『紅茶の香り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
紅茶の香り
それはいつだって思い出と結びつく
家族旅行で紅茶専門店でケーキを食べた時も
友達と勉強した帰りのカフェで駄弁った時も
泣きそうな日に母が目の前にコップを置いた時も
その他にも
数え切れないほど紅茶が思い出にある
楽しい思い出も
懐かしい思い出も
優しさを感じた思い出も
どこかで、紅茶の香りがした
〜紅茶の香り〜
紅茶といえば
ベルガモット?アールグレイ?
ダージリンやセイロン、アッサム、ウバとかとか
どれも香りは違うし癖も違う
その日の気分でなんてやってたら
それこそいろんな種類があって……
スッキリしたかったり
気分を変えたりとかに手軽な紅茶だけど
普段のみの麦茶
癒やされたかったら ハーブティー
一息つきたかったら 緑茶
気合をいれるなら コーヒー
ちょっと普段と違うのが飲みたかったら 中国茶やマテ茶
自分の気持ちを整える 香りや味わい……
そんな感じで どうでしょうか
あなたにとって 紅茶といえば?
【紅茶の香り】
芳しい自然の香り
苦手な空気と味だったけど
合う曲はいくつも知っているから
遠からず近づき過ぎずの距離で
カフェに漂う空気を吸って
オシャレな波長を貰うのです
2024-10-27
「紅茶の香りって、苦手」
カフェで、向かいに座った部下、殿山くんに私はつい漏らした。
外回りの途中、少し休憩しようかと誘った。彼が注文したのは、アールグレイ。私はコーヒーだ。
「そうですか、すみません」
でもなんで、という目をしているから、「……昔ね、お付き合いしてる人にお別れを切り出された時、飲んでたのが紅茶だったの。それ以来ダメなんだ」
正直に言った。殿山くんは、申し訳なさそうに眉を下げた。
「ごめんなさい、俺、コーヒー飲めなくて」
「いいの、謝ることない。こっちこそごめんね、余計なこと言って。美味しく飲んでたのに」
「香りって、記憶と直結してるって言いますもんね」
「……」
殿山くんは、テーブルに備え付けのシュガーポットから角砂糖をころころ掬い上げて、自分のカップにそのまま落とした。ぽちゃんぽちゃんと。いつつ六つ。
私が目を丸くしてると、甘党なんで、俺。と笑顔を見せる。
「俺、上書きするよう頑張ります。紅茶飲んでる時、佐久さんにめっちゃ楽しい話して面白いって思ってもらえるように。そうしたら、佐久さんも紅茶の香り、苦手じゃなくなるかもですよね」
私はつい笑ってしまった。無邪気な部下の気持ちが嬉しかった。
「ありがとう、殿山くん、優しいね」
「そんなことないです。俺としては、前の彼氏さん、女の人見る目ないって思いますけど」
「……ありがと」
その言葉だけで、もうちょっとだけ上書きだよという気分になるから私もチョロいな。
くるくるティースプーンで砂糖をかき混ぜる殿山くんの手元を私はじっと見つめた。
#紅茶の香り
カーテンと窓の隙間で情けなくいた。
1DKの間取りでは他にどこに逃げられるんだろう?
「話し合わないのか」
紅茶が淹れられる。
まるで私を気遣ってるみたいに。
だけど、その紅茶を飲んだが最後、
もうどこにも行けない気がした。
帰り支度をして飛び出した。
一直線に逃げるように帰った。
あの日の紅茶、実は見も聞きも嗅ぎもしてない。
だけど、なぜか頭にマグカップも音も香りも
覚えてるような気がしてしまう。
#紅茶の香り
紅茶の香り
一浪して予備校に通っていた時、毎日、毎晩とにかく勉強ばかりしていた。もうこれ以上親に迷惑はかけられないし、来年は必ず大学に合格しなければならない。
それでもずっと勉強ばかりしていると気持ちが滅入ってくる。本当に勉強が好きな人は楽しく勉強できるのかもしれないが、私は無理だ。息抜きしたい。何でもいいから勉強から少し離れたい。
あー。しんどい。
予備校があるから旅行には行けない。買い物やウインドショッピングでもいいが、勉強していないことが罪悪感となってちっとも買い物に集中できない。
そんな時に出会ったのが紅茶だ。コーヒーでもいいが、勉強で疲れた頭と体を癒やすためには、苦みより少しの甘みが欲しいもの。かと言って、ロイヤルミルクティーほど手間はかけられない。紅茶に砂糖とミルクを入れるだけのものが、最高に癒される。
よし!頑張ろう!
