『私の日記帳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
この感傷は胸の中にあればいい
私と一緒に消えたらいい
♯私の日記帳
私の日記帳はビリビリ。
お母さんに破かれたの。
だけど私、挫けないんだ。
ビリビリになっても、書けるところがあるもん!
『きょうは、』
あれ?今日ってなにがあったっけ。
今日は、家にいたっけ。
家にいて、何をしたっけ。
何を食べたっけ。
私ってなんだっけ。
もういいか、こんなもの。
ゴミにしかならないんだ。
それは、私も一緒。
もし大人になれたなら、私はどんな人だったのかな。
今からこの日記帳をベランダから外に捨てるけど、やっぱり日記帳と一緒に飛ぼうかな。
あぁ、これで空を飛べるみたい。
今日のお題
╭━━━━━━━━━━━━━━╮
私の日記帳
╰━v━━━━━━━━━━━━╯
特に続いたことが有りません
否、これも日記帳に入る??
(私の日記帳)
父さーん、これもう片付けちゃっていい?
おー、ちょっと待ってなー
この街に引っ越してきた今朝。海の見える高台に置かれた一軒家に子供と妻を連れて帰ってきた。ここまでなにかの流れにのせられるようにして辿りついた。
どうした?
これ、何?
あー、それ、父さんの小さい頃の日記帳だな。懐かしいな、こんなとこにあったのか。
なれた革表紙をさすりながら、何気なくその表紙をめくってみる。
途端、目頭があつくなり、じっとしていられなくなる。
いつの間にか遠くのほうに置き去りにされていた記憶が溢れ出てきて、気を抜くと涙がこぼれてしまう。
ちょうど、今の時期、初夏過ぎ、鮮明に蘇る映像を。突如として走馬灯のように駆け抜けていく。
お父さんー、こっち手伝ってよー。
陽太の声で目を覚ます。
懐かしさが残る風景。日記片手にあの頃を辿ってみようと思う。
あめのみ
#026 「そこに棲む魔物」
わたしの日記帳には魔物が棲んでいる。
いつもそうだ。日記なんて呼べるほど毎日何かを書くわけではないのに、たまに書いてみようと思った時に出てくるのはネガティブな言葉ばかり。まったく嫌になる。
人を招くことなどないけど、いつ、どんなきっかけで人目に触れるか分からないから、具体的なことは何も書かない。おかげでその時々に何があったのかは分からないまま、ただ重苦しい言葉だけが並んでいく。
今日も何もできなかった。今日こそは◯◯をしたかったのに。いつものスーパーで買い物中、◯◯な人を見かけて嫌な気分になった。わたしなら、明日こそは、今週中には……。
出先でふと目に留まった一冊のノートが気に入ってしまって、日記帳にしたいと思った。
どうせいつものように三日坊主になるんだろうけど、それでもいい。
明るい花柄の上を可愛らしくデフォルメされた蜂が飛んでいる。この華やかな表紙に似合うよう、できなかったことよりできたことを、嫌だったことより嬉しかったことを、嫌いなものより好きなもののことを書こう。
今日はそんな決意表明。翌日はさっそく見つけた、ささやかに嬉しかった出来事。その次の日は、何も書くことが思い浮かばず、日付だけを書いておしまい。
日付だけの「日記」も三日目に入ると、もう何も書かなくていいやって気持ちになる。
そうして本棚の隙間にノートを差し込んで、存在さえ忘れて。
これもよくあるパターンのひとつ。どんなに願ったところで、そうそう毎日楽しい出来事なんてあるわけじゃない。
むしろ現実は辛く、苦しく、生きづらい。
日付さえ書かない日々より、面倒なら感情でも赤裸々に書いていく方がいくらかはマシなんだろうか。
そんなことを考えながら、この魔物を飼い慣らして生きていく。
そう━━
飼い慣らして。
気持ちを飼い慣らされて。
ああ、可笑しい。
いつから自分が飼い慣らす側だと錯覚していた?
