終点
それは、いつ何処でどんな状態で訪れるか誰にも分からない。
そのとき、孤独なのか、見守ってくれる人が居るのか分からない。
ただ、ひとつ分かっている確かな事実は、
この地上で生きている全ての人間ひとりひとりに必ず用意されている、それ。
この世に生を受けてから、自分を乗せた列車は静かに走り出す。
そのルートは、誰ひとり全く同じ道は走らない。
最終の目的地は、みな同じ終着駅。
その終着駅にたどり着くまでに、たったひとつでも自分の納得のいく希望や夢を叶えられたら、本望だと思う。
「悔いがない人生を」
私はこの言葉が苦手だ。
考えたら、考えた分だけ「悔い」が増える呪文のように聞こえるからだ。
今さら過去を悔やんでも、引き返せない。
その時その時に、当時の自分が考え抜いたルートを無かったことには出来ないのだ。
今も、刻々と終点へ繋がる道を止まることなく進んでいる。
でも、人は、終点に向かうために生きているのではない。
自分のために今日という今日を、生きるために生きている。
誰かに、「また、明日」と言うために。
そして、明日を見たいために。
8/10/2023, 2:29:37 PM