『繊細な花』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『繊細な花』
私が人生で始めた好きになった人は繊細な花のような人でした。
華やかな装飾で着飾ることもなく素朴な素顔のままの彼女。芯はあるが柔らかい雰囲気で包んでくれる心地の良さ。素敵なことだから照れずに素直に見せてくれたらいいのにと、こちらが笑ってしまうような優しさ。それら全てを兼ね備えた彼女は咲くは美しくも儚く散ってしまうような花のようでした。
繊細な花は触れれば壊れてしまいそうで、ただ見ていることしか出来なかった。散りゆく時さえ何も出来ずに、ただ美しいと思ってしまったのだ。
桜は散り際が美しい。
私たちには弱いものを愛でる習慣がある。強いほうが美しいに決まっているのに?桜は散り際こそ美しいと言われるし、未熟な赤ちゃんが可愛いく思えるし、女らしくといえば大抵はしおらしく小さく纏まった姿を指すだろう。
でもそれって、弱いものは消えてしまいそうだから惜しく感じるだけなんじゃないの?物を捨てるとき途端に惜しくなるのと似たようなもので。
可哀想は可愛いって言うけれど、それだって可哀想な弱い存在に同情して守ってあげたくなって、守ってあげたいのはそれを愛してるからだと錯覚を起こして後づけで可愛いが生まれるんじゃないの。儚げなものを美しく感じるのも、なくなりそうで惜しいと思うから、そうやって心揺さぶられるのを魅力だと思いこんでいるんじゃない?散って春まで咲かない桜は惜しいから美しいけれど、動物の毛みたいに花びらが一年中抜けては生えてを繰り返している桜があったらきっと大して美しくない。
それとも、勇気づけられているのかな。弱いものは、そこにいるだけで弱いのはあなただけじゃないよって慰めてくれるから。散っていく桜は、いつか老いて散っていく私と同じ境遇を先に辿ってくれるから。
感情なんて案外いい加減だし、言葉があるからいけないんだよ。感情は文脈なのだと思う。
だからきっと、あの人は私じゃなくてあの子を選んだんだな。弱くて、繊細で、可愛くて、美しいあの子を。
私はいつだって強くありたくて、というより強くないと生きてこられなかった。泣き叫んでも可哀想なふりをしても誰も助けてはくれないのだと、幼い頃から身を持って知らされていたし、強くあるしか生き方を知らなかった。
けれど、あの子もあの子なりに自分の環境に適応してあの子が出来上がったのだろう。もしかしたら弱く振る舞うことでしか生きてこられなかったのかもしれない。
理屈を後づけしてただ嫉妬をしているだけの私は、どうしようもなく醜くて弱い。けれどこの私の弱さは美しくはないのでしょうか。
わからない。わからないよ。
わからないから、花占いで決めてしまおう。花びらをちぎって、美しい、美しくないって決めてもらうの。
全部散らしてしまえば、きっとあの桜みたいに美しくなれるよ。
『繊細な花』
「案外、大丈夫なものですよ」
彼女はそう言うと僕に向かって微笑んだ。
都内の高級ホテルの豪華なスイートルームで、夜景をバックにベッドの上で寛いでいた。先程まで最上階のバーカウンターで飲んでいたところを、彼女に声を掛けられたのだ。六本木のバーや麻布のクラブで数回一緒に飲んだことがある子だ。
まさかここでも会うなんて、と隣に座った彼女と盛り上がり、スイートルームに興味があると言われたので宿泊予定の部屋まで連れてきたのだ。
いい歳の男女がホテルの一室でやることなんて決まっている。
シャワーを浴び終えて部屋に戻れば、彼女はキングサイズのベッドの上に寝転んで夜景を眺めていた。僕がすぐそばでベッドに腰を下ろすと、彼女はようやく僕の存在に気がついて隣に座った。彼女もきっとこれからやることに覚悟を決めているのだ。
やることは決まっている。彼女も腹を括った。それでも僕は内心かなり動揺していた。
僕は女性経験がほとんどない。
本来なら彼女をリードしなきゃいけないんだろうけど、正直どうしていいかわからないのだ。男は力が強いから、万が一にも力加減を間違えて怪我でもさせてしまったら。そんなことが頭をよぎっては消える。臆病な自分に嫌気がさす。
