金髪碧眼、それは彼ら一族を象徴する、
王家に準ずる家格と貴き血筋を顕わしている。
稀代の名君と云われる、ノース、北の主君。
それが彼の肩書。
わたしの隣で眠る人は、貴き血筋のもとに生まれた人。
強く成るしか、早く大人に成るしか、生きることを許されなかった人。
たった一人で多くの業を背負い、たった一人で多くの命を背負う、
主君としての並外れた技量と天賦の才を有する人。
多くの女たちを魅了し、多くの女たちを泣かせ、多くの女たちに依存する、
矛盾を抱える、弱き人。
わたしは、あなたの妻。
わたしは、決してあなたに魅了されない。
わたしは、決してあなたに泣かされない。
わたしは、決してあなたに依存させない。
強くない、男らしくない、ありのままの、弱きあなたを
受け入れ、支え、見守る。
それが、わたしに出来る、あなたの妻としての役目。
見返りなんて、いらない。
なんでって?
あなたを、心から、なによりも愛しているから。
11/2/2023, 3:40:19 PM