『相合傘』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
相合傘
とある三兄弟のお話。
三男より。
ぽつり、と頭に何か当たった感触がして、下を向いていた首を持ち上げる。今の今まで気付いていなかったが、随分と黒く染まった雲が眼前の空を埋め尽くしている。やっと今日のノルマを終え、後は事務所に戻り報告して仕事を終えるだけだったはずが、このままではその報告すらも危ういかもしれない。
さっきまでとは打って変わり少し小走りに道を急ぐ。しかし降っているかどうかも怪しかった先程とうって変わって目に見えて雨足が強くなっていくのが分かってしまう。どこかでやり過ごすべきだろうか。そう思い悩んでいたところで、ふと自分を呼ぶ声が聞こえた気がした。
後ろを振り返ると、通り過ぎたばかり建物から兄の一人、下の方の兄が出てくるのが見えた。『傘、ないだろ。』眼鏡に降ってきた水滴がつくのを不愉快そうに睨みながら、その右手に持っている物を掲げる。『ないけど...。』見えるそれは彼の手にあるその一つのみ。『...一緒にってこと?』それがなんだと言わんばかりに、目を眇め、首をすいっと降る。どうすべきか悩んでいると、早くしろとばかり睨みつけてくる兄にどうすべきか悩み、ひとつ嘆息を吐き兄の方へ歩を進める。
洒落っ気のない黒い傘を広げた兄の懐に入り、兄が歩き始めるのに合わせて自分も歩き始める。兄とは身長差が酷くあるのだが、それでも遅れたりしないのはいつもの彼なりの気遣いだ。自分は濡れていないのに、兄の傘を持っていない方の袖口は少し湿り始めている。これだから相合傘は嫌なのだ。自分が役に立つ事ができないから。彼が気を遣ってくれるから。そう思いながら、彼の優しさを今日も享受している。
#相合傘
学校の授業が終わったので
家に帰ろうと正面玄関を出た時、
雨が降っている事に気がついた。
「どうしたの?」
声を掛けられ、後ろを振り向くと
片思いの相手がいて。
『え、あ、傘、忘れちゃって』
好きな人を前に緊張しオドオドする私。
「あー、じゃあ、送って行こうか?俺傘あるし」
『え、いいの!?』
「ん、入りなよ」
好きな人との帰り道。
いつも通っているはずの道が違う世界に見えて。
好きな人と相合傘をするなんて夢のまた夢で、
もしかしたらこれ夢なんじゃない?と頭の中で考える。
「じゃあ、また明日ね」
『あっ、うん!』
気づいたら家についていた。
好きな人と過ごす時間はあっという間で名残惜しいな。
そんな事を考えながら、家のドアを開けようとした時
視界の端で見えた好きな人は肩が濡れていた。
どこかで聞いた事がある。
[相合傘をした時、濡れている方が惚れている]
……まさかね、気使ってくれただけだって。誰にでも優しいし。
ただそういう言葉があるだけで、本当にそうなのかなんて分からないんだから。
自分の中でそう思いながら家の中に入った。
スクールバッグの中に入っている折り畳み傘に
知らないフリをしている私はとっくに彼に惚れ込んでいるのだろう。
「っあー……緊張した……俺変な事言わなかったかな…」
私を家に送ってくれた後、こんな事を呟いている彼の思いを知るのはまた別の話。
君が右側で、僕が左側
いつの間にかそうなって
じゃないと落ち着かなくなった
町を歩くと
僕らは恋人同士のように見え
そこに運よく雨が降れば
僕らは相合傘になる
君が右側で僕が左側
いつの間にかそうなった
相合傘
轟焦凍と相合傘をしたい
わたしは、轟焦凍に好かれていると最近思う
今日も、ガチャポンをやって、
轟焦凍が出た
カプセルラバーマスコットガチャでも、轟焦凍が出て
一番くじでも轟焦凍が2〜3回当たった。
嬉しい限り
1ヶ月前ぐらいに、違う店でヒロアカヴィランおねむたんガチャをして轟焦凍の兄、荼毘が出てコレクション
として飾っている。轟兄弟が揃った。
今日は、運が付いている。
ドトールでも最近のドリンクが出てて、
あと一つしかないデザート[モンブラン]を
頼めれた。
今日は、とても運が良い日。
努力してきて良かった。
・相合傘
『すごい雨だね
傘忘れちゃった
「俺は傘持ってきてたよ
でもこんなに降ると思わなかった
『私さ、好きな人と相合傘するの夢なんだよね
「じゃあ俺とちょっとやってみる?
