『終点』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「車内アナウンス」
こちら恋線、恋線
始発は出会いです。
終点は彼です。
終点先は彼の世界です。
傷つく前に
次の駅で途中下車しても構いません。
次の駅は失恋、失恋
お出口左側です。
髪を乱しながら怒りに震える彼女は、激しい動悸が起きるほどに苛烈で綺麗だった。
心臓が鷲掴みされて、きっと瞼の裏にも焼き付いている。誰もが口を噤み、異様な光景に戦慄しているなかで彼女の喉の奥が引き攣る悲鳴は雲間から差し込む光のように聞こえて高揚に視界が潤む。
ああ、きっと私は彼女のために生きていたのかもしれない。もっと、もっと早くに会いたかった。傍で息をしている彼女のために。いま以上の苦しみを彼女に与えるために。
/ 終点
おかしい。何かがおかしい。
電車に乗った時刻から、10時間が過ぎた。
何か怪奇現象が起きる訳でもなく、
目的地へ到着する訳でもなく、
外を見れば青々とした田んぼが広がっている。
ただ外を眺めていると、
突然車掌のアナウンスが入った。
「まもなく終点です。51年の長旅、ご苦労様でした。」
そうか、俺、死んだんだっけ。
私の行き着く先は、あなたでありたかった。
「終点」
ずっと続くものなのだろうか。
いつか終わりが来る
永遠なんて無い
どんな事もいつか終わりが来る。
今の「感情」「気持ち」「幸せ」「苦しみ」
それらの終点はどこだろう。
終点が来る
いつか必ず来る
どんなに楽しくてもだ
バスの窓から高校生が中学生が歩いているのが見える
閉じ込められているととてつもなくつまらなくて
こいつらと同じだと思われたくなくて
それで違う道を選んだのに
いざ放たれるとなんか違う気がして
貪欲になっていくばかりだ
だけど終点は楽しいときにしか来ないわけじゃない
どんなに辛いときだって来てくれる
気まぐれな子なのだ
僕も気まぐれな生き物だから
気まぐれな彼が好きだ
またいつか
電車が出発する、あのプロロロという音。それと共に私は足を運んだ。
普通の駅とはまるで違う、近未来的ではなく、
空を走る電車。夕焼けに溶けてきれいな空を、私は走る。
私以外にも乗る人はたくさんいるみたいだけど
私専用の…いや、客室も用意された特別な列車。
夕焼けに溶けた列車内で、これまでの人生や、人生の意味、大切な人を思い返す。
悪くなかった。って言えれば十分だよね。
乗ってから49日後。優しい声が響いた。
「まもなく、終点。冥界。冥界。」
さて、死人である私は電車で無事に冥界にたどり着きました。
ここからは天国行きか地獄行きかを伝えられてから、私はその場所に行く。
天国とか地獄とか、信じてないけど。
行けるなら天国がいいなあ。
…あの人に会いたいなあ。
そう思いながら後ろを振り返った。
この世とあの世を繋いでくれた終点を、静かに眺めていた。
#終点
この駅で終点、、
この人ともお別れだ。
この人ともっといろんなこと喋りたい
悲しいな
でもこの言葉だけは言っておこう
「さようなら、大好きです」
最終電車に乗り込んで終点の君の元へ。
二人だけの秘密の時間。始発までの数時間。
駅のホームへ足を落とせば、涼し気な風が頬を撫でる。早足に改札まで行くと君が手を振って出迎えてくれた。
だけど時間は過ぎていく。止まってくれと願いながらも。
早く君を連れ出すから、それまで待っていて。約束だよ。
27.『終点』
終点
終わりって自分で決めるもの?
自分で決められる?
