『胸の鼓動』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
俺が死んだ後、貴女の守りに加わって初めて、転生した貴女を見た時。その瞬間の俺がどれだけ心を震わせたか、想像していただけるでしょうか。
もう二度と会えないと思っていた方が、外形こそ違えど、同じ魂を持ったまま生を謳歌している姿を見守れる。そのことに、俺がどれだけ歓喜し、どれだけ救われたことか。
そう。二度と聞けないと信じていた貴女の胸の鼓動が、はっきりと間近に聞こえるのです。とくとくと、時に穏やかに、時に早鐘のように鳴るその音は、貴女の命がそこに息づいていることの証です。その音を聞くだけで、俺は心から安心し、満たされるのです。
貴女は、俺という一人の人間に、こうやって愛されているのです。勿論こうして貴女を愛しているのは俺だけではありませんが、具体的な人間が想像できた方が、分かりやすいでしょう。
貴女は自分には価値がない、自分は何もできないから、と自責されることがありますが、そんなことを考える必要はありません。
貴女が貴女であること自体、貴女という存在が生きていること自体に、無上の価値があるのです。それが、貴女を愛している者たちの総意です。
胸の鼓動は,命のリズム。
その一つ一つの鼓動が、私も知らない私を教えてくれる。
「胸の鼓動」
毛が生えていたりガラス製だったり色々あるけれど。
抱きしめた時、両側で高鳴る心臓はオーダーメイド。
「胸の鼓動」
久しぶりにまたこのアプリを始めた。
1度アンインストールしたんだ。
けれど何か書きたいって心がそわそわしてたんだ。
何かを続ける事は苦手でいつもすぐにやめてしまう。
きっと今回もそこまで長く続かない。
また数日後には消してしまう。
そして、また何か書きたいとそわそわしたら戻ってくるんだ。
そんな中途半端な使用者ですがよろしくお願いします。
「胸の鼓動」
はやくなる私の鼓動が あなたへの愛を示してる。
あなたに気づかれてしまうかもしれない......
この思いは隠しておかないと.........
そんな気がした。
きっとあなたは私のこと なんとも思っていないんだろう。
毎年の健康診断で、聴診器を当てられ、「心雑音がします」と言われてきた。
なんだそれ?だからなに?と受け流してきたけど、ここに来て、いよいよ対峙しなければならない時が近付いている。
この、胸の鼓動をこれからも刻み続けるためには、遅かれ早かれ手術が必要だとか。
そー言われたら、嫌ですとは言えない。
生きてなんぼだから、どれだけ痛みを伴おうが、お金がかかろうが、やるしかないじゃないか。
そんな気持ちで Google や YouTube で調べると、術後は激痛と闘いますとか、いらんこと教えてくれる。
もう、目を瞑ってその日を待つしかないな。
いくつになっても、怖いもんは怖く、痛いもんは痛い。
まあ、その感覚を失くしたら、長生きなんか出来ないんだろうけど。
とはいえ、それほど長生きしたい訳でもない。
人生って、量より質だと思う。
めっちゃやりたいことやって二十歳で死ぬのと、牢獄に入れられたまま百まで生きるのなら、迷わずに前者を選ぶ。
ただ、ある程度満足できる質のイイ人生を送るには、それなりの時間が必要だと思うんよ。
半世紀じゃまだ足りてない。
若人が「胸の鼓動」という言葉からイメージするものと、アラフィフがイメージするものが同じ訳がない。
そう考えると、人生はそれなりに長い。
胸の鼓動に青春を紐付ける時代もあれば、すべてが疾病に通じてしまう晩年もある。
どちらが良かったかと問われれば答えは明白だが…いや、自分の胸の鼓動の大切さに気付けている今も、そんなに悪くない。
言いたいことはほとんど言えたから、この辺で。
胸の鼓動
(本稿を下書きとして保管)
2024.9.8 藍
この胸の鼓動止まるまで
貴方を愛すると誓います
『未定』
胸の鼓動
教室のチャイムが鳴る。
新学期最初の休み時間が終わって,
新学期最初の2時間目が始まる。
「宿題回収するぞ〜
左から算数プリント、観察日記、自由研究、読書感想文の順で置いていってくれ
出席番号順でな、じゃあ1番から。」
先生は言う。
大丈夫、私はちゃんと持ってきた。
横断歩道を渡る時に右左右と確認するように、
家を出る前に、しっかり3回確認したから。
ああでも、今年の夏遊んでばかりでしっかりやってきてない人はこの時間に地獄を見るんだろうな、可哀想な気もするけど因果応報だ。
