『相合傘』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#相合傘
憂鬱な雨の日も
連れと
あれやこれやと他愛もない話をして
歩く雨道もをかし
ショコラ
【相合傘】
「今日雨みたいだけど、どうする?」
というあなたからのライン。私は「会いたい」と返す。久しぶりにあなたに会える、今日は雨だった。
お気に入りの淡いブルーの長傘に、黒い網上のレインブーツ。低気圧で頭が重くても、お気に入りの傘で、自分のための青空を広げる。
駅前でふと見回すと、人がみんなカラフルな点のように見えてくる。淡いピンク、シックなブラック、キラキラしたユニコーンカラー、透明なビニール。
レインブーツをパタパタさせながら、傘の柄を時たま持ち替えて、あなたの姿を待つ。
「お待たせ」
水色の傘だから、すぐわかった、と笑うあなたの差す傘はネイビーブルーで、まるで新月の空みたいに見えた。その隣を、空色の傘の私が歩いていく。
どちらか片方の傘に入るのは、私たちらしくない。それぞれの傘で、隣に立って歩きたい。それも愛だから。
二人で帰ろうとしたら、突然の雨に降られてしまった。傘も持っていないし、どうしようかとデパートで雨宿りしながら考えていた。
「少し待っていてくれませんか?」
「うん、いいよ」
そう言って、何かを思いついたような彼は店の中へ向かっていった。入口で少し待っていると、彼が大きめの傘を買って戻ってきた。
「わざわざ傘買ったの?」
「はい、ちょうど買い換えたかったので」
さぁ行きましょう、と手を引く彼と外へ出て、相合傘をしてもらった。買ってきた傘はかなり大きめで、相合傘をするには丁度いい大きさだった。
「もっとこっちへ寄ってください。大切な貴方が濡れてしまいますから」
そう言って、彼は私の肩を抱き寄せた。心なしか、傘もこちらへ傾けてくれている気がする。これじゃあなたが濡れちゃうよ、と声をかけても貴方を守れればそれでいいんです、と返されてしまった。そんな紳士的な彼に惚れ直しながら、もっとこのまま歩いていたいと思ってしまう私だった。
テーマ「相合傘」
風で糸が泳ぐ、手袋。赤い毛糸。白い毛糸。冬って、なんでこんなに赤が似合うのかな。
自分で編んだから少し緩いし、柄も頑張ったけどよれちゃった。でもその不格好な部分がかえって愛しい。
空に手をかざしながら歩いていたら、背後から背中を叩かれた。
大地がわたしを追い越していく。地面、凍結してるのに。今はもう降ってないけど、昨日の夜から今朝まで降っていた雪が、まだ街を白く染めているのに。
マフラーも巻かずに笑ってる。今朝は、耳が緊張するほど寒いのに。強いなあ。元サッカー部だから寒さには慣れてるのかな。
坂本くんが軽装の大地を見て呆れてる。風邪ひくよって言ってあげてほしい。そこまで言っても、大地はどうせ聞かないんだろうけど。
高校生活はあと3ヶ月で終わってしまう。3年生でやっと同じクラスになれて、心底嬉しかったのに。いつの間にかお別れが近づいている。
あっという間だった。
大地と、前よりは仲良くなれたと思うけど、期待していたほどは仲良くなれなかった。
麻子はわたしに、バレンタインに勝負しろって言った。でも、勇気が出ない。自分が大地の特別になれるなんて思えない。
大地が話しかけてくれるたびに、わたしはいっそ今言ってしまおうか、と思う。でもいつも言えない。気持ちを告白してぎこちなくなってしまうくらいなら、このまま、楽しく話せる距離感を維持していたい。
臆病だなあ、わたし。
窓の外を雪が落ちていく。また降り始めた。わたしは机に頬杖をついて、白に支配されていく校庭を見る。寒がりだから、冬はあんまり好きじゃない。なんとなく寂しくなるし。遊びに行くのだって大変だし。
早く帰って家で温まりたかったのに、長引いた委員会で、先生にさらに用事を言いつけられてしまった。
やっと終わって下駄箱にたどり着いたのに、雪の勢いがますます強くなっているのを見て、がっくりしてしまう。
「はあ」
誰もいないと思って、ため息を落とした。すると名前を呼ばれた。びっくりして顔を上げると、大地がわたしを見て立っていた。
