『私の名前』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私の名前
私が生まれる前の夜、ぽつぽつと落ちていた雨。
その音を聴いた母は、私に「あまおと」を意味する名前をつけた。
私の身の周りでは、それは珍しい名前だった。幼い頃の私は「もっと可愛いくて、他の子にも多い名前が良かった」とよく思っていた。当時の私には、親が名前に込めてくれた想いがよく分からなかったのだ。
しかし、成長していくにつれ、唯一無二のこの名前に愛着が湧き、それに込められた温かい想いも理解できるようになった。そして何より、名前の影響だろうか、今の私の身近な人たちには「明るさ」や「太陽」を想像するような名前が多い。彼らはまさに「雨天」である私を照らし、晴れに導いてくれるような存在だ。単なる偶然かもしれないが、私の名前が違えば、彼らに出会えていなかったかもしれない。
雨は、私にとってとても思い出深い。しとしと降ってくる音を聴いていると、なぜだかとても安心する。もしかしたら、私がお腹の中で聴いた母の鼓動と生まれる前の夜の雨音を重ね、思い出しているのかもしれない。
おいミケ
あらミーちゃん
ちくわ!おいでー
オレには沢山の呼び名がある
なんでもいいよ
美味いものくれるなら
誰でもいいよ
主じゃないから
主はオレをなんて呼んだっけ
忘れちゃったな、主の声
なんでもいいよ
元気なら
『私の名前』
私は記憶喪失だ。私の名前さえ、覚えていない。
たぶん)私の彼氏?によると
私の名前は「姫」と書いて「プリンセス」らしい。
まさかのキラキラネームでびっくりしたけど、
自分的にはどうでもよかった。
とりあえず過去を思い出さなければ、
名前を聞いたところで過去が蘇るなどはなかった。
でもこれだけは彼氏も知っていたらしい。
自分の名前が嫌で、名前を変更しに、市役所に行くところで交通事故にあい、記憶喪失になったと…。
私の名前
なんだったんだろう。
私の名前。呼んでくれたやつだよ。
本名とは違う、あのあだ名。
なんであんなあだ名つけたんだっけ?
本名は、私の名前は違うのになのに
なんで「ひーちゃん」ってあだ名をつけたの?
確か、聞いても「××の可愛さにピッタリ」ってばかみたいなこと言って濁してただけだった。
違うよ。私知ってる。あなたが夜中私の隣でこっそりスマホを触ってるの。連絡相手のその子の名前は「ひより」だった。なによ。最初っから黒じゃない。なんて思ったけど、でもアナタがいなくなる方がずーっと嫌だった。薄い味付けも、「優しい味がする」って、セールの服を見て「めっちゃお得。高見えだね」って。一緒に笑ってた。
その瞬間が好きだったのに。
私の名前、今でも覚えてる?
私の名前、ひーちゃんじゃないんだよ。
たしか…「さ…」…
あれ?なんだったけ
私には固有名詞はない。
「ブラウン管の魔女」「あの魔女」または単に「魔女」などと呼ばれていた。
一時期はねるねるねるねというお菓子のテレビCMに出演して、有名になったものだ。
あかり。苗字より名前で呼ばれる方が好き。
ちゃん付けより呼び捨てされる方が良い。
私の名前は、あかり。
〜私の名前〜
高校三年間は、苗字にさん付けで呼ばれることが多かった。でも今は下の名前を呼び捨てされることが多い。人と群れることが嫌いだと思っていたけれど、意外と名前の呼び捨ては心地良いかも。
真実を未来までと、願いを込めて両親がつけてくれたそうだ。
先輩からは未熟の未とバカにされたものだ。
おかげさまで、ウソがつけない、ウソが嫌いな人間になったが、果たして両親が想い描いていた子に成長できたのだろうか。
疑問だ。
私は私に名前をつけるのが好きだ。
