『狭い部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
いつだって自分が見ているものは世界だと信じてきた
例え人に嫌われても
例え上手くいかないことがあっても
例え誰も自分を愛していないと分かっても
自分はこの世界で生きなければいけないんだと信じていた
でもその信じてきたものから目を背ける瞬間はあっけなく訪れた
自分が生きてきたのはただの「狭い部屋」
「世界」とは比べものにならないくらい狭い狭い隠密な部屋
そしたら少しは心が楽になるでしょう?
【狭い部屋】
息苦しさもあるが、それでいて秘密基地のような
独占欲を満たしてくれるもの。
自分の好きな物、レコード、古本、映画観賞用の
プロジェクター、全てが手の中に収まっているような
感覚に浸れる。狭い部屋、同じ広さでも、少年時代の
子供部屋とはまるで意味合いが違っている。自由の象徴、
独立の象徴として、今24歳の自分には感じられる。
億万長者の住む大豪邸、都内6畳のアパート、
価格という物差しで見れば差は一目瞭然。
でも、
心の中に潜む豊かさにはそう差異はないのではなかろうか。
広がろうと、狭かろうと、1番大切な豊かさの物差しは
私たちの心の中にあるのではなかろうか。
初めて部屋を与えられたのは10歳…
納戸を改装して作った3畳程の部屋は
何だか薄暗くてとても恵まれた環境とは言えなかったけれど「狭い部屋」は十分に満足な空間だった…
ベッドが欲しかったが到底置ける筈もなく
考えたのは、大きな段ボールの中に布団を
敷き詰めて10歳の浅知恵が考えた寝床だ。
「ベッドが無理なら中に寝てみよう!」
ただでさえ狭い空間をさらに狭くして
閉所恐怖症の人には耐えられない空間で
3日頑張ったが狭すぎて諦めた…
当たり前だ一歩間違えは棺桶サイズだ💦
寝返りも出来ず夜が明けると体中が痛かった…バカな事を考えるもんだ(笑)
それから3畳の部屋では飼い猫の出産も
手伝った…初産で心配で連れてきたのだ
結局2階に新しい部屋が出来その部屋に長く居る事はなかったが、何だか今だに狭い空間は落ち着く…
個室が好きだし、店に入り奥の端が空いて
いるとそこに座る…
今はちゃんとベットが置ける自分の部屋で
1人自由に過ごす事が出来る
手足を伸ばしてくつろげる…
もうそれだけで人生幸せだと感じている。
取り越し苦労だよ。これに怯えるのは建設的じゃない。
梅雨と初夏の狭間、湿った大気を鬱陶しく思う
疲弊した身体と精神に余分負担をかけてくるこの時期は
とても嫌いだ
寝て起きれば雨の中労働へ向かうそれの繰り返しだ
労働で日々磨耗する自分を毎日変わらない形で待つのは
この7畳の狭い部屋だ
唯一私を受け入れてくれる私だけの場所
大抵は部屋が多く広い家を望む人が多いが
孤独と空虚で命を消費する私にはこの狭さが丁度良い
物理的にも心的にも近い距離感を感じるからだ
何も無い私だからこの狭い部屋に想いを詰め込み
私と対等な狭さ重い情に染め上げる
そうする事で孤独な私は孤独では無くなる。
沢山のぬいぐるみなどあまり実用的で無いものが多いせいで
窮屈だがそれで良い、
狭いだけで温もりを感じるから。
今日もそんな無機質な心の暖かみを感じるように
狭い寝床で就寝する
この部屋で明日も変わる事ない日常を迎えるのだ。
そして、この帰る場所で1人温もりを感じる
この狭い部屋で
ご、ごめんね!…家はちょっと…
うわあああ!やっちゃったよおおお!!
初めてのお家デート逃したあああああ!
…え?なんでかって?
こんな狭い部屋に入れられるわけないだろ!!
恥ずかしいよおお!!
