『空模様』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
空模様
振動を肌で感じる
立ち上がる水のにおい
パタ パタパタと小人の足音
洗濯物を取り込む主婦たち
ラジオに混ざるノイズ
熱帯の海で生まれた
雷雲が押し合いへし合いして
極東のこの地にやってきた
緑たちは喜ぶが
人間たちは青くなる
浴びたい
本当は
雷雲のパワーを
風を
雨を
この体いっぱいに!
流石にそれはできなくて
安全な鉄筋コンクリートの中で
夢想しながら
ひっそりと
詩を書いている
No.95『空模様』
今日は最高に天気が良い。
雲一つもない。
なのにどうして僕はこんなにも苦しくなっているんだろう。
答えは簡単。一緒にいてくれる人が遠くへ行ってしまったから。
空模様
今日の空模様は曇り。
いや、これは私の心の中の空模様だ。
この前のお盆休みに久しぶりに妹が帰省した。
11日〜15日までの短い間だってけれど、色々な事が出来た。11日はおばあちゃんちへ行って12日と13日は栃木県の鬼怒川へ一泊旅行に行った。15日は妹とお母さん、それに私のお友達といっしょに映画を見た。とても楽しかったけれど、妹が帰ってしまう日が近づくにつれて私の心の中は寂しさでいっぱいだった。もっとずっと一緒に居れたらいいのになと思った。夜一緒に布団を並べて寝る時も、あぁ後少しで帰ってしまうんだなという思いが頭から離れなかった。
旅行から帰ってきた夜に「ねぇ、どうしたの?ボーっとしてるけど」と妹に聞かれた。私は「あ、ううん何でもないよ」と慌てて言った。すると妹は「私がいなくなるのが寂しいの?」と聞いた。その通りだった。「………」私がが何も言わずにうつむいていると「ありがとね」と妹が言った。「えっ?」私は思わず聞き返した。「お姉ちゃんがそんな風に思ってくれてるのが嬉しくてさ。私もね、本当はすごく寂しいんだ、だけど帰ってくる時はなるべく言わないようにしてる。お姉ちゃん、私のために色々やってくれてありがとう!」と妹は言った。「うん」私は涙があふれるのを必死でこらえながら言った。「私もね、妹がいなくなってから普段一緒に過ごしている人がいないだけでこんなに変わるもんなんだなって思うようになった。何か寂しいっていうか物足りないっていうかそんな気がするんだ。だからね、たまにしか帰ってこれないから帰ってきた時は全力で楽しんで、妹が帰る時も楽しかったなって思えるようにしたいんだ」と私は言った。隣で妹がそっと微笑んだ。
空模様はぐるぐる。
誰かが空をかき回したみたいになっている。
今にも何かが落っこちそうな、悪い流れから別の悪い流れに模様替えしようとしている。
ゴロゴロと、分厚い雲の層から音がなって、カミナリがどど〜ん! と落ちてきた。
メダカも、他の小魚も、さっと岩陰に身体を隠した。
透き通る淡水の川底を一瞬白い景色に変え、即座に色が戻る。
空模様はぐるぐる。
上流の激しい渓流の水溜まり。
空は背景。
渦巻く川の表情を写し取って、ぐるぐるは止まらず。
「『星空の下で』、『遠くの空へ』、『あいまいな空』、『星空』、『空を見上げて心に浮かんだこと』、それから今日の『空模様』……」
そろそろ『空』のネタが枯渇しそうですが、まだ空のお題来そうですか、そうですか。
某所在住物書きは過去の投稿分を辿りながら苦悩した。過去のお題で扱った以外の「空」とは?
書きやすいといえば書きやすいと言える。
どんよりした空模様は心模様の暗喩にもなり得る。
急変すれば、場面を始めるにも変えるにも役立つ。
夏の夜の空模様をパッケージに印刷した飴は?いつから人気であっただろうか?
