『終わりにしよう』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「ねぇ、もうこうやって会うの終わりにしない?」
男は飲んでいたワイングラスを置くと静かに言った。
「えっ?どういうこと?」
共に食事をしていた女は驚きのあまり顔を上げた。
今まで仲の良い恋人同士だったと思っていたところに、神妙な面持ちで言われた言葉に身構える。
右手のナイフにはたった今食べた肉のソースがついている。
「あのさ」
女は何を言われるのか緊張のあまり咀嚼もままならず、ほぼかたまりのまま肉片を飲み込んだ。
「結婚を前提に、一緒に棲みませんか?」
男は女の目を見て言った。その瞳は緊張に揺れている。
「えっ?」
女は想定外の言葉を言われて驚いている。
「あっ。あの、これ――」
男は慌ててジャケットのポケットから紺色の小箱を取り出した。その姿は女の見るいつもの少し情けない彼そのものだ。
「本当は一緒に選びたかったんだけど、びっくりもさせたくて――。結婚指輪は一緒に見に行こう」
差し出された小箱の中で光るシルバーが照明を反射して輝いている。
「僕と結婚を前提に、一緒に暮らしてください」
女の目か涙が一筋流れた。
今度は男が驚く番だった。
「あ、あんまり真剣な表情で何言うのかと思ったら……。別れ話かと思った……!」
女は泣きながら男に言った。この数分で感情をあちこちに揺さぶられたせいだ。
しばらく泣いて落ち着きを取り戻したところで、
「よろしくお願いします」
小箱を受け取り、男に指輪を通してもらった。
デザートのラズベリーソースがけのジェラートの酸味が、この数十分間の女の心模様を表しているようだった。
/7/15『終わりにしよう』
世界は美しい、まだ知らないことはたくさんある。
景色で微笑み、音に微睡み、薫りで寛ぐ。
触れて手繰り寄せ、導かれるように歩を進む。
言葉かもしれない
それは、情景かもしれない
または、音楽かもしれない
そして、人かもしれない
私も、あなたも、掬い上げてくれるのは……
前を向かなくてもいいよ。
ねぇ、ほんの少しだけ、顔を上げてみるのはどう?
それだけでも、きっと世界は変わるよ。
『終わりにしよう』
「嗚呼、こんな夜とはさよならしよう」
君は笑いながらそう言った。手を取り合って夜の公園で遊んだあの時も、泣きながら映画の感想を言い合った帰路も。全てはあなたがいたからだった。
「僕は気がついたんだ、ここは夢の中だって」
ええ、そうでしょう。あなたは布団から一歩も出ていません、そこで私と愛を囁き合ったんです。
「ねぇ、此処でずっと夢を見ていたくはありませんか」
私は意地悪に笑います、だってあなたのタイプは猫みたいな人だから。
「見ていたいさ、でも、ここで君を愛したところで」
苦しそうに俯き、深い葛藤が唇を震わせます。
「言っていいですよ、どうか私を目覚めさせて」
あなたは意を決したように顔を上げました、乱暴な声色は決意よりも、なるようになれという乱雑さを大いに感じました。
「僕は、僕を好きになれないから」
あなたはそれだけ言って、脱兎の如く逃げ出しました。
私は、霧のたちこめる空間に一人取り残されます。
あなたに愛されるように創られた体が、ありもしない心が。
寂しさ、なんてものを感じたように思えました。
これからあなたは、私を捨てて現実を愛するのです。
それでも、私はあなたが布団に横たわる時、静かに見守りましょう。魘されるときは心配し、可能ならあなたの前に姿を見せましょう。
「……よい一日を」
あなたの目覚めが、素晴らしいものであることを願っています。
【終わりにしよう】
現実から目を逸らしながら
夜明けに涙を落とすことが
無くなることを祈っていて
自身の命を大切にすること
僕はそれを守りきれないよ
“終わりにしよう”
その言葉に私は安心したんだ
あぁ、ようやく私は_
この人生という地獄にさよならできるんだから_。
あぁ、でもなんでだろうか
ようやく望んだ終わりなのに…
なぜこんなにも_
生きたいと思うのは、、、
生にもがくのはなぜなんだろうか…
その思いの言葉は、誰にも届くことはなかった。
、、、神よ教えてください…
人生は、生きることはつらいです。
それでも、生きることにもがいて足掻き
生きることを諦めない人はどうして、どうして…
こんなにも美しいのでしょうか?
