『終点』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
真っ白な天井
ポタポタと流れる液
タイマーがなり
ごそごそと
手元のブザーを探してナースコールをした。
看護師さん、終わりました〜点滴の針外して下さい
はーい今行きます。
ふ〜これでやっと帰れるな
ふと時計を見て間に合うかなと呟く
終点までもう一眠りしてこう
「ここでいいよ。ありがとう」
彼女は足を止めて僕の方へ振り返る。そして、僕が両手に持っていた荷物を静かに奪った。
「本当に大丈夫?」
「うん。ここまでにしとかないと、また弱気になっちゃうから」
早朝の、地下鉄の駅。改札を抜ける手前で彼女は僕の見送りをここまででいいと断った。どちらにしてもこの先は切符が無いと先へ進めない。そしてそれは選ばれた者でしか持っていない。つまり彼女は選ばれた人間なのだ。
「気をつけてね。あまり無理しないで」
ありきたりな言葉しか出てこなかった。次にいつ会えるのかわからないのに。彼女はふわりと笑った。それが、穏やかにも見えるし寂しそうにも見えた。もしかして、僕に行かないでくれと引き留めてほしいのだろうか。そんな考えが不意に頭をよぎったけれど、そうではなかった。両手に持った荷物ごと、彼女はぶんぶんと手を振る。そろそろお別れの時間だ。
「じゃあね!」
改札を抜けて彼女は行ってしまった。後ろ姿は何とも勇ましかった。あんなふうに大股で歩いたら転ぶんじゃないか、こっちは心配になったくらいだ。
やがてその後ろ姿も消えてしまった。今日、この終点の駅から彼女は旅立つ。“終点”が、彼女にとっては始まりになる。
もっともっとすごいものを見てみたいの。あの夜、瞳を輝かせながら彼女が言ったから、僕は止められるわけがなかった、だから祈ろう。キミの旅路が幸多きものになりますように。祈ることしかできないけれど。1人取り残された僕は、またいつかキミに逢えるその日まで、ずっとずっと祈ってる。
実験を繰り返して
犠牲は厭わなくて
晴天は突然灰色に
この期に及んで
マウントを取合い
それで…?
それで終点はどこ
[善悪もないウラン鉱石の終点はどこだ]
あなたと私の間に終わりなんて来るはずないよね?
あなたと会えなくなるなんて嫌だ。
話せなくなるなんて嫌だ。
なんで今まで通り関われなくなっちゃうの?
ほんとは分かってたよ。
あなたといつか別れる日が来るって。
でも好きになっちゃったんだよ。
こんなことをあなたに言っても何も変わらないのは分かってる。
せっかくあなたと出会えたのに。
ねえ、理解できないよ。
歳が離れてるから?
同性だから?
先生と生徒って関係だから?
全部だよね。
他にもあると思うけど。
あなたと同い年なら良かった。
今とは違う出会い方をしたかった。
異性だったら、もっと私のことを見てくれてた?
そんなこと考えてたらキリがないよね。
とにかくこれからもあなたと一緒にいたい。
卒業なんてしたくないよ。
でも、あなたを困らせたくないから
今日も自分の心にふたをする。
先生、大好きだよ。
幸せになってね。
さようなら。
#終点
終点
どんなにすごい人でも
生きている者はみんな
同じ電車に乗っていて
たどり着くところはおなじ
人生の終わりって何時来るんだろうね。
私はあんまり意識して生きてない。
だからガムシャラに生きることもしてない。
適当に力を抜いて生きてる。
余命を告げられた人はきっと違う。
否が応でも自分の終点を意識するはずだ。
何かを成そうとしてる人もきっと違う。
終点までに命を使いきろうとするはずだから。
悩みを抱えて自分の存在意義に疑問を抱く人も。
人生を探ってる中に終点の存在がきっとある。
そのどれでもない、楽観主義で脳天気な自分。
ふいに、もっと自分の命に興味持てよ、もっと執着した方がいいよって言われたことを思い出した。
人生を舐めてるわけじゃないが、適当に何でも出来た、勉強も運動も仕事も恋愛や人間関係も、要領がいいね、察しがいいね、よく言われる。大きな挫折をしたことが無いから、命の重みも終点も意識の外だ。
これでいいのか、
よくない気もするが、
そんなに急に無我夢中には生きられない、
人生の終点も見えないままに、
今日も一日が終わるのだろう。
【終点】#37
あなたと私の 終点は
ないね
この世界が消えたとしても
あなたと私には 必ず
来世の世界がある
だから必ず会える
信じています
寝過ごした
バスの終点
ロータリー
あ、このまま乗ってていいですか?
