黒山 治郎

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真に淀むは己の心か
零れ出しそうな重い鈍色の空の下
いつだって傘を忘れて出掛けていた。

雨にいくら打たれようと
誰も傘を差し伸べたりはしない
雨水を纏って帰ろうとも
タオルが出迎えるなんてことも無い
それでも構わなかった。

構うもんかと、一人気丈にかぶりを振って
雨にだけ真っ直ぐに微笑んだ。

ー 空模様 ー

8/20/2024, 3:40:48 AM