いつまで経っても手を出してこない僕の様子が変だと思ったのだろう。彼女が「もしかして」と発した。たったそれだけでも、何を指しているか察せてしまった。だから頷いて、今考えていることを馬鹿正直に伝えたのだ。
そしたら冒頭のように、彼女は笑ったのだ。
宙に浮いたまま行方を探っていた僕の手が、彼女の手に捕まった。手を繋がれたまま、彼女の頬へ誘導された。
僕の手のひらが彼女の頬に触れた。
「そうっと、優しく。それさえ気をつけてくだされば、簡単に折れやしません」
「そうっと、優しく」
彼女の言葉を繰り返しながら、彼女の頬を撫でてみた。彼女の白くてきめ細やかな肌が、僕の手のひらに吸いついてくる。クセになる肌触りだ。ずっと触っていたい。
彼女は夢中になって頬を撫でる僕をクスッと笑った。
「気に入っていただけましたか?」
「あっ、いや、あの……はい」
「では次ですね」
今度は彼女の腕がこちらに伸びてきた。僕は咄嗟に身構えて硬直してしまった。両手は膝の上で強く握り、眉間に皺を寄せて、目を固く閉じた。
次の瞬間、ベッドの軋む音と共に甘くて芳しい匂いに包まれたのだ。
「そう硬くなさらないで」
彼女の声が、耳のすぐそばで聞こえた。彼女の艶やかな声が、色っぽい息遣いが、耳から伝わってくる。
彼女の細い腕が、どうやら僕の背中に回っているらしい。彼女なりに力を込めているようだが、締め付けも何も感じない。彼女に触れている部分だけが、異様に熱を帯びている。
「さぁ、私の背中に腕を回していただけませんか?」
「えっと、それは」
「先ほども言ったでしょう」
そうっと、優しく。
彼女の発するセリフ一つ一つが、僕の頭を溶かしていく。酒に酔った感覚に近い。頭がクラクラするのだか、不思議と気持ち悪さや不快感は一切ない。
俺は膝の上で拳を握っていた両手を、彼女の背中に沿わせた。力を入れないように、でも彼女を自分の腕の中に閉じ込めるように、抱きしめた。抱きしめたら、より一層彼女の香りが強く感じられた。
目をそっと開けると、彼女の頸辺りが視界の端にあった。少し汗をかいているのか、しっとりと濡れた頸が堪らなく魅力的に映った。
俺は彼女の肩に顎を乗せて、頸に鼻を寄せた。スンと鼻がなってしまったが、より濃さの増した彼女の香りが吸えることに、興奮を覚えた。
彼女はあぁ、と声を漏らした。僕はその声にビクッと肩を揺らす。やがて彼女の手が、僕の肩まで這い上がってきた。
「ドキドキしてしまいます」
「君が誘導したのに」
「そんな意地悪を仰らないで」
貴方だからここまでも、これ以上も許しているのですよ。
彼女の言葉に、思わず腕に力が入った。もっと近くで彼女を触れたいと、感じたいと思ったからだ。
慌てて力を緩めて、彼女から少し体を離す。彼女の顔を正面から覗き込むと、目が合った。目を潤ませていながら、どうしようもない熱を帯びた瞳だった。
その目に吸い込まれるようにして、顔を寄せる。彼女の方も顎を少し上げた。そうすると、彼女の魅惑的な唇が否が応でも視界に入った。
美味しそうだ、と思った。
思った時にはすでに僕の唇を彼女のソレに合わせていた。可愛らしいリップ音が鳴り、一瞬の柔らかい感触に戸惑った。もう一度味わいたくて、唇を重ねる。何度も繰り返しているうちに、深くキスを交わしていた。彼女の鼻から漏れる声に、ゾクゾクと背筋が震えた。
唇を離すと、彼女は肩で息をしていた。そうだ、男の僕と女の彼女では体力も違う。自分勝手にキスをしたが、彼女のペースに合わせないと呼吸ができなくなってしまう。
ごめん、と咄嗟に謝れば彼女はまた大丈夫、と言った。
「私も、気持ち良かったので」
頬を赤く染めて恥じらう彼女が、とても愛らしかった。女は花のように繊細かと思ったが、意外とタフで大胆なようだ。
僕はもう一度、リップ音が鳴る程度の軽いキスをした。
「もっと深く、貴方に触れたい」
「えぇ、もちろん」
微笑んだ彼女の腕が、僕の首に回る。僕はベッドに彼女を押し倒して、覆い被さった。
するとまもなく、首の後ろに冷たくて鋭利なものが触れた気がした。彼女の顔を覗き込むと、今まで見たことないほどの険しい表情を浮かべていた。
「触れるものならね」
体は許しても、心は許してないから。
次の瞬間、目の前が真っ赤になり、全身に激痛が走った。
『繊細な花』
それはとても素敵でみんなを魅了する。
みんなはそれを高く評価したくさん消費する。
