『窓から見える景色』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
秋を告げる乾いた風は、
網戸越しに飾られた私を揺らした。
水があったほうが風流だ。
そう言って花瓶を濡らす主人は、もういない。
乾ききった瓶の底。
見られるために産まれた私は、
見るもの無くても残りつづける。
決して枯れることのない花。
光も水も愛情も要らずに咲く花。
景観に取り残された私が、
もし自由に変われたら。
大きく咲き誇る少しの時間も、
枯れていく長い時間も、
美しい一画にあれたのだろうか。
『窓から見える景色』
窓から見える景色
真っ暗な夜
どこが道路かわからないくらいの暗闇に
うっすらと白線横断歩道
虚しいほど煌々と光る信号
目が悪いからなのか
涙のせいなのか
ぼんやりと滲み暗闇に光を増やす
今日は終わるのだろうか
続く明日へ繋がるのだろうか
また、明日になるのか
口ずさむ女性アーティストの恋の歌が
信号の点滅に合わせて
夜の道に落ちていく
君ときたデート
綺麗な夜景が見えた
車の中から見えるカラフルなライト
すごく綺麗でずっと見ていたかったはずなのに
「あ!雨降ってきちゃったね」
と言ってるあなたをずっと見てしまったよ
窓から見える景色よりあなたのことを見ていたい
校舎の窓から君をぼんやりと眺めていた。
友達と健気に笑い合う君の姿にいつしか見惚れていた。
明日でそれも終わりみたい。夜になって私は家に帰り部屋に籠った。癖で窓の外を見てしまうけど私の窓は自分の泣き顔を写した。
窓から何が見える?
う〜ん、
グリーンの広がり
それから?
透けるような
うすいブルー
他には?
優しいピンク色と
温かみのある淡い黄色
それが合わさると
どんな景色になるの?
穏やかな
僕の心の風景さ
300字小説
さよならの景色
何の変哲もない田舎のローカル線だと思っていた。
「明日からはバス通学か……」
いつもの時間の車両に乗り、いつも座る窓際の席に座る。
「……ん?」
季節の移ろい以外変わらない、窓から見える景色が変わっていく。
山が開かれ、橋が掛かる。家が増え、町が出来る。更に家が増え、店が建ち……。
やがて、灯りのつかない家が増え、店が消える。町から人が消えていく。そして……。
この路線の沿線の、時の流れと共に変わっていった景色だろうか。
気がつくと、いつも降りる駅。無人の改札には、明日からの廃線を告げる掲示板と誰が置いたのか、花束が吹き込む秋風に揺れている。
駅舎を出る。屋根の向こうは夕暮れ空。赤く染まった雲が潤んで見えた。
お題「窓から見える景色」
窓から見える景色は17年間変わらなすぎて飽きた。
カーテンに閉ざされて景色は見えない。見る必要もない。
窓から見える景色。
何も変わらない。
唯一違うのは、私の他にもう一人、私と同じ景色を見る人物が増えた事だ。
「おはよー。傑(すぐる)起きて、もう起きないと遅刻するよっ」
「うーーーん。あと5分……………」
傑の寝起きはとても悪い。
付き合って初めて朝を迎えたときにそれは判明した。そのお陰で、私は結局仕事を遅刻する羽目になった。それも初めて。
「もう、知らないからねっ!私、先に準備始めるよっ!」
そう言って洗面所に行こうとしたら、傑に腕を引っ張られる。
「!!」
「こと菜も、まだねてよ?」
寝ぼけてことを言っている傑。私は負けじと
「寝ない!ちこくするも……………つ」
言い終わる前に、次は口を塞がれた。
クソー、負けた。
それに、朝イチだぞー。
「もうっ、寝ぼけてないで早く起きてっ!」
「こと菜」
「なにっ!」
「………好き」
「…………!!」
不意に言われた言葉に私は思考停止。
こういう所が狡くて、可愛い。
「私だって、好きだよ」
お返しのつもりで言い返した。それを知ってか知らずか、えへへへ、と傑は寝ぼけ眼(まなこ)で笑う。
「好きだからっ、早く起きてー!!」
私は体をジタバタするものの、傑の力は強い。クソッ、男がっ!!
