『終点』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
終点
「さあ、着きましたよ」
耳をなでる優しい声で目を開く。ずいぶんと長く眠っていたような気がするのに、来た道の景色を覚えているから、きっとずっと眠っていたわけではないのだろう。
のそのそとした鈍い動きで、席を立った。四人掛けの向かい合わせのそれに座っているのは、自分だけで、もう誰もいないのだと悟る。
コンパートメント席を出て、出口へと向かった。出口には、人の良さそうな車掌が見送りのために来ていた。
「長旅、お疲れさまでした。いってらっしゃい、よい旅を」
左目の泣きぼくろが印象的な車掌は、そう優しく微笑んでいた。頭を軽く下げながら、お礼を言って、電車から降りる。辿り着いたそこは、終点。最果て、世界のはじっこ、そのように呼ばれるそこはたしかにこの世の終わりのようだった。
真っ白な世界が続くそこは、終わりのようで、はじまりの場所だった。そう、ここから先は何も、ない、のだ。
ゆっくりと、一歩を踏み出す。終点から始点へ、きっとここは終わって始まる地だ。
何事にも終点なんてない、終わりは始まりだって
言うけれど、実際そんなこと誰にも分からない。
終わってしまったら、次の始まりなんて
一生来なくてそこでお終いかもしれない。
だから、来るかも分からない始まりを期待して
終わらせるよりも、ちょっとでも後悔しないような
終わりに出来ればいいなぁ…なんて思う。
って言ってた君には、
もう後悔なんてなかったんだね。
いや、まだあったとしても
もう耐えられなかったんだね。
決して、僕が言えることではないけどさ。
君はよく、頑張ったと思うよ。だから…
今までお疲れ様。おやすみ。
お題 「終点」
終点
それは、いつ何処でどんな状態で訪れるか誰にも分からない。
そのとき、孤独なのか、見守ってくれる人が居るのか分からない。
ただ、ひとつ分かっている確かな事実は、
この地上で生きている全ての人間ひとりひとりに必ず用意されている、それ。
この世に生を受けてから、自分を乗せた列車は静かに走り出す。
そのルートは、誰ひとり全く同じ道は走らない。
最終の目的地は、みな同じ終着駅。
その終着駅にたどり着くまでに、たったひとつでも自分の納得のいく希望や夢を叶えられたら、本望だと思う。
「悔いがない人生を」
私はこの言葉が苦手だ。
考えたら、考えた分だけ「悔い」が増える呪文のように聞こえるからだ。
今さら過去を悔やんでも、引き返せない。
その時その時に、当時の自分が考え抜いたルートを無かったことには出来ないのだ。
今も、刻々と終点へ繋がる道を止まることなく進んでいる。
でも、人は、終点に向かうために生きているのではない。
自分のために今日という今日を、生きるために生きている。
誰かに、「また、明日」と言うために。
そして、明日を見たいために。
最近引きこもりを卒業しようと思って、就職活動始めたんだけど、人生詰んでるんじゃないかって落ち込むことがある。でも、何もしないより何かしたほうが良いと思うし、敷かれたレールの終点から先は乗り換えたり歩いたりして自分で進んでいくしかない。
#5
終点
目的地が決まってないけどふらふらとお出かけがしたい気分。
電車に乗って揺られ流れる景色を眺めたい
降りるところは終点。
どんな街か、どんな景色かそんな思いで電車を降りた
終わりが
分かってたら
そこを目標に
心の準備ができるし
最後の力だって
振り絞れる。
でも
人生は終わりが
いつか
分からないから。
今日かもしれないし
1週間後かもしれないし
1ヶ月後かもしれないし
1年後かもしれないし
10年後かもしれないし
100年後だって
あるかもしれない。
毎日毎日
心の準備はできないし
最後の力は
振り絞れないけど
この道は
進むしかなくて
過去には戻れなくて
今日は
たったの1日しかない
ってことは
忘れないでおこう。
#終点
扉が開いた。列車を降りる。差し込む西日に影を伸ばされながら、ホームに出る。
無人駅。なんの変哲もない駅。まだきっと途中の駅。でもそれが、私にとっての終点である。
ああ、ここに降り立ってしまったということは、もう向こうには戻れないということ。
歩みに後悔が乗る。
一歩
また一歩と
全てにサヨナラをするその歩み。
もうこれ以上行けるお金は残ってないんだ。
そうして私は、生前の病を振り払うようにして、深呼吸を一つ。
孤独死を物語る無人駅から、
一歩
また一歩と
遠のいていく。
私を取り巻く全てにありがとうと伝えながら。
「通行手形」
紺色の電車が終点に到着した。そこは異世界への入口だった。覚悟を決めた顔つきの面々が次々と電車を降りる。係の者に通行手形を押されたら、もう現世には戻れない。茶色いボストンバッグに最低限の荷物だけ入れて、ためらいもせず係りの者に手のひらを見せた。通行手形を押されようとしたその時、ハッとした表情で私を見ると他の者を呼んだ。3人が私の手のひらを見てざわつく。
「どうしたんです?早く通行手形を押してください」
1人が意をけして神妙な面持ちで答える
「あなたに通行手形を押すわけにはいきません。どうかお戻りを」
深々と頭をさげる。
「なぜです?私はもう現世に未練などありません。いいから早く押してください」
なぜ?意味がわからない。予想外のことに脳が混乱する。希望者は全員通すルールではなかったか?
