終わらせないで』の作文集

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終わらせないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

11/28/2024, 1:53:59 PM

[終わらせないで]#01
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『ママー!』

  思いっきりハグをして

『パパー!』

  楽しげに腕を組んで

『兄ちゃん!』

  小さなことで喧嘩して



…あぁ

もし私が大人になってしまったら

こんな楽しい日常が終わってしまうのかな…?



なら、子供のままで居させてください

どうか…"終わらせないで"…

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11/28/2024, 1:53:45 PM

終わらせないで、この関係を。終わってしまったら私も君もきっと全部壊れちゃうから。終わらせてしまったのは私でも君でもなかった。時間という二人の間を流れるものが私たちを。私たちの心を引き離してしまったのだから。

「好きだったよ」

私のこと今まで一度も好きだって言ったことなかったくせに。曖昧な関係を保ったまま過ごしてきた日々に終わりがくるのは簡単だった。終わらせないでって願ってたのは君も一緒じゃなかったの?

「僕じゃ幸せにできない」

ありふれたセリフ。君じゃなきゃダメなの…とでも言ったら?いえ、君は最初から私と恋人になるつもりはなかったんでしょ。君の思ってる基準では幸せに出来なかったかもしれない。それでも私は十分幸せだったよ。こんなこと今思ってもどうしようもないのにね。

終わらせないで。友達以上恋人未満の関係が心地よくてお互いに自由気ままに過ごせてた。でも私と君を繋ぎ止めるものはもう無くなった。何度も君に伝えた「終わらせないで」。君が誓った「永遠」。さよならを伝えることはないと思ってたのに残念だったね。じゃあもうここに戻ってくることもないと思うからバイバイ、今までありがとね。

君の合鍵を置いて出ていったあの日。それから何年が経っただろう。君の連絡先を消せずに毎日眺め続ける癖はまだ残ってる。君は新しい人できたのかな。私は君に囚われたままだよ。君が誓ってくれた「永遠」を墓場まで持っていくつもり。終わらせないで。私は確かに言ったよね。過去の思い出に縋り付いて過去の君との終わることの無い関係を1人でズルズルと続けてる。もういい加減やめにしたいのに。ライターで火をつけるタバコ。君の好きだったタバコはすっかり私好みの苦さへ変わってしまっていた。

題材「終わらせないで」

11/28/2024, 1:52:36 PM

「終わらせないで」

映画のワンシーンには、女性が付き合っている男性へと向ける悲痛な想いのたった一言として、「終わらせないで」と確かに言っていた。
それの影響あってか、エンドロールが流れている今、確かに思うのだ。「終わらせないで欲しい」と。
実に強欲で、影響を受け過ぎていて、大の大人が何を言っているのだと鼻で笑われそうではあるが、確かにそう思ったのだ。
このこの気持ちを隠すように、気付かないふりをするように、私は次の映画を手に取った。

それが20代の頃の生活だった。

今更になって若かりし頃の生活を思い出したのは、未練があったからなのか、歳故なのかは定かではない。
過去の自分が見れば「過去に縋っている男」として冷ややかな目で見るのだろう。だか、この歳にもなると過去の幸せを思い出して、ささやかな酒のつまみにはなるものだ。
きっと、昔に比べて随分変わったのだろう。私も、社会も。
私は20代のあの頃に比べ、顔に沢山のシワが出来たし、覚束無い足取りになった。
社会は止まることを知らずに回り続け、自身が周りと同じように歯車になっている内には変化など、気付きもしなかった。しかし外れてみてようやく気付くのだ。社会は大きく変わっていたのだと。
それを気付いた時には、なんとも言えぬ虚しさを覚えた。私は自覚することも気付くことも無かったが、きっと私自身も社会も、変化はいつも内側からあったのだろう。
目まぐるしく変化し、始まって終わっていく世界で「終わらないで」と不変を望むのはきっと無理な事だろう。映画で見た愛も、甘酸っぱい恋も、ニュースで見かける流行も、いつの間にか始まっていて、いつの間にか終わっている。
人生という長きに渡る道のりで気付いたのは、たったのこれっぽっちだった。
命よ、終わらないで。と心臓に向かって言ったところで、所詮は終わってしまう。醜く生に、一抹の希望に縋るよりはこちらが手放す勢いで暮らした方が幸せなのだ。そう思うことにして、私は終わらされる側ではなく、終わらせる側になれるように。と病室で隠しておいたビールを密かに飲んでいる。

