いす

Open App

窓そのものが心象風景である。開かない窓をずっと心に置いている。窓枠に触れる。またたきごとに硝子の向こうは青空になり、曇天になり、その下にぽつねんとクリーニング店があり、商店にかわり、車も人も通らない侘しい道路になる。目を瞑る。硝子に額をつく。窓枠を掻いた爪が割れる。あなたが迎えにきませんようにと祈っている。

9/25/2023, 11:31:28 AM