はあ、、豪邸に住みたい、、、
『悩み中のCさん』
#狭い部屋
後悔することは無いとは言えないけれど
心はとても穏やかで、私は今日を迎えた
もうすぐ身体は消えてしまうけど
心はずっと愛する人の元で生き続け
また新しい光となって星のように瞬く日まで
暫しのお別れ
美しい花が私の身体に降り注ぐ もう泣かないで
またいつか会えるのだから
そして扉は閉ざされた
待たせてしまったあの人が、優しく私の手をひいた
【狭い部屋】
広い部屋に住んだことがないから、
狭い部屋がどうだとか、よく分からない。
比較対象がないのは良いことだ。
狭い部屋だなって嘆いたり悲しくなったりしなくて済むからね。
何と比べるのか。
比べなければ幸せ。
【狭い部屋】
目の前にドアがある。ここは狭い部屋の一室だった。
まるで箱の中にいる。小さい箱の中に。
一つ一つ開けて外に出る。そこにはまたドアがある。
また箱を開ける。繰り返し開ける。
その度に部屋は少し大きくなっていく。
外に出たいと自由が欲しいと、何回開けたかはわからないが諦めずに開けていく。
気づけばそこは途方もなく広い部屋の中だった。
どれだけあけても箱からは出ることはできなかった。
狭い部屋
狭い部屋が好きだ
ずっとここに閉じこもって過ごせたら
なんてことを考える
ヨーグルトとジャムパンだけを食べて
お気に入りの漫画だけを読んで
将来の不安も漠然とした孤独も失くなったら
どれだけいいだろうか
それはきっと素敵で理想のようだけど
理想は叶わないから理想なのだろう
心の中に留めて今日もまた夢を見よう
〖狭い部屋〗2
物を置くには物足りないけど
広いよりも居心地がいい
狭い部屋
好きな人、とは、なぜだか、全てが完璧であると仮想してしまう。もし理想と少しくらい違ったとしても、それすらも愛おしいと思う。少なくとも、私は。
君と晩御飯を一緒に食べようと約束して、家に着き、ハンバーガーをデリバリーして、一緒にゲームをして、一緒にピアノ、ギターを弾いた。文章に起こすと、とても長いようで、けれど私にとっては一瞬だったんだ。君と過ごした日々はいつだってあっという間だった。お世辞にも広いとは言えない君の部屋で過ごす、この時間こそ永遠に続けば良いのに、、。そんなことを想っているのは私の方だけで、君はなんとも思ってない。けれど、君とのこの儚い時間がすごく愛おしくて、半年経った今でも時折思い出してしまう。
あの二人だけの部屋は、これから先も私を、いや、私達を励まし続ける。それは君がいない時、雲間から一筋の光が差すように私の心を照らしてくれる。私はここで何が言いたかったのかっていうと、たった1日の出来事を、こんなに幸せに語らせてくれる君のことが、好きで好きでしょうがないって、知って欲しかったんだ。
「狭い部屋」
狭い私の部屋にはね、
一枚の写真があるの。
その写真の奥には果てしなく広い海が広がってるの。
見るたびに私をそっちの世界に連れて行ってくれるんだよ。
でもね写真の中でで笑ってるあなたの声は私には聞こえない。あなたの声が聞こえないの。聞こえないの…
私と思い出をこの狭い部屋に残して。
広い部屋に住みたい人
狭い部屋に住みたい人
人それぞれあると思う
どんな部屋にも窓がある。
たまには部屋の窓から空を眺めてもいいかもね
マリン
《狭い部屋》
「やっほ〜!みんな待ってた?配信はじめま〜す」
そうして私は今日も配信を始める。私は最近Vtuberというのを始めてみた。正直言って最初はかなり緊張したし、思い通りのパフォーマンスができてなかった。
…それもしばらくしたら慣れてきて様々なことができるようになった。
