってたのに
顔を合わせれば喧嘩になって
いつも私の邪魔ばかりしてきて
なんで来るのよ! って思ってた
だけどいなかったらいないで少し気になって
友だちとのお話も上の空になってしまって
それなのにいつも喧嘩になって・・・
あいつが他の女の子と楽しそうにしているのを見て
何故か胸が痛かった
私にはあんな態度なのになんで?
嫌な奴ってムカついてるだけだと思ってたのに
でも違うんだって気付いちゃったんだ
私はあいつの事が気になってるんだって
私以外の女の子にそんな笑顔見せないでよ
私にもその笑顔見せてよ
そう思うようになってた
それに気付いてしまってからは
叫びまくる心臓の音と
喧嘩しかできない苛立ちと
素直になれない情けなさで
複雑な気持ちいっぱいで
今日もあいつとやり合うんだ
「胸の鼓動」
胸の鼓動
最近ワ〇ピース見たからどんどっとっとしか出てこねぇです。しばし休業中…
私は“つくる”のが好き
そんな事考えもせず時間も忘れてつくった。
そしたらキミがやって来て、
私の“つくった”を「好き」と言ってくれた。
もっとキミの「好き」が欲しくて一生懸命つくった。
キミはまた沢山の「好き」をくれた。
そしたら私の“好き”が分かってきた。
そして“嫌い”も分かってきた。
私は人の“つくった”を沢山見るようになった。
沢山の“好き”ができて、沢山の“嫌い”もできた。
私は初めて“嫌い”を口にした。
そしたらアナタがやって来て、
「僕もそれが嫌い」と言った。
アナタと嫌いを共有したらお互いを分かり合えて嬉しかった。
そしたらだんだん私の“つくった”が醜く見えてきた。
「嫌い」
私は“つくる”をやめてしばらく経つ。
そんなある時キミがやって来た。
私の“つくった”が気になると言う。
キミは私が断っても引かなかった。
私はヤケクソに“つくる”をした。
“きらい”が出来上がった。
私は情けなくて恥ずかしくて惨めだった。
目の前に広がる“きらい”の責任を押し付けるように私はキミを睨んだ。
キミは私の“嫌い”に目を向け口を開いた。
「やっぱり、好き」
…
私は私の“つくった”が嫌い。
でも、私は“つくる”が好き。
私はキミの側で“好き”に向かって走っている。
両腕を胸の前で強く抱き締める。そこに貴方はいないのに。
『胸の鼓動』
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