結局、傑のせいでこの日も遅刻する事になるのだが、何だが怒れない私。
傑はきっと気づいてない。
貴方の言う、好きが、どれ程の力を持っているのか。
そして、その好きという言葉に、私がどれ程絆(ほだ)されているのか、傑は知らない。
窓から見える景色は
私を自由にしてくれる
一瞬でしかないけど
この独房室の現実を
忘れさせてくれる
窓から見える景色
みんなが笑ってる
本当に心から笑ってるかなんて
分からないのに
自分が病気だから
ここが病室だから
外の世界にいる人たちがみんな羨ましくて
みんなが楽しそうにみえる
わたしが知らない世界を
たくさん知ってるんだろうな
外に出れば傷付くことも
幸せの分多いだろう
でもこの囚われた小さな世界では
本当に見えるもの感じられるものが
限られていて
高まっていくだけの想像力で
また自分を傷付ける
身体が自由なら想像を創造にできるのにな
わたしには何も出来ない
これもただの独り言
毎日感じるのは孤独
ただ、孤独
この窓から 変わりゆく景色を
一緒に何度眺めたことでしょう
美しい月の夜 激しい嵐の日
喧嘩した夜 仲直りした朝
色んな景色を見ましたね
今も変わらず横にいてくれる君
すっかり白くなったお互いの髪
どれもこれも
とても愛おしく感じるのです
~窓から見える景色~
電車の窓から見える景色をずっと眺めていた。
電車は嫌いだ。沢山の人で溢れている駅のホームも、電車の走る音が大きすぎて、耳栓代わりのイヤホンから流れる音楽も聞こえなくなる、あの瞬間も嫌いだった。動悸がして、今この場所から逃げ出したくなる、そんな気持ちで埋め尽くされるから。
けれど、仕事先に行くには、電車に乗るしかないのだから、私はいつも仕方がなく、心を強く持ち動悸に気付かぬフリをして電車を待つ。
時間通りに到着する、憎たらしい電車に乗り込むのだ。
私はいつも同じ場所から乗り込みいつも同じ場所に立つ。座ることはしない。座ってしまえば、もう二度と立ち上がれなくなると思うから。座席に私の体を縫い付けられてしまった、いや、私が座席に溶けて行くような、そんな感じがするのだ。
だから、立って、ただただ自分のスマホから目を離さないようにする。そうしなければ、泣いて崩れ落ちそうだと思ったから。
だけど、この前、1本早い電車に乗ってしまった。
本当に何となく、ただただ気まぐれに、駅のホームに立った瞬間に来たから、乗ってみようみたいな感覚で乗ったのだ。
そしたら、いつも乗ってる電車よりもうんと、人が少なくて。どの席でも座ってどうぞみたいな感じだったから、立っている方が目立つと思って座ってみた。立てなくなったとしても、それはもうそれでいいのかも知れない、と思ったから、座ってみたのだ。
そしたら、目の前に電車の窓が見えた。
早く早く進む電車の奥に、顔も知らぬ人達が生きてる世界が広がっていて、私だけ世界から切り離されたようにも思えた。流れる建物や、橋の上を走った時の空の広さとか、美しさとか。世界を、人を怖がる私には、そんな当たり前の景色がとても綺麗に思えて、少しだけ泣いた。
耳栓代わりのイヤホンから流れる音楽も、映画のエンドロールに流れるような曲だったから、本当は私は今この瞬間死んだんじゃないかって。自分の人生のエンドロールが、実は今誰かのテレビの中で流れてるんじゃないかって、思った。
そんな縁起でもないことを思っていたら、いつも降りる駅に着いてしまった。現実に引き戻された。死んだのに、生き返ってしまった。悲しかったし、苦しかった。けれど、いつもよりも生きている実感が、生きていかなければいけないという実感が湧いてきた。