11/28/2024, 1:51:40 PM

人付き合いはギブアンドテイク
それが成り立たなくなったら
天秤がどちらかに傾いたら
終わりにしたほうがよい関係性に生まれ変わる

だけど
終わらせたくない
終わりにしたくない相手の場合
どうしたらいいのか

強気になることも
忘れる勇気も出ないまま
また夜が明ける

11/28/2024, 1:51:30 PM

旅行終わりに体調を崩したのでキープのみ。後日回復してから書きます。

 ──お題:終わらせないで──

11/28/2024, 1:51:27 PM

私はアンカーではなかったらしい。
新しい背中が遠くで待っている。

#終わらせないで

11/28/2024, 1:49:05 PM

ふと目が覚めると、
目の前に、かわいい寝顔。
思わず見惚れてしまう。

しかも、あったかい布団に、
覚め切らない体。
まだまだ眠れるのに。

タイムリミットがあるから
この時間が、より貴重になる。

今日がお休みだったらいいのにな、
と心から思う。
この時間を、終わらせないで。

目覚ましが鳴る少し前。

11/28/2024, 1:48:43 PM

「終わらせないで」

食べ物を買い込んで、国内、、海外とわずドラマを一気に動画サイトで見るというのが、私の休みの楽しみだ。

日本のドラマは11話で終わることが多くて、どうしても物足りない部分が出てくる。ただ、描ききれないところは、自分で考えたり、スピンオフなども配信があったりして楽しませてくれる。

ドラマは自分の知らない世界に導いてくれるし、ときめかせてくれるし、サスペンスの考察も楽しい。


最終回が近くなると、いつも思うことは同じだ。

終わらせないで!!!
作者様、製作者様!!どうか、長く続けてください!!

という事だった。

なのに私は懲りないのだ。
最終回を迎え、寂しくてロスになりながらも、また私は新しいドラマを開封していく。

私は、懲りないのだ。

11/28/2024, 1:48:29 PM

終わらせないで

願うこと、叶えること
希望を抱くこと

そして、夢を見ること。

誰もがいつも、完璧じゃない。
自分が、我慢すればと
笑ってやり過ごす時もあるだろう。

けれど、どうか
終わらせないで。

荊棘に囲まれたその先に
あなたの願いや夢が咲いている
時もあるだろう。
手を伸ばせば、傷を負うかもしれない。

そんな時、あなたなら…どうする?

荊棘を切り開いて進むのか
夢の蔓がコチラに伸びるまで待つのか
背中に翼があればと、鳥たちを羨むのか。

それとも、そこを終着点にしてしまうのか。

あなたなら…どうしますか?


【お題:終わらせないで】

11/28/2024, 1:46:39 PM

終わらないでと思うことは

 最近はあんまりないかも。楽しい時が終わってしまう時は、そんなことを思いそう。
 逆に、早く終わらないかなと思うことは多い。渋滞とか、嫌な人の近くにいる時とか、仕事とか。こう書いていくと、楽しくない時間の解説ばかりが出てくる。
 そう考えると、楽しい時はあまり解説の言葉を必要としない。逆に、早く終わって欲しいとか楽しくない時は、たくさん言葉にして、愚痴ったりして、なんとか紛らわそうとしてる。
 
 ということは、言葉の役割の一つとして、嫌な気持を紛らわすというのもあるんだろう。不幸な話ほど共感が高いのは、そういうこともあるのかもしれない。

11/28/2024, 1:45:48 PM

好きな漫画が終わると知った時はショックだった。
始まりがあれば終わりがあるし、ネタ切れ感もあったし、ストーリーもいきなり終盤戦に入った感じがしたらか予想はしてた。
続編とかもなさそう。
スピンオフとかドラえもんみたいに映画とかやってくれたらな~