しかしそれは使うとすぐに壊れてしまう。
世の中のものはたいてい魅力的なものほど儚い。
きみは繊細な花。
#37『繊細な花』
雨にも風にも負けない強い一輪
だけど
踏みにじられては
壊れてしまう
花が咲いていた 触ったら砕けそうな
ガラスみたいな花
引っ込めないで 手を伸ばした よく晴れた日
触れた時にだけ 覗ける心があったよ
痛みも少しだけ
たとえ君を傷付けたとしても 知りたかったから
繊細な花
「私は繊細な花なの」
耳をくぐって、脳に溶ける甘い声。人々を魅了するそれを堪能しているのは、今だけ、この世界で自分だけだ。
周りを差し置いて気高く咲き誇ったかと思えば、色彩の無い小さな花弁を付ける。
柔らかくて暖かい蕾をつけたかと思えば、凍えるように鋭い棘を生やす。
少し触れただけで大きく育った華は落ち、囃し立てれば拗ねてがくに覆われ、誰も見向きしなくなればまた色とりどりの華を身に纏う。
複雑怪奇な花だった。
「あなたは肥料よ」
「それは違う」
初めて貴方を否定したね。驚いたように丸くなった目は、すぐ尖った三角形になったものだから、自分は急いで口を開く。
「自分は肥料では無い。それではまるで貴方が花みたいじゃあないか。自分は、人だ。貴方も人だ。自分の隣にいる貴方は、何色の花でもないよ。だから、己のことを見世物のように言うのはお仕舞い。私に言わせれば複雑怪奇、他人に言わせればヘンテコ、貴方に言わせれば繊細な、ただの人。それが貴方」
独白劇に過ぎない。全ての人生に当て嵌る言葉だ。
心を蝕む何かが通り過ぎるのを辛抱強く待つように、貴方は下唇を噛んでいた。そして再び顔があげたときにゃ、まるで気高い人。高貴な乙女。それでいい。自信に満ち溢れ、気紛れに舞い踊る貴方より美しいものなんて、自分には生涯見つけることが出来ないだろう。
紅く厚い唇が開かれる。高揚。興奮。
「ばかね、ものの譬えに決まっているでしょう?」
嗚呼、美しい。
貴方はきっと、自分だけの花束。
6月25日(火)短歌
テーマ
【夕立 七夕 桃】
桃食むと
思い出される
シワの手を
今年も思い出せるしあわせ
→おばあちゃんに桃をむいてもらった。桃を食べると思い出す、手のしわもその優しさも。
うっせぇわ
友と口論
フルボッコ
リセットボタンは
夕立の傘
→フルボッコが思い浮かんだらもうね、ダメだったw 囚われてしまいました。運動部の仲間同士ぶつかっちゃったのかな?言葉で喧嘩をしちゃって、でも突然の雨で傘をシェアして帰る。言いたいこと言ったら夕立が晴れる前に2人は肩を組んでると思う。
私たち
会えないんじゃない
会わないの
七夕の雨
鳴らない通知
→七夕は雨が多いらしい。だけどきっと雨雲の上では織姫と彦星は結ばれている、私たちはその選択を選ばないけれど。
【ここからは番外編?】
この夏も
暑し涼しの 応酬に
勝てるのか俺、負けるかも俺
→自分は気をつけていても、暑いところから涼しい場所へ、またその逆だって体には大きな負担。どうかみんな気をつけて!
夕立に 打たれて帰る
エコバック
チキンカツだけ
死守すりゃ勝ちよ
→アワチンの献立より。
夕立に降られたサラリーマンの今日の戦利品は揚げたてのチキンカツ。しける前に、冷める前に家路を急げ!
「すぐだから」 台所から 届く声
胃袋はすでに ぎゅっと掴まれて
→恋人にしろ夫婦にしろ、キッチンから聞こえるこの声は好きでしょ。ちなみに私は豚汁と餃子が得意。
解説をつけると長くなっちゃう。ここまでお読みいただきありがとうございます。また、次のお遊びでお会いしましょう🩷
ゆっくりでいいんだよ
頑張って歩いてきたの知ってるよ
周りにあわせても
意味が無い
あなたの優しいところも
泣き虫なところも
私なりに見つめてきたし
あなたを否定するものは私が否定するから
おいで
大丈夫だから
たまにはゆっくりしようよ
ね?
今日の出来事
一生懸命訴えてたのに面倒くさいからと逃げてた上司
最近になって自分に被害が被るようになってきて初めて聞いたかのように騒ぎ始める上司。
その前に助けを求めてた部下
その部下は精神を病んで仕事ができなくなった。
そして部下が一生懸命訴えてたことが今になって大騒ぎなことになっている。
私からしたらいまさら何を騒いでいるの?