SNSやブログ、オンラインゲーム、時には行きつけのバーでも本名とは異なる名前を自分につけて名乗る。一体いくつの名前を持っているのか自分でも把握していないくらい、多くの名前を名乗っている。自分への名付けはもはや趣味の域だ。
名前をつけるとき、ひとつ必ず守る法則がある。中性的な名前、男性でも女性でもいる名前をつけることだ。あおい、つばさ、ゆうき、まこと、ひかる、れい…「男女どちらでも通じる名前」は意外とたくさんある。
中性的で、名前だけではどちらの性別なのか分からないというだけで、人はどこかミステリアスな雰囲気を纏うことができる。話す内容は普通でも。これはなかなかお得な効力だと思う。
そもそも、「男性的な名前」「女性的な名前」というくくり自体が何物なのだろうか。愛情豊かな子に育ってほしいと願っても、男児に「愛」と名付けるのはなぜためらわれるのか。多様性の時代が進むとともに、名前も男女の垣根が消えていくのだろうか。
そうなってくれると、私にとっては名乗る名前の選択肢が広がるのでありがたい。
ちなみにこのアプリでは、私は男女どちらだと思われているのだろうか。出来る限り性別不明のミステリアスでありたいのだが。
私の名前をネットに公開する訳ない
怖い時代だからね
友からの暑中見舞い私の名前いつも違くて雨玄関に落つ
私が子供の頃、女の子の名前には◯◯子と子の付く名前がほとんどだった
ところが、人と同じであることを好まなかった私の親は、私の名には子の付かないものを選んだ
親の気持ちなど知らない私は皆と同じ様に"子が付く名前"が良かったと思ったものだ
名前というのはほとんどの人が一生を共にするもので、「名は体を表す」とか「名のように生きる」等といわれるように名前がその人の人生を象徴すると考える人もまだまだ多いようだ
こんな風に育って欲しいという願いや祈りを込めて親が子の名前を考え、与えることは時代が移り変わってもあまり変わっていないように思う
私の親が願いを込めて与えた名前のように私が生きているかと言えば、風変わりなDNAも受け継いだものの、まあそこそこ実現出来ているのではないかと思う
そういう意味では親に感謝しなければならないし、その名に恥じない生き方をこれからもしようと改めて思う
名前とは、なかなか興味深いものだ
『私の名前』
牧場の稲穂の数程多くの人に影響を与え教え導く人になりますように。という親の願い
伝染病
あいつの気持ちが伝わってどうしようもなくいたたまれなくなった
カーテンの隙間から差し込む光の所為で、心の深いところで微睡んでいた意識が強制的に浮上させられた。
ベッドサイドに置いていたスマホを探し出し、電源ボタンを軽く押し込むとぼんやりとした灯りと共に、【04:13】と数字が表示された。
朝と呼ぶには早すぎる時間。
自身の身体に乗っている腕をゆっくりと下ろし、同じベッドに横たわる人間の眠りを妨げないように静かにベッドを降りた。
そっとカーテンの隙間を覗く。
まだ眠っているはずの街の通りを一匹の猫が歩いている。
少し歩いては立ち止まって辺りを見回し、暫し佇んでまた歩き出す。
その後ろ姿は、何か大切なものを探しているような、ただ自分のナワバリのパトロールをしているだけのような、又は何も考えていないような、それでいて何処か誇らしげに見えるのは、彼か彼女が生きるということに精一杯だからだろうか。
野良猫であるなら、彼か彼女には名前はないのだろう。
それでも、猫として、個として正々堂々と生きている。
そんな姿が少しだけ、ほんの少しだけ羨ましいと思った。
乾いた喉を潤すため部屋を出て、キッチンに向かう。
一人暮らしには大きい冷蔵庫を開け、中からよく冷えた水を取り出す。