11/28/2024, 1:42:24 PM

終わらせないで…、


お願いだから、
自分で自分の人生を終わらせないで、

確かに、人生なんてつらいことで溢れかえってる

親や先生は言う
"今はつらくても、未来には楽しいことが待ってる"
そんなの信じられないよね

暗闇の中で、光を感じられる人なんて、ほとんどいない


人生の9割はつらいとこだよ

でも、その1割のために

つらいこと、悲しくなるような日々、
死にたくなるような日々をわたしたちは毎日生きている

それは人間にあたえられた使命、みたいなのもなのかな

死にたい…、、
でも、死ぬことができない

それがどんなにつらいことか、、

勝手に涙が出てくる自分がわからなくて、
どうしたらいいのか、わからなくなる


頑張らなくてもいい、頑張らなくったっていい

毎日生きててすごい

でも、生きてるだけじゃないんだよ、みんな

ちゃんと毎日頑張ってる

なにもしてない1日だって、、
なにかを耐えて、悩んで、苦しんでなくたって

その1日、1日をみんな頑張ってる

だから、今日もお疲れ様って自分に言っていい


あなたは今日もつらくて、悲しくて、
泣きたくなるようなことがあったかもしれない

それでも、毎日、毎日、頑張ってる
それだけでいい

だから…、お願い…

自分で自分の人生を、決めつけないで…

自分で、自分の人生を終わらせないで…

11/28/2024, 1:41:53 PM

ドンピシャではまった曲のラスサビが聞こえてきた時。好きな配信者の「バイバーイ」。美術館の出口が見えてしまった時。日常の中にも「終わり」は見えてくる。私はそんな時、「終わらせないで」と心の中で思う。もちろん思ったところで時は進んでしまい、終わりは迎えられる。それでも小さな抵抗のように、この素晴らしい終わらせないでくれと唱えずにはいられない。

11/28/2024, 1:41:50 PM

小さい頃、両親から苺の苗を貰った。
「愛情込めて育てれば、うんとおいしい苺が出来るよ。
 自分の子供だと思って可愛がると良い」
 その言葉を真に受けた私は、その日から我が子の様に愛情をたくさん込めて育てた。
 ある時は園芸の本を読んで実践し、ある時は声をかけるのがいいと聞いて毎日声掛けをした。
 水やりを忘れたり、病気になったり……
 たくさんの困難にあいながらも、なんとか枯らすことなく世話をした。

 そして一年後、愛情をかけた甲斐があり、苺は大きく育った。
 ……私の背丈ほどに……

 ◇

「大きく育ちすぎじゃない?」
 私は思わず呻く。
「成長期だからよ」
 そう答えるのは、目の前にいる苺の木――イチコと名付けた巨大な苺だ。

「それにしてもイチコが話せるようになるとはね……」
「ママが毎日話しかけてくれたもの。
 言葉くらい話せるようになるわ」
「そう言うもん?」
 納得できないが、実際になっているのでそう思うしかない。

「ところでママ、お腹空いたから肥料をちょうだい」
「ダメよ、イチコ。
 今朝あげたばっかりでしょ」
「成長期だから、すぐお腹がすくの」
「ダメ、太ってしまうわ」
「大丈夫よ、栄養は全部苺に行くもの」
「そう言うもん?」
 納得できない(2回目)が、実際たくさん苺を付けるのでそうなのかもしれない。

「とにかく、肥料は駄目です!」
「いいじゃん、ケチ!」
「だーめ」
「苺食べていいから!」
「取引には応じません!」
「……実はとびっきり大きくて甘い苺を作ろうと思っていてね」
「仕方ないなあ」

 イチコに肥料をやるべく、ジョウロに水と肥料を入れる
 我ながらイチコに甘い。
 少しワガママに育て過ぎた気がするが、仕方がない
 だってイチコ、可愛いし。
 苺も食べさせてくれるし、WIN-WINだ!
 これからもたくさん可愛がってあげよう

 そんな風に、私はそたくさんの肥料をイチコにあげた。
 イチコと話しながら苺を食べる
 幸せな時間だった

 けれど、私は愛情というものを勘違いしていた。
 甘やかすだけで、叱らないという事が何を意味するのか、その時の私は知らなかった。

 肥料をあげ続けて一年後。

 イチコは暴走した。

 ◇

「肥料寄越せえぇぇぇぇ」
 イチコが肥料を求め、街で暴れていた。
 ビルくらいの大きさになったイチコは、私のあげる肥料では足りなくなったのだ
 最初は虫、次に鳥や小動物を捕獲していたのだが、それでも足りずついに街に繰り出した。
 今でこそ人間には被害が出ていないが、それも時間の問題。
 早く止めなくちゃいけない。

