『突然の君の訪問。』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
いつ君が家に来ても大丈夫なように、せっせと部屋のお片付け。
カーテンレールやペンダントライトのカサ、飾り棚の奥の方に隠れている綿埃を排除。
ローテーブルの下に敷いてあるカーペットをベランダに干して、フローリングを念入りに雑巾がけする。
掃き出し窓を開け放ち、埃っぽい空気と共にベランダに出て、ちょっと休憩。
日に日に秋めく風に吹かれて、キンキンに冷えた麦茶を呷った。
テーマ「突然の君の訪問」
突然の君の訪問。
突然、玄関のチャイムが鳴った気がしたので、取り敢えず、確認をしにいった。
今は、午前二時過ぎで、こんな夜更けに、誰が何用かと不思議に思いながら、玄関ドアの覗き穴を見てみたら、若い女の人が立っていた。
髪はロングで腰にとどきそうな長さで、服装は真っ黒なワンピースだ。顔は下を向いていて、よくわからなかった。
自分は何を思ったのか、そのまま、ドアを開けてしまった。身体が勝手に動いたのだ。
自分は、どうしたのか、何かあったのかをその女性に問いた。返事を待ったが、彼女は俯いたままなので、立ち話は何だと思い、部屋に招くことにした。
数分、沈黙が続いた。が、ついに、女性のほうから言葉を発した。
話を聞くと、どうやら私に関する、私には身に覚えのない事ばかり話し始めた。そして、彼女は、自分と、恋仲だと言い始めたのだ。
しかし、私は本当に身に覚えがないのだ。
そのまま話を聞いていくと、少しばかり、頭が痛くなってきた。ぐわんぐわんする。
けれど、彼女は話を続けている、ずっと口を動かして、次第には涙を流しながら。ずっとずっと。
私は驚いてあたふたしてしまったが、ひとまず、ティッシュを渡した。
すると、フラッシュバックというのだろうか。
次々に彼女との思い出がよみがえってきた。
そして、気づけば私も、一つ二つと涙を流していた。
そうだ。彼女の名は「あいな」。私の初恋の人。
私は先々週事故に遭い、激しく頭をぶつけ、記憶障害を患った。
ああ、思い出した、全部、すまない「あいな」。ずっとそばにいてくれてたのだな。
私たちはお互いぐちゃぐちゃに泣きながら抱きあった。
記憶を取り戻したきっかけは、多分、印象が強かった記憶。大切な出会いだったから。
ある日、道の端で泣いていた彼女にティッシュを渡したのが私たちのはじまりなのだ。
―――
話を書いてて思ったけどこんな、深夜に来ることってあるのか?
突然の君の訪問。
外に出られない私は君の青い羽根と小さな歌で世界が変化していくものだということを知った。
窓辺で小さく首を傾げ、可愛らしい声で歌う君の姿。
鉄格子越しに見た君の姿に、私はどれだけ癒されたか。小さなパン屑くらいでしか感謝の言葉を告げられなかった私を許して欲しい。
君の訪問は鉄格子が冷たくなって来た頃、不意に終わりを告げたね。その頃にはもう、私は薄々気付いていた。世界が変わり続けるように、君の居場所もこの小さな窓辺ではなくなり、私の居場所もまたこの狭い部屋ではなくなる日が近いのだろう。
その日は少しずつ近付いてくる。
一歩ずつ、ひたひたと。
私は外で生きてはいけないそうだ。何が悪いのか分からないけれど、私は「悪いもの」らしい。
生まれた時からそう言われて、ずっとここで生きていたけれど、最近私に食事を運んでくれていた人が言っていた言葉でそれを確信した。
「そろそろ始末しないと手に負えなくなる」と。
――私は処刑されるのだろう。
それは私にとって、居場所が変わるだけのことだ。
どうやって殺されるのか分からないけれど、苦しみがなるべく少ないならいい。
あぁ、でも。
最期に君に、会いたかったな。
◆◆◆
「時間です。出て下さい」
それは初めて聞く声だった。
「·····」
金色の髪。青い瞳。あの羽根と同じ色をした、青い外套。
「本日午後〇〇時、貴方の刑を執行します」
春の風のような甘い声。
「·····」
「あぁ、その目が〝魔性〟と呼ばれる由縁ですね。ご心配なく、私には効きませんので。さぁ立って。身なりを整えましょう」
「·····あれは」
「はい?」
――あれは君だったんだね。
狭い部屋の片隅に、色褪せた青い羽根が一枚落ちていた。
END
「突然の君の訪問。」
突然の君の訪問…
今日はいつもより早く仕事が終わった。
そして、せっせと夕飯の準備している時に突然、
自宅のインターホンが鳴る。
この時間に誰だろう?