「『くもり空の夜のテラス席』、『遠い空=遠い場所』、『晴れ雨あいまいな空を背景に日常ネタ』、『星空に見立てた、白い雨粒と青い池』、『空模様から連想する夏の食い物』……他には?」
で、何を書く?どう組み立てる?物書きはため息を吐いた――そして明日のお題も多分難しいのだ。
――――――
久しぶりに、私のアパート近くのコンビニで、長い長い仕事上の付き合いの先輩を見かけた。
狭い都内の、同じ区内に住んでるのに、会わない日・会わない週は本当に会わない。
私が本店で仕事してたときは毎日会って、同じ部署で理不尽もパワハラもカスハラも、先輩に対する粘着質な恋愛トラブルも乗り越えてきたのに、
私が諸事情で今年の3月、支店に異動になってからは、とんと遭遇率が減った。
真面目で誠実で娯楽や流行にバチクソうとい先輩。
コンビニの飴ちゃん・グミちゃんコーナーを注意深く見て、視線が一点に止まって、途端、先輩の空模様が平坦な曇り気味の晴れからレアな晴天に変わる。
小さな小さな小袋サイズの飴ちゃんを2袋3袋、ちゃっちゃと取って、セルフレジに並んだ。
先輩 あなたが会計した3袋って
某夜の空模様キャンディーじゃありませんか。
パッケージに夏の夜空が数種類描かれて
ソーダ柚子味のエモバズ大人気なヤツですよね。
てっきり流行興味ナシと思ってたけど
実は南西から徐々に北東に移動してく天気みたいに
時間差で影響出てくるタイプですか、
どうですか。 どうなんですか。
「糖質が3g程度で、比較的少ないんだ」
ほくほく晴れ空の空模様でコンビニから出た先輩を緊急観測、もとい突撃取材したところ、
流行もエモいパッケージも、ナンダソレハ。
完全にいつもの先輩らしく、実用の見地から空模様キャンディーを買ったらしい。
「塩分も微量に入っているから、気休め程度ながら、少量の糖分と塩分が同時に摂れる」
先輩は言った。
「先月食ってみて美味かったから、金平糖以外の選択肢として少しストックしておこうと思ったんだが、なかなか見つけられない。期間限定だろうか」
寂しい話さ。 先輩は本当にエモも映えも興味無いらしく、淡々と平坦に、安定してる春の空みたいに、某空模様キャンディー購入の理由を話した。
「季節限定?」
「パッケージに、夏の空模様がランダムで描かれている。だから夏の限定商品なのだろうかと」
「そろそろ夏終わるから?」
「そう。そろそろ夏が終わる。だからこの飴も、もうシーズン外で売っていないのだろうかと」
「私ホントの理由知ってるよ」
「えっ?」
「あと、割高だけど密林ストアで売ってるよ」
「なんだって?」
天気急変。平坦な晴天から素っ頓狂の天気雨。
エモエモキャンディーをエモではなく実用的な理由から買ってた先輩が、目をパチクリ。
「パッケージ、キレイでしょ?」
私は先輩に、先輩が欲してる飴ちゃんが、呟きックスでどういうふうにポスられてるかを見せた。
「夏の夜の空模様。美味しい。パケ買い多数」
タップ、スワイプ。 スマホの画面を呟きックスから例のネットスーパーへ。
「そのパケ買いしてる人が多い中で、先輩、コンビニの購入レースに参加してたワケ」
ほら、在庫、ちょこっと有るよ。
3袋のまとめ買いタイプを先輩に見せると、
素っ頓狂継続中な空模様の先輩は、数秒そのまま素っ頓狂で私のスマホを見続けて、ひとことポツリ。
「有るな」
そういう背景だったのか。
先輩は最近のマイトレンドになってたらしい飴の小袋を、まじまじと見て、小さなマイバッグに戻す。
複数のコンビニを巡っても商品が見つからない理由が判明して、先輩の空模様は素っ頓狂の天気雨から、通常平坦・一定の曇り気味な晴れまで回復。
「買う?」
私が先輩に聞くと、先輩はちょっと私を見て、視線外して、唇かるく結んで、
「……んん」
どっちともとれる声を、小さく漏らした。
なんで降らないんだ
あらゆる手を尽くしたのに
作物は枯れ、河は干上がり、村人は次々と倒れていった
残り少ない家畜から生贄を捧げ
伝説の祈祷師を呼び寄せた
七日七晩、神々への祈りで踊り続けたが
日に日に陽は増し
八日目の朝、祈祷師は踊りながら息絶えた
その晩
いよいよか、
長老が言葉を続ける
こんなことはしたくなかったが、と皆に告げた
村人達は全員で祈る
しかし夜が明けても、やはり雨は降らなかった
最後の生贄、悪魔の所業
先月生まれたばかりの赤子を
わかって下さい、と無理やり母親から引き剥がし、祭壇に掲げる
母親は泣き叫ぶ
が、涙は枯れてしまっていた
伝承によれば
最後の生贄を捧げると雨に恵まれ緑豊かな土地へと生まれ変わるという
許して下さい、村を守るためなんです、
震える手で赤子に手を伸ばす
小さな首、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、
その時だった
話は聞いたわ!!