『いいの?
「うん
一緒に帰ろ
『ねぇ
「ん?
『今夢叶っちゃった
「…!
「俺もおんなじ気持ちだよ
《相合傘》
「はぁ…また雨降ってる…」
「え?!今日の予報雨って言ってたっけ?」
「なんか急に降るかもみたいな予報だったよ」
「うわ〜最悪。傘持ってないよ…」
学校を出ようとした時、私たちは突然の雨に…帰る道を阻まれてしまった。かなり降ってるし、どことなく梅雨を感じさせる。
「どうする?ちょっと雨宿りする?」
「う〜ん、私は傘持ってないけどさ、そっちで実は持ってました〜ってのはない?」
「どうだろ…」
私はガサガサとカバンを漁る。…すると少し小さめだが傘が出てきた。
「あ、あった」
「ナイス!じゃあ一緒に帰ろ!相合傘で」
「小さいから多分どっちも濡れちゃうけど…いい?」
「そう言われるとそうかぁ…」
などと雨が弱まるのを待つかどうかと喋っていたら下駄箱からある男の子が出てきた。途端に彼に目を奪われた。なぜなら…彼は私の好きな人だ。よく見ると傘を持ってなさそうだ。そして手元には傘がある。チャンスではないか?彼と身体的にも精神的にも近づけるのではないか?どうしよう。考えてる内に彼はカバンを頭の上に掲げてダッシュで帰ろうとしている。もう決心しなければならない。よし、声をかけよう…!
「う〜ん、よし!やっぱ相合傘で帰ろ!今度なんか奢るから!」
「………」
「お〜い!」
「…え?あっ…そぅぃぇ…」
「ん?なんか言った?」
「な、な、何でもない!よし、帰ろう!」
…そうだった。私は彼女との相合傘が半ば決まっていた。周りを見ずに突っ走らなくてよかった。危うく友情に亀裂を入れる所だった。
そうして私は恋ではなく友情を取って相合傘で帰った。
No.3 今日のお題:相合傘
これは学生時代の時。
私の彼はとても優しい。雨が降ると必ず傘に入れてくれる。それが嬉しくてつい傘を持っていくのを忘れたり、雨の日がちょっと嬉しい。いわゆる相合傘と言うやつだ。彼と相合傘をするとだいたい彼の肩が濡れる。そんな優しい彼が私は好き。そして彼は私に決まって言うことがある。それは、「風邪ひかないようにね〜」これが彼の口癖だ。そんな彼は今、子供たちに「風邪ひかないようにね〜」と私の手を握りながら隣で言っている。お揃いの結婚指輪をはめて。
相合傘
雨の中
2人で共同な傘に入ること
簡素で密室的な共同空間
最近やった中だと
ワガママハイスペックかな
ギャルゲーだと
漫画なら
ヲタクに恋は難しい
実際の経験的からだと
特に何も思わない
私には人ほどの
パーソナルスペースがない
ほぼ意識しない
そう多分、意識の問題
特別なのは
恋人未満友達以上なら
嫌でも意識するんじゃない
気がつくと触れられて
なんでも無い相手でも
ビックリはするね
記憶にあるのだと
入院中とアルバイト中
ビックリってか身体を離す
如何にも
恋愛的に描かれてそうなお題
普段は中々ない距離感
意識しないほうが可笑しい
んー、何も浮かばない
浮かばないのだけど
悪くはないと思っておく
悪い印象はないし
今日は色々と無理な日だった
相合傘
濡れるから、もう少しこっちに来い!