お題/私の日記帳
2023.08.28/こどー
小学二年生のころ、父からノートをもらった。リングが付いているノートで、表紙は私の大好きなピンク。
日記というものを書いてみようと思って、毎日書くことにした。日記帳の名前は「キティ」だった気がする。
初日以外呼んだことなかった名前だけど。小さい頃は何でもかんでも物に名前をつけたがる。なんでなんだろうなー。
書くことは大体いつも一緒。誰が休みでどんなことがあったか。時には好きな人のことも書いた。家族に読まれてしまうのが怖くて、誰も部屋に近寄ってこない時だけを探して、短時間で書いていたから字が汚い。
家族で出かけた旅行での思い出と、そこで得たパンフレットをベッタリと液のりで貼り付けた。
二年は繋がらなかったかな。
五年生になって、キティの存在を思い出して、また数ヶ月書いた。そして、中学生になってまた思い出して書いた。続けることはできなかったけど、たくさん書いたつもりである。でもまだまだ、白い紙がたくさんある。
また新たな恋の話を書いた。
誰も答えてくれることはない。ただ自分で自分を見つめるだけ。
この日記帳が全て埋まるまで、私の私と向き合う時間は大事にしていきたい。
【私の日記帳】私の日記帳は、ずーっとずーっと、自分の
思い・想いやらを書いていたけれど、読み返すことも
ないだろうし、あまりにも闇すぎるのと、もし、
死んだときに、誰かにこの思い・想いやらを読まれる
のはどうかと思い、一旦すべて捨ててしまった。
けれど、やっぱりその時々の思い・想いやらを残して
おきたいと思い、また書き続けている。どうやら
私にとっては必須アイテムのようだ。これからも
思ったこと書いていくぞー!
3年後のpure
私はそんなに強くないよ
周りに気づかれないよう必死なだけ
大丈夫です、すみません。
平気なフリをしているだけ
すぐ壊れてしまうから
精神安定剤の君が欲しい
※私の日記帳 保留 最近あんまり書けなくてごめんなさい。
キリンがコーヒーカップを覗き込む
私の日記帳の隅には
コール・ポーターのメロディが響いている
うそも作り話も
全部わたしのほんとうだ
#私の日記帳
誰にも見られてはいけない
どうにもならない感情を吐き出す場所
毎日上手く生活している
避けられる波風は自分が我慢すればいい
誰にも期待せず
見返りも求めない
ただそこで自分の役割を果たして1日が終わる
毎日流れる無責任なニュース
平等だなんだと言われて何ができる
間違ってると皆分かってる
真実は大きな力に隠され 押し潰される現実
僕に何かを変える力はない
それでも生きるために
書き出せ 吐き出せ
僕は自由だ
~私の日記帳~
日記ってな、続かへんのんよ。
単に面倒臭いってのもあるんやけど、何よりも、そんな毎日毎日書くことある?ってなって。
せやから、日記ずっとつけてますって人、ほんまに尊敬する。
この日記帳もな、買うたんえらい前やねんけど、ほら見て。書いてあんの、ものの3〜4ページやで。ま、自慢げに言うことやないねんけど。
イヤなこととかツラいことがあった時だけ書こうかなーってしたら、愚痴と呪いのオンパレードになって閻魔帳みたいになってまうし…。
ほんま、なんなん。
日記なんて書くもんやないな!