もうとっくに帰ったもんだと思ってた。
大地が見るからに雪を嫌がってるわたしを見て笑った。わたしは言い返した。また笑われた。
大地の手は寒さで白くなっている。マフラーも手袋もないなんて信じられなくて、見ているだけでこっちが寒くなって、わたしは自分の手袋を大地に貸してあげた。
サイズは少し大きめに作ったので、大地の手でも十分に温めることができた。大地は温かいと喜んだ。ほら寒かったんじゃん、ってわたしも笑った。
わたしはマフラーを少し引っ張って、首元をしっかり隠して外を見据えた。大地はわたしの隣に立って、鞄をゴソゴソ探っている。
飴でもくれるのかな、と期待した。それより、わたしの方こそ、この手袋を大地にあげてしまおうか。でも持って帰られて、不格好さに気づかれたら恥ずかしいな。
ちらちら見ているわたしに気づいて、大地は仕方ないなあと言った。はてなを浮かべるわたしを置いて、先に外へ立った。
音が消える雪の中で、バサリと傘が開いた。ほろほろと白が振り落ちていく外で、大地は黒い傘を差して、わたしに入っていけよと言った。
家まで送ってくれるという大地に甘えて、わたしはその傘に入れてもらった。肩が触れ合って、少し歩きづらくて、静寂の中で、大地の声しか聞こえなくて、緊張した。
世界が遠ざかる。わたしたちだけしか存在していないみたいだ。大地の声にもどこか硬い響きがある。言いたくて言いたくてしょうがない言葉が、喉まで出かかっている。
傘は持ってるんだね、とおどけたら、大地が止まった。つられてわたしも立ち止まった。見上げた先にある大地の瞳が、真剣な色を映している。
相合傘
「あ、雨だ」
「えっ、私傘持ってない」
「入る?」
そんなやり取りをよく友達としていたのを思い出す。
私が貸すことも、借りることもあった。
結局、家につく頃には二人とも濡れてたっけ。
でも、楽しかった。
二人共傘があると、距離があいて話しづらいけど、
相合傘ならいつも通り話しながら帰れるから。
一つのものと一つのものがそこにあれば、必然的に二つになる。どれだけ小さな子どもに問うたところで、この答えは変わらない。
だがしかし、一人の人間が想像でもう一人と対面する時、果たしてどうなるだろうか。
消えてしまった存在。目を閉じれば温かさも声も目線も全て思い出せるのに、昨日まで触れられたのに、いなくなってしまった存在。
いつも並んで腰掛けていたベッドにはまだ温もりを残したくぼみがあると言うのに。まるで透明人間になっただけかのように、部屋には生々しさが残っているのに。
ねぇ青兄、俺、1+1も分からなくなっちゃったよ。貴方だけが、足りないよ。
お題:『1+1=1』
相合傘
雨の日の思い出ではないけれど
雪の日の相合傘の思い出がある
春近く
まさかこんなに降るとは
そんなぼたん雪
学校は休みで
生徒の姿は少なく
ましてバスを待つ生徒は
もっと少ない
傘もなく
帽子もない
うつむいて
顔に吹き付ける雪を
避けるくらいしかない
そのとき
そっと傘をさしかけてくれたのは
学年が同じというくらいしか
接点のない男子生徒
顔は知ってる
きっと向こうもその程度の認識
でもきっとわたし
すごく情けない顔して
立ってたんだと思う
ありがとう
うれしい
そんな会話をしたと思う
よく知らない男の子と
予期せぬ相合傘
ときめきより
情が身にしみた
そんな雪の日の思い出
相合い傘、、、そもそも、傘自体、最近はあまりさしていない。最後にさしたのは、いつだったか――数ヶ月前ではないか。今年に入って、さした覚えが、ない。
しかし、相合い傘とはまた、僕と無関係なお題だ。一度だけ、友達の傘に無理矢理入ったことがある。、、、とても小さな傘だった。別に、相合い傘=恋愛ではないのだ。
では、なぜ相合い傘が恋愛と結び付けられるのか。僕には分からない。
――もう、考えるのは、やめよう。
相合傘
私は推しが部活の先輩だから
先輩と相合傘がしたいけど
先輩が入れてくれないし
他の人の傘に入っちゃう
あと一年
相合傘出来るかな?
いや
する!
