『眠りにつく前に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
声も薫りも忘れたのに
寝床の広さと冷たさは
未だ肌に膠着いたまま
だから今夜も
火酒を浴びて
浴びて浴びて
身体が火照るまで
孤独に堕ちるまで
『眠りにつく前に』2023/11/0316
金髪碧眼、それは彼ら一族を象徴する、
王家に準ずる家格と貴き血筋を顕わしている。
稀代の名君と云われる、ノース、北の主君。
それが彼の肩書。
わたしの隣で眠る人は、貴き血筋のもとに生まれた人。
強く成るしか、早く大人に成るしか、生きることを許されなかった人。
たった一人で多くの業を背負い、たった一人で多くの命を背負う、
主君としての並外れた技量と天賦の才を有する人。
多くの女たちを魅了し、多くの女たちを泣かせ、多くの女たちに依存する、
矛盾を抱える、弱き人。
わたしは、あなたの妻。
わたしは、決してあなたに魅了されない。
わたしは、決してあなたに泣かされない。
わたしは、決してあなたに依存させない。
強くない、男らしくない、ありのままの、弱きあなたを
受け入れ、支え、見守る。
それが、わたしに出来る、あなたの妻としての役目。
見返りなんて、いらない。
なんでって?
あなたを、心から、なによりも愛しているから。
眠りにつく前に陽だまりへ
妄想は陽だまり。
僕は妄想するのが好きだ。想像ではなく、妄想。
想像は、現実にもとずいたもの。
妄想は現実との接点がないものも含む。
妄想の中の僕は、翼があるんだ。大空を羽ばたけるし、魔法だって使える。歌も上手に歌えるし、猫にだって、犬にだってなれる。子鳥と会話だって出来る。
いつもそんな妄想をしているわけじゃない。
誰もいない世界で、ひとり本を読む。ほんの少し日差しが差し込む、僕だけの埃臭い図書館で。時がゆっくりと進んでいく。小説を書いたり、絵を描いたり、歌を聴いたり、ピアノを弾いたり、現実と変わらないようで、全然違う、素晴らしい世界。
僕は布団で妄想することが多い、目を閉じると、僕の世界が広がっているんだ。そこに、手の届くところに陽だまりがあるのに、世界なんて壊して、妄想で世界を変えてしまいたいと、もう現実なんて、見たくないと何度願ったことか、、
どうして、どうして、どうしてどうしてどうして
こっちが現実で、そっちが妄想なの?
目を閉じて
そっとあなたと手を繋ぐ
遠く離れていても
感触を ぬくもりを思い描いて
あなたの心と一緒に
今日の眠りに落ちるのだ
「眠りにつく前に」
#237
わたしね、ユメとげんじつをつなげたいの。
あなたがねむってしまうまえに。
やりかたはまだわかんない。
だけど、はやくしないとあなたがとわノねむりについてしまう。
そしたら、また、あえなくナるんでしょ?
そんなのやだよ。おはなしできてないことがたくさんあるのに……まだおわカれしたくない。
デも、みつからない。
いそがなくちゃいけないのに、かけらひとつもみあたらないの。
だからわたしはもっとあせる。あせって、さがして、からまわって、またあなたにしんぱいさせる。
だけど、どんなにこえをかけてもわたしがとまらないから、あなたはあきれたかおをしてなんにもいわなくなったね。ただ、じいっと、となりにいてくれる。
あのね、わたしね、それがすっごくうれしいの。だいすきがあふれてとまらないの。
だからわたしはもっとがんばってゆめとげんじつのつなげかたをみつける。
ほんとはこうしているひマもないくらいなんだよ。
ああ、いそがなくちゃ。
あなたとまたわらいあうために。
あなタのとなりにいられるみらいのために。
▶眠りにつく前に #34
眠りにつく前に
今日の素敵なことを思い浮かべよう。
嫌なこととかが思い出しやすいけど、楽しいことや嬉しいことを思い浮かべよう。
自分は素敵な人間だと心に刻もう。
ついに明日だ。あたしが殻を破る日。
「無理はするなよ」
幼馴染はそう言ってくれた。けれど、あたしは頑張らなくちゃいけないのだ。それが望まれているから。それを望んでいるから。
少しだけ眠れない。足が少し凍える。大丈夫だ、と散々自分に言い聞かせていたけれど、やっぱり不安なのだ。あたしを受け入れてくれるのかな? そう思っているわたしがどこかで呟く。突然現れた知らないクラスメイトと、受け入れてくれるのかな?