村人達をいじめるのはおよしなさい!
崖の上から誰かが叫ぶ
マーキュリープラネットパワー!メイク、アップ!!
まばゆい光と共に青と白の二色の布を纏った少女が現れた
水と知性の戦士、参上!
水星にかわって、おしおきよ!
すると空から巨大な怪獣も現れた
ゲヘヘヘヘヘ!邪魔するヤツはだれだあ~!
ついでにお前もカピカピにしてやるぜえ!
なんだ、なんだ、と村人達が騒ぎ始める
やっぱりあなたの仕業だったのね!
これでもくらいなさい!
シャイン・アクア・イリュージョン!!!
ドカーン、ギャー!
あっという間に怪獣をやっつけてしまった
ウフフ可愛い赤ちゃん
これでもう安心よ
あ、ありがとうござまいます
母親から涙がこぼれ落ちる
ポツポツ
やだ、雨降ってきちゃった
あ、、雨だ、雨だ、信じられない、と歓喜する村人達を横目に
やだもう、風邪引いちゃう、と少女は去っていった
それから3000年後
ある遺跡から美少女戦士にそっくりな巨大な石像が発掘されたという
アニメ好きからは映えると評判らしい
『空模様』
空模様
昨日はまたゲリラ豪雨からの雷があった。前に雷でパソコンが落ちたトラウマから雷の音が聞こえるとどれだけ遠くてもパソコンの電源を切っちゃう。
遠くの雷ならパソコンの電源を切る必要はないとわかってても万が一を考えてつい切ってしまう。困ったものだ。
これも雷ガードがないせいだ。そのうち買わなきゃいけないな。
空模様というとなんだか今年はくもりの日が多い。そのせいで直射日光がないから帽子をほとんど使ってないな。
暑さ自体は去年とあまり変わらないと思うんだけど直射日光がないからめちゃくちゃ楽。これ何回も書いてると思うけど。
まじで三十度とかなのに今日は涼しいな、なんて思うことがしょっちゅうだからな。今年は。おかげで楽でいい。
真に淀むは己の心か
零れ出しそうな重い鈍色の空の下
いつだって傘を忘れて出掛けていた。
雨にいくら打たれようと
誰も傘を差し伸べたりはしない
雨水を纏って帰ろうとも
タオルが出迎えるなんてことも無い
それでも構わなかった。
構うもんかと、一人気丈にかぶりを振って
雨にだけ真っ直ぐに微笑んだ。
ー 空模様 ー
《空模様》
この帝国は砂漠もある地域なので、他国に比べれば気候は乾燥している。
それでも砂漠から離れている帝都は、夏でも時にはそれなりの雨には見舞われる。
終業時刻間際。
スッと窓の外が少し薄暗くなったと思えば、空からの雨粒がバラバラと窓を叩く。
「降ってきちゃいましたね。すぐに止むといいんですが。」
彼女が、窓から空を見上げて呟いた。
「まあこの季節の雨ですから、すぐに止むでしょう。」
僕は後もう一押しで仕事が片付く段階だったので、書類に目を通しながら答えた。
薄暗くなったと言っても、然程ではない。おそらく、空は雲に一面覆われているわけではないだろう。
バラバラとリズミカルな音が鳴り響く。
この国にとっては、まさに恵みの雨だ。
その優しい音に包まれながら、僕は最後の書類にサインをした。
「ふう。お待たせしました。それでは帰りましょうか。」
「はい。お疲れさまでした。」
そうして僕達は帰支度をし、二人並んで帰路に着こうと建物を出る。
その頃には雨は晴れ、考えていた通りの散り散りの雲が、所々を赤く色を染めていた。
東は雲が多めだが、西の空は薄っすら透けるような雲があるばかりだ。
歩を進め、通用門から通りへ出たその時。
「うわぁ! あれ、見てください!」
彼女が感嘆の声を上げ、西の空を指差していた。
振り向き見れば、指の先には地平線へと降りようかという太陽。
その太陽の周りには美しい光の輪、上には七色のプリズムが頂点を地平に向け弧を描いていた。
「ハロに逆さ虹…ですか。」
太陽光線の作り出す自然の神秘。
赤く染まった西の空によく映える、黄金の光の輪。
その上の少し彩度を落とした青の中で逆さに光る七色は、光の輪という的にある太陽を射止めんとする弓のよう。
同時に起こることはそうはない、自然の織りなす芸術。
僕達は暫しの間、無言でそれを眺めていた。
「…美しいですね。」