「イチコ」
 私は暴れているイチコに呼びかける。
 すると、暴れていたのが嘘のようにイチコは大人しくなった
 警察や軍隊でも手が出せないほど暴れまわるイチコだが、私だけは手を出さない。

「ママ、そこをどいて。
 私、お腹減ってるの。
 今は我慢できるけど、そのうち我慢できなくなる」
 イチコは辛そう叫ぶ。
 その様子に、私の胸はぎゅっと苦しくなる

「お願いママ、すぐにここを離れて。
 でないと――」
「イチコ、ここで終わらせよう」

 私は持っていたジョウロをイチコに見せる。
 特別強力な除草剤が入ったジョウロだ。
 直接与えないと効果がないが、計算上イチコを枯らせることが出来るんだそうだ。
 そのため、イチコに攻撃されない私が、ここまでやって来た。
 イチコを枯らすために。

「……ママ、私を枯らすの?」
「ゴメンね。
 イチコが辛そうな所、もう見てられないの」
「ママ……」

 私は一歩一歩イチコに近づく。
 イチコが癇癪を起すかと思ったけど、私が近づいてもイチコは何もせずただそこに佇んでいた。

「イチコ、ごめんね」
「謝らないで、ママ。
 私が悪いのよ。
 たくさん肥料を要求した私が……」
「ううん、私が悪いの。
 私、愛情を勘違いしてた。
 イチコの願いを全部叶えることが愛情だと思っていたけど、適度に怒るのも必要だったの。
 私、ママ失格ね」

 私はイチコの根元まで来た。
 あとは除草剤をかけるのみ。
 だって言うのに、私の手は少しも動かなかった。

「やっぱり出来ないよ。
 イチコは私の子だもん」
「ママ……」
 目が涙で溢れる。
 イチコがここで死ぬのは間違っている。
 だって悪いのは私だもの。

「ねえ、イチコ、他に方法があるはずだよ。
 一緒に探そう」
「ママ、ありがとう。
 私を信じてくれて……」
「当たり前だよ!」
「でも甘いわ」
 イチコは葉っぱをまるで手のように動かし、私からジョウロを奪う。

「これでママは、私を殺すことは出来なくなったわね」
「イチコ、どういうつもり!?」
「ごめんなさい、ママ。
 私たちは一緒に生きられないの」
「イチコ!」
「さよなら」

 そう言って、イチコは大きな葉っぱを振りかぶる。
 私はそれを見て、『これは罰なんだ』と思った。
 イチコをちゃんと育てられなかった悪いママに対する罰。
 甘んじて受け入れよう。
 私は死を覚悟し、心の中で静かに受け入れた。

 だけど、何も起こらなった。
 その代わり、イチコは自分自身に除草剤を浴びせかけた。
 私はイチコの突然の行動に何もできず、見ているだけだった

「イチコ、なんでこんな事を!」
「だってママ、私の事好きでしょ。
 絶対殺せないと思ったもの」

 除草剤が効いたのか、イチコは見る見るウチに萎れて小さくなっていく。
 私より小さくなるのには時間はかからなかった。

「でも自分でやることないじゃない!
 私がやるべきだったの!
 私が!」
「いっぱい愛してくれてあありがとう」
「イチコ、しっかりして
 ママの肥料、おしかった――」
「イチコ!」

 私はイチコに呼びかける。
 でも返事はなかった。
 イチコは死んでしまったのだ。
 私が悲しみに打ちひしがれ、大声で泣きそうになった、その時だった。

「おぎゃあ、あおぎゃあ」
 唐突に赤ん坊の泣き声が聞こえる。

「赤ん坊?」
 避難は済んでいるから、赤ん坊がいるはずがない。
 幻聴かと思ったが、泣き止む事は無かった
 ぼやけた視界であたりを見渡すと、どうやら泣き声はイチコの後ろから聞こえているようだった。