私はそう思い、インターホンのモニターを見た。
…あれ?彼くんだ…
そして私は玄関に行き、扉を開ける。
彼くん、今日は仕事じゃなかったっけ?どうして突然…
来るなら連絡してくれればよかったのに。
今日は、たまたま仕事が早く終わって家に居たけど、私がもし家に居なかったらどうしようと思ってたの?
そんな問いかけは露知らず。そして彼くんは…
…どうしても逢いたかったから?話したい事があるの?
そして彼は玄関に上がると、目の前で大きな花束を私にプレゼントしてくれた。
…え?これって…?付き合ってから、今日でちょうど1年だから?
もう…彼くんってば…
…付き合ってから1年目の記念日。まだ、たった1年なのに大袈裟だ。
…まだ、たった1年なのにこんな…っん、
すると彼くんは、私の言葉を遮るように、唇を重ねてきた
…愛してるよ
…もう、彼くんのばか…
私はその口付けに答えるように、彼の温もりを感じるように、ぎゅっと抱きしめた。
突然の君の訪問。
インターホンが鳴ったのは、約束した時間の15分前。
急いで家中の電気を消して、エアコンを切って。
髪の乱れを直しながら外に出る。
「すごいドタバタしてたよ笑」
誰のせいだと。
突然の君の訪問
友達も恋人もいない俺に突然やってくる人はいないぜ!
とはいえ実際にはよくわからん宗教っぽいおばちゃんがごくまれにきたりするけど。でも最近は見ないな。すぐに追い返すからターゲットじゃないって知れ回ったのかな。
あとはちょっと前に警察が騒音がどうこうできた時があったな。最近下の住人がおかしくなったのか自分の部屋のガラス割って警察呼んだ時もあった。
今まで警察とか呼ばれたことないのに年を取って頭がおかしくなったのかね。年を取ると怒りを抑えられなくなるって聞くし。
それはともかく今日明日、少なくとも今週には台風がくるらしいな。それも特大のやつが。
こんな状況でもバイトは普通に出なきゃいけないし底辺は大変だ。それはいいとして台風対策しないとな。
風呂場に水を貯めておいてできれば窓ガラスも補強とかしておきたいけどそれはめんどくさいから水を貯めるくらいしかできることはないかな。
台風というか災害ってのはめんどくさいだけだな。なにもないといいんだけど。
思いがけない突然のあなたの訪問
無性に誰かに会いたいときもあれば、忙しかったり、誰とも会いたくないと思うときもある
それでもわざわざ私に会いに来てくれるあなたの存在がとてもありがたい
あなたのような友人がいるのが素直に嬉しくて嬉しくてしかたない
あなたはどんな話をしてくれるのかな?
私はどんな話をしようかな?
さぁ有意義な時間を一緒に過ごしましょう
『突然の君の訪問。』
突然の君の訪問。
なぜかと驚きはしたが、
「会いたかった」と言われて
「私もだよ」の一言が言えなくて
【突然の君の訪問。】(300字)
心の準備なんてなかった。今朝、玄関を開けて君を前にしたときは。過去に君を拒んで以来、もう二度と会うことはないと思いこんでいたから。そもそも君のことなんて、すっかり忘れていた。
そんな平穏を破る、突然の君の訪問。
挨拶もなしに、足を踏み入れてくるなんて。私は動揺し、君にひどい言葉を投げた。それどころか、靴で叩き潰したよね。仕方なかったんだ。君を家に入れるわけにはいかないから。
君は略称でGと呼ばれるもの。またの名を、御器かぶり。
駆除剤を配備していても、こうやって突然入り込んでくるから、油断も隙もありゃしない。だが、君がどんなに侵入を試みようとも、私は君を拒み続ける。この平穏な日々を守るために。
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『君と最後に会った日』の続きになります。最後に会った日じゃなくなってしまった。
昔、玄関からコンニチハされたことがあった体験を元にしました。奴らはいつでも人間の隙を窺っています。
思いのほかスケジュールが逼迫していることに気づいてしまったので、しばらく300字など短いものだったり、お休みが続いたりすると思います。ただ、書けるときはなるべく書いていきたいです。
いつもいただいている♡が、書くぞーという気力に繋がっています。ありがとうございます。
突然の君の訪問。
どうしたの?
