『窓越しに見えるのは』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
窓の外、片腕を上げた君がピョンピョンと飛び跳ねていた。
どこからか仕入れた情報を元に、毎度、奇行とも言えるようなことをする君。
今回は比較的マトモなことをしている。
梅雨時の窓拭き。
程よい湿気と暑さがガラスの表面に付着した汚れを落としやすくする。
冬場のように急速に乾燥しないから、しっかりと乾拭きが出来る。
鳥が激突してしまうくらい、ツルツルピカピカになる筈だ。
その前に君が力尽きなければ。
窓の外、汗だくになりながら窓拭きをする君の為。
グラスに注いだキンキンのレモネードとゴマ煎餅を手に、窓辺へ寄る。
テーマ「窓越しに見えるのは」
真夏日の午後の空
淡い青に感じる無限
曇りなきガラスの発明者へ
敬意を込めて麦茶をひとくち
雲はどこにもないようだ
(窓越しに見えるのは)
窓越しに見えるのは君。
君は、上から吊るされた縄を首に掛け、台の上に立っていた。
その行動から僕は、君が何をしようとしているか察し、僕は大きな声で止めるように催促した。
喉が枯れるくらいに。
だけど、君にはこちら側の声は聞こえないようで、その行動をやめなかった。
僕はただ、窓に張り付いて、あちらを見つめる他なかった。
君は首を吊った。僕は悲しかった。又、嬉しかった。
僕が居なくならなければ、君は命を諦めることは無かったのかもしれない。悲しい、だけど、君が僕のために命を諦めてくれた事が嬉しくもあったのだ。
そんな矛盾だらけの僕に、魂だけとなった君が此方を向いて『ただいま』と微笑んだ。
君がそう言い終えると、僕はいつ流したか分からない涙を拭い、『 お か え り 』そう言って、僕は君に笑いかけた。
お題【 窓越しに見えるのは 】
窓越しに見えるのは、世間でよく云われるような円盤型のUFOだ。ふわりふわりと宙に浮いている。常々思うことだがあれはどうやって浮いているのだろう。 SFならば反重力装置が着いているで片付けられるが現実問題そんなに簡単では無い。
折角なら聞いてみることにしよう。
私はそっと窓を開ける。ひんやりとした真空が流れ込んでくるのを感じた。
全身がうねうねと動く何かに掴まれるようなこの感覚はいつになってもなれないものだ。
宇宙服をきた私は彼らに声をかける。
「Hello?」
あぁ、そうだ。ここでは英語は通じないのか。
家にいるとき私はいつもは窓から外は見ず、
音を聞いている。
たとえば、窓の外でカラスがベランダの壁の縁を
歩いている音が「とつとつ」と聞こえ
止まったと思えば、いきなり街中の人を
起こす勢いで「ガァーガァー」と叫び
少し経ったら私のベランダから
カラスの実体はみていないが飛ぶ音が聞こえ
その翼の音は人々を驚かせて仕事を終え
ゆっくりとさっていく様子が目に浮かんだ。
ふと、窓越しに外の景色をぼんやり眺めてみた。
ビルの谷間から人々が慌ただしそうに歩いている。
空は青く澄み渡り、世界は変わらずに動き続けている。
そんな変化のない空を眺めていると、大きなトラックがとおりすがり視界が覆われる。
その瞬間、外は見えなくなり自分の顔が映し出された。
--相変わらず、冴えない顔してんな。
そんな自分を見て、フフッと笑みをこぼした。
ぼんやりと眺めていた
ただ眺めていた
雨粒がただ地面におちていく
悲しいとか楽しいとか
嬉しいとか妬ましいとか
辛いとか幸せとか
透明な小さな雫には そんな感情はなくって
どんな出来事も
そのまま受け容れているのだろう
傘の花が咲く窓越しの景色は
明日も続きそうだ
#48「窓越しに見えるのは」
ある朝
起きて朝の光を浴びるのが日課だ
僕は窓を開けようと窓辺に近付く
そこには見たことのある影
別の世界の僕と君の姿
君はとても頑張り屋で影で凄い努力して
僕にとって、とても眩しくて
でもその眩しさの中は居心地のいい温度
僕は復縁してよかったとも思ってる
周りからなんて言おうと
君に最後に裏切られようと
僕は君の行動全てを信じている
影の努力家
本当にそう思えるほど頑張っている