○月△日(✕)
―――今日の日記
#54【私の日記帳】
【私の日記帳】
新年が始まる。気に入ったノートを買って、早速、新年の抱負を書く。
新年度が始まる。可愛らしいノートを見つけ、新年度の抱負を書く。
そんなことを繰り返す、私の日記帳は、いつも3ページしか埋まらない。
そして、また、環境が変わり、日記を書いてみようと決意する。シンプルなノート。あまり書き込まなくていいように、書くスペースが少なめのノートにした。
数ヶ月後。日記帳にはホコリが溜まっていた。
私の日記
今日も今日とて、良いことがあった。
雲がハートに見えたり。
面白いね。
【短編】幸せな彼女が愛するヒマワリ畑の秘密
ヒマワリへ朝一番に水をやり
手入れをするのが、この夏の彼女の大切な日課です。
都会から少し離れているけれどそんなに不便ではない、緑の多い住宅地で彼女は暮らしています。
子供には恵まれませんでしたが、夫と2人で穏やかな幸せを紡いでいるようです。
この家の庭には、彼女が15年かけて育てたささやかなイングリッシュガーデンがあり、一見ランダムに見えるけれど、考えて植えられている夏の宿根草たちが咲き繁り、涼を与えています。
そんな庭の一角に、今年は小さなヒマワリ畑が登場しました。傍目から見ると、この庭には唐突すぎる存在ですが、彼女はこの小さなヒマワリ畑がとても気にいっている様子で、この夏は付きっきりで世話をしているのです。
今朝もヒマワリへ水をやりながら
ボソボソと彼女が呟いています。
今日も暑くなりそうね
さぁ、たっぷり召し上がれ
冷たくておいしいでしょう
本当にきれいに咲きましたね
あなたのおかげです
うふふっ
そうしているうちに、
「あらあら?」
彼女は水やりホースの水を止めて、しゃがみこみました。
よく見るとヒマワリの根元に
衣服の一片のような...
そして、
朽ち果てそうで朽ち果て切れない風情をした
人の指...
そんなものがチラリチラリと土からはみ出しています。
「寝相の悪い人ですね。
でも、そんなところも大好きですよ」
彼女は微笑みながら素手で土を集め丁寧にかぶせて根元を盛り直しました。
「さぁ、これで大丈夫!」
満足そうに彼女は立ち上がると
また、呟き始めます。
こんなにきれいに咲いたけど
夏が終わったらどうしましょう?
何か別の花を植えた方がいいのかしら?
ねぇ、あなた、どう思う?
ヒマワリに問いかけると
夏の終わりの気配を混ぜた風が吹き
ヒマワリが頷くように揺れて応えました。
そうね!何か次のお花を植えましょう!
彼女は水やりホースを片付けながら、楽しそうに家の中に入ってゆきました。
庭ではもうすぐ季節を終えるヒマワリが哀しそうに風に揺れています。
せっかく紡いだ幸せを
ひとときの感情で壊してしまった彼女を
それを忘れたふりを続けていることを
哀れだと、揺れています。
<終>
#シロクマ文芸部
お題「ヒマワリへ」から始まる小説
コレに書いてあることは全部
私がシんだ後に見せるためにある
シんだ後に見て悔やんで欲しい
シんだ後に見て絶望して欲しい
母といじめっ子達へ
私の日記帳。
【私の日記帳】
「知られたくない秘密は言葉にしてはいけない」
口に人差し指を当て、彼は勝ち誇ったように笑う。
手には〈日々。〉と題された大学ノートがある。
いや、「飲み物取りに行った隙に家探しすな」
ノートを取りあげ、埃をはらうように表紙を叩く。
無論、毎日書いているので埃など被っていない。
「ちょっとー、その態度は失礼じゃないですかー」
「失礼なのは君の行動ね」好奇心旺盛な思春期男子か。
頬を膨らませて抗議する、自称・良い子の二十三歳児。
「まさか読んでないよね」疑いの目を向けた。
あまり時間は無かったと思うが、念のため確認する。
「読んでないですよ、全然」わざとらしい棒読み。
つい先ほどの彼の発言を思い出す。
『知られたくない秘密』ってなんのことだろう。
読まれて困るようなことを書いた覚えはない。
それっぽいことを言っただけか、と勝手に納得する。
今日の目的だった勉強会を終えて、彼は帰っていった。
勉強会と言いつつ、ほとんど話していた気がするが。
一人になれば、いつも通り。夕飯を食べてお風呂に入る。
寝る前にノートを開き、書きたいことを綴っていった。