次の3月に大学に合格し1人暮らしを始めた。今でも紅茶の香りがするとあの時の辛さや苦しさが蘇るが、一口飲めば心が落ちつき癒されていく。
私にとって紅茶は最高の宝物だ。
幼き日
友の家にて
招かれて
初めて嗅いだは
紅茶の香り
紅茶の香りがする
紅茶は元々好きだけれど
1番好きなのはアールグレイ
鼻に抜ける香りが優しくて柔らかくて
落ち着いた気分になる
この季節はあったかいのが飲みたくなるな
今度HOTのアールグレイを飲みに行こう
淹れ立ての紅茶には香りがするそうだ。ティーパックで淹れた紅茶でも。
しばらく待たないと香りは出て来ないがね。
しかし、私はすぐに飲めるペットボトルの紅茶が好きだ。
渇いた喉を早く潤したいから。香りを楽しむのは、楽しむ余裕ができてからでいい。
そう思っていたけれど、香りを楽しむ余裕が私にも生まれてきたようだ。
ティーパックの紅茶だが、良い香りがする。何の種類かは正直言って分からないがね。
輪切りにしたレモンなんてお洒落なのは、残念ながら無い。代わりにレモンジュースはある。スーパーで買ったものが。
紅茶の初心者にはこれで十分、美味しいレモンティーを楽しめる。けれど、何かが足りない。手軽さだろうか。
砂糖はいらない。ストレートの紅茶でも十分美味しいから。
やはり、飲み慣れているペットボトルの紅茶が良いのかもしれない。
私にはそれが性に合っているのだからーー。
シェルフから皿を取り出し、彼女はにこりと笑う。
午後三時、いつもの御茶の時間。
ケーキスタンドにお菓子を並べ、いつものように椅子に座る。
長女の席にはダージリンのストレート。
次女の席にはアールグレイのミルク入り。
三女の席にはニルギリのレモン付き。
四女の席にはローズヒップティー。
それぞれ好きなお菓子を目の前の皿に置く。
ショートケーキ、マカロン、フルーツゼリー、スコーン。
広い広い食卓、紅茶の香りが充満する中、私はアッサムをこくりと一口、チョコレートをお供に味わった。
四女は静かにスコーンをジャムと食べ、上品に紅茶を飲んだ。
広い広い食卓、紅茶の香りが充満する中、
私と四女は静かに上の三姉妹の帰りを待っている。
もう三人帰らぬ人となったことを知りながら。
紅茶の香りのする香水を
つけてみた
夫は気付いてくれるかな
今夜はちょっぴり
夫とイチャイチャを
もっと楽しみたい気分なのだ
気付け気付け気付け
紅茶の香りがする香水を
かいだ
妻からだ
何かいい匂いがする
今日は少し気分がいい
あとで香水のことでも語ってやろうか
楽しみだ
紅茶の香りを嗅ぐ度に思い出す記憶がある。
私が中学1年生だった頃、とある市のイベントで数日間様々なアクティビティをするキャンプに参加したことがある。宿泊場所はオシャレな自然の家と言った感じの場所で、大自然と雪とに囲まれて非日常を味わうことができた。
そんな中の食事は普段なら絶対に食べないようなフレンチだった。ちなみに同時にテーブルマナーも学びその場で実践するという形式だった。
その食事を終えたあと、食後の1杯として現れたのが紅茶だった。当時コーヒーも紅茶も飲んだことがなかった私はまだマシだろうという理由で紅茶を選択した。そしてその香りを楽しみ、口をつけた直後後悔することになった。慌ててミルクと砂糖を入れ、何とか飲み干したことも今となってはいい思い出だ。
今、ある程度は普通に飲めるようになり、夜に1杯入れて飲むこともある。
そしてその紅茶の香りを嗅ぐ度にあの時の楽しかった思い出が蘇ってくる。
紅茶の香りが好きだ。温かみと落ち着きを持った香り
ホッとしたいときにこれほどぴったりな飲み物はない。コンビニのちょっとお高めなケーキと奮発して買ったダージリン。この時のために用意しておいたおしゃれなティーセット。私が一番大好きなご褒美の時間がやってくる。
コーヒーの香りで
あたしを思い出すって
