『突然の君の訪問。』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
えっ待って待って
まだパジャマだし
コンタクトもしてないし
なんなら顔を洗ってないし
いっそ居留守を使おうか
でもこれっきりになるかもしれない
病気で寝てたことにする?
でも心配かけちゃうし
私の中で何人もの小さい私が大騒ぎ
どうするどうするどうする!!
(突然の君の訪問。)
テーマ 突然の君の訪問
バタバタバタと明らかに混乱を感じさせる音がしてベランダに目をやった。半透明の仕切りがされた我が家のベランダでは、迷い込んだはいいものの出られない虫がこうやって偶に狂想曲を奏でる。
春はバッタ、夏は蝉、昨年はカメムシが多くて閉口した。
今日は、ムギワラトンボだ。
ご自慢の複眼も、半透明なアクリルガラスには不可思議な障害物として惑わされるらしい。
秋津国に相応しいお客様じゃないのとチラシに乗せるとすぐに、台風が近づく強風に、今度は音もなく舞っていってしまった。
益虫であるトンボにそっと今年の豊作を祈った。
台風被害が少なく、黄金に輝く稲穂の上に舞う蜻蛉が各地で見られますように。
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自分用メモ
古語でトンボを秋津と言ったのはトンボが多い盆地などを「あくつ」と言ったからではないかという説有
日本を秋津洲と言ったのは神武天皇。国の形が蜻蛉のとなめ(交尾)に似てるのが理由とおっしゃったらしい(日本書紀)
国産みの淡路島のくだりの次にも「大日本豊秋津州(おほやまととよあきづしま)」の記述有
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ベランダに 迷い込んだ アキアカネ
穏やかさ 取り戻して飛べ 秋津洲
突然の君の訪問があったら良いな。
また、「テニスをしよう!」とインターホンを鳴らしてほしい。それか自分から言っちゃおうかな。
どうしてか
覚えていないけど
多分
イライラしてたんだよね。
いつもなら
とっくに眠っている
深夜まで
ベッドで
寝転んで
ぼーっとしていて
さぁ、
寝るか!
と思ったら
向かいの棚の後ろから
キミが出てきて
…!!!!!
叫び声も
出なかった。
真夜中に
一人暮らしの部屋で
はじめて
Gと出会うなんて
思わないじゃん?
#突然の君の訪問
…ねえ。
ん?どーした。
今から家行ってもいい?
…なんかあったのか。雨だし迎えに行くよ。
実はもう家の前まで来てる。
部屋の窓から外を見ると本当にあいつがいた。
傘もささずにひとりで。
急いで玄関を開けに行った。
急にごめんね。来ちゃった。
大丈夫だ、気にすんな。とりあえず入れよ。風邪ひくから先にシャワー浴びて。
…うん。ありがとう。
そう言ってぎこちなく笑う君。
瞳の奥の悲しさがみえみえだ。
服まで借りちゃってごめん。ありがとう。
シャワーから上がってきた君。
どうしてそんな淋しそうな顔をするんだ。
どうしようもない気持ちになって、抱きしめてしまった。
何があったかわからないけどさ、僕のところに来てくれてありがとう。
…ッごめんごめんね。泣きたいわけじゃないんだけど。
思う存分泣いていいからね。
しばらくして泣き疲れたのか君は眠ってしまった。
君はいつも急だよな。
そして、いつも詳しいことは話してはくれない。
でも、それでいいんだ。
君が話したいと思う時まで僕は待つよ。
ー突然の君の訪問
#38 突然の君の訪問。
[逢えて良かった]
突然、貴方は現れた。
私は貴方に会いたくなかった。
貴方に会ってしまえば
今まで奮い立たせていた糸が
切れてしまいそうで怖くて。
でも、会ってみて
それは思い違いだったと気づいた。
今までの感謝の想いで溢れて
逢えた悦びでさらに満たされていく。
逢えて良かった。
満面の笑みで応えた。
突然の君の訪問
迎えに来たってどういう事ですか?
