『眠れないほど』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夜に呑まれるような、そんな感覚になることがある。
底無しの暗がりに手を引かれるような。
考えたところで仕方のないことが頭の中をぐるぐると駆け巡り、自分の周りを取り囲む静寂という空間に、己の「生」がばたばたと零れて泳ぎ出す。
何も居ない、音の無い空間だが……非常に騒がしくて五月蝿いのだ。
深く深く沈んだ先では、馬鹿みたいに愚かな自分や膝を折り畳み小さくなっている自分と出逢うこともある。
そのどれもに思考を向けるなんてことは到底できやしない。
其処に在る全てに手を差し伸べるなんてできない。
瞼は閉じているはずなのだが、どうも脳はこの世界を捉えているらしい。
嗚呼、何とも厄介なものだ。
そう、
〝眠れないほど〟に。
眠れないほど
眠れないほど、辛い事あった。
辛い事あったけど、友達がいるから、家族がい
るから頑張れる。
喜怒哀楽があるから人間で
乗り越えられないものはないと思う。
人間として生まれてきて、命尽きるまで、
人としてやるべきことをする為に生きているの
かと考えるようになった。
眠れないほど、貴方のぬくもりがまだ体に残ってる。
どうしょうもないくらいに、私の中に貴方は残っている。
「好き…………、本当に好き………」
貴方の体は程よく筋肉がつき、引き締まっている。その体に全てで愛される事をずっと夢見ていた。
貴方は、私が勤めている会社の御曹司。
貴方は次男だけれど、長男である貴方の兄は全てを捨てて愛する人と駆け落ちをした。
そんな兄の尻拭いをするように、貴方は自ら後を継ぐと伝えた。
そんな貴方は、私の彼氏だったけれど、跡取りになるということを決めた貴方は、全てを犠牲にして跡取りの勉強をする事を決めた。
それに、跡取りとなった貴方には、今では少し時代遅れな許嫁ができた。
貴方の許嫁の存在を知った私は、私から別れを切り出した。
貴方の重荷になる気がしたから。
そして、最後の願いとして、貴方に一夜を共にしてほしいと頼んだ。
貴方は静かに同意し、何度も何度も、そして、どんな時よりも優しく愛してくれた。
私はとても幸せで、この思い出だけで生きていける様な気がした。
貴方の居なくなったベットに、私はカーテンの隙間からのぞく月明かりを見つめている。
貴方の温もりは忘れない。
一杯泣いて、今は辛くても、私は貴方との事を思い出にする。
必ず、昇華させるから……。
さよなら、貴方………。
愛してた。
眠れないほど、
明日の仕事が辛い…。
安定剤飲んで寝よう💊
明日が来なければいいのに。
そう考えて、夜更かしをしている。どうせ朝は来るんだけど。
日中にしたことの反省文を、ずっと頭の中で書いている。
自己嫌悪で死にそうだ。
おまえにした脅迫が。強過ぎる想いが。捨てられないでいる。
生まれてきて、ごめん。
「眠りたい」
お腹が満たされると眠くなる体質だと思っていたけど
誰かに恋をしている時は
眠れないほど考える
私のことを好きになってくれたらいいのに
私のことを好きになればいいのに
私のこと、好きだよね?