普段は恥ずかしがって、少し離れて歩く二人ですが、雨の日だけは昔に戻って、くっついて歩幅を合わせて、ゆっくり歩いてくれる。
照れくさいけれど、ほんとはとっても幸せな気分になれる
30年目の夫婦です。
相合傘
今日の天気予報は午後から雨…
いつもの折りたたみ傘持ってきているはずなのに鞄に入っていない。
「おかしいな…」と思いつつ学校の昇降口で雨宿り
友達の傘に入れてもらおうかと思ったけど
私と逆方向の帰り道
「仕方ない」校門に向かって走っていった
しばらくすると誰かについてくる気配に気づく。後ろから傘を差し出され振り返ると
彼がいた事にびっくりする。
「急に現れないでよ」と少しキレ気味に言うと
「この雨で声がかき消されて何度も名前呼んだけど、追いかけてた…ごめん…あと君の傘を隠したの俺なんだ。その相合傘したかったから」
すでに私はびしょ濡れでしばし沈黙…
「あなたが隠したの?馬鹿なの?
相合傘したかったら子供みたいなことしないで直接言って」
少し不機嫌な私だったが彼の子供っぽいところが好きだったりする。
雨が止む気配はないけど不器用な彼の優しさにドキッとしたのは言うまでもない。
相合傘
青春は二度と取り戻せない
だから、今ある瞬間を思いっきり
楽しめ!!
相合傘は、相合傘をする二人の関係性が
だだ漏れてしまうから…
世のカップル、コンビは全員相合傘をしてください。
相合傘…
人生で一度だけ、黒板に相合傘を書かれたことがある。
どうしても意見がぶつかる人がいて、その人の名前と私の名前が並んでいた。
小学生の頃の話だ。
その人とは、ただの友達で、それ以上にはならなかった。
なつかしいなあ…
そういえば、高校卒業したあと、その人を含めた数人で、鯛の活き造りを食べた。
今ごろどうしているかなんて、お互い知るよしもなし。
私達は今も、チョークの線で隔てられたままだ。
「相合傘」
このワードを見て浮かんだのが
誰かと相合傘をした記憶ではなくて
カップルとかが相合傘をしている所を眺めている自分の姿だった。
無意識のうちに自分にとって無縁のもの、憧れはあるけど隣にいてくれる人はいないって刷り込まれてる。
相合傘
あの子はいつも放課後に1人で黒板を使う。細くて白い指はマメだらけで、爪も少し黒くなっている。毎日何時間もシャーペンを握りノートの上を滑る手。この子はあまり目立たない子だから僕に触れるのは毎日この時間だけ。いつも書くのは西日が差し込んで少し色の変わったところ。そっと親指と人差し指と中指が添えられる。7画。7画。一息ついて、控えめに1画。割れないように気をつけてくれる。そういう子。どんな顔して書いてるんだろうな。僕は何度でも君の傘になるけど君を守れはしないから、いつか君が右肩を濡らせますように。
相合傘が本物になりますように。出来れば僕が消えちゃう前にね。
相合傘
雨に濡れないための傘だけど
あなたに傘を傾ける
バレないようにそーっと
自分が濡れても構わない
片方だけ肩が冷えるけどまぁいいか
今まであまり恋愛経験がない私だが
1つだけ後悔していることがある。
あのとき告白していればなにか変わってたのかな
と私はときどき思う。
私は小学生になってすぐ近所の男の子のことが好きになった。その男の子は、放課後に毎日一緒に家で遊ぶほど仲が良かった。本格的に意識し始めたのは高学年になってからだった。その子も私のことが好きだと噂が流れた。でもそのときには恥ずかしくてあまり会話もしなくなっていた。
何度も告白しようかと思ったが先延ばしにしてしまった。結局気持ちを伝えられずに小学校を卒業した。
中学校では一切話さなくなり私の気持ちも冷めてしまっていた。
高校は別になったが家が近所のこともあり、コンビニですれ違うことがたびたびあった。
しかし、ある日彼が女の子と歩いているのをみた。
告白していれば隣にいるのは自分だったのかな。
結局私は彼を諦めきれていなかったらしい。
今でも、買ってもらったばかりの折りたたみ傘で相合傘をしながら家に帰ったことを夢に見る。
題【相合傘】
(この話はフィクションです!!)