見知らぬ美女に声が少し裏返しになったが、なんとか耐えた。突然、目の前に現れるとは何事か。新手の詐欺か、きっとそうだ。こんな美女に知り合う機会はほぼない生活なんだから。それにここは地上50階だし、このひと月外出していない。誰とも顔を合わせていない。こえが裏返しになったのもそのせいだ。
無精髭にモサモサの髪でヨロヨロの部屋着を着た俺。
いつまで待っても来ないからです。
イラッとしたらしい。声にトゲを感じる。
早く回収しないと私のノルマが達成しません。
さぁ、早く一緒に来て。
何を?ノルマって関係ないだろう。俺。それになんで一緒に行かないといけないんだ?知らないよ。
顔がきれいな分怒ると迫力があるって本当だな。
赤を通り越して青くなった顔は気の毒に思う。
さて、まずは不法侵入で通報して…ん?あれ、身体が透けているのは気のせいか?
あなたのような自覚のない方が増えているから。
呆れたように言い、俺の手首をガッチリ掴む。
フワリと浮かび上がるとベッドの上に青黒い顔をした俺がいる。なんかヤバそう。
先日の停電でエアコンが切れて、室内温度が調整できなくて、寝ている間に身体から離れたんですよ。意味わかりますか?
そう言って耳を塞ぐ準備をしている。一拍置いて、ジンワリと自覚し、そして叫ぶ俺を仕方無さそうにみている。
行きますよ。まだ地に縛られずに済みそうです。
手首をつかまれ、分厚いガラス窓を抜ける。
地上にはパトカーも見える。
そうか。もう、ここにはいられないんだな。
救いか。随分横柄だがな。分相応か。
突然の君の訪問に心臓が止まりそうになった。
あまりにも突然すぎて、心の準備が出来てなかった。
——でも、すごく嬉しかった。
お題「突然の君の訪問。」
日曜日。なんとなく出かけたい気分になって、カフェにでも行こうと腰を上げた。
普段からたまに利用しているカフェは、人が多すぎず少なすぎずで、何かに集中するのに最適な空間だ。本棚に置いてある本は自由に手にとって読むことができる。
私は紅茶を注文して、本棚を物色しようと立ち上がった。
カランカラン
目の前で扉が開く。入ってきたのは、私のよく知る人物。煌時くんだ。
「「あっ」」
お互いに驚きの声を上げた。
「先生! いらしてたんですね!」
「君もね。ひとりですか?」
彼の周りに人の影はない。
「はい。急に思い立って出てきたので。先生こそひとりですか?」
「ええ、私も似たようなもので。よかったらご一緒しますか?」
「はい!!」
煌時くんは心底嬉しそうに頷いた。
彼が学校の課題をこなす間、私は本を読んでいた。時々様子を覗き見ていたことは内緒だ。彼は気づかず集中していた。
しばらくして彼が問題集をたたみ始めたので課題が終わったのかと思ったが、今度は違う冊子を取り出した。中学生は大変だ。
お腹が空き始めて、そろそろお昼だと知った。外を見ると生憎の雨模様。折りたたみ傘を持ってきてよかった。
「先生」
「おや、終わりましたか」
「はい。お待たせしました!」
ニコニコの笑顔を見せる彼の手には、先日私があげた日記帳が握られていた。
「それ、使ってくれてるんですね」
「もちろんです! 今日のことも書きました」
彼は何の躊躇いもなく今日のページを開いて見せた。
「おっと、見てもいいんですか?」
「他の人には見せませんけど、先生は特別ですから」
まったくこの子は……
お言葉に甘えて文章を読むと、なるほどカフェで偶然会った経緯と嬉しい気持ちがしたためられている。
「ふふ、私も嬉しいですよ」
「えへへ」
愛らしいはにかみ顔で頬を染める彼。
そういえば、彼は外の状況に気づいているのだろうか。
「煌時くん、傘は持ってきましたか?」
「傘?」
窓の外に目を向けた彼は、ポツポツと降り出した雨に苦い顔をした。
「うぁ〜、持ってきてないです」
やはり。通り雨ではなさそうだし、ひとりで帰してはせっかく終わらせた課題がグショグショになってしまうかもしれない。
「止みそうにないですし、送っていきますよ」
「えっ、いいんですか」
「もちろんです。風邪を引かせるわけにはいきませんからね。ただし、傘は1本ですよ」
「やった! 相合傘だ♡」