Vtuberは私にとって…光だったかもしれない。なぜかといえば―私は引き籠もりだからだ。外出も必要最低限に抑え、カーテンがほぼ常時閉まった部屋でゲームし続ける。自分で言うのもなんだがろくでなしだった。
そんなろくでなしでもVtuberならできた。自分の世界をそこ―ネット上に作り出せた。
だから…この狭い部屋は私にとって大事な―世界そのものと言っていいほどのものだった。
狭い部屋のベージュの座椅子の上にて
読み干してしまった あのこの小説の山
18時 白い明かり 濡れ初めた網戸
大学2年生の春の夢
さめた 梅雨がきた
さめた 梅雨がきた
【狭い部屋】
カーテンを閉め切った部屋にひとりきり
扉の向こうからは怒鳴り声
窓の向こうからは催促されるような風音
視界なんて元から暗闇が広がっていて
あって無いようなもの
時々、雑音に混ざって僕を呼ぶ声が聞こえる
僕以外の全ては僕を傷つけるから
尚更強く耳を塞いだ
僕を呼ぶ声が聞こえるようになってから
何故か部屋の中が少しづつ変わっていった
僕は扉を開けていないし、窓も開けていない
それなのに部屋の片隅に咲いた1輪の花
その花の名前さえ知らない
そんな色だって初めて見た
灰色がかった世界に現れた歪なもの
いつもの様に
周りがそうしてくる様に
それを千切って踏み潰さなくては
そうは思うものの何故か視線を逸らせず
耳にあてがっていた手が花へと伸びていく
そのまま自分の首を絞める様に
綺麗な花の花弁のすぐ下で切り落とさなければ
傷つけられて後悔してからでは遅いから
そんな思いとは裏腹に手のひらは
自分から花を守る様に覆って隠す
僕を呼ぶ声がする
耳から手を離してしまったから、
その声が直接耳に届いてしまった
もう一度耳を塞ごうとして花から手を離す
そして気がついた
その花から声がすることに
僕の名前が本当に久々に誰かに呼ばれたことに
それから言葉を返さない僕に
そのお花はいつも声をかけてきた
僕と同じ場所にいるから
どうしても声が聴こえてくる
そういえば最近は扉の外の雑音も
窓に打ちつける雑音も気にならなくなっていた
僕は少しづつ耳を塞いでいた手を離し
あの時ぶりにお花と相対する
そしてお花が話していた言葉を真似して話してみた
するとお花は左右に大きく揺れる
外にいる鬼に教わった。お花が話すわけないと
それでも僕には、
僕に対して話しかけている様にしか見えない
いつか、耳を塞ぐ様になるずっと前
耳を塞ぐことを覚える前に
この手を取って欲しかったということを思い出した
このお花がそれをしてくれている様な気さえして
それに気がついた時、本当に久々に自分の涙が流れ落ちた
このお花は僕の宝物だ
外に居る鬼たちに触れられない様にしなくては
傷つけられない様にしなくては
その為にはこの狭い部屋を要塞にしなくてはならない
誰も入って来ないように
誰もこの場所を悟らないように
そうして僕とお花だけのユートピアが出来上がった
2024-06-04
No.19『狭い部屋』
狭い部屋が好きだ。
私ただ1人だけの空間を作れるから。
狭い部屋が嫌いだ。
閉じ込められて息苦しいと感じるから。
それなら私は広い部屋のすみにいたいと思う。
その広い空間には私の信頼する人がいるから安心できる。
この広い部屋にも私の居場所はあると感じる。それと同時に、この広い地球に小さなところではあるが私は存在して良いと感じることができる。
私は1人よりも信頼できる大切で大好きな人たちがいる場所にいたい。それが例えどんなに狭くても良い。だからどうかそばに居させてください。
狭い部屋
(本稿を下書きとして保管)
2024.6.4 藍
一人きりでも、怖くないよ
︎︎
005 狭い部屋