はめ殺しの窓
採光だけを目的とした窓
換気機能を捨てた窓
虫すら入って来れない窓
ただ眺めることしかできない窓
絶対に開くことのない窓
決して外へは繋がらない窓
カーテンを取り付けて
二度と開くことのない窓
~窓越しに見えるのは~
窓越しに見えるのは、眠りについた静かな町だった。
どうして、こんなところにいるんだろう。
気を抜くとすぐに我に返ってしまいそうで、わたしは窓の外に見惚れることにした。
夜だろうが昼だろうが、いつも光り続ける街から抜け出して、知らないこんなところまでやってきてしまった。
信号が赤色を灯した。一本道に通る車はわたしが乗るこのタクシーだけで、外に人影は一つも見当たらない。
運転手が缶コーヒーを一口飲んだ。彼とバックミラー越しに目が合う。けれど、お互い会釈も微笑みもせず、自然と目を逸らした。
やがて信号が青に変われば、車体は進み出す。
あの街から抜け出せばいいと思っていた。あの街から離れたら、なにかが変わると信じていた。
それなのに。
胸の中で虚無感が膨張していくことに、わたしはいつまで目を背けられるだろうか。
窓越しに見えるのは私ではない誰かと一緒に歩く君。
ふと目が合って、私は焦った。
急いでカーテンを閉めて自分の感情を塞ぎ込み、声を殺して泣いた。
薄く広がる雲と鳥のさえずり、遠くにあるのは私の身長よりもずっと高い木。
このまま暑くならなければいいな。
【窓越しに見えるのは】
窓の外にはバケツでもひっくり返したかのような大雨が降っている。打ちつける雫で滲んだ窓に、そっと指先で触れた。
突然の夏の雷雨。せっかく海へ行く約束をしていたのにと、思わず溜息を吐き出した。
雨は嫌いだ。苦い記憶は全て、雨と結びついている。父親の怒号、母親のヒステリックな泣き声。いまだに耳元で響くそれらをかき消したくて、必死に耳を塞いだ。ああ、本当に。雨なんて大嫌いだ。自分自身の脆さをこれでもかと思い知らされる。
下唇を噛み締めて窓の外を睨みつけていれば、不意に鮮やかな赤色が霞んだ視界に映った。驚くと同時に電話が鳴る。反射的に取ればひらひらと、真っ赤な傘の下の人影が手を振った。
「来ちゃった。せっかくだから家で映画でも観ようよ」
ノイズの混じった朗らかな声が耳朶を打つ。途端に心が上を向くのだから現金なものだ。君がいないと、僕はダメになってしまう。
「濡れたでしょ、早く上がりなよ」
つっけんどんな口調を装いながら、玄関の鍵を開けるために立ち上がった。
窓越しに見える君は、太陽よりも眩しい僕の光だ。なんて、恥ずかしすぎて口が裂けても言うつもりはないけれど。
何も見えない深い闇
虫の声、カエルの鳴き声、川の音
目が慣れたら見えてくる
家、田んぼ、星空
田舎に行きたーーーーい!
#7 窓越しに見えるのは
窓越しに見えるのは、
兵士、戦車、逃げ惑う市民。
崩れ行くビル、マンション、シンボル。
いつまで続くのか、終わりがあるのか。
窓越しに見えるのは、
変わらない毎日。
違うのは天気くらい。
退屈な毎日だし、生きづらい日本だけど、
これを平和って言うんだろうなぁ。
窓越しに見えるのは。窓越しに見えるのは隣の家か道路くらいのものだ。ふむ、特に語ることのないお題だな。
そういえば窓とはちょっと違うけど部屋の中にある引き戸のガラスを割っちゃったんだよな。あれっていくらくらいするんだろ。
賃貸だからこの部屋を出る時に弁償しなきゃだよな。気が重いぜ。
弁償と言えば壁にネジで穴も開けちゃったんだよな。まだ若い頃に借りて結構な年月をここで過ごしたからやらかしてることが割りとある。
恥ずかしい話だけど昔は部屋を傷つけてはいけない、そんな当たり前のこともわかってなかった。だから物を引っかけるための穴を開けちゃったんだよな。
それに長く住んでいるから故意じゃなくて事故で壁にひびや穴を開けたこともある。まだ酒を飲んでいたころに酔っぱらってとかでね。
今のところ引っ越す予定はないけどもし引っ越すことになったら現状回復とかそんなのでいくら取られるんだろう。自分のやらかしとはいえ怖いものだ。