「ここで今通したら、あなたは絶対に後悔する。あなただけではなくそのお腹の子も……」
「は?」
お腹の子?そんなまさか…
「どうか現世を生きてください。あなたにもその子にも未来がある」
私はそれでも行こうとしたが強引に帰りの電車に乗せられてしまった。
私には好きで好きでたまらない人がいた。しかしその人は妻子もちで、身体だけの関係でも繋がれるだけでよかった。元々結婚願望なんてなかったし、いつか別れるからなんて言われていたが信じていなかった。ある日いつものホテルで待ち合わせすると、彼の様子がおかしかった。どこかうわの空で話しをしても力なく笑うだけ。何かあったか尋ねると、会社が倒産寸前でかなりの額の借金を背負うことになりそうだと……私は何とかしたいと資金調達に走ったが、彼は自ら命を絶ってしまった。好きでたまらない彼に会えないなら、生きてる意味がないと思ってあの場所に向かった。
診察を受けると妊娠3ヶ月だった。私は泣き崩れた。
「どうか現世を生きてください」
私は新しい生命を待ちわびながら今を生きている。
お題:終点 絵里
真っ白な紙に真っ直ぐに線を引く。特に終わりは決めていないからずっと飽きるまで、たまに折り返しながら書き続ける。
ふと気づいたら部屋に西日が差していて、顔を上げたら橙と赤が溶けて混ざりあいながら沈みかけていた。
少し熱中しすぎていたらしい。別に熱中するほどのことなんて何もないのにおかしなものだ。
握りしめていたペンをおいて、改めて紙を見下ろす。
真っ直ぐな線のはずがいつのまにかズレていってぐちゃぐちゃになっている。始まりも終わりもどこなのか分からないくらい、白い紙は黒いインクで埋め尽くされていた。
なんだか今の自分の心境をそのまま映したかのようで見ていられない。力任せに破いて破いて破いて、全てを一纏めにして欠片一つ残さずゴミ箱に捨てた。
些細な出来事をきっかけに捻れて終点すら見失った惨めな自分なんてこうあるべきなんだ。
ゴミ箱の中で影に沈む紙切れをみて一人自嘲する。
次の日燃えるゴミの回収日はいつだっただろうか。はやく燃えて消えてしまえばいいのに。ついでに自分も、消えてしまえば、なんて。
「…くだらない」
【題:終点】
小学生の頃。駅前にホテルが建った。
ターミナルホテル
アーバンなビルディングでとってもスタイリッシュ!
都会的な外観がかっこいい。
なにより「ターミナルホテル」の響きが小学生の琴線に触れた。
ターミナルホテルでお誕生日会を開いてもらった友達は羨望の的だったし、ターミナルホテルで子供会のお食事会があった時は小躍りした。
中学生になった。
英語の先生が「ターミナルというのは終着駅という意味です。色々な駅前にターミナルを冠する建物がありますが、あれは終点でもないのに終着駅を自称してるんですよ。それに“末期”や“終末”の意味もあります」と笑った。
ショックだった。カルチャーショック以上のショックだった。私の中の「ターミナルホテル」のイメージはガラガラと崩れ落ちた。
アーバンでスタイリッシュなターミナルホテルが終着駅のホテルだったとは!
