かなで

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12/9/2024, 12:25:00 PM

手を繋いで 



貴方の手は いつも手を振ったら応えてくれる

貴方の手は いつも握手で力強くて頼もしい

貴方の手は いつもハイタッチで励ましてくれる 

貴方の手は いつも頭をポンポンとしてくれる 
 


貴方の手は いつも他のヒトと繋がっている  




貴方の手は いつか誰かと永遠(とわ)に誓うのだろうか 


ワタシの手は 

いつも開きかけた蕾のように

          地面へ向けて真後ろで彷徨っている  

 
 

いつか 手を繋いでみたい 

手を繋いだ先は 幸か不幸かは置いといて

12/7/2024, 12:12:57 PM

部屋の片隅で 




毎年この時期になると 何を贈ろうかと 

ひとりで週末に出掛けて 

お店で商品とにらめっこしていた 


もうすぐ クリスマスだから


喜ぶ顔が見たい 驚かせたいと日々 仕事に励んでいた 


駅直結型の新しく出来たモールのエスカレーターで 


ぴったりと寄り添うカップルが見えた


去年贈ったマフラーの色が同じだったから


私の目に真っ先に飛び込んできた 


 



 

そこから、ワタシはどうやって帰ったのだろう


 
 



目を閉じる  

          視線が一瞬交わったと思った


震える声を押し殺して

        
         ワタシから落ちる瞬間の表情(かお)は 


涙が線を描く 

       もう 隣りに愛しそうに向けていた


脚元から凍えて


       言の葉よりも鋭く突き刺さった 


自らの身体を抱き締めた 


 


あれから 半年が経つというのに 


ワタシは 未だ あの過去をリフレインしている 


部屋の片隅で  


明けない夜はないと信じて

12/5/2024, 2:32:03 PM

眠れないほど 
 


眠れないほど 貴方が恋しい   

眠れないほど 貴方が愛しい  

ワタシの心は 捕らわれたまま


だけど


眠れないほど 貴方の振る舞いが憎い 

眠れないほど 貴方が近くて遠い   

疑心暗鬼 憂いが募る


貴方は気にし過ぎだという 

 
本当に?


お姉ちゃんの言ったとおりだね 


人気がある貴方の恋人になり続けるのは 楽ではない



今宵も 涙で眠れないほど  

さくっと 夢が攫ってくれたらいいのに


混沌と不安な夜が始まる 



人の気も知らないで

11/11/2024, 11:27:38 AM

飛べない翼 



飛んでいきたい場所には 降り立てない  

賑やかそうな声が 此方に微かに届く




私にも 確かに 翼があるはずなのだ 


でも 翼を広げても 次の動作に移れない  


わたしには お飾りの翼がある


昔は無邪気に羽ばたいて 飛んでいって 

言葉を交わし 同じ時空に漂ってた 


また 戻れると思ってた 

頑張って受験した 

お兄ちゃんたちの母校だから 

小さな繫がり欲しさに



 
線引きされてしまった現実を嫌と言うほど

目の当たりにした 

 
簡単には届かない位置だと 

同じ敷地内に居るのに 交わることがなかった 

この2週間 




今日は教育実習の最終日



友達のお兄ちゃんは高等部の教育実習生として来ている 

わたしは ただの中等部の新入生の一人に過ぎない  


もどかしかった 


・・・・・・だけじゃなかった
 
ほんの僅かな時間でいいから

わたしは ちゃんと伝えたいのだ

心の底で蓄積してた想いを

  
もう 記憶が薄れて気が付かないかもしれない



飛べない お飾りの翼のままだけど  
 



まだ 消えちゃいないのだ 


だから、貴方も
 


飛べない翼のかわりに 脚を使って


決着つけてこい!

9/21/2024, 12:54:18 PM

秋恋 


文化祭には他校の生徒が訪れる 

それは共学でも 出会いの場 
 
この時間帯は男子は入口で呼子をしていた

だからか、やたら入店は女子率が高い

他校の女子高生の気合いのはいった出で立ちに 

ホール内で待ち構えた自身の現実を突きつけられ  

フリルの付いた裾をシワを伸ばすように引っ張るように握る

気を取り直して笑顔で案内すれば マウントを取られる始末 

大丈夫 同じフィールドの類ではないので

そう 威嚇しないで 

此方は真面目に接客しているだけ  

席に案内して注文を取ろうとすれば 

メニューにないオーダーがまた 入る 



「ねえ、入口にいた背の高い方の子に注文したいんだけど」 


お姉様がた、お目が高い! 

その子、バスケ部のエースで学年で3本の指に入るイケメンのひとり! 

うんうん、話したいよね、連絡先知りたいよね  

だけど、非常にごめん

ここのホール内の係りにしちゃうと 


戦場と化すんだわ 


うちら、去年の二の舞い(地獄絵)だけは踏みたくないと固く誓ったの 

 
秋の恋は ところどころで 花開く 

静かに咲かせる者もいれば  

同時に花開かせる者  

遅咲きの者

火花バチバチのように激しく咲き乱れる者もいる

 

私みたいに 咲いても枯れるのを待つかのように

放ったらかしの者もいる  


君たちの そのエネルギーを少し分けてくれないかな  

 
来年こそは 自分の花に挿し色をつけたい  

紅葉みたいな色で

なんとも思っていないよっていう、仮面を外して 

真正面から 最後の後夜祭を誘ってみたい  


背が高いから 階段の上から逆に見下ろす感じで
















 



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