その日から、私はずっと、いつもより1本早い電車に乗る度、窓から見える景色を見ていた。その瞬間だけは、私はこの世界の何者でもない気がしたから。きっと、誰かの娯楽になってるのかも知れない。私のつまらない人生を見て、ポテチでもつまみながら笑って、エンドロールまで飛ばしたのかもしれない。
どうでもいいことだけど。
誰かの生きている美しい景色を、1人切り離された世界から見ることで、どこか救われたような気持ちになる、そんな人間もいるのだと、私の人生を見ているかも知らない、顔も知らない奴らに言ってやりたくなった。
────────
電車は嫌いです。動悸がして、目眩がして、死にたくなる。
けれど、仕事に行くには乗らなければいけない。唯一の救いは、向こうの駅のホームに貼ってある、隙間を守るエクレアみたいな子のポスター。可愛い。
けれど、やはり憂鬱。明日も乗ります。嫌だな。もしかしたら、いつもスマホを見ながら乗ってるあの人たちも同じことを思ってるのかも知れないな、と思うと、少しだけ私の見た窓の奥の世界を見せたくなります。傲慢ですが。
とても綺麗でした。キラキラと光る建物も、きっと当たり前にある存在では無いのだと思います。その先に生きてる人たちもきっと。
そういえば、刀の付喪神の.5ミュージカルをライブビューイングで見てきました。咽び泣きました。
人の本気の思いっていうのは、多分きっと人を救うんです。
多分私の窓の奥から見た景色が美しく見えたのは、沢山の人の、誰かの為の本気の思いで溢れていたから、だと思います。
いつも、読んで下さりありがとうございます。
最近は何も上手くいかなくて、悲しく苦しい日々を送っていますが、私の偏屈な考え方を読んで少しでも貴方が楽になれば、と思います。
いつも窓からは山が見えます。
山って何かいいことありますか?
「血塗られた壁」ある日私の近所で殺人事件がおきた。遺体の手首と足首が見つかっていないそうだ。殺された人は会社員だそうだ。名前はAさん、近所でかなり評判がいい人らしい。私は殺されたのが不思議で探偵を雇った。探偵さんは必死に捜査をしてくれた。信頼できる気がすると思った。探偵さんは近所の飲食店、ホームセンター、スーパー、などの店を片っ端から調査した。有力な情報を集めるのはかなり困難だった、でも一番怪しいのはAさんと関わった人Bさん、Cさん、Dさんだ。それぞれ…
また明日書く!
窓から見える景色
前にも同じテーマあったような?
んーまぁいいか
窓からは光が差し込むくらいで
わざわざ景色を見ない
窓の景色としては白い光
窓を見てるって訳で窓の外は見ていない
窓から見える景色は安全だね
境界線がそこにあるから
ある程度は無関係であれる
景色はどうであれ
白い光は見えてはいる
きっと景色を見るにしても空が中心
空を見たいなら
外の方が気分はいいと思う
天気が良くても悪くても
確実にそこに空がいるんだから
何も知らない他人
その視線を気にするくらいなら
いまある自分を見た方がいい
自分にならある程度は手を加えれるから
自分に恥じることの方が他人より重い
誰かの思い込みに
応えてしまっていないかい
あなたが応えれるのはあなたにだけだよ
出掛けるときもあまり外は見ないかも
窓から見える景色
は建物が多い今
田舎の実家で民家と畑道路が多かった昔
仕事場から見る景色も都会だなー
階数はプチ高いけどこのビルより大きいスカイツリーとか都庁はもっともっと綺麗だよなー
あー久しぶりに綺麗な景色を見に行きたい!
