『病室』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
病室は、大人になってから学んでみたかった事を学ぶチャンスの場。
病気の心配、手術の心配をする時間も、学ぶ時間も同じ時間。
同じ時間ならポジティブが良い。
病室
ここは命を枯らしも引き止めもする
貴方と私は細い根のような管で茶番を続けて
毎日花を持ってきても私は貴方が好きだった華やかさは見る影もないのに
お互いに見えない枷をくくりつけて
お互いに見離せないものだから
四角い部屋の白い部屋でのお人形劇
貴方は見えるはずの赤い管は外してくれない
私は見えないから赤い糸は切れない
→短編・ほんのり怖い
ベッドの上は安全地帯。
シーツの中は私の領域。
はみ出さないようにシーツにくるまる。
耳なし芳一を教訓に、隠し忘れがないように、自分の一部が欠けちゃわないように、慎重に慎重に自分を包む。
そんな子ども時代の恐怖防壁を思い出す。
病院の夜。
静かなようで何処からか音が聞こえる。
暗いようで明るい。ホテルとは違う匂い。
初めての入院。
慣れない雰囲気。
何があるわけでもないんだけど……―って! いやいやいや、6人部屋なのに、何故に私一人の摩訶不思議。
間仕切りカーテン、閉めても開けてもなんか怖い。空のベッド5台vs 私のベッドっていう、圧倒的ボッチ感。
映画館で一人だったら、金持ちシアター気分だけどさ。
これは、ムリ。
余計な恐怖がヒタヒタすり寄ってくる。
あぁぁ、あと二夜。ここで過ごすのかぁ。
シーツ丸かぶりで、乗り切れ、私!
テーマ; 病室
本日のお題は『病室』でしたね。
皆さんは、『病室』と聞いて何を思い浮かべますか?
真白な部屋、消毒液の匂い、お見舞いの品々、真白なベッド、小さなテレビ、点滴、車椅子など様々な物やイメージが枠と思います。また、大切な家族や友人、恋人などを想う人もいるでしょう。
私も家族が入院していた頃の記憶が想い起こされます。それと同じくらい想い起こされるのが、今まで出会ってきた患者さん方です。
私は、まだ学生なので多く関わることは出来ていません。しかし、各領域でいろんな体験、出会い、関わりがありました。
そのため、私にとって『病室』とは、出会いの場であるような感覚があります。その人が "今“求めていること困っていること、この先直面するかもしれない不安や悩みについて一緒に考えてきたあの空間を想います。
「病室」
決して好きでいる訳じゃない。
ここから見える景色も。
いつか この景色を近くで見たいと思っている。
いつか あの子とあの場所を歩きたいと思っている。
いつになるか分からないから。
もし願いが叶うのなら
もう少し頑張ってみよう。
今日も一日頑張った。
また明日も頑張ろう。
自分とあの子のために。
病室
「消えてしまいたい。」
そう言ったらみんな心配してくれると思った。
なのに私は今真っ白な部屋にいて、
みんなに会えるのはほんの数時間、
人生で一番つまんないと思う。
そんなことにならないように、
私もうちょっと頑張るんだ。
病室
ここは私の知ってる世界の全てと言えるかもしれない。
もちろん窓から外の世界を見たことはある。けれど、私は生まれてからこの病院を出たことがない。ここから出たことがないから、それが不便だとも思ったことはない。私の家は貴族の家系らしく、私が欲しいと言ったものを持ってきてくれるし、話し相手もいる。患者は今の所私だけだけど。じゃぁ話し相手は看護師さんとか?と思ったかもしれないが、看護師さんはほとんど毎日違う方が来るから、仲良くなれないの。『コンコン』ほら、そんなこと言ってたら今日も彼が来たわ。
「どうぞ」私が答えるとその人は入ってきた。