それを決めると仮定しても
本当の終わりを決められるのか
終点=限界点となるのだろうか
何かを終わらせる理由
もっともで正当な理由を
そう考えるだけで
限界まではいけない
所詮は弱き者の主張
次があるから終わらせられる
始まりの為の終わり
本当の終わり
終点の由縁とは
それは死に似て非なるもの
レールに例える車止め
✕印に枕木を乗せて
本当の終わりを教えてくれる
現実世界にも分岐点は
いくつもあった
わかっていても
自分の意図した道なんて
選べることは少ない
終わらせたいものほど
終わらせられない
それすら自分で決めている?
選んだ者にも理由があって
思うままに選んでるとは
限らないから
このレールすら
自分で選べなかった道
進む道はもちろん
終わりすら選べずに
次の分岐点へと
向けられている
選べなかった始まり
選べなかった脇道
選べない終点
なんと思うまま生きられない
望めば望むほど
この手からこぼれ落ちていく
何もかもが終わっているのに
自分の終わりすら選ばない
たったひとつ選べることを
選ばない選択をしながら
終点=限界点だけを信じて
まだ限界でないという
淡い幻想を糧としながら
選べない選ばないを
継続しながら
終わらない議論を
独り弱々しく考えている
ここは終点だよ
頑張ったね
辛かったね
もう大丈夫だよ
そうだ
僕は頑張ったんだ
すごく辛かった
すごく怖かった
やっと たどり着いた
ヒュー サァー
ヒュー ヒュー
サァー ザァー
疲れ果てた僕を 木枯らしが追い越していく
僕につぶやく バイバイと
どうやら終点はまださきらしい
終点と言うと、何かの終わりというイメージがありますが、そうではなく次の始まり(始点)なのではないかと思います。物事は全て何かの始まりと終わりの連続なのかもしれないです。
終点を“死”と考える。
起点を“生”と考える。
そうだとすれば、
「生きる」の反対は
「死ぬ」だと言い切れない。
つまり、何なら言い切れるか。
いつも、
《“死”は“生”と隣り合わせである。》
ということだ。
【終点】#12
※本日作者が頭痛により文章が一部簡略化していることをご了承ください。
「……あーあ、最悪だ」
僕は寝落ちして終点まで来てしまった。
しかも終電でだ。最悪だ。
こういう時に限ってホテルへ泊まれる程の金はない。
仕方がないので、待合室へ待つことにした。
すると、僕と同じようにスーツを着た男性が座っていた。
「あなたも終電まで寝てしまったのですか?」
僕は彼にそう言ってみたが返事は無い。
「終電で寝落ちは最悪ですよね」
再び言ってみたが、やはり彼からは返事が無い。
人見知りなのだろうか?
彼はじっとこちらを見たまま何も言ってこない。
ずっと僕のことを見続けている。
……怖い。
不気味だ。なんでこんなに見てくるのだろうか?
怖い。一緒にいたくない。
僕は急いで待合室を出た。
「……ふぅ」
怖かった〜。すごく焦った。
あの待合室へは行かないようにしよう。
僕は仕方がなく夜道を歩くことにした。
「ただいま」
「おかえりなさい。終電に寝落ちなんてバカねぇ」
「うるせぇ。仕事で疲れてたんだから!」
「はいはい」
「そんなことより、見たんだよ」
「え?見たって?」
「例の噂の幽霊」
「幽霊?」
「あれだよ、待合室の男の幽霊」
「……あぁ!終点駅の幽霊!」
「そうそう!あいつに会ったんだよ」
「えぇ!?確か友達があっちの世界に引き込まれたって話でしょ!?」
「そうそう!でも、ちゃんと対処したから大丈夫だった」
「対処って?」
「何も話さず目線も逸らさないでじっと耐えること。そしたら待合室から出ていってくれたぜ」
「わぁ、良かったね、引き込まれなくて」
「ほんとだよ。いやぁ、めっちゃ怖かったぜ〜。まさか自分が経験するとは思わなかったからな」
