『終点』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
始まりがあるからには終わりがある。
「頭では、理解してたんだよ」
そう唇を震わせたきみの手をとって、きみが安心するような言葉を投げ掛けたかった。
涙が零れそうな目元を拭って、笑いかけてみかった。
「…ごめん」
力なく放った言葉は酷く頼りなくて震えていた。
人の生は遅かれ早かれ終点というものにつくのだ。それは俺だって理解している。
俺はただ単にその道のりが短かっただけ。
「なんで、なんで」
ごめん。どうしたって自分じゃ止められない。
「生きてるじゃん、生きてるでしょ。なんでなんで死ななきゃいけないの…っ」
ごめん。
たぶんきみは僕に謝ってほしいわけじゃないんだろうけど、今はそれしか言えなさそうだ。
「自ら終点をつくらなくたっていいじゃん…っ」
ごめん。
ふ、と笑ってみせて、腕が掴まれる力が怯んだところで、俺は無事に暗い海に体を沈ませた。
─終点─ #29
只今、トレンドな話題をひとつ…
「南海大地震が来るかも!」と
連日連夜、メディアが騒いでいます。
私の住まいは、まさしく南海大地震が
くれば大きな被害にあうだろう地域です。
さて…あちらこちらで揺れていますが
私の周りを見る限り慌てふためいてる
人々はおりません…
コロナで騒ぎ、不景気で八方塞がり…
この酷暑も手伝って、皆ほとほと疲れて
いるようです…
私も同じく、揺れるなら揺れたらいい
……なんて感じで全く動じておりません
人生に「終点」があるのは間違いない
真実なんだから、それが津波か地震か?
まだ、やらねばならない事があれば
生き残るのでしょうね…
備蓄も少しはしてあるし、お米だけは
沢山保存してあるし…
私が、騒ぎの中で唯一やった事は
浴槽に並々と水を張った事くらい
後は、運を天に任せて心穏やかに
過ごす事にしたいと思っています。
「終点」
最終電車で寝過ごして
見知らぬ駅のホームに降りた
見知らぬ改札 初めての街
気付けば荷物も何も持たず
幼な子になって 誰かを待っている
追い越して行く人達は皆
いつかどこかで見たような横顔
私は誰を待っている
そもそも何処へ行こうとしていたのか
不意に名前を呼ばれた気がして
それが誰の声ならと期待した瞬間に
すべてを悟った
最期まで手を握ってくれていたのが
貴方であればと
【終点】
拝啓――
僕の終わらせようとしていた地点で
きみは途切れた道の先端に立って
僕には見えなかった幸せになる未来の話を始め
その場所で転げ落ちてしまおうと思っていたことも忘れ
話に聞き入ってしまった
その未来はきみにくっついて
歩くだけで手に入っていたから
明日が自分の手で掴むものだということさえ
きみを取り巻く環境が
変わってからでしか気が付けなかった
「君はどうかそのままでいてほしいんだ」
ぼくときみの理想は一致していたと思った
でもその言葉を僕が言わせてしまっていたのなら
僕はきみと過ごす為の未来を
自分で動きださなくてはいけないんだ
きみの幸せをこころから願って
――敬具
田舎に住んでんると危機感が薄れる。
わりと近所の人が勝手にものを家に置いていくから
玄関に鍵をかける習慣も薄れた。
近所に住んでる人がどんな人なのか噂も直ぐに広がる
人口の少ないこの街では、誰が誰なのか何となくわかるから、人に対する警戒心が薄れた。
車の通りも電車やバスに乗る人の数も少ないから
周囲に対する危機感も薄れた。
日に日に薄れゆく危機感を感じながらこの街に毒され緩慢になっているのだと実感する。
がらんとした電車に違和感も抱かず乗り帰路に着く。
強い眠気に襲われ、どうせ降りる駅は終点なんだから