僕は沈黙を破るように、ぽつりと感想を口にする。
彼女も同じように、ぽつりと言葉を口にした。
「うん。明日も何かいい事ありそう。」
いつもとは違う、言葉遣い。
ハッとして、僕は隣の彼女を見る。
そこには心の底から気を緩めたような彼女が、真っ直ぐな目で自然の芸術を見つめていた。
「…そうですね。」
ほんの少し浮足立つような、それでも気が引き締まるような。
何とも言い難い、不思議な気持ちだ。
僕は、再度空を見る。
雨を降らせた雲は東へ流れ、西の空は雲が薄い。明日は概ね晴れるだろう。
もし雨が降ったとしても、その恵みはきっと良いものだ。
急に天気が崩れ、雨模様が姿を表す。
この雨は天災を呼ぶ雨か、恵みの雨か。
雨は我々の営みと共に生きてきた。
雨は草木にとって恵みもたらし、我々はそれを享受して生きている。
そのことをゆめゆめ、忘れずにいたい。
昨日とはうって変わって空模様がよくありません。昨夜は久しぶりに満月が煌々と輝いていたのですが......。しかし
私の人生は天候に左右されず、曇天の上空に太陽が輝いていると思っています。私もかなり高齢になっていますが自分の人生は自分が切り開いてゆくという気概は持ち続けたいと思っています。そのためには社会的にも自己の道を切り開く為のチャンスが与えられていなければならないのではと思っています。
〈お題:空模様〉ー評価:駄作
晴れなのか、曇りなのか。
微妙に分からない時がある。
気分の良い日はそんな空模様を晴れだと断じるし、気分の優れない日は曇りだと断言する。
天気予報は、そんな日を曇りのち雨と断じている。
空を見上げたとき、晴れている日に日差しを手で遮るとなんだか気恥ずかしさを感じる。
空を見上げた時、曇っていると何処かで、星を掴もうとする人類がいるかもしれない。と思い目を瞑る。
この話に大した意味はないけれど、空模様に俺は随分と左右されている。
雷雨が青空を塗り潰してしまえば宇宙はもう見えない。窓を叩き付ける雨音は否応なく心に轟轟と響いている。
窓際でせっせと蜘蛛が巣を張り巡らせていた事を思い出して覗いてみれば、ご馳走をそのままに蜘蛛は既に旅立っているらしい。
遠くを見やれば雨は止んでいる。
此処も暫くすれば雨音が遠ざかるのだろう。
暫くしたら空も、様相をすっかり変えている。
晴れた空に雲が流体している。
その雲を追いかけると太々しい虹に逢う。
なんとなしに虹に挨拶をしてみれば、ゴロゴロと空が鳴いた。
空の言葉はわからないけれど、晴れ渡った空を太陽が照らし出していた。
大きな空に描いたのは
小さな金平糖のような雲
それを一粒口に入れてころがしてみる
ふんわりと溶けてすぐに消えてしまったけれど
僕の心は不思議と満たされた…
どんなに小さくたって
その一個が大切なんだって
今日の空が教えてくれたこと
【お題:空模様 20240819】
「まどかちゃん、これあげるよ」
「わぁ、きれいなお花。たつきくん、ありがとう」
あれは確か最近流行りの摘み細工だったか。
昔は簪とかによく用いられていた伝統工芸で、今は趣味で作っている人も多いとか。
たつきくんのお母さんもハマっていて、作ったものをフリマとかで売っていると言っていたな、確か。
ピンクと白の花の付いた髪飾り。
簪じゃなくて、クリップ型だから使いやすくて良さそうだ。
「まどかちゃん、これ僕からのプレゼント」
「わぁ、可愛い。そうたくん、ありがとう」
あれは編みぐるみってやつだな。
確かかぎ針とかで編むんだったか、昔姉ちゃんが挑戦してたやつだ。
技術があれば色んなキャラクターを編んだり出来るって話だったよな。
アレも、某女の子向け番組のやつかな。
白い兎と、ピンクの熊の編みぐるみをキーホルダーにしたのか。
そうたくんのお母さんは手先が器用だからな。
いつも着ている服とかも手作りって話だし、デザイナー目指してたとか言ってたな、そう言えば。
それにしてもまどかちゃん、モテますねぇ。
今日がまどかちゃんの誕生日なのもあるけど、彼女の周りには男の子も女の子も集まってくる。
可愛いし、いい子だし、わかる気はするけど⋯⋯っと?