「おはよ!今日も来たよ。来るのが遅くなってごめんね?」そんなことを言っている彼はアデル。正直もう少し静かにしてほしいとは思っていたりする。彼とはたまたま1ヶ月ほど前に病院内で知り合って、それからほぼ毎日話し相手になりに来てくれてるのだ。彼がいたら別に病院から出られなくてもいいかなとあらためて思っていた。
「別に待ってないから遅くてもいいわよ」
「相変わらずつめたいね〜」苦笑しながら彼は言う。
「何か文句あるの?」
「いーやなんにもないよ。何を言っても君にはかなわないからね」
「わかってるならいいわよ」
自分でもわかってる。彼につめたく接してること。けど、普通に接しようとしてもできないの。
私は彼が好きだから。
会う人が少ないからそう思ってるだけだと思われるかもしれないけど、それでも好きなのだ。こんな話し方も嫌われるってわかってるけどそれでも好き。
いつもたった30分の彼といれる時間が今の私の生きがいだ。
「それじゃ、僕帰るね。ばいばい!」
「ばいばい、また明日ね」
彼が帰って私はふと気がついた。いつもはまた明日!と返してくれる彼がいってくれなかった。
まぁ、私の考えすぎよね。
その日の朝、いつもより早く目が覚めたので、私はカーテンと窓を開けた。夏なのにも関わらず、涼しい風がいっきに入ってくる。ぱらぱらと本のページがめくられ、つけていたピンが庭に落ちる。あっと思い、下を見ると、そこには色とりどりの花が咲き乱れているはずなのに、一部が赤黒く染まっていた。頭が真っ白になる中、私は病室のベルを鳴らした。すぐに看護師さんに伝え、昼頃になると、何事もなかったかのようにその場は元通りになっていた。昼食を持ってきてくれた看護師さんにあの場はどうなったのか、何があったのかを聞いてみると、
「聞かないほうがよろしいかと思います。」
「驚かないから教えて。」
この調子で私が必ず聞こうとしていると、少しだけ看護師さんは話してくれた。
「ある一人の青年が屋上から飛び降りたのです。」と、一言だけ言ったのだ。
「そうなのね、教えてくれてありがとう。」
そんな不吉なことが起こったのかと、その時は安らかに眠ってくれたらとだけ思っていた。
けれど、その日から彼、アデルが来ることはなくなった。誰も何も言わなかったが、なくなった青年とは彼のことだったのかもしれない。これから私は何を生きがいにすればいいのだろう。一人で病室にいると考えてしまうので、私は病院内をうろうろしていた。すると私は聞いてしまった。
「やっぱり皇女様には関わっちゃいけないのよ。皇女様関わったら私達も死んでしまう。」
「きっと私達もああなってしまうのよ」
「この国のたった一人の皇女様だから仕えてるけれど、やっぱり逃げたほうがいいのかな…」
「でもその後無事逃げれた人っていないよね」
「どこでこの話を誰かに言うかわからないもんね」
『バタンッ』
私は自分の病室、いや、病院だと言われ、思っていた場所の自分の部屋へ逃げた。
「嘘でしょ…」
私に関わった人が死ぬだなんて。信じられないが、信じざる負えない。毎日違う看護師さんいや、使用人さん。この建物から出てはいけない私。それに、私のせいで死んだアデル。
愛していた貴方を失った私は生きる意味を失った。
貴方につめたく接してしまってごめんなさい。貴方を殺してしまってごめんなさい。
貴方は私なんかに会いたくないと思うけど、これは私にできるたった一つの償いなの。許して。
さようなら。私の世界。
2024/8月2日 No.3
病室
こんなに夜が冷たかったなんて、
こんなに夜が寂しかったなんて、
考えたこともなかった。
なんで早く気づけなかったんだろう。
君はとっても優しかった。
だから俺に心配を掛けたくなかった。
考えればわかる事、なんで早く気づかなかったんだろう
君にとって俺はなんだったのか?