少しだけ涙が出てハッとする。あたしには味方が居ること。お母さん、お父さん、弟、そして幼馴染。それだけ居てくれれば十分だ、明日のあたしはきっと大丈夫。
安心した瞬間に、あたしの意識はスウと消えた。
#眠りにつく前に
息を呑み眦を釣り上げた後、女は一気に泣き出した。
こんな筈ではなかった。数日間も任務に忙殺され心ならずも放ったらかしだった女の元へ、今夜、漸く忍んで来ることができたのだ。
涙声を聞いてやっと、自分の対応のまずさに気付く。女の見せたのは言ってみれば可愛らしい嫉妬心で、ムキになるような事ではなかった。急に何日も顔を見せなくなった私の身を案じながら、じっと待っていてくれたというのに。
『……なにも、泣くことはないだろう。』
正直、何を言ったら良いかわからない。女は共に入った褥の中で私に背を向けてしまった。腕枕からも逃れようと身を捩るが、体を寄せて阻止する。腕の中に感じる体温が熱い。
私がいつとも知れぬ身である事など、承知の上と思っていた。…いや、承知してくれていると知っている。何のために、身を捧げるのが望みであるかも。
だが自身の覚悟と、好いた相手の身を思うのでは訳が違うものかもしれない。返す返すもまずかった。
さんざん気を揉んだ末、ずっとご一緒できる上役さまが羨ましいと溢した女に、あの方のために死ぬなら本望だ、などと言葉にするべきではなかったのだ。
女は泣き疲れてきたようだ。こんな不甲斐ない男に泣かされて、それでも恨み言を堪えているのがいじらしく、身を焦がす程に愛おしい。
木偶のように悪かった、泣くな、と繰り返しながら、頭を巡らせ他の言葉を探す。本音は取り下げたくない……この女を相手に、心を誤魔化す事はできない。嘘はつけない。
さりとて、泣かせたままにすることもできない。
女の体を擦り髪を撫でながら、何とか声を絞り出す。
お前のためには死ねない。けれど、
『お前のため…私自身のために。生きていたい、と思う。』
女の体が一度震え、答える様に、しゅん、と鼻を鳴らした。
嘘ではない、と解るように、その晩はもう何も語らないと決めた。
【眠りにつく前に】
1日の終わり
眠りにつく前に
伝えたい
だいすきな
あなたに
今日も守ってくれて
ありがとう
たとえ...
違う場所にいても
心はあなただけ
あなたの温もり
感じて...
だいすきな
あなたに
おやすみなさい
午前0時のメッセージ
眠りの隙間限定の時間
瞼の裏側に用意したカンバス
そこに何を描こうか
「眠りにつく前に」
本日の振り返り。長いようで短い一日だったな、と思う。
結局あまり有意義な時間を過ごせなかったと反省する。やりたい理想だけ積もって、現実からは目を背けていた。
明日はもっと有意義に過ごそうと思って、眠りにつく。
眠りに着く前に
永遠の眠りに着く前に思い浮かべた人が自分にとっての最愛の人らしい。
若年性認知症を患っていた父の初期症状は私の名前を思い出せなくなっていたことだ。
そんな父の最後の言葉は私の名前だった。
「眠りにつく前に」
声が聞きたい
そして
愛してる と言って
彼女が眠りにつく前に、僕は時計と彼女の様子をしっかりと見る。
顔色は平常か、いつもと違う行動をとっていないか、などなど。
もし彼女に異変があればしっかりと空調管理などしなければならない。
それは恋人である僕の当然の役目だ。
今日は昨日より12分23秒遅い23時57分36秒に寝るらしい。
僕はまだ寝ない。リアルタイムで彼女の生活を見て一緒に暮らしている気分でいたいから。
おやすみ、とモニター越しに彼女に微笑みながら挨拶する。
モニター越しの彼女は僕になんて目もくれずベッドに入ってアラームを設定している。そんな事しなくても僕に頼ってくれれば起こしに行くのに。
アラームなんかに頼るのが少し腹立たしいけどまぁ仕方ない。
彼女がいい夢を見られますように。
『眠りにつく前に』
〜眠りにつく前に〜
眠りにつく前に一つだけ聞かせて
自分を信じるってなんなんだろう
自信って言葉をよく聞くけど
実際持とうと思うと難しいんだ
教えて欲しいな