青い硝子のコップに注いだ水は、薄暗い部屋の中でもキラキラと輝いていた。
関係を持つようになって、既に5年の月日が経った。
3年付き合った男に、『自分より稼ぎのいい女はプライドが許さない』的な事を言われ別れた直後、たまたま入ったBARで会った男。
最初は成り行きで、誰でもよかった訳では無いが意気投合したのが一番の理由。
それから、時折BARで会って一緒に飲んで、ホテルに行って一緒に朝を迎えて。
半年も経たずに、自分の部屋で朝を迎えるようになった。
この関係が、倫理に反している事は言われなくてもわかっていた。
彼は決して私の名前を呼ばない。
会えるのは彼から連絡があった時だけ。
「⋯⋯⋯泥棒猫、かぁ」
3日前、仕事帰りに駅の改札を出たところで声をかけられた。
私を呼び止めたのは女子高生、しかも有名な進学校の制服を着ていた。
取り敢えず、近くの行きつけの店に入ることにした。
残業をして、お腹も空いていたし。
個室に通して貰い、料理と飲み物を注文する。
少女曰く、父親と別れて欲しい、と。
その父親というのが誰なのかは言われずともわかっている。
理由を聞けば一言、『泥棒猫』と呟かれた。
まぁ、自覚はあったのでどうということは無く、別れるのも続けるのも自分達が決めることだと言えば彼女は俯いた。
ぽたぽたと零れ落ちる涙に、心が痛む。
でも、ごめんなさい、貴女にはもっと辛い現実が待っている。
彼に私以外の女がいることを知ったのは、関係を持って一年経った頃。
それも1人2人では無い。
けれど同じ数だけ、彼の妻にも男がいる。
1度だけ、とても酔っていた彼が話してくれた奥さんとの馴れ初め。
どちらかと言えば、彼の方が奥さんを愛している。
そして奥さんはそれを承知しているからこそ、何も心配することなく遊んでいる。
そしてもうひとつの重大な事実は、彼が子供を作れない身体であること。
つまりこの少女、そして今、小学二年生の息子くんは遺伝子的には彼の子供では無いということ。
彼は、自由奔放な奥さんが好きなのだと言う。
ただ奥さんの愛は常に彼に向いているわけではない。
それでも夫婦という形で居られるのならば、奥さんのすることに口は出さないと約束し結婚したのだと。
彼が私や他の女を抱くのは、奥さんの代わり。
だからそこに私たちに対する愛情はない。
あるのは奥さんへの愛情だけ。
それに気付くのに2年かかった。
もう、その頃には戻れない所まで私の恋心は育ってしまっていた。
でもそれも、そろそろ終わりにしよう。
私もいい歳になった。
いつまでもアリもしない未来にしがみついていられない。
彼女は知っているのだろう。
自分の両親が世間一般とは異なるということを。
彼女はそれで納得して今日まで来たに違いない。
ただ、自分は良くても弟の事を思えば、両親には普通の親になって欲しいのだろう。
ただ、それは叶えるのがとても難しい願いだろう。
別れ際、私は彼女に連絡先を教えた。自宅の住所も。
それをどう使うかはあなたの自由よ、と言って。
狡い大人で、ごめんなさい。
私に出来るのは、こんなことくらいだから。
でもこれには感謝の意味もある。
私に決心をさせてくれた。
コップの水を飲み干して、私は再びベッドに潜り込む。
すると、もぞもぞと動いて彼が目を開けた。
「 」
酷い人、それは私の名前じゃないわ。
酷く優しい声で、私ではない女の名前を呼ぶ。
酷い大人、成人もしていない子供に、あんな涙を流させて。
次に目が覚めた時、私は彼に言った。
「ねぇ、もう、終わりにしましょう?」
顔は見れなかった。
見れば決心が鈍るから。
「⋯⋯⋯わかった」
たった一言を残し、昨夜脱いだ服を着て貴方は部屋を出る。
酷い人、理由すら聞いてくれないの?