「本当にいいんでしょうかねぇ」
バスの座席に腰を掛けた老婦人は、ゆっくりと口を開く。
「私だけバスに乗ってしまって。他にもこれに乗りたかった人がいたかもしれないのに」
わたしは彼女の顔を見つめながら首を振る。
「いえ、大丈夫ですよ。それにバスはまた次のがすぐに来ますし」
そうですか、それなら良かったと安心したような表情になった婦人に、わたしは穏やかに語り掛ける。
「どうでしたか、今度の旅は」
「ええ、とても良かったですよ。私には勿体ないくらいの想い出です」
「けれど、ずいぶんとご苦労もなさったのでは?」
「まあ、確かに楽しいばかりではありませんでしたけれど・・・・・・、それも含めて良い旅でした」
「それはそれは。そう言っていただけると、わたしもこのバスに貴方と一緒に乗ったかいがあります。・・・・・・あ、ご婦人。そろそろ到着するみたいですよ」
わたしが気付いたのと同時にバスが停止した。車体のドアが開き、婦人が優雅な所作で立ち上がる。
「では、これで。ここまで送っていただき、ありがとうございました」
婦人がバスを降りる前に、わたしのほうを振り向き丁寧に挨拶をする。
「いえいえ、わたしのほうこそ、ありがとうございました。どうか、良い、死後を。そして、来世を」
わたしが手を上げると、婦人が降り、バスの扉が閉じた。
わたしはわたしと運転手だけになった車内で静かに座席に座りながら、次の乗客を待つことにした。
【終点】
疲れていたせいか、路線バスの箱で腰を落としてウトウトする、、、どのくらい時間が過ぎたのだろう
気がつけば、窓の外は見慣れない風景
まいったな終点かぁ…
ページをめくると、また新しい物語がある
人は、感謝をする時、何に手を合わせるのだろうか
気がついたラッキーな自分に手を合せ己を褒めるのか
そこにいた、他人に「素直」に、感謝できるかだ。
そんな、日々の積み重ね
それが、日常。
近頃、笑ってないなぁ…
春夏秋冬…どの季節が1番好き?だなんて
野暮なこと聞かないでよースリサーサー。ヘイ🤧
人生のページ
まだまだあるんだよ、
長い歴史、果てしない時間
なぜ人は、答えや終点を知りたがるのだろう
それには、きちんと答えがある
「忙しくないから、」
人間は、自分磨きに一生懸命だと
何も考える暇がない。
あなたは、近しい人に
忙しさとは、良いことだよと
言葉をかけられたことがありますか?
忙しいとは、幸せ。
他人の噂の、忙しさじゃない。
忙しさとは、なんですか?
知らない人は、終点を知っているのですか?
あぁ、忙しさに感謝し
心に手を合せ、家族に感謝し
己を、癒やす
その、循環であの人にも笑顔を贈りたくなる。
ファンタジックって、素晴らしい。
才能とは、反面恐ろしいもの
まだ、個性を咲かせたモノ勝ち、
そんな、もんだって人生。
のらりくらり、しなきゃ
逆においてかれてしまう
てやんで、待ちやがれ!
今、いくぜ
終点?
円周率のこと??!
スタート
最期ではなく途中
心は賑やか景色は豊か
待っている
待っている
※終点
あとは犯人を指し示すだけだ。名探偵の汚れ一つないきれいな手袋が一本の道標を立てる。純白に沿って空中を辿れば解答に至る。
「犯人はあなただ。執事のフィックスさん」
「まさか! 私がお嬢様を手にかけるなど……」
否定を更に否定して、名探偵が朗々と解答を告げていく。執事にとっては都合の悪いことに、事態は幕引きまであとわずかに残すのみでひとつに収束しようとしていた。警官も屋敷の面々もじっと執事を睨んでいる。髭の一本からでも自白を聞き出さんと耳目を駆使していて、俺はと言うと、やはり駄目だったのだと静かに大きな溜息を落とした。誰も聞き咎めない。馬鹿野郎ばかりだ。
「私は、私は……そんな……」
哀れなヤギが逆襲して俺を暴いてくれるというのならぜひそうしてもらいたいのだが、ついに執事の両脇に警官がついたので諦める。
この国で一番の名探偵すら俺を暴かないのだからそういう運命にあるのだと。全部諦めてしまった方が良いかもしれなかった。
「犠牲者が増えることもなく解決できたってことはやっぱ天才なんだよな! また評判が上がる!」
幼馴染が笑っているなら、まあいいかと、思ってもいいだろうか。いいか。田舎のファミレスはすっかり空いていて老人たちばかりコーヒーを飲んでいる。昼間の暗がりを残す店内に派手なファッションで向かい合って座り、俺たちは感想会を開いていた。
依頼帰りのパフェ食ってる名探偵に、次はどんな事件を贈ろうか、考えるだけで頬が緩む。