君のことを当たり前だと思っていた、
居なくなるだなんて考えたくなかった。
いや、考えもしなかった。
俺は泣きながら、冷たい君を抱きしめた。
「愛してる」
そう言うと、いつものように耳元で
「愛してる。」
君の可愛らしい声で、
そう聞こえたのは気のせいだろうか。
あんまり行きたい場所じゃない。
自分も、お見舞いも。
そこにいることを怒られてるような気になるし。
その場の気に飲まれてしまうのが嫌だなぁ。
五
空の高さに、雲の形に四季を感じる
希くはいつか窓の向こうへ
「病室」
色んな病室を見てきた。
私物をいっぱい持ち込んで、自分が過ごしやすいようにカスタマイズしてある部屋。
機械とそれに繋がるコードか床いっぱいに広がっている部屋。
ベッドの周りにぬいぐるみや家族の写真がいくつも並んでる部屋。
勝手が分からず全部新品で揃えた部屋。
スタッフが使う消耗品と器具がいっぱい置かれた物々しい部屋。
フィクションの中の病室は、どこか無機質なものが多いけど、現実はそうじゃない。
人の数だけ病室の空気や色も違って、印象も違う。
その一つ一つに、病魔に抗う物語があるのだ。
END
「病室」
夜中になると急に叫びたくなる。
身体を上下左右に動かせたくなる。
胸騒ぎがしたくなる。
腕は胸を叩きたくなる。
頭がぼうっとなりたくなる。
何も考えたくなくなる。
心が身体に動かされたくなる。
wantが無くなる。終止形になる。
僕は早く朝になって欲しいと願う。
_病室
病室。
病室って目に見える病気とかで入院する人もいれば
目に見えない病気を持ってる人も入院する場所だよね。
(多分また編集します)
積極的に一人を望んだくせに
あまりに独りで、
人はいるのに、誰もいないみたいだった。
【病室】
精神科の病室は何も出来ない
できることはできるけど
持ち物、服装、何もかもに制限ばかり
趣味も楽しめないし
好きな服も着られない
病室代もかかるし
お金かけて嫌なことするよりさ
無料で制限された自由の中を
楽しむ方がよくない?いいでしょ
『病室』
窓から見る外の景色は
灰色みたいに味気なかった
3年間君はここで僕を待ってたんだね
ごめん。
君のもとに行くのは
もう少し時間が必要みたい
病室に入るのは好きじゃない。
正月や盆に親戚の家にいる感覚に似ている。
どんなに身内でもあの空間が何親等も距離を遠くする、話すのに覚悟がいる、一歩一歩に確実に音がある。
おばあちゃん、元気?
自分の声が自分でない、どうしても目の前の祖母より遠い過去の祖母が脳を通して見えてくる。
ああ、だから嫌なんだ。
目の前の光景より脳内の記憶に負ける自分が非道く醜く感じるから
病室
最近自分の中での「すべきこと」の価値が揺らいできている。毎日学校へ行き、授業を受け、帰宅する。繰り返す日々。「なんの意味が?」「なんの為に?」わからないまま日々が過ぎていった。
ある日の放課後、私は今日締め切りだったプリントを提出し忘れ再登校をさせられていた。校門へ行き、階段を上り、職員室へ向かう。その時、ピアノの音が聞こえた。
どこからだろうと周囲を見渡すと、普段閉まっている体育館の扉が開いていた。私はプリントの事を忘れ、微かに聞こえる音色に心を奪われ、気が付いたら体育館へ足が動いていた。
体育館に付くと、1人の女子がピアノを弾いていた。
その音色は美しく、私の心を釘付けにした。(容姿も完璧)曲は私が今弾いている曲と同じ
「ベートーヴェンソナタ5番op 10 1 第1楽章」
だった。私はその繊細さに惹かれた。強弱がはっきりしていて、オクターブも頑張っている。
なんて、素晴らしい人なんだろうと私は心から思った。
この時私は気がついた。私はピアノが好きでピアノを弾くために毎日が繰り返されているんだと。(?)
そんな叶わない夢を見て、私は今日も病室の薄暗い空間で1日を過ごした。
「病室」
私は病室から出たいと思っている。いつかそんな日がくるといいな。と窓から見える景色を見て思う。
病室で過ごした17歳の夏。
そこだけぽっかりと、別の世界のようだった。
その年も確かオリンピックイヤーでラジオで聴いた覚えがある。
部活の大会、受験勉強、文化祭の準備。
そんなものとは無縁の病室。
病棟で私は最年少という事もあって、何かと歳上の患者さんに優しくしてもらえた。
医者も看護師もプロだった。
それまで学校生活の狭い世界しか知らなかった私。
色んな人がいるんだな。
翌年復学した時には少しだけ大人になれていた気がした。