題:拝啓、この美しくも残酷な世界に生きる神様へ
終わりにしよう
これ以上、たのしい思い出をつくるのは
もう、終わりにしようっていう合図は
とっくの昔に出ているのに、
諦められない置き去りの心が
私にまだ残っている、そんな片思い。
友達からのスクショに、彼氏が友達に私への別れ話をいつ切り出すかについて相談しているDMのやりとりがあった。曰く、俺には勿体無いだとか。
あー、だるい。そう言うの本当に嫌い。もうずっと励ましてきたのに、成功体験増やしてやろうって言って頑張ってきたのに。
友達が必死に止めてくれてたから、私も一肌脱ごうと思う。ちょうど明日は記念日で、一緒にご飯食べるわけだし。
バラは重いかなとか考えて、淡い緑のトルコキキョウを選んだ。一束包んでもらって、駅で彼を待ち構える。
私も好きだからさ、好きな男逃したくないんだよね。別れ話とか絶対にさせない雰囲気にしてやろうとか思っちゃってるんだよね。
彼こそ私にもったいないよ、純粋すぎるから。だからお互い様。だから絶対逃さない。
"終わりにしよう"
これで最後終わりにしよう
…あともう1枚!これで終わりにしよう
……ほんとにこれでさいご!
……ほんとにほんと!まじ!
……次こそほんと!ぜったい!!
どこで間違えたのだろう…なぜ手が止まらないんだ!?
あと1枚が止まらない…名を口にするのも恐ろしい…その名を『 ポテトチップス』おぞましい食べ物である。ではもっと恐ろしいことをお教えしよう上記文の続きである
……あともう1枚!ほんとーにこれで最後!!
ガサツ
…ゑ?………ゑ??あ…………。。。
そう!何と言うことでしょう!あろうことか「あと1枚」で1袋食べ終わってしまったのである!!!!
皆様もおぞましい食べ物『 ポテトチップス』に御注意を
静かに口を開いた彼はゆっくりと言葉を紡いだ
「終わりにしよう」
全身が絶望に包まれる。なんで?なんで?何がいけなかったの?
慌てて彼の顔を見ると、彼は笑っていた。ああ…やっぱり、自分ってただの遊びだったんだ……
「終わりにしてさ」
彼が再び口を動かす。身構えると、
「俺と、正式に結婚してくれませんか。
契約結婚じゃなくて、本物の結婚を」
あ___
温かい。目元が温かい。これは…水…?
『喜んで……』
「やった!!」
『なんでそんな言い方したの?!不安だったんだけど!!俺!』
「あはは笑ごめんね、__があんまりにも可愛いから」
『可愛いって言うなぁあ!!好き!!』
___なんていう夢が見られたらいいのに。
『……さようなら』
もう、なにもかもが嫌になっていた。
人から期待されるのも、なにもできなくて失望されて
憐憫の視線を向けられるのも。
何よりその期待に答えられない自分自身にも。
「だったら、全部終わりにしようか。」
あなたが私に向かって言う。
今まで考えたこともなかった選択肢だった。
「もし君が今ここから逃げたいって言うなら連れて行ってあげる。もう誰も追ってこれない所まで。」
差し伸べられた手を摑んだ時、とても暖かいと思った。
二人でなけなしの金を使って電車に乗り、遠くへ行く。
誰にも言う事なく、電車に乗るのは初めてでどこか楽しかった。そして、適当な場所で降りた。
「ここは?」
「海がきれいな所。さあ、行こう。」
誘われるがまま、二人で着の身着のまま浸かった。
秋だからか海の中はとても冷たく、二人でくっついていないととても動けそうにはなかった。
もう肩くらいまで浸かった時、急に抱きしめられる。
そういえば死ぬ前に聞きたかったことがあった。
「どうして、一緒に死んでくれるの?」