相合傘
したことなーい
リア充、よくわかんなーい
(誰か相合傘してくださーい、)
後者の入り口で、雨が止むのを待っている生徒。……俺の元カノ。中一から付き合って、高三になった先月別れたばかり。理由は将来が不安だから、だったような気がする。友達に戻りたいって言われて、三日間話し合って俺が折れた。
「…………傘、忘れたのか」
「……うん」
「…………貸してやろうか?」
「……ううん、走って帰る」
「馬鹿、風邪引くだろ」
「………………うん」
「…………ほら、貸してやる」
「……返すのだるい」
「………………一緒に帰るか」
「……………………うん」
変な関係性だとは思ってる。普通元カノを家まで送って行くなんて有り得ないだろう。別に喧嘩別れした訳でも価値観が合わなくて別れた訳でもない。ただコイツにあまりにも別れたいと言われて心が折れた。
コイツの家が近づいてくる。やっぱり俺は、まだ。
「……なぁ、ウザくてごめん。やっぱ俺、」
「ごめんなさい」
「…………嫌いになったなら嫌いってはっきり言ってくれ」
「…………すき、好きだよ、まだ大好き」
「じゃあ何で」
「……送ってくれてありがと。出会えて良かった」
雨とアイツの涙が混ざって頬をつたる。ばたりと閉まった扉を開ける勇気が俺にはなかった。
1ヶ月後。急にアイツの両親が俺の家にやってきた。なにか恨まれるような事……したかもしれない。未練がまし過ぎた?付き合っている時はきちんと丁寧なお付き合いをしていたはず。何を言いに、今更。
「……昨日、𓏸𓏸が旅立ったわ。あの子の事最後まで大切にしてくれてありがとう」
「………………え?」
……急死だったらしい。元々難病を抱えていて、昨日の夜体調が急変してしまったとの事だ。俺と別れると言ったのも、自分の寿命が短いと分かっていたからなのだろう。
「これ、貴方にあの子から手紙」
アイツの両親から渡されたのはきちんとテープで止めてある封筒。表紙に俺宛と書いてある。ご両親が帰られた後、びり、と封を開ける。
××へ
××と出会えてよかった。最後に相合傘出来て嬉しかった。本当にありがとう。
大好きでした。素敵な人を見つけてね。
手紙にポタリと水滴が落ちた。
『相合傘』
相合傘
推し力士と蛇の目傘で相合傘をしてツーショット写真を撮りたい。実現できたら半年はルンルン🎶で過ごせる。。
相合傘
突然の雨に傘を広げ寄り添う私たち。
彼の肩が歩くたびに触れ合う。
彼は私を濡らさぬよう、自らの肩を濡らす。
その気遣いを全身で感じて、私は火照る。
顔が熱い。
『大丈夫?』
『あ、うん!大丈夫!ありがとう。』
雨が止んで欲しい。
でもあなたとはこのまま一緒に居たい。
相合い傘って なんかいいな
相合い傘で 思い出した
前にも 書いたけど Orangeって漫画の話
その漫画で 相合い傘のシーンがあるのだ
主人公の友達が 主人公の女の子
菜穂と (たしか そんな名前だったはず)
菜穂の好きな男の子の翔を
もっと 仲良くなれるように
なかば 強引に 相合い傘で 帰るように
仕向けるのだ
2人は 相合い傘で帰るけど
菜穂は 恥ずかしがって 翔と少し
離れて歩く なので 肩が濡れてしまう
相合い傘で よくあることだろうな
俺だったら 好きな女の子が 濡れないように
傘を傾けて 歩くだろうなと
少し 想像してみた
わたしと君は相合傘のようにこれからもずっと一緒でありますように
禁断の恋であり、遠距離…
寂しくてもやさしくその穴を埋めてくれる君
どんなときも手を差し伸べてくれる君
この先どうなるかもわかんない
だけど好きって気持ちがあれば何があっても君と一緒に支え合えれるはず
君が好き
あっつ〜!と思ったら隣の影が伸び私を覆い隠した。
「良ければここらでひと休みしましょうか?」
もうそんな時間かと横を見ると、西陽を受けて輝いている髪の毛が時間の流れを操作しているように見えた。
荷物まで持ってくれて
私の肩が濡れないように
傘をさしてくれて
そして、
危なくないように車道を歩いてくれる貴方
でも、
私はそんな可愛らしい女じゃないのよね
貴方がいない時は、
米30キロを2袋持って駐車場の端まで歩くし
土砂降りの中走ってアイス欲しさにコンビニに行く
貴方の優しさに甘えたくて
か弱いふりをしているだけ
傘に隠れて抱き寄せてくれる悪戯な笑顔に
あぁ私、女なんだなぁと満たされている
相合傘
そういえば
あったね
黒板の隅に
授業が始まる時
先生が無表情で
スッと消す
他のことは
全然思い出せないけど
先生の無表情な横顔だけ
浮かんできた
記憶って不思議
相合傘
相合傘。
若い頃には憧れた者もいるだろう。
かくいう私もその1人だ。
今では憧れも薄れていたが、まさか相合傘をする日が来ようとは。
傘を私しか持っておらず、短い距離であったためだ。
お互い恋情はない。
知人として少なからず好意はあるが、少々気まずい。
そして、どうせなら異性が良かったと思う自分がいる。
二人で1本の傘を差すこと。 多く、男女の場合についていう。 相傘 (あいがさ) 。 最合 (もや) い傘。