俺たちの最後はいつになるんだろうか。そのとき俺たちはどんな形をしているんだろうか。こうやって向かい合っていたい。それで、チョコレートがついてしまったからとテーブルに放られた純白の手袋が俺を指し示していれば。それはこの上ない終点だと、胸が震えた。
寮の前には、ドッヂボールができるくらいの芝生が一面に植えてあるんだけど、早朝の決まった時間に自動でスプリンクラーが作動する。
そういう光景にもアメリカだなぁって感じるんだけど、記憶が曖昧になっていく中で、私がそこにいたっていう証にも感じるんだよね。
夜通し話でもしてたんだと思うけど、もう夜が明けて、スプリンクラーが水を撒き出して、「行こう!」って手を引っ張られたんだったかなぁ、サカイと私は手を繋いで水しぶきを浴びながら走り回って。
たくさんたくさん笑ったね。
カラシ色に大きな水玉模様のパジャマもサラサラの髪もびしょびしょになったね。
心から楽しくて幸せだったサカイとの2人だけの時間。
この光景は一生忘れない。忘れられない。
あんなに幸せに笑えたことなかったよ。
サカイも同じように思ってくれてたらいいな。
一風変わった…というか
世間にいまいち認知されていない仕事がある
ある意味技術者
ある意味ではアーティスト
だが周りの認識は、いくらでも代わりのきく使い捨て作業員だ
〜未完〜
【終点】
私達だけが終点を抱く
水が枯れても石が風化しようとも形を変えてこの世界にあり続けるだけで
物質的にはずっと「続く」のに人がそれを「終わり」と名付け終点が生まれた
人だけが終点を見いだすのは死という命の終わりに至るからか
この世で唯一明確な終点を人が抱えて生まれて来るからだろうか
獣のように知らずに済めば最期を思わず生きられたのか
終点は人の中にしかない
故に捉えてはいけない捕らわれてはいけない囚われてはいけない
目の前にある終わりは私達の中にだけある幻かもしれないのだから
終点
コントローラーを握りしめ、勝つ為の最善策を頭で練り上げる。そこそこの時間やり込んできたゲーム、あとは目の前に立ち塞がるラスボスを倒すだけとなった。
地道に敵をしばき倒していたお陰でキャラクター達はそれなり以上に育成されている。あとは体力管理とMP管理にさえ気を付ければ、勝算は充分にある。
ラスボスが繰り出す強力な攻撃をしのぎながら少しづつ体力を削り取っていく。ここまで来た俺たちならこの壁も乗り越えられる。そうだろ、相棒。
少しづつ盤面が進んでいく画面をしかと見据え、次の手を考えながら思考の片隅ではこれまでの旅路がエンドロールみたいに流れていた。
これで最後だ。主人公の放った光の斬撃がラスボスへと叩きつけられる。体力ゲージはついにすっからかんとなった。恨めしげによろめいたラスボスは惜しむように、やがて粒子となって消えていった。
軽快な音楽が流れ出し、見知らぬ誰かの名前が画面を通り過ぎていく。
「終わっちゃったなぁ。」
手の熱の余韻の残るコントローラーを手放し、画面いっぱいに映されたエンディングをぼんやり見つめた。世界はすっかり平和になったようで、これまで各地で出会ってきた人々が笑顔で登場してはフェードアウトしていく。苦楽を共にした仲間たちもそのなかにいて、終わってしまったという実感がじわりと胸を締め付けた。達成感は確かにあった。メインストーリーだけでなくサブクエストも網羅してきたここまでの道のりは長く、それらを乗り越えてきたという、やり遂げたのだという気持ちは大いにあった。
けれども、まだ彼らと旅をしていたかったんだと、俺を置き去りにする画面を前に、ぽつりと呟いた。
~終点~
僕はいつも学校がえり電車で終点まで乗って帰る。
その時、1人だけいつも一緒に乗っている女性がいる。
たまにちらっと見るとよく思う。
その女性の瞳は、何かに希望を抱き吸い込まれていきそうな程美しい。
そう思う。
同い年くらいだったと思う。
ある時僕にニコッと微笑みかけてくれた。
僕の心は一瞬で奪われた
その微笑みで何人もの男性を落としてきたのか
その瞳はあるスーパーアイドルに似ているような気がした
#3分後に心奪われる話
終点って、なんか寂しい。
どこにでも、誰にでもある。
いつかは来るけど、来て欲しくない。
「終わり」は、一旦区切られて、
新たな次が始まる感じがする。
でも「終点」は、もう何もない、
本当の終わりな感じがする。
此処は私がたどり着くべき場所だった
此の駅の名は....
# 90
ハッピーエンドなんて要らない。
世界が平和になんてならなくていい。
富も名声も権力も、ほしくない。
ただ、隣で君が笑って居てくれれば、それだけで良かった、幸せだった。
だから。
君を殺した世界なんて。
いらない。
テーマ「終点」