 私は涙を拭いて、イチコの後ろに回る。
 そこにいたのは――
「小っちゃいイチコ!」

 枯れたイチコから、一本のツタが伸びていた。
 ツルの先に小さな苺の苗が葉を広げており、そこから泣き声は聞こえていた。

 そういえば、と苺の本で書いてあったことを思い出す。
 苺は、ランナーというツタを伸ばし、その先に自分のクローンをつくるのだと。
 つまり、この小さな苺はもう一人のイチコなのだ。

 その小さなイチコを見て、目からまた涙が溢れ出す。
「今度は間違えないから」
 私はそっと、小さな赤ん坊を手で包み込んだ。


 ◇

 一年後。

「はい、肥料」
「ありがとう、ママ」
 私は今、イチコの遺したクローンを育てていた。
 名前は、ニコ。
 私の新しい子供だ。

「ママ、もっと肥料が欲しいわ」
「ダメよ。
 大きくなりすぎてしまうもの」
「前の『私』みたいに?」
「そう」
「じゃあ仕方ないね、ママを困らせたくないし」

 私はイチコの時の様に、言われるがまま肥料を上げることはしなくなった。
 ニコが肥料を求めても、なんども『程々が一番』と説得した。
 その甲斐あって、最近ではニコが理解を示してくれるようになってきた。

 甘やかしてもいい時は甘やかし、叱る時は叱る。 
 イチコの時は出来なかったことが、今では出来るようになった。
 完璧なママには遠いけれど、私頑張るね

「前から気になってたこと聞いていい?」
「なあに、ママ」
「私があげる肥料は特別美味しいって言うけど本当?
 イチコも言ってたけど、他の人があげる時より喜ぶよね?」
「え、ママ分かんないの!?」
「そんなに驚くような事?」
「そうだよ、常識だよ!」

 まさか喋る苺に『常識』を言われるとは……
 ママって驚きがいっぱいだ。

「そっか常識か……
 でもママは知らないから教えてくれる?」
「もちろん!」
 ニコは嬉しそうに教えてくれた。

「ママの愛情が入っているからだよ。
 愛情は最高のスパイスって言うでしょ」

11/28/2024, 1:40:42 PM

【終わらせないで】

そいつはちょいと厳しいんじゃないか。
目の前のつむじを見ているとそんな考えがはたと浮かぶ。目の前の女性はなりふり構わずと言った具合で頭を下げているが、いくら喫茶店といえ制服女子に頭を下げさせてるおっさんはだいぶ目立つ。そんなことにも気づいてくれないあたり、僕ができない、する気がないとかじゃなくて上手くいかない気がする。
特に、引退して筆を折った小説家に何故か聞いてくれ、なんて。デリカシーの欠けらも無い。一生紙で指を切り続ければいい。そもそも探偵は人を探すまでで終わるものなんだが。
しかしこのまんま頭を下げられ続けてもこちらも困る。

「んーまぁ、事情は理解できないけど仕事は仕事だ引き受けよう」
「本当ですか!?」
「ただし」

がばりと頭を上げ目を輝かせた少女に興味を失い、往来へ目を移す。ストローに口をつけ、アイスコーヒーで喉を湿らす。私のプライドにかけてできるだけ言いたくないことの滑りを少しでも良くするため。

「…………できるところまで、だ」
「わ、分かってます、無理は言えませんもの……」

心根が正直なのだろう。表情に不満が全く隠せていないが、とりあえず口では納得してくれた。不満がある理由もたいてい察しがついている。彼女はバレてないと思っているだろうが、名乗った苗字は彼女の探し人の【本名の】苗字と一緒なのだから。依頼人の事情に深入りするのは探偵として良くないのだが、今回はそもそも依頼が悪い。
なんてたって似たような依頼をこの前受けたばかりなのが何よりタイミングとして悪い。