苦笑いした君は
コーヒーよりも
紅茶が好きで
あたしはその香りで
君を思い出すよ
今も 今までも
たぶん、これからも
【紅茶の香り】
題 紅茶の香り
フンフン〜♪
私は鼻歌を歌いながら食器棚を開けた。
今日は久しぶりのお仕事お休みの日。
せっかくだから、とっときの日に買っておいた紅茶のティーバッグでお茶にしようと思ったんだ。
朝ご飯はもう済ませて、10時。
優雅なティータイム。
昨日御用達のお菓子屋さんで、しっかりとクッキーセットは購入済。
お気に入りの貝のオーロラ色のお皿に色とりどりのクッキーをのせる。
いちごの形のいちごクッキー、チョコとバニラのボックスクッキー、それから、くるくる巻かれたロールクッキー。
どれも美味しそう。
見てるだけでテンションがルンルンと上がってくる。
食器棚から取り出したのはティー専門店で買った紅茶。
マロングラッセ風味の紅茶、シュトーレン風味の紅茶、そしてミントチョコ風味の紅茶。
変わり種が好きな私はついつい手を伸ばしてかごに入れてしまっていた。
どれを飲もうかな・・・
しばらく逡巡した結果、マロングラッセの紅茶にすることに。
今丁度秋だし、季節柄もこれかな、と思ったから。
紅茶のカップにティーバッグをいれると、テーブルに置いて、横にお湯を補充してあったポットを持ち上げる。
コポコポコポ・・・
癒しの音と共に紅茶の色が淡い茶色に色づいていく。
そして、柔らかくて、甘いマロンの匂い。
「良い匂い〜!」
思わず声に出てしまう。
私はポットを置くと、ソファに座って、しばらく紅茶が出来るのを待つ。
外は青空。まだ冷たすぎない風がカーテンを揺らして入ってくる。
癒しだ。癒ししか感じない空間。
紅茶ができると、ティーバッグを取って、一口口に含む。
淡いマロンの香りが鼻を抜けて、紅茶の深い味が私にほぅっとため息をつかせた。
とてもステキなティータイムに心は始終ウキウキ。
仕事休みにこんな風に自分を楽しませられるなんてなんて幸せなんだろうと思う。
次はどのクッキーから食べようかな。
私は幸せな選択をしながらそんな思いを抱いていた。
紅茶の香り
紅茶は色がつけばいいや、って人間なので
フレーバーはちょっといらないのだ
甘い香りつきの紅茶なら味も甘くあって欲しい
などと、わがままばかりなので
スーパーで50個入りのティーバッグ
1個使って2杯作ります
牛乳ちょい入れたりして
ガブガブ飲んで甘いお菓子を食べる
最高なデザートタイム
つまり香りについて
ほぼ意識してきませんでした
とりあえず次にいれるときは
ティーバッグの匂い嗅いどこうかなー
本日のテーマ『紅茶の香り』
さて困った。
なにせ俺は紅茶を飲んだことがない。
いや、あるにはあるが、それは高校生の時に飲んでいた『紅茶花伝』だとか『リプトンのレモンティー』だとか、そういった市販のモノであるわけで、本格的な紅茶を口にした経験があるわけではないのだ。なので、紅茶の香りだなんて言われてもいまいちピンとこない。
紅茶風味の飲み物を頻繁に口にしていた高校生の時ですらそんな感じなので、酒とルイボスティーくらいしか飲まなくなって久しい昨今『紅茶の香り』、さあ語れ!と言われても意味不明に近い。
想像で書けばいいのだろうか。「うーん、この鼻にぬけるスモーキーな香りが……」って、それじゃあ、今飲んでる洋酒とつまみのチーズの感想だ。
やはり、ここは思い出に頼るべきであろう。
ということで思い出してみる。
『紅茶の香り』で思い出すのは平山さん。高校生の時に俺が好きだったクラスメイトの女子だ。
べつに平山さんが紅茶臭かったわけではない。平山さんは、たまに俺にジュースをくれた。そのジュースが前述した『紅茶花伝』や『リプトンのレモンティー』だったのだ。だから俺は、いわゆる『ハムの人』的な感覚で、紅茶といえば平山さんを連想する。
「梶くん、お疲れ。あげる、奢りだよ奢り」
