『理想郷』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
理想郷。そんな名前の小説投稿サイトがあったな。今もあるのかな。
昔そのサイトでなにか読んでいた記憶があるけどほとんど覚えていない。
小説投稿サイトといったらやっぱりなろうが一番有名だろう。年を取ってからはめっきり小説を読まなくなってなろうも覗かなくなった。
なんか最近はなろうが女性向けの作品ばっかりになってるみたいだな。それを聞いてちょっとランキングを見に行ったことがあるけど確かに女性向けっぽいのが多かった。
小説投稿サイトとして今最も熱いのはどこなんだろう。最近なんかカクヨムの名前を聞くことも多くなったけど。
でもやっぱりなろうなのかな。もはやジャンルにもなった一大サイトって感じだもんんな。
なろうの名前が欲しくてなろうに投稿する人も多いだろう。漫画で言うならジャンプみたいなものだ。
ネームバリューを求めて客が来るから自ずと作者も集まる。好循環ってやつだな。
みんなが笑っているような。
みんなが悲しむことのない世界を。
誰も傷付くことのない、命が失われることもない。
雨ではなく飴が降ったり、きらきらした虹がかかったり、気持ちがさっぱり晴れるような空が見える。
誰もが過ごしやすい気候で、いつもゆったり好きなことができる。
綺麗なものだけ見ていられる。
そんな世界に生きたかった。
『理想郷』
完全で完璧
そんな世界があるのなら
わたしは解放されるのだろうか
『理想郷』2023,11,01
手の届かない夢は欠けたりしない。背中合わせに辿り着いた仮想はかつての姿を失って、もう一つの現実としてまた眼前を覆うようだった。夢の欠片で手を切って、その傷が中々治らないことを、現実を知ったと呼ぶのはあんまり好きじゃない。たぶん夢を見るのが下手になっただけだ。痛いのは嫌いだったような気がするけれど、今ではなんだかそうでもなかった。星に手を伸ばしては落としてしまう人間たちに、決して手の届かない一等星がありますように。全ては遠き理想郷。そういうやさしさがあるって思う。永遠に。
理想郷
森の中
自然と共存
静かにおだやかに暮らす
生き物達のあいだに争いはない
心に波のない世界
あなたの理想はなに?
君だけの理想郷を作ってさ
僕もそこに連れてって
僕の君の理想に寄り添いたい
理想郷
新しい家族のカタチ
新しい人間関係のカタチ
言葉なんてなくても
通じ合える
美しいカタチ
生きモノ全てと人形たちと
心かよえる場所
それがワタシの理想郷
ぬいぐるみじゃありません
家族なんです
彼らはワタシの中で確かに生きている
認め会える世界
それがらワタシの求めている理想郷
風のいろ
君さえ居ればいいと、そう決めた。
君が幸せでいられるのなら、他の全ては些末なこと。
君の何気ない明日のため、僕の全てを捧げると。
それが私の、一番の幸せだと。
そう決めた、筈なのに。
目まぐるしく動く視界の中、知らない筈の君の笑顔が浮かんで消えない。
ねぇ、その顔は誰に向けたものだったっけ。
本来なら、隣に、僕が。
そこには確かに、有限かつ微かな光があった筈で。
一粒の雫が、重力に逆らって離れてゆく。
本当に、本当にこれで良かった?
私は、僕は、幸せか?