子どもらしく手を振って喜ぶ教え子。こういった姿を見ると少々罪悪感を感じるが、離れようとは思えない自分は狡い人間なのだろう。
2人で店を出ると、予想通り本降りになっていた。小さい傘を彼のほうに傾けてゆっくりと歩く。
遠くのほうで傘をささずに全力疾走している少年がいたが、間もなく見えなくなった。
「せんせぇ」
彼の甘い声に目線を下げる。
「どうかしましたか?」
「……いえ、呼んだだけです」
そのどこか寂しそうな横顔を見て、何とも言えない気持ちになる。それを払拭すべく、頼みごとをすることにした。
「煌時くん。よければ傘を支えるのを手伝ってくれませんか。風が出てきたので」
一瞬不思議そうな顔をした彼は、私の意図に気づいて照れ笑いを浮かべた。
重なった手は温かく、濡れた肩など気にもならなかった。
テーマ「突然の君の訪問。」
「な、、なんで君が…ここに?」
僕は、地元が嫌いだなぜって?そんなの決まってる家族も学校の奴も周りに居た全員僕の事が嫌いだからだ
それなのになんで、どうして…君がここに居るんだよ…、優しくしてくれた君 ただ唯一僕と普通の人間として接してくれた君
僕が恋に落ちた君、そんな優しい顔で昔みたいに微笑みかけないでくれ…僕はもう昔みたいに『ニンゲン』みたいには接せられないんだから
突然の君の訪問
ちょうど、ストッパーを外したところだった。
次第に、
点滴に繋がれた腕から身体中に毒薬が巡る。いわゆる、安楽死。
恵まれた人生ではなかったけれど、幸せだった。
過去に想いを巡らす、 そこで、君が来た。
誰から話を聞きつけたのだろうか、
荒い息づかいと騒がしい足音がこちらへ向かってくる。
あぁ、君だけが私の後悔であった。
余命数十秒の私を見て君はただ涙を流した。
さようなら
「…ひさしぶりだな…」
「なんで…ここに」
「会いたかった」
最後にあったのは、学校を卒業する前だったな…
懐かしいな。何も変わってない。
「…夢主」
「私は、私は会いたくなかった!!まだ早すぎるでしょうよ!!jnpi!!」
夢主が死んで数十年。忘れた日々なんかなかった。
死んでやっと会えたんだ。
泣き顔なんか見せねぇで、笑ってくれよ。
と、その前に謝ることあるんだったな
「……ごめんな」
“寿命を全うするまで、こっちに来たら許さないから”
お前の最期の約束を守れなくてごめん。
「俺は会いたかった」
「jn 、piっ、…っ」
なぁ、俺頑張ったんだよ。
前みたいに『お疲れ様。頑張ったね』って言って抱きしめてくれよ
【突然の君の訪問】
【突然の君の訪問。】Other Story:B
ピンポーン。ふいにインターホンが鳴った。
なんだろう。今日は来客も荷物が届く予定もないのに。
アパートの玄関扉には覗き窓が付いている。
外からも覗けるらしいと知って塞いだ無用の長物。
今こそ使うべきか。蓋を回して左目を当てる。
「うわっ!」至近距離で目が合い、反射的に顔を引いた。
防犯に役立つなんてやっぱり嘘じゃないか。
恨みがましい気持ちで覗き窓を睨む。
ピンポーン。またインターホンが鳴った。
なんでインターホンにカメラがついていないんだ。
節約のため、家賃の安い家を選んだのがいけなかったか。
呼び出し機能だけあってもあまり役に立たない。
僕は観念して扉を開けた。「はい。ご要件、は……」
顔を上げて、固まる。まったく、誰かと思えば。
「久しぶり。急で悪いんだけど、泊めてくれない?」
自由気ままな幼なじみが、満面の笑みを浮かべていた。
「タチの悪いイタズラすんなよ……」気が抜ける。
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ怖かった。
「ごめんごめん」びっくりさせようと思って、じゃない。
怪談とかお化け屋敷とか、苦手だと知っているくせに。
とりあえず彼女を招き入れ、適当に座らせる。
「で、泊めてくれってなんで?」キョトンとされた。
「え。了承したから入れてくれたんじゃないの?」
「理由次第だよ」外は寒いから一時的に入れただけだ。
聞けば、明日、近くで行われるイベントに行きたいとか。
知らんと放り出したいが、もう暗いので仕方なく許す。