「────おじいさんとおばあさんは末永く幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。」
最後の一文を読み終えた初老の女は、捲れた布団を腹の上へと掛け直した。端のふやけた絵本をサイドチェストの上に置き、ひと仕事終えたと息をつく。
「どう?面白かったかしら。」
「ぜーんぜん。つまんない話!」
「ふふ、あなたには少し難しかったかもしれないわね。」
「はあ?!」
ぎゃあぎゃあ騒ぐ少年の隣で小さく欠伸をした女は、ゆるゆると微笑む。少年は毒気を抜かれて息を吐いた。女に何を言っても無駄だと分かっているからである。
「はぁ……明日も早いんだから早く寝なよ。今日また腰痛めたんでしょ。もう若くないんだからさ。」
口を噤んだ女は穏やかに自分の腹を撫でている。それは女が寝る前に必ずする仕草だったから、少年も黙って見守った。
「おやすみ、ゆう。」
「おやすみ。」
明かりを消し、瞳を閉じた女を見つめた少年は、徐ろにその腹に手を伸ばす。もちろん触れられるはずもないのだが、少年はこの動作をやめられなかった。漠然といつかそんな日が来るような気がしたのだ。
そんなことは、少なくとも女が死ぬまでは起こり得ないのだが。少年はあまりに幼く、ものの道理を知らなかった。
少年は女のことを気違いだと思っている。なぜなら、普通の人間は寝る前に声を出して本を読んだりしないし、薄っぺらいお腹に声をかけることもないからだ。日頃から女にくっついている少年は、彼女に「ゆう」という名前の知人が居ないことも知っていた。
少年は何もかも突き抜けてしまう手で、女の昔よりしわくちゃになった顔を撫でてやる。何故だか知らないが、彼にはこの女が慕わしく感じられる。何となく腹に手を伸ばしてみたくなるし、「ゆう」の漢字も知りたいと思う。
長く一緒にいたから、おかしいのがうつってしまったのかもしれない。
明日女が目を覚ました時、自分が見えるようになっていたらどうしよう。自己紹介をするべきだろうか?もし女が自分にずっと見られていたことを知ったら、なんと言うだろう。驚くだろうか。喜ぶだろうか。
少年はそんなことを考えて、女の隣で必要のない眠りをとる振りをした。
女が自分を見えるようになったら、今日の本の感想も話そう。同じ本ばかりで退屈だから、新しい本を読んでもらうのだ。
少年はまだ見ぬ明日に期待して、女の懐に顔を埋めた。
『眠りにつく前に』
【眠りにつく前に】
こんなタイトルだから寝る前書こうと思ったけど
案の定眠くて頭回らない
眠れない夜思い浮かべるのは
貴方の子守唄
寝たくない夜思い浮かべるのは
あなたの言葉
今日はとにかく何も考えらんない
寝る
一番ぐっとくるの
夜行性の人
私より
ずっと後に眠る人
深夜の高速道路を
コンビニエンスストアを
ラジオの交通情報を
ソーシャルネットワーキングサービスを
頼らなくて良い
眠らない人を探さなくて良い
いってきます
と
いってらっしゃい
に似てる
安心を確認して
私は意識を離す
眠りにつく前
最後に見る姿は
いつもの背中でいてね
(眠りにつく前に)
眠りにつく前に、Xをみる。推しの名前を検索して気が済むまでポストを漁り、眠りにつく。
今日も一日お疲れ様でした。
毎日22時に日記を書く
「今日も楽しかった、明日もいい日になるだろう」
ただ、それだけを書く
昨日の日記を見てみる
「今日も楽しかった、明日もいい日になるだろう」
そのまたずっと前の日の日記を見る
「今日も楽しかった、明日もいい日になるだろう」
そんなこんなで、明日の日記のことについて考える
明日は何を書こうか、毎日21時から考える
そして、筆をとってその日の思い出を振り返る
心の中にあるのは、ただ何もなかった1日
朝起きて食べ物を食べて、たった1行の文字を繰り返し読み続ける
そして、日記を書いて寝る
そんな毎日を繰り返し、そして想い続ける
明日もいい日になるだろうと
明日はいい日になるだろうと
そしてまた朝、目を覚ます
誰に言うこともない、おはようという挨拶と
何の味もしない塊を口に含む
そして、ずっと前の日記を読んで今日を振り返り続ける
さぁ、今日も日記を書こう
今日はどんな1日だったんだろう