鶴づれ

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終点


 しとしとと雨が降る一番線のホーム。学校帰りの学生が大勢、下り列車に乗り込んだ。
 傘を手すりに掛け、一番端の席に座る。今日は座れてラッキーだ。

 この電車で終点まで行けば君の最寄り駅。

 ふとした瞬間にそう思ってしまう。何かにつけて君を想うんだから…、気持ち悪いって思われたらどうしよう。
 君が友達と話しているの、聞こえちゃって知ったんだ。話しかける勇気もないけれど…、同じ方面に住んでるのは嬉しかったな。この電車に、君が乗ってるって思うだけで、胸がほっこりするの。

 膝に乗せた鞄に、顔を埋める。
 このまま終点まで寝ちゃったら、君と会えるかな…?

8/10/2023, 1:49:54 PM