【どうすればいいの?】
会いたいのに直接会えない気持ちとか
きみと出会った時の言い表せない衝動とか
これまでの感謝の伝え方だとか
僕の今の実力じゃどうにもならない溝だとか
それでも伝えたくてはやる気持ちとか
2024-11-21
【宝物】
小さな箱の中に
かき集めた大事なカケラを詰め込む
それは自分だったものもあるし
新しくきみと見つけた自分もある
無くしたくない大切なものを
形のないものに昇華して
いつでも共にあれるように
輝いているものもあれば
もう色を失ったものもあるけど
自分の宝物だと誇れるように
2024-11-20
【キャンドル】
形容し難いほどに綺麗な色がありました
その色は誰に見つけられることもなく
ただ人の合間を漂っているだけでした
ところがある日
その色を見つけた女の子がおりました
その女の子も色と一緒になって
人の隙間で色が綺麗なんだとお話をしました
けれども人はそんな女の子を訝し気に眺めるだけ
ついには女の子を変人として
見てはいけないものにしてしまいました
女の子は思ったよりも悲しくありません
ずっとそばに色が居てくれるからです
それでも人にこの綺麗な色を見つけてもらいたくて
望遠鏡から覗いてみたり
思いつく呪文を唱えてみたりしました
そんなことをしていると
空から白い綿菓子が降ってまいりました
女の子と色はいつのまにかそのしんしんと
降り積もる白い雲に包まれてしまいました
そこで女の子は気が付きます
色が今までとは違うように光っていることに
慌てて綿菓子をかき集めて色を閉じ込めると
仄かに淡く輝きます
白い帽子を頭に被った人が集まり
その光はなんだと女の子を問い詰めました
今まで見ることが出来なかったはずの人が
色を認識できるようになっていました
綿菓子の中で光る色は
女の子に暴力が振られるのをみて怒り出します
綿菓子の頭からゆらゆらと感情を露わにして
女の子を痛めつける手を焼き尽くします
辺り一面にその色の存在感を増して女の子を守ります
やがて女の子に近づく人は居なくなりました
今までの日常が帰ってきたのです
女の子は今の色の姿を幸せの形だと思いました
それから色が溶けてしまわないように
大事に大事に2人だけで生活をしましたとさ
おしまい
2024-11-19
【たくさんの想い出】
クローゼットを開けて
日の光が待ち侘びたように入り込む
トランクに詰まった新しい想い出を
大切な宝箱に移してく
日に焼けないように
色褪せないように
あの時のまま思い起こせるように
大切に仕舞い込んで
自分の糧になっていくのを感じながら
そろそろ飾りきれないくらい
たくさんになったそれらを満足気に見つめて
またねと扉を閉めていく
2024-11-18
【冬になったら】
きみの待つ銀世界の街へ
1年分の想いを込めて
海を超えて空いに行く
ちょうど1年前視界がぼやける中お別れした
あの場所でまたきみに再会する為に
茶色い地面から灰色の地面、白色の地面に道が変わって
成長したねって言ってもらえるように
精一杯のおめかしして
きみに続く道を進む
2024-11-17