その日からターミナルホテルはなんとなく薄暗く、翳りを帯びていた。イメージは完全に終着駅シリーズ。
あれから数十年。
ターミナルホテルはますます薄暗くなっていき、目に見えて寂れていった。インバウンドで少し海外からの客が増えたように見えたが、それも一瞬のことだった。
今も駅前にそびえるその建物は「アパホテル」の看板を掲げている。
ターミナルホテルはホテルのターミナルだったんだなあ、と見上げる度に思う。
あ、ここまで
悪くない人生だった
「人生とは死ぬまでの暇つぶしだ」
なんてことを言う人がいたけど、ほんとにその通りだ
暇つぶしというには破天荒で
暇つぶしというには満ち足りた
暇つぶしというには積年の
そんな道のり
今は後悔もあるけれど知らん
後のこと?生きてるやつに任せるさ
…おいおい、待っててくれたのか?
今行くよ
「冷たいのにそんな顔して笑うんだね。おじいちゃん
...お疲れ様でした。」
#終点
私の夢と私をのせて走る列車。座席は赤のベルベット、窓枠がしっとりしているのは、さっき小雨が降ったから。
外は満天の星空、夜はホームシックになって胸が掻きむしられる。ブランケットが命綱だ。
大丈夫、もうすぐ終点。
気に入りの傘、カバン、帽子も忘れちゃいけない。
幸せだった今までの思い出を抱きしめて出口に立つ。ほら、私の終点だ。
#50【終点】
どこまで行けば
どれだけ待てば
その心に近づけるのだろう。
そんなことを考えながら
歩くこの時間の中
終わりの見えないカンケイを
本当は崩したくてたまらない。
終点についた。恋の終点に着いた。もう終わりなんだ。
今まで歩いてきたレールを見て振り返る。あんなことあったな。こんなこともあったな。楽しい思い出もあるけど、同じくらい後悔もある。どうしてあの時、チャンスを逃したのかな。どうして伝えたい気持ちを飲み込んでしまったのかな。過ぎ去ったことは、戻らないんだ。もしきみ以上の人と出会えるなら、運命があるなら、好きだって伝えたい__
終点
人は死んだら終わりだと言う。
しかし、死の先には新しい始まりが待ち受けるだけで
肉体の無い生がある。
人生の終点ではあれど、自分という本当の意識の出発点である。
なにも知らない人間は死んだ後に苦労する。
知らないがゆえに、真実を知り困惑する。
知っている者にとって、死は悲しみではなく
次の冒険に行くための楽しい行事なのだ。
しかし、自ら命を絶つものは死んだ後のほうが苦しむ。
魂に終点は無い。
だからこそ冒険は楽しい。
終点
しとしとと雨が降る一番線のホーム。学校帰りの学生が大勢、下り列車に乗り込んだ。
傘を手すりに掛け、一番端の席に座る。今日は座れてラッキーだ。
この電車で終点まで行けば君の最寄り駅。
ふとした瞬間にそう思ってしまう。何かにつけて君を想うんだから…、気持ち悪いって思われたらどうしよう。
君が友達と話しているの、聞こえちゃって知ったんだ。話しかける勇気もないけれど…、同じ方面に住んでるのは嬉しかったな。この電車に、君が乗ってるって思うだけで、胸がほっこりするの。
膝に乗せた鞄に、顔を埋める。
このまま終点まで寝ちゃったら、君と会えるかな…?
終点の失恋駅までもう少し。
そんなこと思い水がこぼれる。
実はそこは、両思いの駅だとも知らずに、
最終列車終点です…終点です…
喜びも悲しみも行く年月…
終点駅は始発駅…
終わりの始まり
再始発…
故郷へ向かう最終に
乗れる人は急ぎなさいと…
街に町に挨拶を…
故郷…勇気の乗車券…
ありがとう
NO SIDE🍀
……
ジョホール・バルの歓喜…
中島みゆきさんの歌が流れてた…
現地の人が日本に出稼ぎに来たときに
中島みゆきさんが浸透したらしい…
なでしこがんばれー💥👊😃
ミー撫子!!フレーフレー日本晴!!
《お題は終点。》
ここはどこだと問えば、いのちの《終点》。
どうりでいつもの疲れがないのね。
寂しいけれど、どこか解放感のある、いのちの終点。
どこか安心する、いのちの終点。
終点ってほんとに終わりなのかな…
誰かが言った。
終点って終わりって書くんだから終わりだろ
でもさ、それで本当に終わりなのかな…
何が言いたいんだか…
だって人生が終わる時、それは死ぬ時?それを終点って言える?
その先がないって絶対に言い切れる?
終点、綺麗な言葉だなと思う。でも、終わって欲しくない。そんな自分いる。
終わりがないなんてことは絶対にない
どこかで必ず終点はくる。
貴方の終点は何処ですか?