そんなことを頭の中で考えながらランドセルを漁る。
宿題を全部入れたファイル開いて、一つずつ取り出す。
まずは,算数プリント。
途中から答えを見ながら,所々でわざと間違えて答案を作成したのは内緒。
バレないかな,そんな訳ないか。ちょっと冷や汗が出て、一瞬心臓の鼓動が乱れたような気がした。
次は、あさがおの観察日記。
最初は真面目にやってた。けれど、三日坊主の私に物事が続けられる訳ない。
水やりがめんどくさくなって、後回しにしてたら
数日で枯れた。
けど、そんなことかいたら怒られちゃうし、
教室の後ろに展示するらしいから、友達からからかわれちゃうかも。それが嫌だったから、日記には元気なあさがおの絵ばかり並んでいる。
その次、自由研究。
本当はペットボトルロケットとかの、ロマンがあることをしたかった。でもクラスの中心でもないのにそんなことしたら浮いてしまう。だから、当たり障りのないものにしておいた。興味はないけど楽な話題をネットで探して紙に写したら文体だけかしこまって全く面白味のない冊子が出来上がった。でも、自由研究なんて去年と同じで、突出した数人のクラスメイトの作品がみんなに褒められて終わりだろう。私の作品なんてどうせ誰も見ないし大丈夫だ。
そしてとっておきの、読書感想文。
これは正直自信作だ。
自分でいうのもなんだが、唯一ちゃんとやった宿題だ。課題図書がとても面白くて、筆が止まらなかった!もしかしたら完成度が高すぎて、先生が褒めてくれるかも。提出が楽しみな…
あれ。
読書感想文が、ない。
ファイルをもう一回探しても、逆から探しても、教室の光に透かしてみても、夏休み前の学級通信やら算数プリントやらしか無い。
え、え?
胸の鼓動が無責任に高まる。
無意識にファイルに爪を立てる。しまった。また痕ついちゃった。いや今はそれどころじゃなくて、
家に忘れた?3回目の確認で、しまい忘れた?
嘘,うそ、そんな話があるはずな
「おーい17番、早く出しにこい」
あ、呼ばれた。
胸の鼓動がもっと高まる。昨日たまたま車の中で聴いた高速ラップぐらい速い。
両手に嫌な汗。汗じゃなくて、花だったらいいのに〜なんて冷静になる、ツッコミ待ちの脳内ボケ。
そんなこと言われても返す余裕無い。
あー。
算数プリントの不正なんてもうどうでもいい。
観察日記の失敗ももうどうでもいい。
自由研究の完成度は元からどうでもいい。
じゃなくて。
どうしよう。
さながら死刑を待つ死刑囚のように、形だけは立派な宿題を、左から順に置いていく。
両手には,もう何も無い。
何も無い。皆の視線が集まる。隠せない。
でも、口は瞬間接着剤で貼り付けられたかのように全く開けない。宿題忘れました、その一言すら言えない。
恥ずかしすぎて心臓が破裂しそう。多分これ以上速い血流のBPMは無い。
「忘れたのか?」
頷く。
「珍しいな。宿題を忘れるなんて。
まあ明日持ってきたらいい。」
そう言われた瞬間、
助かった!!!!と思って、
「すみません、次回から気をつけます」と
申し訳なさそうに謝った後に
席に戻った。
しばらくしたら、
手のひら返したように胸の鼓動がおさまった。
意外になんとかなるんだなとホッとした反面、
私の心臓もさっき出した3つの宿題とおんなじ類のものなのだと
わかって,むなしくなった。
枕を通して、隣で眠る雌猫の鼓動を感じる夜があります。
私よりずっと早いリズムでそれは打たれている。
人間なら80歳以上の年寄り猫。
そのリズムを聞いていると時々怖くなる…あとどの位一緒にいてくれる?と。
私ももう若くは無いから、この子で猫との生活は終わりにするつもりです。
お互いの鼓動もいつかは止まるけど、ゆっくり一緒に生きようね…
いつだって高鳴るものを探してる
その問いがきっと生きる答えだ
♯胸の鼓動
君の手を 掴み心臓 押し当てた
伝われ鼓動 俺の本気よ
________________
かなりセンシティブな方法なので、現実では、やっちゃダメよと思いつつ、鈍感すぎるラブコメ物語の主人公達はこれくらい食らったら良いよと思ったりもする。
作品No.161【2024/09/08 テーマ:胸の鼓動】
胸に手を当ててみる
こうして動いているということは
心臓も動いているのだろうが
よくわからない
唐突に止まってしまうのが
望ましいけれど
今止まるのはいやなんて
身勝手なことを考えている
胸の鼓動