と呑気に意識の手網を手放した。
「……ろ……い、起き……おい、起きろ」
強く低い声の呼び掛けで起きた。
「?着いた……?」
「ここ先は、お前の行く終点じゃない、今すぐこの電車から降りろ」
まだ寝ぼけているのか目の前の人の顔が黒く霞みがかって見えなかった。だが、この人の声に従わねばならないと本能が理解する。
電車を降り、走り行く電車の窓を何となく見ていると近所の山田さん1家と目が合った気がした。
いつもの癖で、山田さんの娘さんに向かって手を振っていた。
田舎の一駅は徒歩では辛いなと思いながら駅名を確認すると終点だった。
やっぱり寝ぼけてたのか?と感じつつも言いようの無い違和感が残った。
結局次の日の夕方には、その違和感は消えた。それと同時に胸が苦しくなった
いつ終点が来ても良いように、失った危機感わ取り戻さねば
静かに揺れるマリーゴールドの花が夕日に輝いた。
大病を患って入院してから早3年。
何回もの手術や治療を経験した体は、もうボロボロになっている。
昨日医者に伝えられた余命は、あと1年だった。
私より先に家族に伝えていたらしいけれど、家族はそんな素振りは見せていなかった。
入院中は時間が余るほどあったので、いわゆる“終活”
というものはやっていた。
だから、あと1年だとしても特に不安はない。
人生の終点は、案外すぐにやってきてしまうらしい。
いつの間にか知らない電車に乗っていて外の景色はうっとりするほど綺麗だった。
ここは終点ですと放送がなる。
色々な記憶がフラッシュバックした。
あいつにいじめられたこと、親に殴られたこと、どこにも居場所がなくて自殺をしたこと。
「もう私は死んじゃったんだな」
何故か涙が出てきた。
【終点】
あなた自身が決めてくださいね
ーNo.5ー
当時仲の良かった上司と初めて終電まで飲んだとき、別れ際に「うっかり終点まで行かないように気を付けてね」と言われたことがある。
私の最寄り駅は職場から4つ目。
大丈夫、所要時間は約10分程度だし全然眠くない。
ほろ酔い気分だけど、意識はハッキリしている。
いつも通りに降りるだけ。
そう自分に言い聞かせ、iPod nanoでお気に入りの音楽を再生する。
1つ目……2つ目……次の次だ。
ちょっと眠くなって来たけど、まだ大丈夫。
3つ目……よしよし、次だな。
『次は○○駅、○○駅』
あー……何かめっちゃ眠い……帰ったら化粧落としてすぐ寝……お、この曲やっぱいつ聴いても良いなぁ……好きだわー……
『――左側の扉が開きます。ご注意ください――』
…………え、今どこだったっけ!?
微睡んでいた状態からハッと一気に引き戻される。
電車は最寄り駅で停まっているではないか。
慌てて電車からかけ降り、危なかった……と心底ホッとした溜め息を吐く。
まさに間一髪の出来事だった。
【終点】
始点から終点へ
終点から始点へ
始めなければ終わりを迎えることはない
終わらなければ始めを迎えることはない
始めたいなら今やっていることを完璧に
終わらせて、新しいことに挑戦する
終わりたいなら何かに挑戦しないと終わりはこない
どちらも1歩踏み出さないと迎えることはない
終点
無事終点に到着したいから
今日を生きていく。
終点...って言われてもん~、綺麗な海があります!
そこは綺麗で落ち着いて先まで考えていた事を忘れるほど気持ちが良い所です。
海の音がして上を見れば綺麗な空駅には黒猫🐈が
居る。
小説風に書いてみました!終点まるで人の人生みたいですね~人には必ず終点はある。でも、その終点は人々の大切な人が待ってる。
私は今大切な人が終点で待って居る。どう感じ取るかは人々それぞれなのであまり深く考えないでください!