「お花の方が好きだよね、まどかちゃん」
「ぬいぐるみの方が好きでしょ?まどかちゃん」
おっとぉ?
たつきくんとそうたくんの間に広がった険悪な空模様。
暗雲立ち込め、雷が鳴り出すか?
って、そんなこと言ってる場合じゃないか。
ふたりが喧嘩しないようにしないとなぁ。
さて、どう、おさめようか。
「まどかね、お花もぬいぐるみもどっちも好きだよ」
「え⋯」
「でも」
あ、うん、たつきくんもそうたくんもどっちかに決めて欲しいんだよね、きっと。
「だって、どっちも好きなんだもん。ダメ?」
うわぁ、下からの上目遣い。
しかも小首を傾げてって、まどかちゃんどんだけ小悪魔なの!
「だ、ダメじゃない」
「う、うん。まどかちゃんなら、いいよ」
うん、そうだよね、ダメだなんて言えないよね。
惚れた弱みってやつだよね。
「あ、あのね、まどかちゃん。まどかちゃんは誰が好き?」
「ぼ、僕はまどかちゃんが好きだよ!」
おっ、そうたくん言ったか!
たつきくん、どうする?
「僕だって、まどかちゃんが好きだよ!そうくんよりも好きだもん!」
「ぼ、僕だって!」
男の子ふたりが睨み合い。
普段はすごく仲がいいふたりなのに、まどかちゃんが絡むと喧嘩するんだよな。
ふたりとも、好きな子の前での喧嘩はダメだよ。
怖がらせちゃうよ、ほら、まどかちゃんも⋯⋯って、あれっ?
まどかちゃん、口が薄っすら笑ってる?
「ありがとう。まどか、そうたくんもたつきくんも好きだよ」
「本当に!」
「やった!」
「うん。それとね、まどかはね、ケンジ先生が大好きなの!」
えっ、俺?
⋯⋯あ、え、そうたくんもたつきくんも先生のこと睨むのやめようか。
あー、まどかちゃんも、このタイミングで先生に抱きつくのはやめようか。
「モテモテじゃないですか、ケンジ先生」
え、ちょっ、百香、いつの間に後ろに居たんだよ。
あれ、百香さーん?まどかちゃんに嫉妬してます?
ってか、そうたくん、たつきくん、先生の足踏むのやめようか、地味に痛いんだけど。
「ケンジ先生はまどかのこと、キライ?」
「うっ⋯⋯す、好きだよぉ」
「本当?まどか嬉しい」
好きって聞かれたら、『うん』って答えられるけど、キライって聞かれたら、『好き』って言うしかないじゃないか、って、まどかちゃん、首に抱きつくのやめようか、って、ほっぺにちゅぅはダメだって!
あ、百香の視線が痛い。
これ、不可抗力だから、俺のせいじゃないから!
「は、ははははっ、痛っ!あ、百香先生、ちょっと待って」
そうたくん、たつきくんには蹴られるし、まどかちゃんは離れないし。
この子、わかっててやってるよね。
だって、口元が笑ってるもん。
ってか、待て、百香、俺が愛してるのはお前だけだってば!
うぅ、女の子怖いよ!