私に会いに来たの?
お腹空いたの?
何か話があるの?
嬉しさが込み上げて
挙動不審になってしまう
君の気まぐれに
振り回されたい
突然の君の訪問って困ることもある。友人、知人、親族だとおもてなしの準備ができてないからおどろきと何で連絡してくれないのと思ってしまう。来たけど帰ってまたはどうぞあがってくださいと言うわけにいかないです。私は、相手が玄関に入って直ぐに連絡してから来てほしいと言ってしまうので、相手も恐縮し玄関先で良いのでおかまいなくと言う言葉が出てくる。親しき仲にも礼儀ありで、親しいから良いだろうと言う考えは逆に相手との亀裂ができる原因なります。誰にでも節度のある対応をとることが大事です。節度ある対応も過剰過ぎると相手にストレスを与えることもあります。なので相手に合わせた節度な対応が求められます。これは、仕事でも同じです。相手との円滑な関係に大事なことになります。Z世代の知らないし、それを教えてもらってないからできないし、自分で考えてやったと言うケースが多々ある。自ら知らないことを教えてもらおうと言う気はないのだろうかや調べて覚えようとしないのかと思ってしまう。私も若くなく中年に近くなってきたからそう思ってしまうのでしょう。Z世代が、マニュアル人間になっていることにストレスを感じる40代後半から中年の社員が増えていることに心配だなと感じているのは、私だけなのだろかとふと考えてしまいました。
【突然の君の訪問。】
風が吹く午後、紅茶を飲みながら庭を眺めていた。
無口なトピアリーと向き合いながら、ソファーの上でクラシックを聴く。
そうしていると灰色の君がやってきた。
「調子はどうだい?」
君の訪問はいつも突然だ。
「もうすぐ雨が降りそうだよ」
雨宿りをしにやってきたのかもしれない。
君と私の間には隔たりがあるけれど、それが心地よかった。
灰色の髪を撫でつける君。
私は冷めはじめた紅茶を啜る。
いつの間にか君が私を見ていた。
不思議な瞳だ。
「何にも縛られない気分を教えておくれよ」
そう声を掛けると君は目を細めた。
はっくしゅん!
目が覚めてすぐくしゃみがでた。どうやら風邪をひいているようだ。
ベッドメイキングをしているとピンポーンと、チャイムがなった。
「こんな朝に誰だ...」
玄関に向かい、ドアスコープを覗こうとしたとき、扉が強く叩かれた。
恐る恐るドアスコープを覗くと、そこには全身黒で身を包んだ長身の人間が立っていた。
<突然の君の訪問。>
『突然の君の訪問』
なんで君がここに。
もう私のことなんて忘れていると思ってた。
というか2人の時間を覚えていていいのは私だけだよ。 あなたは、私を忘れて幸せになっていて欲しかったのに。
うわ、びっくりした。と、いきなり驚かれた。
なんだよ、大げさだな、来て悪いかよ。と、毒づくと、
いやいや悪かったよ。君が悪いんじゃない。ただね、今ちょっと怖いことがあってさ、なんて気になることを言う。
どういうことだよ。
実を言うとね………この前さ、ネットで知り合った女の子がいるって話をしたじゃん、その子なんだけどさ。どうも厄介な子らしくて。最初は俺の通勤先とか聞いてきて、ま、答えちゃったのが悪かったんだけどさ、職場の最寄りまで待ち構えるようになっちゃってさ。いやいやここには来ないでよ、って頼んだら、今度は通勤ルートを割り出されちゃって、帰りに駅とか電車で待ち伏せされるようになっちゃってさ。最初はまぁいっかってたまに食事したりさ、今思うとそれも悪かったんだけど。なんかそのうち俺の友達関係?女の子の友達とか同僚とかそういうの気にしだして。君に関係ないよね?って牽制してたんだけど、あんまりしつこいから帰り道変えたらさ。今度は通勤時間を割り出されちゃって、待ち構えられてさ。いやー、朝だから、家出るのも起きるのも早まるから変えたくなかったんだけど、しょうがないから通勤ルートも変えてさ。そしたら今度は家まで割り出そうとして。LINEとかでしつこく聞かれてさ。誤魔化してんだけど時間の問題かもしれないって。そんな時に突然の君の訪問。そりゃあ驚くよ。