1年も前から言ってたじゃん
それも何回も何回も。
こっちが言っても無駄だからあなたの立場から言ってくれと。
それでも何も変わらなかったくせにほんとに何騒いでるん。
そして今部下が首になる前に訴えてたことが今になってそれも大事になってやっとみんなで教えなきゃだめだと…
遅いよ
もうあれだけ言っても変わらない奴は今更言ったって遅いよ
会社にとって大事な人とそーでない人の区別がつかない上司
自分が被害に合わないとどーでもいいと思う上司
お前は会社の社長だぞ
どこにも言えずただ悶々としてる私です
「高原に行こう」
山荷葉(サンカヨウ)
水分を含むと白い花びらがガラス細工のように透明になる花。
「あぁそういえば、聞いたことある気が」
「毎年この時期になると、サンカヨウ開花のニュースやってるじゃん」
「そうだっけ……で、そのサンカヨウがどうしたの?」
「見に行かない?」
もはや趣味とは言えなくなってきているレベルのレジンアクセサリー作りの参考にしたいのだという。
「いいけど、どこに咲いてるんだ」
「高山植物だっていうから、高原でしょ」
繊細なアクセサリーを作る彼女だが、性格はだいぶアバウトである。
────繊細な花
~繊細な花〜
繊細な花と私たち人間。
似たもの同士
花も人もとても繊細で敏感
【繊細な花】
(※性的表現有り🔞)
部屋に1人 人肌恋しくなった時、
布団をかぶりながら服をめくり
その火照りだした体に優しく触れる。
「んっ…」
左手の指を咥えながら右手で小さな蕾に触れる度に
ピクピクと体に電流のような快感が流れる。
さらに頭が程よくポーっとし始めた頃、
そのまま手をゆっくり下へさげる。
脈をうつソレにそっと触り、具合を確かめた。
「っ…」
ゾクリと脳が痺れ 息が荒くなった。
ソレに触れる度にビクビクと電流が全身に走るように
体が反応した。
心がキュンキュンして 、ドキドキして、恥ずかしくて
まるで『乙女』のようになってしまう瞬間だった。
限界に達する頃に
さらに脳がビリビリして目がチカチカしだした。
「あっ_____」
ついに限界に達したオレは
脳内も手元も真っ白にしてしまった…。
快楽の余韻に「はあ はあ」と息を切らしながら
吹き出た蜜を拭き取り、ふわふわの毛布に身を包む。
まだ脳内がふわふわしている時にくるまる毛布が
心地よく感じた。
ベッドの半分が寂しい。
隣にいた、あたたかなぬくもりの不在に
わたしはまだ慣れない。
タンスの引き出し、
ダイニングチェア、
湯船、玄関、
どこかしこに 彼がいたはずの不在の跡が
くっきりもと残っている。
同じ公園でお弁当を広げ
同じ道を歩いて帰る
わたしの毎日はそんな不在の跡に
苦しめられ、
花は結構たくましい。
ささやかな環境でも咲いたりする。
でも枯れからは逃れられない。
枯れるとき、花の繊細さを感じる。
植物の生態を知ると、その複雑さに目を瞠る。
他の生物に擬態したり、他の生物を捕食したり、色や匂いで誘ったり、何年も水が無くても平気だったり。
繊細というか、複雑というか、緻密というか。
とにかくその機能の不思議さと神秘は、人間なんかの想像の及ばない領域なのだと思い知らされる。
綺麗な花はでも、人間の目を楽しませる為にそんな姿をしているわけではない。品種改良した園芸用の花はともかく、自然にあるものは生きる為の進化の過程でそんな形をしている。
取り繕うとか、媚びるとか、そういうのが無い生き方というのがそもそも繊細で美しいのだろう。
END
「繊細な花」
繊細な花
花の寿命は短く…だからこそ
素敵な色とりどりの花を咲かせ
私達の心を癒してくれる
繊細で強い花は
一輪でも凛とした姿で
短い時間を華やかに飾る
私の人生も凛とした強い気持ちで
これからも歩み続けたい
あなた達に負けないようにo,+:。☆.*・+。
『繊細な花』8/380
今日で、この花を育てて半年になるんだ。
室内に飾っているんだが、中々難儀な奴でね。
環境にうるさいんだよ、この子は。
やはり日光が欲しいのか、カーテンを閉めると決まって不機嫌になるんだ。
そうくると元気な顔が見られなくなって悲しいから、
僕はちょっと窓を開けてやるんだ。
❴繊細な花❵
貴方が思う”繊細な花”って?
花言葉?色?見た目?
人はそれぞれ違うから、、
花も、本のわずかに違う、、
その違いを発見して行くのも、
人生ですね、、