昼休み、陰キャが立ち寄らない体育館前の自販機エリアから戻ってきた平山さんが『紅茶花伝』を差し入れてくれる。
陽キャの平山さんが俺のような陰キャに話しかけ、ジュースまでくれるのは、惚れられているとか俺が何らかの脅迫をしているとか、そういうわけじゃない。
いつだったかここにも記したが、俺と平山さんは同じバイト先で働く同士で、スクールカーストの違いはあれど学校でもそれなりに仲がよかったのだ。
女性は男と違っていろいろと気を遣うと聞く。おそらく、同じバイト先で仲良くやってる俺と学校でもそれなりの関係を築いておこうとする平山さんなりの努力だったのだろう。
「おまえ、モテモテやん」
俺の机に『紅茶花伝』の缶を置いて平山さんが去った後、机をくっつけてさもしく一緒に弁当を食っている友達に茶化される。
「そういうんじゃないから……」
満更でもない顔で答える俺。
高校の卒業式の時も、やはり平山さんは『紅茶花伝』を俺にくれた。それも、あったかいやつだ。
「梶くん、お疲れ。皆でカラオケ行くけどくるでしょ?」
「あ、ああ、俺は……」
ちら、と後ろを振り返る。
友達のりっくんとリョーモト、そしてオギノが俺に向かって笑顔で片手を挙げる。この後、皆で家で『スマブラ』をやる予定なのだ。むろん、断ろうと思えば断ってカラオケに行くこともできたが、
俺の心のなかではカラオケに行きたくない方に天秤が傾いていた。平山さんと二人きりならいいけど…
なんだか平山さん周りの陽キャ女子や男子と一緒に俺がカラオケに行くのは怖い。明らかに浮いている感じがするからだ。そういうわけで……
「ごめん、友達と予定があって、へへ……」
ヘラヘラしながら断った。今でも後悔している。『スマブラ』なんてどうでもよかったのに。
「そっか、残念。次あう時は私にカッコイイ椅子つくってね、格安で!」
インテリア関係の専門学校に行くのを伝えていたので、平山さんはそう言って笑ってくれた。
友達に呼ばれて遠くに行ってしまう平山さんの背を見送りながら、平山さんから貰った『紅茶花伝』を飲んで一息つく。俺の記憶に残る最後の『紅茶の香りだ』
平山さん、いまどうすか。幸せであることを願います。
俺は椅子を作らず、カラアゲをパック詰めしてます。
椅子は作れないけど、万が一出会えたらカラアゲはサービスします。
二度と戻らない日を思いながら酒を飲む。ほんのり『紅茶の香り』がした。
~紅茶の香り~
角砂糖をいくつかカップに沈め、カチャカチャと混ぜ合わせる。
底に溶けずに残った砂糖ごと一気に喉奥に流し込むと、目の前に座っていた彼女がため息をついた。
「もう少し砂糖の量を減らしたら?それじゃ紅茶の味が分からないでしょう」
「これでいいんだよ、これで」
『紅茶の香り』
まだ実家に残しているのか
子どものころ、ティープレスで紅茶を淹れていた
フィルターを押し下げるのが楽しくて
兄弟で競って押していた
子どもだったので飲ませてもらえなかったのか
その紅茶の味は覚えていないけれど
いま、ティーバッグで淹れるたび
香りで風景を思い出す
題.紅茶の香り
私はあまり、紅茶が好きではない。
あの独特の味に香り、初めて紅茶を見た時はどのような風味か気になり口に含んでみたが、口の中に味が広がった途端、それはそれは後悔した。
以来、紅茶の香りがすれば私はあの時の、あの味を思い出してしまい顔を歪めてしまう。
そしてつくづく思う、好き好んで紅茶なんぞを飲む輩の気が知れない、と。
用事を済ませて、帰路につく私の元にあの香りがした。紅茶だ。
ついつい、顔を顰めて“全く、紅茶なんぞを好き好んで飲む輩の気が知れない”とつぶやく。
“私はあんなに苦いお茶を飲むあなたの気がしれません”なんて、心外だ、と言わんばかりの顔で声を上げる彼女はもう居ない。
帽子を被り直し、彼女が好きだった花でも包んでもらおうと、違う道を歩く。