息を止めると心臓が動いているのがわかる
外に出たい空気と巡りたい血液が鬩ぎ合って
耳の奥からどくどくと鼓動が聞こえる
この音は心臓の音なのだろうか
それとも血液の音なのだろうか
どこまで行けば足を止めてくれるのだろうか
手の中で、小さなネズミが蠢いている。
どくどくどく…と小さなネズミの小さな胸の鼓動が、ネズミの温かさと一緒に、指を伝わってくる。
哺乳類の心臓は、生きている間に15億回打つらしい。
哺乳類たちの胸の鼓動は、皆、各々のペースで規則正しく打ち続けて、15億回打てば、心臓は長い眠りについて、寿命が尽きる。
…もちろん、心臓が眠りにつく前に、他の内臓が使えなくなったり、食べられたり、殺されたりしても、寿命は尽きるのだが。……哺乳類の本当の、限界の寿命は心臓の耐用性が尽きる、心臓が15億回打った後だ。
…それを天から授けられた寿命、天寿と考えて、危ない目に遭わずに天寿を全うすることを幸せと定義するなら。
間違いなくうちのネズミたちは、天寿を全うする幸せな個体が世界で一番多い、ネズミの天国みたいな場所と言えるだろう。
ケージにネズミをそっと入れてやりながら、そう思う。
一匹のネズミが入るには、ちょっと広いくらいのケージの中に、先ほど戻してやったネズミが、ぽつんと、おがくずの上で鼻を動かしている。
彼らはラットだ。実験用の。
ただ、ここで行われている実験は、薬品や外科、病原体についてではない。
ここでは、生物や人間の“幸せ”の実験が、行われている。
この研究所を作った所長は、人類のため敵を討伐した英雄の_親友だった。
所長はよくうなされたように言っていた。「名誉は幸せではない。平和な人生こそが、幸せだったんだ」
彼の親友は、人類の英雄だった。
すごく良い人で、性格も何もかも完璧な人間だったと、学校で習った。
だけど、その話を聞くたびに、所長は、寂しそうに笑って、人類の英雄である、親友の話を聞かせてくれた。
完璧だと教わった彼が、失敗したこと。
英雄の彼が、好きだった人。
二人で一緒にイタズラをして怒られたこと。
そして、英雄が、英雄に仕立てられて人類のために犠牲になったという、そんな話。
死ぬ間際、人類の英雄の彼は、親友の所長に向かって言ったらしい。
『俺は人類に、名誉と引き換えに殺される。英雄とは不幸せなものだよな。……お前は、幸せになれよ』
「アイツってバカだよな。お前がいない世界で、幸せになれっかよ、って思うよな」
所長は、遠い何処かを見ながら、そう言っていた。
ある日、所長は死んだ。
所長の心臓は、15億回も打たなかった。
所長は自分で、心臓を止めた。
「研究を続けてくれ。本当の幸せを見つけてくれ」と、私とたくさんのネズミたちに言い残して。
ネズミがチチッと鳴く。
おがくずの上で、ネズミはおがくずを齧っている。
研究を続けて分かったことがある。
平穏と15億回の胸の鼓動の保証だけでは、ネズミは幸せになれない。
確かに彼らの平均寿命は伸びた。だけど、彼らの脳波は、幸せを感じていなかった。
所長は「平穏で、何も起きない15億回の胸の鼓動の人生が、きっと一番幸せなんだ。不幸を感じずに済むんだから」と言っていた。
…でも、その論は今、壁にぶち当たっている。
所長の持論は、生涯をかけた持論は、おそらく…。
自分の胸に手を当ててみた。
どくん、どくん…と胸の鼓動が、手のひらから伝わってくる。
研究室の天井を見上げる。
蛍光灯が、白々しく輝いている。
所長、幸せって、なんなんでしょうね。
その言葉は思わず、まだ幸せではない私の口からついて出た。
幸せってなんなんでしょう。
幸せではない私の胸の鼓動と、あまり幸せではないネズミたちの鳴き声に混じって、その疑問は、延々と部屋を漂っていた。
》胸の鼓動
「わたくしね、怖いのよ」
出会い頭に飛び込んだ私の腕の中で、真っ黒な瞳を潤ませて彼女は言った。
何が怖いのかと問うた私を前に、黒真珠のような大きな瞳をさらに揺らめかせ、紅を差すまでもなく赤い唇が紡ぐ。
「わたくしね、知ってしまったの。だから怖いの。とっても怖いのよ。あなたが渡してくださった紙の束。そう、本に書いてあったわ。今は規則正しく鳴っているあなたの音だって、いつかには小さくなって止まってしまうのでしょう?」
それを思うとわたくし、もう恐ろしくなってしまって。
ひとりぼっちは嫌だと言った彼女は、その瞳にも負けないほどの大きな涙の粒をこぼして縋る。精一杯に踵を上げて近付いた距離で、小さな彼女はわたしに願った。
