いしか

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眠れないほど、貴方のぬくもりがまだ体に残ってる。

どうしょうもないくらいに、私の中に貴方は残っている。

「好き…………、本当に好き………」

貴方の体は程よく筋肉がつき、引き締まっている。その体に全てで愛される事をずっと夢見ていた。

貴方は、私が勤めている会社の御曹司。
貴方は次男だけれど、長男である貴方の兄は全てを捨てて愛する人と駆け落ちをした。

そんな兄の尻拭いをするように、貴方は自ら後を継ぐと伝えた。

そんな貴方は、私の彼氏だったけれど、跡取りになるということを決めた貴方は、全てを犠牲にして跡取りの勉強をする事を決めた。

それに、跡取りとなった貴方には、今では少し時代遅れな許嫁ができた。

貴方の許嫁の存在を知った私は、私から別れを切り出した。

貴方の重荷になる気がしたから。

そして、最後の願いとして、貴方に一夜を共にしてほしいと頼んだ。

貴方は静かに同意し、何度も何度も、そして、どんな時よりも優しく愛してくれた。

私はとても幸せで、この思い出だけで生きていける様な気がした。


貴方の居なくなったベットに、私はカーテンの隙間からのぞく月明かりを見つめている。

貴方の温もりは忘れない。
一杯泣いて、今は辛くても、私は貴方との事を思い出にする。

必ず、昇華させるから……。

さよなら、貴方………。

愛してた。

12/5/2023, 10:12:39 AM