最後は脅迫
眠れないほど焦がれる
もくじん。木人と聞けばカンフー映画やゲームのキャラクターが浮かんでくるけど、僕の場合はそれじゃない。
木人病。足から根っこが生えて、放っておくと身体が一本の木になってしまう。昔は奇病といわれていたそうだけど、近頃じゃ木人は学校の1クラスに数人いるくらいのありふれた病気だ。
毎日適切な運動をして食事もほどほどに注意してれば何も気にすることはない。葉緑体のせいで皮膚が緑色になるのが見た目的に驚かれやすいけど、光合成できるようにもなるし、悪い事ばっかりじゃないっていうか。
ただし立ちっぱなしや座りっぱなし、つまり長時間動かない姿勢でいると根っこが勝手に地面へ潜りこんでいってしまう。処方されてる薬を飲んで根っこを枯らせば人間で居続けられるんだけど、放っておくとその場に根を張って立派な木になる。ジ・エンドだ。
そうなんだよ。
いやあ、そろそろ喋るのも億劫になってきた。
一世一代の告白をフラれちゃって眠れないほどツラかったのは仕方ないし、それでやけ酒に走るのだって悪いことないだろう。ただ薬を飲み忘れてたのは駄目だったし、酔ったまま駅のベンチに座って眠り込んだのがホントに駄目だった。酔いつぶれるにしてもせめて私有地だったら良かったのに。
……伐採職員さんも大変だよね。
そこで僕の臨終待ちしてくれてるんでしょ。
いい太さのケヤキなんだから、うまく切り出して使ってくれると嬉しいかもしれないなあ。
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「眠れないほど」
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所感:
多分早晩飲み薬からパッチ薬へと処方が変わって、不慮の死を遂げる木人は激減すると思います。
🍀眠れないほど
思い悩む夜。
くだらないこと
確かに私以外の人たちからしたら「くだらないこと」
なのかもね。
でもね、私にとっては重大問題。
眠れないほど
夜は静謐な空気を纏っていて
誰もが寝静まったこの時間に魅了されたら
もう後戻りはできない。
明日何時に起きるかも気にしないで
好きなことに夢中になった。
私の場合、それは大抵はまってしまった小説で
慌ただしい時間にはできない
深夜の娯楽を満喫する。
きっとそれが明日の活力になるからと
言い訳しながら。
遠ざかる夜を追いかける
まだ満たされていない
抗い 藻掻くほど
擦り切れ 零れていく
もうすぐ朝に抜かされる
/ 眠れないほど
眠れないほど
私はあの日の記憶を今だに消せない
どうやっても貴方は帰ってこないから
ごめんね
眠れないほど想いを募らせる夜は、家を抜け出して彼に会いに行く。
真っ白な街の中、彼の家は隠れるようにひっそりと建っている。だから、普通の人なら迷子になってしまう。
2回ノックをすると、彼が顔を出してきた。
「ナル?」
「ごめんね。どうしても……」
顔や尻尾に出ていたのか。上がって、と彼に言われるままに家の中へと吸い込まれる。残った仕事を片付けていたのか、書きかけのノートがテーブルに置かれていた。
邪魔してしまったか。申し訳ないけども、それ以上に帰りたくない。
「こっちおいで」
彼の隣に座ると、優しく頭を撫でてくれた。耳も尻尾も動いてるだろうし、頬も緩みきってる。隠すつもりはない、それだけ彼に心を許しているのだから。
「ナル」
「にゃっ……じゃなかった、何?」
「呼んでみただけだよ」
「ええ?」
困惑するけど、嬉しいことには変わりない。本名を明かしている数少ない相手だし、こうしていると独り占めしているみたいな気持ちになる。
ぐにゃりと尻尾が曲がる感触がする。
「あらあら……」
いつの間にか彼の腕に尻尾を巻き付けていた。流石にこれは予想していなかったし、慌てて離そうとしても取れない。
「そんな無理して取らなくていいよ。痛いだろうし、僕も嬉しいから……あぁ、こうすれば良かったね」
正面から抱きしめられる。守られているみたいで安心するけど、眠れるかと聞かれればそうでもない。かえって寝れなくなった。
「お疲れさま。いろいろ大変だったね……よしよし」
「んん……」
喉が鳴る。彼とはそれなりに長い付き合いがあるが、ここ最近は特に距離が近付いているように感じる……寂しさがそう思わせてるだけかもしれないが。
あの指揮官さえいなければ、彼女がすべてを捨てることはなかったのに。自分のことのように怒りが湧き上がってくる。
そして、まだアレに従わなければならない。
だから本艦では眠れない。
「帰りたくないんだね。同じこと考えてくれてよかった」
「う……そうしたいけど」
言わせておけばいい、と言う彼に権力の片鱗を見せつけられながら、納得し、彼の頭を撫でておいた。
光輪の間に手を挟む形になったけど、違和感とかあるのかな。
「眩しかった?」
「慣れた。というか撫でられて不快感とかないの?」
「ないかな?消せないのが不便だけど……ナルが真っ暗じゃないと嫌がるし」