今日、私は、人生初の相合傘をしています!?
何で?と聞かれると困ります!
だって、傘がなくて困っていたら、後ろから、「家が近いから送ってあげる。」と言われて。
緊張しながら帰っています。
どうしよう!
周りの女の子に、噂話をされそうな雰囲気!
みなさんなら、この時どうしますか?
雨粒が単調に窓を流れていく。老人はソファにゆったりと座り雨の音をそっと聞く。孤独という名の雨音が耳に響く。彼の意識は半世紀前の記憶へと遡る。
今、その老人は15歳の少年に返っている。少年は初恋の美しい少女と、ひとつの傘の下でどこか夕暮れを歩いている。彼女と寄り添いながら一日の出来事を語り合う。幸せな雨の匂いがただよう。
しかし、彼女はいつしか孫の話を始める。少年が彼女を見ると、そこには艶やかな黒髪の少女ではなく白髪の見知らぬ女性がいた。そして彼自身もまた老人の姿に戻っていた。
幸福な雨も隣を歩く相手も一瞬にして消えてしまう。どうやら老人はうたた寝をしていたようだ。
老人の孤独とは、たとえば月の裏側を相合傘で歩くような幻想をいだかせるものなのかもしれない。
「相合傘」
紫陽花に傘を傾けて、そっと花を食んだ。
〈相合傘〉
雨の日。
ぱらぱらと傘に当たる雨の音を聞き流しながら、
学校に行く道とは反対を歩いていく。
雨の日は少し投げやりで、少し落ち着く。
今日はそんな気持ちに従うまま
普段通らない道を、普段通らない時間に歩く。
今は化学の授業をしている頃だろうか。
近くを通る用水路の水は濁っていた。
雨で歩いている人もほとんど居ないから
訝しまれるような視線もない。
私だけがこの世界にいるみたい。
そうだったらよかったのかな。
暫く歩いていると雨が大粒になってきた。
ぼたぼた、ばらばらと傘に当たる。
嬉しいことに風は無い。
雨のカーテンに包まれるよう。
もう用水路の水は溢れそうだった。
水が溢れて、そのまま自分を何処かに
連れて行ってくれないかな、なんて。
水が流れているところをぼーっと見ていたら
ふと視界に青色が映る。
目線を向けてみるとそれは紫陽花だった。
近寄って傘を紫陽花に傾け、しゃがんで見る。
それは青い紫陽花だった。
死体でも埋まっているのかと思うくらい
青い、青い、紫陽花だった。
地面を一瞥してみたけど。
埋まっているのだろうか。
顔を寄せて紫陽花をじっと見てみるけれど、
認識出来たのはただ青いということだけだった。
水滴が紫陽花を飾っている。
きらきら、きらきらと。
そういえば、
紫陽花には毒があるのを思い出した。
青い花をもいで、食む。
美味しくない。
これで私は死んでしまうのだろうか。
こんな少しで死んでしまうわけないって
思うけれど、その反面、もしを期待してる私もいる。
死にたいわけじゃないから、一花しか食まない。
なにか変化を期待するから、一花食んだ。
暫く紫陽花を見て、立ち上がってまた歩き出す。
雨は弱まって、ぱらぱらと傘に当たる。
すこし透明な気持ちで、まだ止みそうにない
雨の中を歩いていく。