かなで

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秋恋 


文化祭には他校の生徒が訪れる 

それは共学でも 出会いの場 
 
この時間帯は男子は入口で呼子をしていた

だからか、やたら入店は女子率が高い

他校の女子高生の気合いのはいった出で立ちに 

ホール内で待ち構えた自身の現実を突きつけられ  

フリルの付いた裾をシワを伸ばすように引っ張るように握る

気を取り直して笑顔で案内すれば マウントを取られる始末 

大丈夫 同じフィールドの類ではないので

そう 威嚇しないで 

此方は真面目に接客しているだけ  

席に案内して注文を取ろうとすれば 

メニューにないオーダーがまた 入る 



「ねえ、入口にいた背の高い方の子に注文したいんだけど」 


お姉様がた、お目が高い! 

その子、バスケ部のエースで学年で3本の指に入るイケメンのひとり! 

うんうん、話したいよね、連絡先知りたいよね  

だけど、非常にごめん

ここのホール内の係りにしちゃうと 


戦場と化すんだわ 


うちら、去年の二の舞い(地獄絵)だけは踏みたくないと固く誓ったの 

 
秋の恋は ところどころで 花開く 

静かに咲かせる者もいれば  

同時に花開かせる者  

遅咲きの者

火花バチバチのように激しく咲き乱れる者もいる

 

私みたいに 咲いても枯れるのを待つかのように

放ったらかしの者もいる  


君たちの そのエネルギーを少し分けてくれないかな  

 
来年こそは 自分の花に挿し色をつけたい  

紅葉みたいな色で

なんとも思っていないよっていう、仮面を外して 

真正面から 最後の後夜祭を誘ってみたい  


背が高いから 階段の上から逆に見下ろす感じで
















 



9/21/2024, 12:54:18 PM