「ねぇ、ねぇ。約束して。いつかあなたの音が、この胸の音が止まってしまう日が来たならば」
わたくしを先に殺して頂戴ね。
囁かれた懇願。弾かれたように顔を上げたわたしの眼に映るのは、蠱惑に歪んだ瞳。
執着とも呼べるその心を前にして、わたしの鼓動が変に跳ねた。
「ももちゃん?」
久しぶりに聞いた、私の名前。
呼ばれた方を向くと40代前半くらいの優しそうな女性、と手を繋がれてる小さい男の子は多分その息子。
人間関係はかなり狭いけど、その女性に見覚えはない。
「あ、ええと すみません、私…」
人違いです。と言葉が出かかる。
だけど名前、私の名前を知っていた。
「あ、ごめんね。びっくりさせちゃったよね、いきなり。だって幼稚園以来!」
記憶に埋もれていた幼稚園の先生の面影が鮮明になっていき、目の前の女性とぴたりと重なる。
「かなえ先生……!」
途端、鼻の奥がツーンとして涙が込み上げてきた。なんで、ああ情けない。
自分でも理由がわからないまま涙がポロポロとこぼれる。
「あらあら、どうしたどうした」
そう言いながらかなえ先生は駆け寄って来て私の背中をさすってくれた。
恥ずかしい。何も成長してないじゃないか。
呼吸が乱れて頭に鼓動が響いてくる。まずい過呼吸だ。
やなとこばっかり昔と変わらない。
ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、、
頭が痺れてぼーっとする。
男の子が心配そうにこちらを見上げてくる。
「だいじょうぶう?しんこきゅう、するといいよ。すぅー、はぁー、すぅー、はぁー」
ハァ、ハァ、、すぅー、はぁー、すぅー、はぁー、すぅー、はぁー、すぅー、はぁー……段々と、落ち着いてきた。
先生は変わらず背中をさすってくれている。
「ももちゃん、私、思うのよ。大人なんてどこにもいないのよ。みんな途中で、何もかもができて、何もかもがわかる時なんて一生来ないのよ。だから何も気負わなくていいの。大丈夫よ。大丈夫、ももちゃんは、ももちゃんでいれば」
ってありきたりか、と先生は明るく笑う。
もう一度息を深く吸い込んでみる。
そうか、途中か。
時間をかけてまた息を深く吐き出す。
そうだよね、大丈夫、きっと大丈夫。生きていくんだ、私は私で。
『胸の鼓動』
胸の鼓動
この、ドキドキは…
今迄、こんなに、胸が苦しい程に、胸の鼓動が激しいことなんてなかった…
あなたを想うだけで、激しくて、苦しくて、刹那く…初めて会った時に、何かを、感じて…その見えない何かが、私の心を揺さぶって…
この苦しいけど、甘美なドキドキは…
胸の鼓動が
どんどん遅くなってく。
彼女の息が
どんどん弱くなってく。
彼女の声が
どんどん掠れてく。
お願い。
あの日みたいに
笑って見せてよ。
あの太陽みたいに
あの日みたいに私を励ましてくれたように。
胸の辺りを抉り取られた彼女。
か細い声で、私に言う。
「私の、ことは、いいから。」
だめだ。
こんなんじゃ、
もうきっと、
彼女は助からない。
だから
「ごめんね、」
それまで戦わなきゃ。
私は武器を握りしめて、
遮蔽物から身を乗り出して
敵へと特攻した。
私たちの命なんて捨て駒に過ぎない。
だからって
戦わない理由にはならない。
苦しんでる人が今もいるから。
彼女が犠牲になることだって、
珍しくない事なんだ。
彼女が奇跡的な確率で、生きていたとしたら、
私は彼女に私の想いを打ち明けたい。
愛してるって。
仮に付き合えても、
女の子同士だから避難されちゃうかなぁ。
でも、私が絶対彼女を守る。
そう誓える。
だから、
今は頑張るしかない。
銃を1発2発、
次々相手に撃っていく。
いい感じだ。
人を殺すのはいい気がしないけど。
これはしょうがないんだ。
そう割り切るしかない。
最後の大玉。
こいつがボスか。
確実に背後を取った。
そうして、
銃を撃とうとする。
私が
撃つより先に
銃声が響いた。
あ…。
そう思ったらもう遅かった。
私の胸は銃で貫かれていた。
「かはッ…。」
目の前には鮮血が広がる。
私の心臓は完璧に撃ち抜かれている。
せめて、
最後は、
彼女の、
隣に。
私の身体はボスらしきやつに踏みつけられた。
意識が遠のいてく。
あぁ、でも、
彼女と地獄に行けるんだ。
そんなことを考えながら
意識を手放した。
鼓動が止まるのを待ってらんないから止めてってどこに言えばいい?