胸の鼓動が
どんどん遅くなってく。
彼女の息が
どんどん弱くなってく。
彼女の声が
どんどん掠れてく。
お願い。
あの日みたいに
笑って見せてよ。
あの太陽みたいに
あの日みたいに私を励ましてくれたように。
胸の辺りを抉り取られた彼女。
か細い声で、私に言う。
「私の、ことは、いいから。」
だめだ。
こんなんじゃ、
もうきっと、
彼女は助からない。
だから
「ごめんね、」
それまで戦わなきゃ。
私は武器を握りしめて、
遮蔽物から身を乗り出して
敵へと特攻した。
私たちの命なんて捨て駒に過ぎない。
だからって
戦わない理由にはならない。
苦しんでる人が今もいるから。
彼女が犠牲になることだって、
珍しくない事なんだ。
彼女が奇跡的な確率で、生きていたとしたら、
私は彼女に私の想いを打ち明けたい。
愛してるって。
仮に付き合えても、
女の子同士だから避難されちゃうかなぁ。
でも、私が絶対彼女を守る。
そう誓える。
だから、
今は頑張るしかない。
銃を1発2発、
次々相手に撃っていく。
いい感じだ。
人を殺すのはいい気がしないけど。
これはしょうがないんだ。
そう割り切るしかない。
最後の大玉。
こいつがボスか。
確実に背後を取った。
そうして、
銃を撃とうとする。
私が
撃つより先に
銃声が響いた。
あ…。
そう思ったらもう遅かった。
私の胸は銃で貫かれていた。
「かはッ…。」
目の前には鮮血が広がる。
私の心臓は完璧に撃ち抜かれている。
せめて、
最後は、
彼女の、
隣に。
私の身体はボスらしきやつに踏みつけられた。
意識が遠のいてく。
あぁ、でも、
彼女と地獄に行けるんだ。
そんなことを考えながら
意識を手放した。
9/8/2024, 1:55:34 PM