あぁ、出来ることならもう一度、君と。
理想郷の完成まで、あと10cm。
【理想郷】
「理想郷」
何もせずに自由に暮らせる場所が理想郷だ。
気ままに、悩みがない場所で、悠々自適に暮らしている。
[理想郷]
いつもそばにいて
一番に考えてくれる
そんなあなたを見たくて夢につく
目が覚めて、ふと見回しても
そばにいなくて
実際に留学生を受け入れる前は、期待70、不安30くらいだった。うちは狭い、小さい、家族は多いで、どうなることかと思ったが、あと1ヶ月となった今、なんとかなるさと思うように務めることにした。
炬燵、もたれ掛かるためのビーズクッション。スマホの充電器も延長コードでめいっぱい近づけている。大容量の魔法瓶に熱いコーヒーをたっぷり注いで、お菓子も甘いものとしょっぱいものを用意してある。積んであった本を数冊と、読み返したかった漫画、どこでも遊べる家庭用ゲーム機で抜かりはない。
これが私の理想郷。完璧な楽園。
そこを踏みにじる、突然の尿意。
理想郷
理想郷というものが存在していると信じていたころは、理想ばかりを追い求めていた。
少なくとも私にとっての理想郷など存在しないのだと知った日からは、現実を見るのをやめた。
理想は理想。あくまでも理想。
できる範囲で手を伸ばさなければ崩れてしまう。
あれこれやっても理想には届かない。
理想は理想。
『理想郷』
人類が宇宙に到達してから約1000年が経過した。地球では環境問題解決の目処は全く立たず、生物は減少。資源争いは激化し、殺し合い、誰も希望を持たないそんな時代は50年続いた。未来への希望など無い時代なのに、子供を作るバカな人間は沢山いるもので、誰もがこんな時代に産まれたくなかったと親を憎み、神を憎み、神を信じる宗教は終わり神を憎む宗教が始まった。
人類の希望は最早地球には無い。神を憎む宗教は地球を憎む宗教へと変わり、信仰は宇宙へと移った。誰もが、資源に溢れたあるかも分からない「青い惑星」を信じ、昔信仰されていた「神」という言葉は、「青い惑星」へと置き換わった。
世界中が貧困状態になり、社会システムは破綻した。学校や医療はなくなり他者を助ける余裕があるものなどいない。自助努力という名の不寛容が広まった。学校システムが無くなった世の中でも、勉学を続けようとする人間はいる。僕等がそうだ。18世紀の植物学者、リンネが人類をHomo sapiens、英知人と定義したのは正しかったのかも知れない。
自国を統治する者がいなくなり、他国による主権、領土争いの結末として、何処ぞの国により戯れに核が落とされ国土の3分の2が汚染され、全ての国に見放された旧国、ジャポネ。約300年前、3分の1残った土地にIQの高い者10名で渡航し、誰にも干渉されずただ勉学をするという村を作り上げた。それが僕のルーツである人々だ。
この村では、食料を自分達で作る完全なる自給自足が行われている。この村の人口は徹底的に管理され、10人を保つ。年老いたものは5年をかけてその人生で得た知恵や経験の重要な部分を記録としてデータ化する。そして、新たに誕生した若い者へ移植し、その後安楽死する。さながら、ロケットペンシルのようなシステムである。
この他にも、村には徹底したシステムがある。まず、僕に母親はいない。村にいる者の優秀な遺伝子(優秀な免疫力、優秀な知力、優秀な肉体etc……)を集められて創造されたのが僕であり、この村の住人である。そして僕たちを産んだのは村で飼われる豚のP856である。だから便宜上、僕の産みの親は豚という事だ。
僕たちは産まれた時から一つの「やるべき事」を胸に抱いている。先人達による知恵、思考を受け継ぎ、一つの目的の為だけに生きる。それが僕たちである。Oneは、食料の確保、Twoは知恵の支えである記録の作成、Threeは食料の管理、Fourは文書の管理、Fiveは次の住民の誕生・安楽死システムの管理、SixはからNineは他国への渡航と資材の確保。そして僕は「青い星」の探索。僕の生きる意味だ。
僕がロケットに乗り、宇宙へ行くのもこれで2桁になる。とは言っても、僕には過去の記録と経験がある為、不安などは1回目からなかったが。
ロケットの窓から見える風景には変わり映えがない。殆どが岩クズ、燃える惑星、ガスの惑星で青は皆無だ。
現在まで受け継がれる長い長い宇宙探索の中で、僕等は太陽と酷似した惑星を8つ見つけた。
もし、本当に地球に酷似した惑星があるとするならば、太陽に酷似した惑星の周囲を公転する天体のうちに有るだろうという仮説を立て、我々の調査は主にN太陽(太陽に酷似した惑星たち)の発見とその太陽系に属する惑星の探索となっている。
N太陽系の調査は比較的楽である。N太陽系の直径は約74億キロ〜82億キロ程度である為、何処まで続くのか、終わりが何処なのかが明確だからだ。しかし、N太陽自体を見つけることは骨が折れる。宇宙を漠然とフラフラするより他に方法がないからである。