『待って』
言いそうになる自分の口に、手で蓋をする。
カチャ、とドアが開き、朝の清々しい空気が部屋の中に流れ込んできた。
代わりにあなたの存在が私の部屋から去っていく。
静かに閉まったドアは、小さくカチリと音を鳴らしまた元のように外とこの部屋を隔てた。
「⋯⋯ふふっ」
涙と共に笑いが込み上げる。
あの人は最期まで私の名前を呼ぶことはなかった。
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(´-ι_-`) 少女、頑張れよ。
【私の名前】
名乗るためではなく。
呼ばれるために。
私の名前はあかり
なんて理由でつけられたのだろう
あかりという字は明莉こう書く
友達などと話してる時は明るいかもしれないけど
1人になるとずっと泣いてる
この間失恋した
生きる意味がないと思った
たくさん泣いた
けど、この名に誓って
これからは笑おうと思う
辛いことは無理して笑うことなんてないけどね
泣きたい時に泣けばいい
私の名前になど、意味は無いのだろう。
動物に付けられた個体認識のための記号に過ぎない。
やれ「太郎」だの「幸子」だの。
産まれおちた瞬間からの愛着のために、
私たちは、記号を、音を、付けられる。
所詮記号に、愛着を求められるのだ。
Mr.、Ms.、Mrs.、さん、くん、ちゃん、殿
多種多様の個体性別のための付加価値まで付けられる始末だ。
私たちは名前を呼ばれたら、
返事をしなければならない。
「はい」と。
だから思うのだ。意味などあってたまるか、と。
私を記号として認識する人々のために、
音で表されるもののために、
自分をすり減らしてはいけないのだ。
私は、
付加価値では無い、記号では無い、
私を見てほしいのだ。
『私の名前』
私の名前は親がつけてくれました。大抵の人はそうだと思います。そして大抵の人は名前の一字一字に想いが込められています。私も例に漏れることなく、想いを受け継いだ名前を持っています。
私は父親がいません。しかしこの名前は両親がつけたのか、母親がつけたのか、はたまた父親がつけたのか分かりません。ですが、愛情を持ってつけられた・育てられたというのは事実であり自明だと考えます。
世界には、虐待というものがあります。日本にももちろんあります。その場合子供視点では親という生き物は恐怖する対象となってしまう。親視点ではどうだろう。会社では叱られ子供も言うことを聞かない。思い通りにいかない。子どもがいるからお金もたくさん飛んでゆく。子どもの頃から私たちは「自分の身は自分で守れ」そう教わってきました。では、子供が自身にとって害となると判断したら?この教えを遵守したとしても、将来的にも、子供がいる限り明るい未来は来ないと考え自己防衛をすると思います。自己防衛にもたくさん種類があります。暴漢に襲われそうになったら防衛。危険な場所と知ったら近づかないなど。もちろんストレスから逃げるのも自己防衛なのではないでしょうか?ストレスの発散方法として、子供に八つ当たり。つまり虐待をしてしまう、というのが私の仮説です。
なので今後政府は虐待を無くしたいのなら、子育て世代を支援して、高齢者の蔓延る世代を(言い方は悪いですが)切り捨てていかなければならないのです。取捨選択です。子育て世代を支援することによって日本国の人口減少も推測とはなりますが緩和され、高齢者世代を切り捨てることで高齢化も緩和され、一石二鳥だと思います。
これらはあくまで個人の持論なので本気にしないでください。
『私の名前』
私の名前はアルテミス。お母様が名付けてくれた…はずなの。
偶に不思議に思うことがあるの。
「アルテミス」
なんでお母様はこの名前を付けてくださったのだろう、って。
だって私の国の歴史神話諸々にアルテミスなんて名前の者は存在しませんもの。
単に名前の響きで決めたのかしら。解らないわ。
私は月の国の者。でも月の国の民であることはみんなに秘密にしてるの。
え?それじゃあアルテミスって名前はぴったりだって?
解らないわ。あなたは私の知らない何かでも知っているのかしら…
今週の「フェアリーロード」を読み終える。ゼロ時まで待った甲斐があった。「フェアリーロード」は、主人公である妖精見習いカリュプソが、大陸の国々を巡って宝物を探しに行く物語だ。今まで花の国、砂の国、夜の国…と巡り、最後に神秘の国である月の国に行くのがカリュプソの旅路である。国に入国するには国の民に認められる必要がある。しかし、月の国は神秘の国であるため、カリュプソはなかなか月の国の民を見つけることができなかった。しかし、今週、謎の少女アルテミスが登場した。
お分かりだろうか。アルテミス──ギリシア神話における月の女神。
もうこれはアルテミスが月の国の民で確定だろう。さてこれからカリュプソはどうやってアルテミスを絆していくのか。次週も楽しみだ。