【終点】
拝啓――
僕の終わらせようとしていた地点で
きみは途切れた道の先端に立って
僕には見えなかった幸せになる未来の話を始め
その場所で転げ落ちてしまおうと思っていたことも忘れ
話に聞き入ってしまった
その未来はきみにくっついて
歩くだけで手に入っていたから
明日が自分の手で掴むものだということさえ
きみを取り巻く環境が
変わってからでしか気が付けなかった
「君はどうかそのままでいてほしいんだ」
ぼくときみの理想は一致していたと思った
でもその言葉を僕が言わせてしまっていたのなら
僕はきみと過ごす為の未来を
自分で動きださなくてはいけないんだ
きみの幸せをこころから願って
――敬具
8/10/2024, 11:26:51 AM