「寝落ちの乗り過ごしはするもんじゃないわね」
終点駅の幽霊。
彼は今日も終電後の夜を彷徨っているという。
■テーマ:終点
そこには誰かいてるかな
知ってる人なら嬉しいけど
まだまだ行きたいところがあるし
走っていくのもしんどいから
そこへはゆっくり向かいます
私の終点
『終点』2023.08.10
この電車を終点まで乗ったらどうなるだろう、という考えがよぎり思わず笑ってしまった。
今書いている脚本の登場人物のような思考。ミッドライフクライシスというらしい。
あいにく自分はまだそこに至る年齢ではない。本やネットで調べただけの知識しかないが、中年期におこる憂鬱のことを言うらしい。
今日はオフだ。人に会う用事も買い物もない。時間に余裕はある。
いっそ本当に終点まで行ってみようか。
路線図を確認すると、終点は高崎駅だ。
行けなくはない。帰れなくもない。
帰宅の時間や交通系電子マネーの残金を考えると、なかなかの大冒険である。
しかし。
などと悩んでいると、本来降りるべきだった駅をすぎてしまった。
不思議と焦りはなかった。だから、そのまま座席に座ったまま流れる景色を見る。
乗り過ごしたのなら、仕方ない。
バッグから手帳を取り出し、今の心境をメモしようとした。しかし、それすらも面倒くさくなり、すぐに片付けた。
今の自分はシナリオの登場人物だ。その心境をトレスすることにした。
電車はガタンゴトンと揺れながら、高崎駅を目指す。
『終点』
少し前によく聞いていた曲のフレーズが頭を過りました。
「愛の遺伝子を持たずに生まれてくる人はいなくて…」
(OKAMOTO'S「Where Do We Go?」より)
愛されてこなかった過去を持つ人は思うより多くいると思っておりますが、愛されずとも愛することは叶うと、強く思えるフレーズに感じます。
たとえ愛し方を知らなくても遺伝子に刻まれているなら、、、そんな希望が見えるワンフレーズです。
辿り着く終点は見えないですが、わたしはわたしの1歩を重ねるしか出来ないので、たまに休んだり振り返りながら、なんとか前へ進んでいきたいです。その先が、どんな終点であろうとも。
(歌詞のワンフレーズの引用は著作権侵害に当たらないらしいので、引用させていただきました。)
お金も時間も義務も忘れて
電車が引き返すほど遠くへ行きたい。
街はあるかな? 海はあるかな?
車窓から見る景色は綺麗だろうか。
改札を出たらきっと私は
美味しいランチを探しに行くよ。
午後何時のことだろう。
年始
終点。
うちは終点が
近いから
大丈夫。
色んな電車に乗るけど
楽しそう。
終電に駆け込み乗車した僕。
その電車が、終点まで行くと、
乗車中の人間諸共、
この世界から消える電車だとは気づかずに。
目を覚ますと、暗い暗い森の入口辺りに寝っ転がっていた。
変だな…と思いつつも、体を動かす。
立ち上がって見てみると、
辺りには電車の残骸。
人一人居なさそうだった。
遠くから聞こえる、パトカーのサイレン。
そのサイレンを頼りに、電車の残骸を後にする。
けもの道からまともな道路に出たと思えば、
目の前に拡がっているのは畑ばかりで。
真っ直ぐ目を凝らして見ると、
パトカーらしきものが溝に落ちている気がする。
パトカーまで走って走って…
たどり着いた先には、血生臭い匂いがした。
その勘は当たってしまい、
人が三人ほど、乱雑に殺されている。
人の感は鋭いほど当たる。
周りに人はいない。僕一人らしい。
なんだか、奇妙な世界まで飛んできてしまったようだ。
「ジジジ…ぁ、あー、、」
「あれ?生き残っている人間がいるなぁ。」
「あいつはなぜ生きている?
この世界には、空気など無いのに。」
「あぁ、死んだ体が動いているのか。」
「ようこそ、ゾンビだらけの世界へ。
君はもう、元の世界には戻れない。」
95テーマ【終点】