海が見える。
波は
穏やかで
遠くに
船がいて
夕日が
綺麗で
もう
このまま
ここに
泊まってしまいたい。
でも
明日は
仕事だもんなぁ。
もう1日
ここで
のんびりしたいなぁ。
#窓から見える景色
窓から見える景色
窓から見えたのは、駐車場と郵便ポスト。
それが入院中の私の世界だった。
夜に見えるのは夜景なんかではなく、満車の赤いランプ。
風情も何もない。やけに早い消灯時間に眠れず、そっと小さくカーテンを開けてもそれしか見えないものだからため息しか出ない。
退院した今、窓から見えるのは浦島太郎の世界。
海の楽園などではない。入院中にすっかり様変わりした新しい世界と情報が更新されていなかった自分だ。
新しい整体院、新しいスパゲッティーの店、新しい戸建て、新しい居酒屋。
まだ馴染むことができないでいる私を煌々と照らす街灯もまた新しいデザインで、居心地が悪いのは何一つ変わらないのだった。
窓そのものが心象風景である。開かない窓をずっと心に置いている。窓枠に触れる。またたきごとに硝子の向こうは青空になり、曇天になり、その下にぽつねんとクリーニング店があり、商店にかわり、車も人も通らない侘しい道路になる。目を瞑る。硝子に額をつく。窓枠を掻いた爪が割れる。あなたが迎えにきませんようにと祈っている。
「7月2日に投稿したお題が『窓越しに見えるのは』で、あの日は『狐の窓』の話書いたわ」
さすがにもう、これっきりで「窓」は来ないよな。某所在住物書きは窓越しに、夜の暗い景色を見た。
隣家はカーテンを閉め切り、明かりが漏れている。
時間帯が時間帯である。これといって、物語のネタとなり得る何かは見えなかった。
「車窓、ホテルの窓、学校、自宅に空気窓、等々。シチュエーションは選び放題なんよ。うん」
問題は、それらが書きやすいか、ネタが浮かぶか。
ため息を吐いた物書きは、ただ窓の外を見た。
――――――
最近最近の都内某所。未だ暑さの残る頃。
この物語の主人公、宇曽野というが、
職場の屋上、ヘリポートを兼ねたそこで、秋である筈のところの風に当たりながら昼飯を食おうとして、
ドアを開けて早々、先客がいるのを見つけた。
背もたれ無きベンチに腰掛け、落下防止用のフェンス越しに階下を見ながら、小さめのサンドイッチに口をつける親友。
藤森だ。珍しく、今日は一人らしい。
かたわらには、何か料理を入れていると思しき箱と、スープボトルが置いてある。
「おい」
箱の右隣に腰掛けた宇曽野は、持ち込んだレジ袋を置き、イタズラな笑みをこぼす。
ビル風が少々強いらしく、袋の取っ手がピリピリなびいて、音をたてる。
道路を挟んだ向かい側のビル、1〜2階程度下の大きな窓からは、別業種の誰かと誰か、知らぬ女性と男性が、淡々と仕事をしている景色が見えた。
「よこせ」
なにせ今日は職場近所の800円と、自販機の200円の予定だったのだ。
「昼飯買って来なかっ、……あるだろう、自分の」
宇曽野が推測した通り、箱の中は小さめのサンドイッチ数種類と、数切れのフレッシュで低塩分のナチュラルチーズ。
卵にビーフに野菜、それから少しの甘味と、サンドイッチはラインナップ豊富。
ローストビーフ入りをつまんだ宇曽野は、更にチーズを挟んで、藤森の承諾も待たず口に放り込んだ。
「肉は、美味い」
「そりゃどうも」
こんなもんか。と宇曽野。
チーズがビーフの熱で意図した通りに溶けた、わけではないが、
それでも、柔らかめの食感のそれは、グレイビーソースに控えめに絡み、
チーズ & ビーフの、そこそこ不思議な歯ざわりを生み出した。
「チーズが溶けない」
「そりゃな」
「溶けた方が美味い」
「挟むなら、そうだろうな」
そもそも挟んで食う前提ではなかったんだが。
ため息を吐き、宇曽野のレジ袋を覗く藤森。
中身が職場近くで売られている800円であることに気付き、ため息をついて、ワラサのフィッシュカツサンドを手に取った。
「それ買ってきたのか。よりによって、美味くはないと不評なものを」
それは、「栄養『だけは』豊富」、という総評の大豆ミートパイであった。
都民の偏食と栄養バランスを改善すべく、近所の惣菜屋が、どこぞの栄養コンサルタントやアドバイザーと共同で開発・商品化したもので、
有機野菜由来の栄養素と、申し訳程度の調味に定評があり、
藤森の部署内では、「飲み物無いとパッサパサ過ぎて無理」と酷評であった。
あるいは「これより、同じ店で売られてるいつものベジカレーの方が数千倍美味い」と。
「サンドイッチの礼に、先に1個やるよ」
「毒見狙い、バレてるぞ」
「なら食え」
「断る」
その後宇曽野は、ミートパイの水気の無さに悪戦苦闘しつつも、それを見事に完食せしめたわけだが、
最後の一口を食道へ押し込むまでに、
藤森のサンドイッチ2個とチーズ3切れ、そしてボトルの中の野菜スープの援助を要した。
例の階下の大窓、別業種の誰かが、窓越しに向かい側の職場の屋上を見れば、
昼の景色として、パイに苦戦して胸をトントン叩く宇曽野が見えただろう。