「やったぁ。昔みたいに一緒の布団で寝る?」
「バカ」断ればよかった。またそうやって僕の心を弄ぶ。
突然の君の訪問。
玄関には学校のマドンナがいた。
とても嬉しかった。
しかし、彼女は泣いていた。
とりあえず部屋に上がってもらい、話を聞くとどうやら失恋したらしい。
失恋の相手は、私の友人だった。それで私の家に来てくれたんだが、とても舞い上がっていた事を覚えている。
その時代には、携帯電話やポケベルなどはまだ無く、突然の訪問が多かった。
誰かが突然訪ねてくると、その用件に、その人に、胸を躍らせることが多かったのを思い出す。
しかし、今は違う。
訪問の前には、連絡を取ることができる。
そんな時代なのに、突然の君の訪問。
嫌な予感しかしないなー
私は彼からお誕生日プレゼントを貰ったことがない。
『そういえば今日だったか? ヒトの誕生日って今まで気にしたことなかったな。自分の誕生日もいつか知らねえし』
彼が屋敷に住むようになって三ヶ月とちょっと経った、夏の終わりの頃だ。
『つーか、お嬢は俺なんかが何かあげるより良いモン、家族とオトモダチから貰ったろ? それでいいじゃん』
当時幼かった私はその言葉に「そうじゃない」とも「そうだね」とも言えなくて。
自分からプレゼントをねだるなんて二度と出来るわけがなくて、それから十年以上が経った。
大きな丸いケーキ。
ハッピーバースデーの歌。
たくさんのプレゼント。
みんなの気持ちがとても嬉しくて。
だけど今年も、彼からのプレゼントは無かった。
今年はもしかしたら……って思ってなかったわけではないから。だから夜寝る前、ほんの少しだけ自分の部屋の中でだけ落ち込んでた。ほんの少しだけ。
だから突然の彼の訪問は、とても意外なもので。
「あー、えーっと。たまたま街ぶらついてたら、悪くねーの見かけてさ。そういえばお嬢そろそろ誕生日だったなって、たまたま思い出してさ。……ほれ。誕生日オメデト」
綺麗にリボンのかけられた小さな箱を、ぶっきらぼうに渡された。
中には綺麗なネックレスが入っていた。
ペンダントトップに太陽と月が寄り添うようにモチーフされた、とても綺麗なネックレス。
「いや、別に。店員にやたらオススメされたから何となく買ってみたっていうか。気に入らなかったら、そのへんに仕舞っといたらいーし……ッ、て! なんで泣いてんだよお前!?」
やだ、どうしよう。
ごめんなさい、みんなごめんなさい。
今まで貰ったどんなプレゼントよりも、これは──。
またキミか・・・・
シロミはいーました
僕たち 別れたんだよな
もーおそいんだよ
いまさら たまごなんかに
戻れやしないんだ!つーーーの。
《突然の君の訪問。》
夜も更け、白い月が頭上に満ちて光を放っている。
僕が持ち帰った本日分の書類の整理を終えて、眠りに就こうかという時だった。
日中の暑い空気を逃がすために開け放していた窓に、一匹の白猫が佇んでいた。
猫特有のしなやかな身体を包む毛並みは美しく、月の光を浴びて白銀に輝いている。
背後の窓の外に広がる夜の闇とのコントラストが映えて、とても幻想的だ。
丸く大きな瞳は不思議な赤紫色で、それがこの猫のこの世ならざるもののような雰囲気を醸し出している。
瞳孔は夜の逆光の為か丸く、そこに怯えの様子は全く見られない。
その瞳は何かを訴えかけるように、じっと僕を見つめていた。
白猫は小さく鳴くと音もなく床に降り立ち、椅子に腰掛ける僕の足元に近付いて来る。
室内に見知らぬ動物が入り込んだが、どうしてか僕はそれを止める気にはなれなかった。
白猫は僕の顔を見ながら手前まで来ると、その場に立ち止まり座り込んだ。
そしてまた一声小さく鳴くと、その視線を床に落として俯いた。
その姿は、まるで謝罪をしているように見えた。
すみません、ごめんなさい、と。
白猫は、何も悪さを働いていないのに。
「いいよ。おいで。」
僕は椅子に掛けたまま、手を差し出した。
すると白猫はハッと僕の顔を見上げた後、おずおずと歩み寄り差し出した手の指先に額をそっと触れさせた。
僕の部屋を突然訪れ、僕に怯えている様子は全く感じられないのに、その行動は妙に気弱なところがある。
