題 紅茶の香り
フンフン〜♪
私は鼻歌を歌いながら食器棚を開けた。
今日は久しぶりのお仕事お休みの日。
せっかくだから、とっときの日に買っておいた紅茶のティーバッグでお茶にしようと思ったんだ。
朝ご飯はもう済ませて、10時。
優雅なティータイム。
昨日御用達のお菓子屋さんで、しっかりとクッキーセットは購入済。
お気に入りの貝のオーロラ色のお皿に色とりどりのクッキーをのせる。
いちごの形のいちごクッキー、チョコとバニラのボックスクッキー、それから、くるくる巻かれたロールクッキー。
どれも美味しそう。
見てるだけでテンションがルンルンと上がってくる。
食器棚から取り出したのはティー専門店で買った紅茶。
マロングラッセ風味の紅茶、シュトーレン風味の紅茶、そしてミントチョコ風味の紅茶。
変わり種が好きな私はついつい手を伸ばしてかごに入れてしまっていた。
どれを飲もうかな・・・
しばらく逡巡した結果、マロングラッセの紅茶にすることに。
今丁度秋だし、季節柄もこれかな、と思ったから。
紅茶のカップにティーバッグをいれると、テーブルに置いて、横にお湯を補充してあったポットを持ち上げる。
コポコポコポ・・・
癒しの音と共に紅茶の色が淡い茶色に色づいていく。
そして、柔らかくて、甘いマロンの匂い。
「良い匂い〜!」
思わず声に出てしまう。
私はポットを置くと、ソファに座って、しばらく紅茶が出来るのを待つ。
外は青空。まだ冷たすぎない風がカーテンを揺らして入ってくる。
癒しだ。癒ししか感じない空間。
紅茶ができると、ティーバッグを取って、一口口に含む。
淡いマロンの香りが鼻を抜けて、紅茶の深い味が私にほぅっとため息をつかせた。
とてもステキなティータイムに心は始終ウキウキ。
仕事休みにこんな風に自分を楽しませられるなんてなんて幸せなんだろうと思う。
次はどのクッキーから食べようかな。
私は幸せな選択をしながらそんな思いを抱いていた。
10/27/2024, 10:49:42 AM