真っ暗かつ狭いところじゃないと眠れない。我ながら難儀な体質だ。でも、こうやって彼の腕の中でならよく眠れそうな気がしてきた。
「くぁぁ……あくびでた……」
「出てるね、眠くなってきた?」
「かもしれない……」
彼は優しい。声も手付きも、人柄も。
一緒にいて安心するし、こうやって甘えたくなる。
「ナルは可愛いね」
「……それはない」
「可愛いよ。耳とか尻尾とか動いてるし……こうやって素直に甘えてくれて嬉しい」
恥ずかしくなって思わず目をそらす。彼の胸に顔を埋めて逃げ切れたつもりだった。
「ナル……かわいいよ、大好き」
耳元でそう囁かれる。かかる息がくすぐったい。びくりと全身が震えて、彼が更に強く抱きしめてきた。
「私も大好きだよ、ゼル」
「ふふ、ありがとう」
波に揺られるような感覚の中で、彼の声だけが聞こえる。
それも少しづつ遠くなって──。
「おやすみ、ナル。いい夢を」
彼女が静かに眠れるように、心穏やかに過ごせるように。
『全て忘れて、塗り替えるために』
お題
「眠れないほどに」
「すごい!!!綺麗!!!」
まるで5歳児のようにはしゃぐ私。
宝石箱のような光が沢山散りばめられて居る中で
6分毎にシャボン玉が飛び出てくる。
彼がサプライズで連れて来ようとしてたらしい。
だが、前日に別れの危機を感じる喧嘩をした。
今ここの場にいるという事は仲直りした訳だが、終わりかと絶望するくらいの喧嘩だった。
「ありがとう!ほんとに綺麗!連れてきてくれてありがとう!」
と言う私に彼は
「どういたしまして。」
と優しく笑い返してくれる。
その笑顔につられて、私も笑顔になる。
なんて幸せな時間なのだろう。
いつまでも続けばいいのに、と何度も願ってしまう。
そんな私は、彼に惚れ込んでいるのだろう。
会う度、私が好きそうな場所へと連れていってくれる。
今夜もまた彼を想って、眠れない夜を過ごすのだろう。
それ程に、愛おしくて大切な存在なのだ。
#眠れないほど
眠れないほど悩んでも
なるようにしかならないし
なるようになる!
「眠れないほど」
夜も眠れないほど、頭の中はあの日のことでいっぱい。
あの日のことが頭から離れない
忘れたくても、忘れられず
毎晩、毎晩、蘇ってくる
あの日の音、声、場所、人、全てが蘇ってくる
全てが頭の中でこだまする。
あの日の全ての記憶が私を蝕んでいく。
私を傷つける、私を侵食していく。
呼吸も苦しくなり、傷は深くなる。
その後、身動きが取れなくなり、
そしていつか飲み込まれてしまうだろう。
それまでは眠れない夜が続くだろう。
その後で永遠の眠りにつくのだろうか。
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No.6『君のため』
散文 / 闇 / 恋愛 / 掌編小説
今日も真っ赤な目をしている君は、泣き腫らしたのか、それとも眠れないなのかどっちなんだろう。ふとそんなことを思った。片思い歴が長すぎて、どれくらい君を見て来たのかは不明だが、君が真っ赤な目をしているのはここ最近のことだ。
そう言えば恋人の姿も最近、見掛けないような気がするが、むくりと湧き上がった期待感をぐっと胸に押し込める。もう幾度となく期待してはがっかりして来たぼくは、君の様子を慎重に見極めるようになっていた。
もし、もしもだけれど。眠れないほどの何かが君の身に起きているのだとしたら。もしかして、最近見掛けなくなった恋人が関係していたりなんかしたら、もう君のことを放ってはおけない。
今まで幾度となく声を掛けては、お節介だと跳ね除けられて来たぼくの行動。今、この時、君のために起こしてもいいのだろうか。
お題:眠れないほど
何もしない、何もしない、何もしたくない。
身体が言うことを聞かない。何かしなければ、という自分の意に反して、何もしたくない、という自分の動。
地球のように、頭だけは常に回って。
身体は意思が無ければ動かないのに、頭は考えようとしなくても、考えたくないと思っていても、勝手に動く。
眠れないほど。
また私の頭は眠れないほど、動き続ける。
◎ 眠れないほど
眠るのが怖くて
祈りに身をゆだねた夜を
いくつも越えてきたけれど
大人になっても
あなたの前では
わたしは子どものままで
あの頃のわたしを知る
あなたにだけは
心を隠せはしない
眠れない夜は
目を閉じて
たましいを開いて
永遠にも思われるような
問いかけの中で
自分を見つけ出すことしか
できない
眠れぬほどに
近くて遠い
狭き門のほとり
#眠れないほど
眠れない。
暖かな布団に包まれ、1寸の光もない暗闇の中で目を閉じても、思い浮かぶはその言葉ばかり。
眠れもしないはずだ。それもそのはず。
瞼を閉じると、あの人の眩しい笑顔が思い浮かんでしまって、全く眠れそうにもない。
今日見た彼の笑顔があまりにも眩しくこの記憶に焼き付いてしまったから。
『眠れないほど』
眠れないほど
あなたを思っている
寝不足 お願い
少し寝かせてね
少しでも忘れることが
出来たら
重症です