この白猫の行動はどこかチグハグだが、とても身近な暖かさを感じる。
以前彼女が庭で猫を撫でていた様を思い浮かべ、それに倣うように白猫の首筋から背中に沿って手を滑らせる。
白猫は一瞬赤紫の目を見開くと、その後は目を細めて気持ち良さそうに喉を鳴らし始めた。
ずいぶんと無抵抗で、人懐っこく暖かい。
完全に僕の手を信じ切っている。
僕は試しに、白猫の両脇に手を添えてその身を持ち上げる。
その目は驚きに満ちていたが、細身の身体はだらりと無抵抗のまま僕の手により床から離された。
持ち上げた小さな白猫を自分の膝に乗せる。
そしてまた首から背中を撫でると、その喉から再びゴロゴロと音が鳴り出した。
白猫の全身から漂う僕への安心感と信頼感は、僕の心の奥まで優しく染み渡る。
僕は、その優しさにつられて目を瞑り白猫に頬を寄せた。そして、小さな額に頬を触れさせる。
一瞬だけ喉の音が弱まったが、白猫は更に大きく喉を鳴らせながら僕の頬にその額を、ヒゲの映えた口元を何度も擦り寄せてくれた。
それは本当に暖かく柔らかく、すらりと伸びたヒゲが擦れる感触が少しこそばゆく、それすらも心をどんどん暖めていった。
ああ、これが愛おしいという気持ちなのだな。
率直にそう感じた僕は、目を開いて白猫を見つめ呟いた。
「僕は、あなたが愛おしい。あなたと一緒に暮らしてみたい。」
すると白猫は喉を鳴らすのを止め、しばし僕の瞳をじっと見つめ返したかと思うと一度だけ僕の頬に顔を擦り寄せ、小さくざらついた舌で頬を舐めた。
そして切なげにその口から鳴き声を漏らすと、素早く僕の膝から降りて窓へと駆けて行った。
「あ…!」
僕は、白猫を怯えさせてしまったのだろうか。
何か気を悪くする事をしてしまったのだろうか。
僕は先程まで白猫を撫でていた手を伸ばし、その背中に追い付こうとした。
白猫はその僕の意思に応えるかのように開いた窓の縁に立ち止まり、腰を落ち着けこちらを向いた。
その姿は、現れた時とまるで同じ。
宵闇を背にし月影を受け佇む姿は、白銀に煌めいて美しく。
赤紫の瞳は、切なげに僕の姿を捕らえていて。
微かにその頭が横に振られたかに見えた。
不意に、その白猫に今は眠っているであろう彼女の姿が重なった。
ごめんなさい、と淋しげに謝る彼女の姿が。
ありがとう、とそれでも微笑む彼女の顔が。
僕がそれに心を囚われて身動きが取れずにいた瞬間、白猫は高く声を上げると窓の外へと姿を消した。
気を取り直し窓辺に駆け寄るも、既にあの白猫の姿は無く、そこには庭の草木が白い月の光を受けながら風にそよいでいるだけだった。
突然の君の訪問。
お腹空いたかい?
チキン南蛮とホットサンド、寒ざらしならすぐ出来るばい!
全くの他人の突然の訪問なんてのは得てして
歓迎してあげられるもんではない。
それが有無も言わせないぞ的な物言いの人間ならなおのこと。
半年くらい前の話。宅配の荷物が届く予定だったので
ピンポンに迂闊に扉を開けてしまったら
貴金属タダで鑑定させてくれマンが現れた。
「腕時計ありませんか?タダでいいんで鑑定させて下さい!」
怒ってるのか?という勢いで喋り始めた。
既に余計な時間を使ってる自分に腹が立ってた私は
「置時計しかありません。」と断った。
しかし相手も更にまなじりを上げ
「アクセサリー類ありませんか?鑑定させて下さい!」
と食い下がってきたので
「木彫りのペンダントならあります。」と言ったら
明らかに不愉快そうになり
「それはいいです」と言い放って帰って行った。
まったく…流行ってるのか?貴金属鑑定させてくれマン。
ま、私も油断し過ぎた。これからピンポンには
必ずドアスコープを覗くように気を付けよう。
(突然の君の訪問。)
突然の君の訪問。(8月29日)
僕はいつものように家にいた
そしたら外から足音が聞こえてきた
足音が聞こえるのは変なことではないんだけど
僕の家の周りを歩いてるみたい
僕は不思議に思った
なので外を見てみたら...
君はこっちに気づいてびっくりしていたけれど
僕の家の方にきてノックをした
ドアを開けてみたら
数年前に引っ越していった君だった
突然の君の訪問。
僕はとても驚いた