「君を一人で死なせたくなかった。だって一人で死ぬなんてすごく寂しいだろう? それに───」
「それに?」
「君のいない世界で生きるくらいなら、全部終わりにしたほうがいいと思ったから。」
まさか、そんなに好かれているなんて思わなくて死ぬ間際だというのに笑ってしまった。
「ありがとう。ごめんね、巻き込んで。
でも、一人じゃないのはすごく嬉しい。」
「そっか。それは良かったな。」
最後の瞬間、ようやく誰かと一緒に笑うことが出来た様な気がして嬉しかった。
意識が少しずつ寒さで遠のいていく。けれど繋いだ手は決して離さない。
お互い、温もりを感じ合うように唇を重ねながら意識を
手放した。
『終わりにしよう』
『これで、終わりにしよう』
心の中で呟きながら、一本のタバコを口に咥えた。
カチ、カチッ。
ライターの火を灯し、ゆっくりと咥えた先へと運んでいく。
雲がやってくる。今からお前たちを覆ってしまうぞと無音で迫りくる。夏の山、すでに多くを青く沈めて、まだまだだと私を覆いに駆けてくる。
車窓からスマホで撮った、たかだか一枚の写真にその想いが乗り移るとは思えない。まだ高い日差しまで届かず、しかしいまから、いまにも、襲いくる。右の端から左の端まで厚い雲。奥は鈍色で浮いた先は陽光に白く透けた、何度も山脈を覆う旅人の雲。
すべてが終わる日にこそふさわしい。
鮮やかな山の色と空の色を通り過ぎて雲の恩恵が降るとき、私のすべてが終わる。雨が上がったとき私たちは別の場所に着いて、そこで新しく生活が生まれる。
最後に、もう終わりにしようと泣いた親の顔を思い出した。
はやく終わらせにきてほしい。はやく私を覆い尽くして恩恵で流し尽くして新生活を祝福してほしい。
どれだけ願っても夏の雲は豊かに静かに過ぎゆくばかりだった。
「なぁ、坂山(さかやま)、もう終わりにしよう」
「…は」
唐突に放たれたその言葉に、俺は驚いて思わず言葉を溢してしまった。
「なん…だよ、変な冗談、やめろよな…なぁ、雅口(まさぐち)…?」
「…」
俺は冗談だと思い、汗をダラダラと流しながら苦笑して雅口にそう言ったけれど、雅口は苦虫を噛み潰したように顔をしかめて目線を下に向けて黙り込んでしまった。
その様子からどうやら冗談ではないと言う事を知らしめられてしまう。
そんな…嘘、だろ…
「…」
俺も下を向いて黙ってしまう。
…そんな、嫌だ、嫌だ!こんな短い時間だけで、終わるなんて…!そんなの、嫌だ!!!
「なぁ、頼むよ雅口!考え直してくれ!頼む!!」
俺は握り拳を作りながら大声を上げて雅口に考え直せと叫ぶ。
「…すまん、坂山」
「…っ」
だがその言葉も虚しく、雅口はただ俺に謝るだけで考え込む素振りを見せない。
俺は息を呑む。
どうやら、もう駄目なようだ。
…しょうがない、最後は笑顔で終わらせるとするか。
「…なぁ雅口、俺、お前と一緒に遊んで、喋って、…すげぇ楽しかったよ。」
「…!」
「また、いつか、遊ぼうな…」
俺は目に涙を浮かべながら、雅口に笑顔で、きっといずれ来るであろう時間のことを話す。
すると雅口はどこか安堵したような、そして嬉しそうな笑顔で、
「…あぁ、俺も、お前と遊んでた時間は、楽しかったぜ。」
そう言ってくれた。
「…じゃあ、もういいぞ。雅口」
「―――あぁ…『ぷ』だったよな。」
「…うん」
「…『ぷりん』」
「…!これで、終わりか…あっという間だったな…雅口…」
「あぁ…そうだな…」
話し終わったあと、俺と雅口はお互いの手を力強く握り握手し終わると自らの鞄を持ち、教室から出て互いに別の方向の帰路についた。
またいつか、できるといいな…しりとり。