少女が何度も頭を下げて帰っていくのを、財布から出ていった英世とともに見送る。
そのまま姿が見えなくなった頃。

「まさか、依頼達成前にあっちから来るなんてびっくりですね。目的達成でいいですか?」
「まぁ君の力とも言えないが達成は達成だ」

後ろの席から、タール数が多いタバコのような重い声。そうしてそのまま僕の正面に座るのはいかにも頑固なおじいさんで、そして。

「【孫】を見つけてくれてありがとう」

深々と頭を下げる『依頼人』。

「いいえ、【小説家】さん。今回は私が積極的に解決したわけじゃありませんから。依頼料も少しでいいです。」

彼が差し出した封筒から喫茶店代だけ抜いて返す。
彼の感謝もその程度で、いい。

「それよりもですね」

僕は友人へタバコを差し出す。
それを何も言わず受け取る彼に問いかける。

「なんで今になって、こんなこと依頼してあの子に僕を頼るような手紙まで送ったんですか?」

答えずに彼は貰ったタバコに火をつける。そして、深く吸い込み、そして細く長く、なにか詰まったかのように長く吐き出して、ようやく口を開いた。

「終わらせないでほしかったからだよ」

それは後悔でもあり、日差しを浴びる老人のような全てを置いてきた人の表情でもあった。
だが、そんな感傷は許さない。
探偵としての僕と、友人としての僕の珍しい意見一致だった。

「自分の夢を?それとも孫娘の夢を?」
「……いいじゃないか」
「考えたんです」

彼の言葉は、弱かった。
それが許せない。僕の良くないとこだ。

「ねぇ、あなた。孫にしか伝わらないようなメッセージかなにか書いたものに忍ばせていたでしょう。
たぶん、自分を追って小説家になろうとするあの子を応援するような」
じゃないと、【顔を見せない祖父が】【筆を折った程度で】一介の女子高生でしかない彼女が怪しい手紙に示された怪しい探偵を頼ってまで探そうとするはずがない」
きっと両親には反対されていたんでしょうかね?僕が奢った1番小さなパフェでものすごく喜んで食べていた、生活が困窮しているのでしょうか。それとも夢を見ること自体禁止されているのか……自分の親のようになって欲しくないから」
ねぇ、どうなんですか?」

口矢を射る度、彼の表情は強ばる。
だがそれでも止まれなかった。
1度区切りをつけると彼は口を開こうとして、やめて、それを2度繰り返した。だから僕はまっすぐその目を見返して、その行き先をうながす。

「それは……お前の推理か?」

答えだった。僕と彼の間では。
だから、僕も彼に答える。

「証拠がないから妄想ですよ。探偵としては失格です。けれど」

「友人としてはこれ以上ないぐらいでしょう?
何せ、僕も終わらせないで欲しい側ですから」
「それは、あいつの夢をか、それとも俺の小説か」
「言わせないでくださいよ。推理不要なので。」

彼は微かに笑った。いつの間にかタバコの火は消されていた。残り火もなく綺麗に。

11/28/2024, 1:37:39 PM

「終わらせないで」

絶望のまま終わりたくない。

最後には笑って逝くよ。

11/28/2024, 1:37:30 PM

4年に一度のオリンピック。4年間の努力の結果が数日間で、終わってしまう。たった数日間だからこそ、感動するのだろうけれども、終わらせないでと思ってしまう。次回のオリンピックに思いを馳せて、選手たちの今日の努力を思う。

11/28/2024, 1:37:15 PM

先輩がもう少しで卒業する、、、私たちが後輩を引っ張っていくのが不安。とにかく不安

11/28/2024, 1:36:58 PM

燦燦と巡る日々に

もう戻れない私であったとしても

愛は、光としてあるから

生きていく

あの人が私にそう期待してくれたように

手を放す覚悟はまだ持てない

思い出に縋ってしまうこともある

それでも私は、進んでいくから

だから、もう少しだけ、ここにいさせて

11/28/2024, 1:36:11 PM

ゆっくりと意識を呼び起こすと、心地よい温もりが伝わって安心を覚えた。
 俺の腕の中には、愛しい彼女が俺に寄り添って眠っていて、規則的な寝息が聞こえてくる。
 
 彼女の頬に触れると、柔らかくて愛しさが増した。
 
 ゆっくりと彼女の瞳が開けられると、微睡んだ瞳が俺をしっかりと捉える。そして彼女の手が重ねられ、目を細めて頬擦りをしてくれた。
 
「だいすき……」
 
 力の抜けた甘い声が囁かれて胸が高鳴る。
 
「起きたくない……」
 
 俺は彼女の身体を抱き寄せると、彼女も俺の身体を抱き締めた。
 
「そうだね」
 
 この甘くて愛おしい時間を、終わらせないで欲しい。
 
 
 
おわり
 
 
 
一九六、終わらせないで

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