私の家はマンションの三階。私の部屋は南向きで日当たりがいい。でも窓はずーっとカーテンが閉めてある。
だって、外の世界なんて見たくないんだもん。
少し前にお父さんが私にもう一つの窓をくれた。
それは一日中煌々と私の顔を照らす。
朝も昼も夜も関係ないとばかりに同じ光が私を照らす。
その窓と言う名のPCの中にはゲームやSNS。
知らない人と文字だけの会話。
やりとりする人の名前は多分、本名じゃないし、写真も拾った写真か加工したやつだと思うし、私だってそう。
この窓の中だけは、なりたい自分になれるんだ。
窓って名前のPCは名前の通り、ちょっとだけ覗き見はできるけれど、扉のように出入りはできない。
このままじゃダメだってわかってるけど、どうしても部屋から出られない。
SNSに新しいメッセージが届いた。
「久しぶり。」って。「誰?」って聞いたら、アオイって同級生の名前が返ってきた。
え?本物?本人だとしたら、どうして私ってわかったんだろう?お父さんもお母さんも私のアカウント知らないはずだし、個人情報がどうやってバレたのか。怖い。
とりあえず無視しよう。そうしよう。
久しぶりにパタンと光る窓を閉めた。
しわくちゃの布団にくるまって、どうしよう。どうしよう。と悩んでいたら寝てた。ぐっすりと。
この部屋に居れば安全。誰からも嫌な事言われないし。
SNSで嫌な奴いたらブロックしちゃえばいいし。
でも、アオイは気になる。
寝たからか、ちょっとスッキリした頭でもう一度、光る窓を開く。カタカタとタイピングしてアオイに話しかける「何?」コレならあのアオイじゃなくても大丈夫。私って知ってる人じゃないかもしれない。アオイなんてありふれた名前だし。
するとすぐに返事が来た。
「10分後、カーテン開けて。そしたら伝える」と。
えー!どうしよう。どうしよう。ボロい部屋着にボサボサ頭。カーテン開けたくない。
「じゃあ知らなくてもいい」と急いで返事。
その後は早く返信が来ないかとジッと光る窓を見つめる。なかなか返信が来ない。それでもジッと光る窓から離れられない。
ようやくアオイからの返信「10分たったよ」
この窓の向こうにアオイがいるの?凄いドキドキして汗が滲む。どうしよう。
怖いからまた布団にくるまって知らんぷりしようとする。今度はなかなか夢の世界に行くことができない。
気になって仕方ない。
少しだけ。少しなら。と、そっとカーテンの端っこを摘んで上げる。
マンションの前の道路にアオイはいた。
汚れた窓越しに見えたアオイはニッと笑う。開けたのがバレたみたい。そして、パクパクと口元が動く。
アオイはこちらに携帯を見せた。わけがわからないけれど、カーテンから離れて電子機器の窓を開く。
アオイから「話したよ」って。
「聞こえない」って答えたら
「じゃあ窓開けて」って
「無理」
「家行っていい?」
「無理」
「電話は?」
電話…
電話くらいならしてもいいかな?って思ってたら
「9時に電話するから」の文字。
わかったって返事はできないけど、アオイは電話かけてくれると思う。
窓はまだ開けられない。
でも随分前に充電の切れた携帯をコンセントに繋ぐ。
少し外の世界に繋がるかもしれない。
窓越しに見えるのは、街の風景
つまんない授業なんて、聞いてちゃいられない
早く終わらないかな
外はとってもいい天気だ
今日はどこか寄り道でもして帰ろう
空が茜色に染まった
窓に映る私の頬も茜色
数時間前までは青空
私の頬には涙が伝っていた
幸せな日々との別れ
感傷に浸り……溺れていた
茜色の空は
涙を枯らし
気持ちも枯らしていく
何も考えなくていい
そんな時間
やがて闇に呑み込まれていく
闇は月明かりで
静かに照らされる
私の心も少しずつ
潤いを取り戻す
まだ未練はあるけれど
少しずつ
少しずつだけど
前に進めそうな
そんな……月明かり──
(2023.07.01/窓越しに見えるのは)
窓越しに見えるのは
うちの窓からは、畑といろんな家
もし、海が見えたなら
朝はもっと早く起きれて、
なんなら、ウォーキングしちゃうかも
もし、森が見えたなら
朝は、もっと早く起きれて
なんなら、ウォーキングしちゃうかも