と、説明してるところで、インターフォンが鳴る。
あの、斎藤ですけど、宮城さんのお宅ってここですよね、やっとお家がわかりましたので。
とモニターから若い女性の声がする。
「突然の君の訪問」(一行詩)
ボロボロの蛇の目傘をさして無口の君の右手には
◆
網戸に張り付くアマガエルは着地場所を間違えて
◆
二匹の野良猫は「暫く厄介になる」と居着くは最後に夫婦になり
◆
薄茶の野良猫とウリ柄の野良猫は「暫く厄介になるよ」と挨拶しに
No.104『突然の君の訪問。』
突然の君の訪問。
君の表情を見て只事ではないと気づいてしまった。
唖然とする僕に君は残酷なことを告げる。
理解しきれていない頭で病院へと駆けつけるが、もう遅かった。
認めたくもない現実は僕から全てを奪って行った。
「これまた懐かしい顔だね」
控えめにノックしたけれど、そんな間を開けずに扉は開かれる。果たして中から現れたのは老人だった。
白髪の生えた頭、昔のように勢いのある髪は何処へやら、すっかり薄くなった頭を掻きながらも眼鏡の奥の目が柔らかく微笑んでいる。突然の訪問客を嬉しそうに迎え入れてくれた。
「元気にしていたか?」
暖かい珈琲と、得意料理であるホットケーキを振る舞う男。深煎り豆の良い匂いが部屋中を包む。とろりとろけるバターとたっぷりの蜂蜜がホットケーキにじゅわりと染み込んでいる。
いただきますと律儀に手を合わせる少年。ナイフとフォークを器用に使い、ホットケーキをカチャカチャと切り分けていく。
「皆、元気にしていますよ」
一口分をフォークで突き刺し、そのまま頬張る少年。口の中いっぱいに、ふんわりと蜂蜜とケーキの柔らかい甘みが広がった。少し苦めの珈琲で後味サッパリと口内を整えてくれる
「そうか、良かったよ」
男はそのまま優しい眼差しで少年を見つめる。どことなく気恥ずかしくなってパクパクと残りのケーキを口に放り込む。……本当はもっとゆっくり味わいたいのに。
会っていなかった間の貴方の話も沢山聞きたい。しかし心と身体とは裏腹に、ホットケーキも珈琲もあっという間に平らげてしまった。
「これからはまたいつでも来ると良い」
少年の心境を知ってか知らずか、男はそんなふうに声を掛けてくれた。自然と弛む少年の口角。嗚呼、やっぱりこの人には敵わない。
『これから』という言葉の担保にこんなにも救われる日が来るなんて。奥の奥に潜めていた感情が時間が、ゆっくりと動き出す音がした。
《突然の君の訪問》
突然来るもの…宅配業者
驚くからやめて💦
わかば
━━━
《突然の君の訪問》
どんなに嬉しいことでしょう…
あなただったなら
驚くけどね
あおば
突然の君の訪問
たまにはラブロマンスがいいな。
対立するんじゃなくてさ。
そう思っていた矢先だった。
買い物途中、ふと見知った背中が見えたんだ。
ずっと会いたくてたまらなかった君だった。
2度と会うものかと思った君だった。
きっと僕から話しかけたんだね。
少し気まずい空気の中
雨に打たれながら一緒に帰る事になったみたい
これがラブロマンスかと言われたら少し違うだろう
でも僕はここ止まり。それ以上はいけない。
そしてこのささやかな日常さえすり抜けていく
だってこれは夢だもの
夢から覚めて仕舞えば霧がかかってしまう
もう細かいところは思い出せない
どこかに記しておかなければ消えてしまう。