前々回の探索でやっと見つけた8つめのN太陽。頼むからこの中に青い星があって欲しいと願いながら、窓の外に目を凝らす。
唐突に、オレンジ色の閃光が視界を横切った。あれは一体なんだ?流星か?いや、違う。あれはロケットだ!僕以外にもこの宇宙を探索する者がいるとは。あのロケットは何処から来たのだろうか。地球だろうか?それとも、地球ではない他の惑星だろうか。もし、後者だとするのなら生物が地球と同じように進化して行った惑星の証明になる。それならば、もしかするとあのロケットが来た惑星が僕等の追い求めている理想郷、青い惑星かも知れない。
身体中を血液がもの凄い速さで流れる。これまでの人生の中で、一番早く心臓が跳ねている。望みとは異なる答えがある事を知りつつも、期待する気持ちを抑えることが出来なかった。
「あのロケットを追跡しなければ……」
静寂が満ちる操縦室に、自分に言い聞かせるよう呟いた声だけが響く。普段より汗ばむ手で操縦桿を握り直す。
一時保存
「理想郷」
わたしは、わたしと、わたしたちの為にここを作りました。皆わたしに賛同してくれる、素敵な場所です。他にこんなところはない。わたしたちが生きる為に、必要なのです。
だけれど、あとひとつだけピースが足りない。君だ。君ですよ。どうして君だけが賛同してくれないのか。わたしは、君の為にここを……。
全てが上手くいく世の中だったら良いのに。
人の感情が読めたら良いのに、
#理想郷
【理想郷】
庭付きの一軒家
バーニーズ・マウンテン・ドッグ
優しいパパとママ
幸せなお家
ここは夢の国理想郷。
私の考えてることが叶う
ずっとここにいたい
私を起こさないで
ねぇ,貴方も来ない?夢の国理想郷へ
─────『理想郷』
「やっぱり君には向いてなかったんだね」
白髪を揺らしながら君は言う。
「あ、でもまだここに居たいって言うんなら僕は何もしないよ。連れ出しもしないし…無理矢理やったら僕が怒られるし…」
そっちが本心かといつも通りの君に少し安心する。
「いや、俺には向いてなかったよ。この世界は残酷すぎた」
涙を拭い、まだ居る君に手を伸ばす。
「助けて」
ただその一言だけ発すると君は分かったように
「任せてよ。その為に来たんだ」
俺たち2人は言う。
「「帰ろう。理想郷へ」」
旅人は疲れ果てていた。
まだ見ぬ理想郷を求めて長い道のりを旅してきた。年月も経った。身体も酷使してきた。
けれど、まだ辿り着けない。
噂に寄れば理想郷を見つけた者は、死ぬまで幸福に包まれていたというから、どんなに素晴らしい景色が広がっているのだろうと想像してきた。きっと豪華な食事やきらびやかな衣服に溢れていて、みんな満足そうに笑っているのだろうと。けれども、そんな想像と似た景色にはどこに行っても出会えなかった。
とうとう旅人は道の端に倒れ込んだ。体力の限界だった。腹も空いていた。
「もしもし、大丈夫ですか?」
ふいに声が聞こえた。なけなしの体力をすり減らし何とか視線だけを上げると、そこに若い娘がいた。その隣には娘の父親だろうか、幾許か年を重ねた男も立っていた。
けれど旅人はそれきりで意識を手放した。もう眠くて眠くて堪らなかったのだ。
次に目覚めた時はあたたかなベッドの上だった。傍らには先程の娘と、離れた場所に父親がいた。彼ら親子は旅人を自分らの家に迎え入れた。旅人も今は休息が必要だったので、しばらくの間だけと決め、そこに留まることにした。
旅人は貧しい村の出だった。親もいなければ頼れる大人もいなくて、幼少期は生きることだけに必死だった。悪いこともした。唯一殺しだけはしないで済んだ人生だったが、それでも辛く地獄のような日々だった。だから理想郷の噂を聞いて行ってみたくなった。もうこれ以上生きるために悪いことをしたくなかったし、何より旅人は根が優しかったから、誰かを傷付けるたびに苦しいほどの罪悪感に苛まれることに耐えられなかったのだ。
旅人は自分を初めて思い遣ってくれた親子に、そんな事情をいつの間にか話していた。親子は旅人の過去を聞き終えると、それでは好きなだけここに居て、また旅をしたくなったら出て行けばいいと、優しく提案してくれた。旅人を哀れむでも、厭う訳でもなく、ただそれだけを言ってくれた。旅人はそれが嬉しかった。初めて誰かに受け入れてもらった気さえした。
娘と父親も決して裕福な暮らしではなかったので、豪華な食事もきらびやかな衣服も、どこにもなかったけれど、旅人は世話をしてくれた彼らに報いるため一生懸命働いたおかげで、彼ら親子だけでなく、その町にいる人達にも歓迎されるようになっていた。
そうして月日は巡り、ふとある時、旅人は旅の終わりを悟った。
旅人が旅で一番追い求めていた満足そうな、幸せそうな笑顔が、そこかしこに溢れていたからだ。
【理想郷】