織音(orion)

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寮の前には、ドッヂボールができるくらいの芝生が一面に植えてあるんだけど、早朝の決まった時間に自動でスプリンクラーが作動する。
そういう光景にもアメリカだなぁって感じるんだけど、記憶が曖昧になっていく中で、私がそこにいたっていう証にも感じるんだよね。
夜通し話でもしてたんだと思うけど、もう夜が明けて、スプリンクラーが水を撒き出して、「行こう!」って手を引っ張られたんだったかなぁ、サカイと私は手を繋いで水しぶきを浴びながら走り回って。
たくさんたくさん笑ったね。
カラシ色に大きな水玉模様のパジャマもサラサラの髪もびしょびしょになったね。
心から楽しくて幸せだったサカイとの2人だけの時間。
この光景は一生忘れない。忘れられない。
あんなに幸せに笑えたことなかったよ。
サカイも同じように思ってくれてたらいいな。

8/11/2023, 5:22:58 AM