最後のページが埋まり、なんだか達成感を覚える。
日々の些細な出来事を書き留めるようになって約一年。
ノートの冊数もそれなりに増えてきた。
どんなこと書いたっけな、と軽い気持ちで読み返す。
このノートは、ちょうど今日、彼が手にしていた物だ。
最初から読み進めると、馴染まない文字を見つけた。
〈一緒に過ごすと楽しい〉に矢印を向けて〈俺も〉って。
やっぱり読んでるし、独り言に返事をするな。
死が、ポケットに入っている。
死を、ポケットに入れて歩くんだ。
良い事があった
妻の機嫌が、今日は良いよ。
笑って仕事ができた。
カッコいい車が走り去るのを見た。
お弁当のおかずが、いつもより一品多かった。
ふと見上げた空は、少し澄んで見えた。
今日は、死に向いている。と思えた。
イヤな事があった。
寝坊をした。
朝から大雨だった。
キレイな足首に見とれていたら、つまずいて転んだ。
偉いさん、今日は休みの予定なのに、変更して出勤してきた。
足の小指を、しこたま打った。
妻は、一日中ため息しか出さない。
ははははははは。
今日は、死に適している。と思えた。
普通の日もあるもんで。
何もない。
良い事もわるい事もなく、とても普通。
平凡な一日。悪くない。
明日も、生きよう。と思えた。
たぶん、死に対して良い日和だ。
今日は、もってこいだ。
ピストルがあるなら、きっと。
口にくわえる位の事もしていただろう
おっと、その前に
大好きな映画を大音量でたれ流してるモニターに銃口を向けよう
良い事も悪い事も、全てを捨てたらきっと。
きっと、死にちょうど良くて、
きっと、明日も生きている。
死を、ポケットに入れたままで。
ある日母親が亡くなった
女で一つで私を育ててくれた母親が
遺品の整理をしていた際に見つけた一つのノート
そこには私についてのことが書いていた
「私が生まれたこと」
「私が初めて歩いたこと」
「私が小学生になった時のこと」
「私の就職先が決まった時のこと」
これは、私が生まれてから母が書いていた
『私の日記帳』
きょうはあたしのたんじょうびです。しゅんくんがあさにうちにきておはなをもってきてくれました。あたしのすきなピンクいろしたおはなでした。しゅんくんにありがとうといったら、どおいたしましていわれました。おかえしにおとといママとやいたうずまきのクッキーがあまってたからあげたらおいしそうにたべてました。しゅんくんだいすき。おっきくなったらしゅんくんとけっこんしたい
「うわぁ……」
部屋を片付けていたら見つけた赤い手帳型の日記帳。クローゼットの奥のほうに落ちていた。当時、このお洒落なデザインのノートは父が東京に出張に行ったお土産に私に買ってきてくれたものだった。この時の私は5歳前後。何を書こうか考えて、日記帳にすることにした。けれどページ数がまあまああるのに最後まで書ききることはなかった。年齢も幼かったから途中で放棄してしまったのだ。だから書いてある日記の数は10日分ほどにしか満たない。何も書いてないページは、少々色褪せて真っ白ではなくなっていた。
「なつかしいなぁ」
と同時に物凄い恥ずかしさも感じた。記念すべき1ページめ。どうやら誕生日だったらしい。当時の私はこんなふうに思っていたのか。その時の記憶は正直言って思い出せないけど、きっと幸せな誕生日を送っていたに違いない。それは、20年経った今も変わることなく。
「何してんだよ」
いつの間に帰ってきたのか、ドア付近に彼がいた。もしこれを見せたらなんて言うだろうか。きっと驚き半分笑い半分ってところだろう。でも、これはこのまま大切にしまっておこうと思う。私の秘密の恋心は誰にも見せないんだ。たとえあなたでも、まだもう少し秘密にしておこうかな。そっと閉じて、日記帳は引き出しの中にしまった。
「おかえり駿くん。夕飯何食べたい?」
「任せる。それより、これ」
「うわあ」
彼が後ろ手に持っていたのはピンクの薔薇のミニブーケ。おめでとう、という言葉と共に私に差し出してくれた。
「ありがとう」
初恋の人は今、私の旦那さまになりました。そして今でも誕生日に花をくれます。20年前の私に何か伝えられるのだとしたら、無事に幸せになってるよ、って教えてあげたい。この幸せよ、どうかこの先も続きますように。