━━━━━━━━━
(´-ι_-`) 女の子は何歳でも『女』なんですよ⋯
最近の天気は「空模様」などという情緒ある言葉で言い現せるほど穏やかなものではなくなってきている
たった今さっきまで機嫌よく晴れていたかと思えば、大気の不安定さがピークに達するや否やその様相は急変、いや豹変する
ひとたび雨が降り出せば、もはや傘など邪魔にしかならないおびただしい量と勢いの豪雨になり、雷もこの世の終わりを感じさせるような音が轟き渡る
もちろん、その度に何かしらの爪痕をあちらこちらに、むしろその事が目的であったかのように残していく
かつて日本の美しい四季を好んで詠った歌人たちが、今のこの様子をどの様に歌に詠むのかがとても興味の湧くところだ
今や当たり前になりつつある最近の「空模様」が単なる気象現象ではなく、私には地球、いやそれを取り巻く宇宙からのメッセージにも思えてくる
その宇宙の営みからすれば、我々人類の存在なんて一瞬の「ちり」にすら満たない様なものだ
それが、あたかも我々人類がすべてを牛耳っているかの様な傍若無人ぶりで再三の警告を無視し続けてやりたい放題やってきたことに、さすがに堪忍袋の緒が切れた宇宙からの報復にも感じられるのだ
地球は来るところまで来てしまった…
ということでしか説明がつかないような天候、地震、疫病…
これら人類を脅かすものの数々が出揃った、と私は感じている
明らかに崩れている自然と人類とのパワーバランスをこれからどのように立て直していかれるかに、人類の存続はかかっているのではないだろうか
夏の季語に「ゲリラ」や「奇襲」が加わっては欲しくない
『空模様』
あなたが昔手をひいては、
よく連れていってくれたあのパン屋
今日はじめて、1人で訪れてみたのよ
10年以上経ってしまったが、まだ、あたたかな場所だったよ
8/20 お題:空模様
僕は雨が嫌い、ジメッとするから
曇りも嫌い、気分が重くなるから
晴れも嫌い、日差しが痛いから
君は雨が好き、音が可愛いから
曇りも好き、過ごしやすいから
晴れも好き、エネルギーをもらえるから
だから僕はずっと心は曇りで
君は晴れてるのかな
空模様(幸運の象徴)
新しい長靴、新しい傘。
あいにくの空模様の下、双子がご機嫌な様子で庭先を闊歩しているのが見えた。
―――あいつら登園前に濡れまくって、また怒られんぞ。
ダイニングでパンをかじりながら、俺は呆れた溜息をつく。
まだまだ暑さの残る中、久し振りの雨。
まるで梅雨に戻ったような、しとしと具合にげんなりする。
―――天気の良し悪しで気分が左右されるのは、何も今日に始まったことではない。滅入っているのは夏の疲れからくるメンタル不調、………なのか。
何とか気持ちを奮い立たせたい。
彼女と普通に話せるまでになった今、もうひと頑張りで進展も夢じゃない、というところまで来ているというのに。
ああ全部この鉛色の空が悪い。
俺のテンションが回復するにはせめて、
「「あー! 虹!!」」
そう、虹でもかかってくれれば―――
って。え?
双子達の嬉しそうな声に窓の外に目を向ける。
座ったままでは確認できず、俺は立ち上がって窓際から覗き込んだ。
大きな半輪、七色の色が織り成す透明感。
………いやいつも七色なんて数えられた試しなどないのだけど。
その混じりけのない鮮やかさに、ほら元気を出せ、と言われているようで参った。
都合の良い解釈と捉えられても構わない。
そう思えば何だか気分も上昇しそうな気がした。
―――暫くして俺は外に出て、自転車の準備をする。
まだ新品雨グッズに夢中な双子に、お前らも早く支度しろと言い置いてペダルを踏み込んだ。
「「いってらっしゃーい!!」」
相変わらず元気の塊みたいな二人の声が背に響く。
俺は虹に向かって自転車を漕ぎなから、こんな景色滅多に拝めないよなあと呟いて―――ほんの少しだけ口角を上げると、鬱々した己の内を吹き飛ばすように空を仰ぎ、笑った。
END.
テーマ:空模様
空に浮かぶ雲。
色々な形を辿り巡り、パズルのように解いてゆくのが楽しみだ。
また突然のゲリラ。
空も移り変わりが激しいね。
人間と同じだね。
【空模様】