『終点です』
静かで暑い夜、有る駅にたどり着いた。
まばらな乗客がそろそろと降りていく。
私は、淋しさと旅の余韻と、別の始まりを感じている。
盛りだくさんが胸に一杯。
あたし32歳、独身だ。猫背で会社へ向かう。今日は朝から土砂降りでだるさに磨きがかかる。自宅から、会社の最寄りのバス停である終点までは約15分。今日は大雨のせいで自転車通学が厳しいのだろう、学生がバスにぞろぞろと乗ってくる。制服からして終点の一つ前にある〇〇高校の生徒が大半だ。あくびをしながら顔を上げるとふと、なんだか奇妙な感じがした。
気になって車内をよく見てみる。はっとした。
元彼に、似てる。
雰囲気がそっくりな男子高校生。
いや、どうでもいい。どうでもいいはずなのに、なんだか奇妙な、、奇妙な、、、よくわからない気持ち。
元彼とどうこうなることなんてもう無理だ。
でも何故か、この気持ちを無かったことにはできないない気がした。
気づけば、なぜか〇〇高校前のバス停で降りようとしていた。だめだ。男子高校生を追いかけるとかただのきもいストーカーになってしまうし。
彼がバスを降りる。あたしは下を向いて、終点を待ちつづける。
#終点
明日が来るのが怖い
大人になるのが怖い
自立することが怖い
だから今日も眠れない
何も考えない
それがまた難しい
気づけば、先の不安を考える
無駄な緊張だって分かってる
案外上手くいくことも分かってる
だけど、そういう性格
ハッピーエンドよりもバッドエンドを考えてしまうから
旅の終点なんて
まだまだ見えなくてさ
そんな自分を、ちょっとだけ
好きになれたらいいのにな
電車に揺られ、心地よい温度に目を瞑る。自分の降りる駅は1時間先の終点だから、多少眠っても大丈夫……。
「……さん、お姉さん、終点ですよ」
とんとん、と肩を何度か優しく叩かれ目を開ける。ぱちぱちと瞬きして、お礼を言おうと声の主を見上げた。
「ありがとうございま……ひっ?!」
「……どうかされました?」
「く、くび、」
見上げた先に居たのは人の形をしているのに首がない化け物で、首がないのに声が聞こえる。
「……あれ、貴方……まぁいいや。家はどの辺です?」
「は、ぇ、ぁ……」
「送っていきますよ」
「や、やめて……まだ、」
「あー……ごめんなさいね。悪意とか敵意はなくて、そのー……ここに居るべき人じゃないですから、向こうまで送り届けます」
「ひゅ、っ……」
恐怖から過呼吸になる自分の背中を優しくさすり、手を重ねられる。その手は何故か温かくて、妙に安心した。
「帰りましょう。貴方の居るべき場所へ」
手を引かれ駅を通り抜けて、やけに霧の濃い街を足早に歩いていく。その足はまるで、自分の家へ行くかのように迷いなく進んでいくのだ。
「……ここ、ですよね」
「あの、なんで」
「早く帰りなさい。ドアを開ければ帰れるはずです」
「……わ、かりました……」
ドアを開け、玄関に入る。キィ……と音を立てながらドアが閉まりきる寸前、悲しそうな声が聞こえた気がした。
「……会えてよかったよ、お姉ちゃん」
自分に弟なんかいない。双子になる予定だったと言うのは親から小耳に挟んだ事が、……ことが、ある。
勢いよく後ろを振り返ろうとしたその時、目の前にひろがったのはいつもの見なれた終点の駅だった。
『終点』
自分が降りる駅が終着点なら
酔って寝ちゃっても乗り過ごす事とかないのにな
#終点
終点から始点へ。
常に繰り返す。
終わりを迎えなければ始めることはできない。
悪いものはきちんと幕を下そう。
悪夢は早く記憶から消そう。
朝日が昇る。
新しい日が始まるよ。
終点
早朝。
まだ薄暗い中,住宅地を歩いていく。
最寄駅には五分で到着し,いつもの顔馴染みの他者と一緒に始発の電
車を待っている。
朝霧を照らすように電車が到着し,空いている電車の座席に座り,終
点まで電車に乗っていく。
それは僅か十分にも満たない時間だ。
しかし,それが至福の時間であり,心を落ち着かせてくれる。
まるで山荘で鳥の囀りを聞いたり,コンサート会場でクラシックでも
聴いたりしているかのようである。
これから次第に明るくなり,大都会の真っ只中で頭脳も肉体も酷使す
る壮絶なる戦いが始まる。
嵐の前の静けさだが,それこそが僕の心を安定させるのに重要なので
ある。
否定したくてもわかっている
終わってからが始まりだったりする
絶望だと思ったら案外すっきりしていたりする
終点とは矛盾している
これは私の独り言である