「…ねぇ、あの二人何してたのかな?」
「知らない方がいい。どうせまたアホなことしてたんだろうよ」
『銃口』
「なあ、終わりにしないか」
「は?」
まさかのセリフに振り返ってその真意を聞こうとした。だが、後頭部に当てられた冷たい筒状の感覚のせいでそれは叶わなかった。
「まさか俺に銃を向けるなんてな。これが飼い犬に手を噛まれるってやつか?」
「どうとでも言うといい。もう何を言っても遅いんだから」
安全装置を外す音がする。確かに何を言っても遅いのだろう。俺はとっさに手にしていた拳銃から手を離すと、両手を挙げて抵抗する意思がないことを示す。
「分かった。どうせ死ぬなら素人に殺されるよりお前に殺される方がマシだ。まあ素人に殺されるようなヘマやるぐらいなら殺し屋なんてやらない方がいいがな」
「強がり言うなよ。俺のこと素人に毛が生えた程度ってずっと言ってたくせに」
「そりゃお前、俺に比べたらどんなやつでも素人同然さ」
「よく言うよ。俺なんかに後ろ取られておいて」
「俺も年取ったのかもな」
「そうかもな」
一瞬降りる沈黙。相棒はいつもこうだ。言いにくいことがあると、少し黙って思考に沈む。そして考えが決まった頃には、もう揺るがない。
「今までありがとう。父さん」
サプレッサーで音の殺された銃声がわずかに聞こえたあと、物言わぬ死体となった男が地面に倒れる。
「大丈夫、俺もすぐ逝くから」
サプレッサーを外して撃ちやすくした少年は、自分のこめかみに銃口を当て、一息に引き金を引く。
かつて殺せぬ者はいないと謳われた天才殺し屋も、歳を取って腕前が落ちた。もう用はないと判断した組織が殺し屋の男を殺すのに選んだのはその息子だった。当然ながら息子は拒んだ。だが見せしめに母親を殺された息子は、父親を殺す他なかった。父親も、それを知っていて殺された。
誰にも救いのないこの世界に立ち上る硝煙の煙は、線香の煙を想起させた。
テーマ:終わりにしよう
終わりにしよう
そうやっていろんな縁を切ってきた
それが正解だったかどうかは
いまだに分からないけれど
あなたからの連絡は急だった。
「もうこの関係は終わりにしよう。」
これはわたしが最近読んだ小説の始まりと終わりの文。
この二文ってハッピーエンドかバットエンドのどちらかになることも予測できるな。
あれ、ハッピーエンドとバッドエンド以外の結末はどこだろう?
「終わりにしよう」
その言葉が、私の脳内から離れない。
表面上は取り繕ってわかりのいい女を演じていたはずなのに、一人になった途端涙がボロボロと溢れてくる。
あーあ、内心は、好きだったし、愛していたんだな私。
それに気がついた時にはもう遅い。彼の私物や何もかもがなくなり、私たちは抜け殻となったのだ。
【終わりにしよう】
ぜんぶ、終わりにしよう。
ラストの花火とともにぜんぶ投げ出して、綺麗にしよう。
ぐちゃぐちゃなまま、生きるのは嫌だ。
空っぽにして、終わりにして、
また新しくスタートすればいい。
辛い、死にたいって時ほど、
リセットすることが大切。
無理してても、
なーんもいいことない。
見果てぬ夢を抱くのは、もう終わりにしようと思う。
子供の頃は自分は何者にもなれるんだって、希望に胸を踊らせていたけれど。
実際はそんなことなどなくて。
ただただ平凡な、何気ない毎日を送っているばかりだ。
「今日はね、いっぱい外で遊んで楽しかったよ!」
けれど僕には、満面の笑顔の娘から聞かされる、彼女の夢の詰まったたくさんの日常があるから。
「今度はパパも一緒に遊ぼうね!」
終わりにした夢の続きは、思ってもみなかった形となって、また始まっていく
【終わりにしよう】