『特別な夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
特別な夜
▷▶︎▷
「 …今夜は流星群が見られるんだそうだ」
不器用な誘い文句にただ苦笑いして、知っているよと頷いてやる。
だって朝一緒に聞いていたじゃないか。
案の定、困った顔で固まってしまったアイツ。
ちょっと誘い方がお粗末なんじゃないかな?
仕方がないから少しだけ助け舟を出してやろう。
「俺は遅くまで仕事なんだ…」
起きていられるの? いつも早寝早起きのお前が。
俺が誘ってもちっとも起きていられないじゃないか。
ノック音が2つ続いた
今夜は誰も予定にない
コンコン
どなた?
返事は無い
時計の針は0時少し前を指している
コンコン
強く、規律正しいノック音には圧が感じられる
遠い昔に聴いたことがあるような…
私は負けじと内側からノックを返した
コンコンコン
?
「特別な夜」
特別な夜になった、気がする。
鈴木華子、29歳。
ブラック企業に務めて7年目。
今日も今日とて終電を逃して、
深夜に2駅分の徒歩帰宅が決定した。
会社は大通りにあり、
ハイヒールをシューズに履き替えて、
華子は歩き出した。
近所には小さな物流センターがあり、
トラックが出入りを繰り返している。
今日も徒歩か。
一昨日も徒歩で帰宅したのに、
ああこれ以上考えるのはいけない。
次はいつ旅行に行こうかな。
去年の春に行ったっきり行けてないなあ。
なんて考えながら、
僅かな街灯が照らす薄暗い道を歩き続けた。
ふと道端に小さい猫のような生き物が見えた。
猫派な華子は久しぶりに見る猫に吸い寄せられるように近づいた。
「可愛い」
「ウニャー」
返事までしてくれた!何を言っても返事ができないうちの上司と代わって欲しいくらいだ。
“特別な夜”
昨日は良いな夜だった
素敵な人と豪華なディナーを食べて深い会話をした
その高揚は一晩経った今朝も続いていた
でも次第に、段々と日常に引き戻されていく
そのギャップによって
昨夜がさらに縁取られていく
特別な夜になりそうだ
“A Special Night”
Last night was a good night.
I shared a lavish dinner
and a deep conversation
with someone wonderful.
The glow of it all
lingered into this morning.
But little by little,
I was drawn back
into the rhythm of everyday life.
And through that contrast,
last night grows sharper,
more clearly outlined—
it feels like
it’s becoming a truly special night.
永く続いた暗闇に
ひとすじの光が舞い込んだ
幾億と零れた命と繋いだ声が
今、羽ばたこうとしている
〖特別な夜〗
夜明けが近い
今宵はきっと、生涯忘れられない夜になるだろう
知らない人ともはしゃぐ夜
人との付き合いで過ごす夜
友達と過ごす夜
趣味で過ごす夜
好きだった人と過ごす夜
今までも沢山楽しい夜を過ごしてきた
特別とも思える夜を過ごしてきた
それでも間違いなく、今宵が僕の中で1番素晴らしいくて忘れられない夜になるだろう
君がいる日々
当たり前のようで当たり前では無い日々
1日という時間を確かに刻んでいく日々
沢山ある日々の中で今日は忘れられない夜だ
君と永遠を誓った夜
初めて二人が一つになった日
怖くても大丈夫
今宵はきっと、生涯忘れられない夜になるから
『特別な夜』
月が夜を呑んだみたいに
この部屋は翳っている
僕は一人で机に伏している
眠たくもないから
寝るほど生きてもいないから
よく育つ気もないから
寝ずに深い世界を観測する
月が眠ってしまった夜
星々は「自分が主役だ」と言いたげに
強く輝いている
月がいない夜だから
特別な夜だから
山が好きすぎて、2回山小屋に泊まったことがある(唐松岳頂上山荘、オーレン小屋)。
荷物をつめているとき、もう少しでここでは体験できないきれいな星空が見えるのだなと思い楽しみだった。しかし、2回とも天候に恵まれず想像していた景色は楽しめなかった。悲しかったけど、仕方がない。自然なのだから、人間の都合では動かない。「特別な夜」は次回に持ち越し
9月16日
祝日があるわけでも、学校が休みになるわけでもない。
俺の誕生日でもなければ、特別な記念日というわけでもない
少なくとも、この町に引っ越してくる前までは
この地域では、9月16日の夜に祭りがあるらしい、妖怪を労る祭りだとか、仮面を付けていないと妖怪に連れ去られるという話だ。
「くだらない」
俺はそう思った。
高校生にもなって妖怪などなんだの信じる理由がない。
そして夜になって提灯の赤い光が町を照らした。
思ったより大規模な祭りだ。
俺は行きたくなかったが、両親に無理やり連れていかれた。
周囲の人はみな、仮面を付けてる。
鬼、天狗、狐、どれも表情がなく、誰が誰だか分からない。
俺も仮面をつけていた。
けれど息苦しさに耐えられなかった俺はすぐ森へ行った。
そこで俺は仮面を外してしまった。
その瞬間背筋が凍った。
「外しちゃったんだ」
声がした。
振り返るとそこには一人の男が立っていた。
狐の仮面を付けて紺色の着物を着てる、背丈は俺と同じくらいで声も若い。
仮面の奥からクスッと笑う気配がした。
「それダメなんだよ、この祭りでは」
「、、脅かすな。妖怪に連れ去られるってやつだろ?」
「うん、連れ去られるよ」
彼はそう答えると俺に近づき仮面越しにじっと見てきた。
「君引っ越して来たばかり?」
「なんでわかる?」
「知らない顔だから。」
その言い方が妙に引っかかった。
「僕たちはね、この日しか外を歩けない。人の振りをして混じって仮面つけて」
ぞくり、と背中が震えた。
「僕たち、?」
「そう、妖怪」
あまりにもあっさりそういった。
狐の仮面の奥で少年は笑ってる気がした。
「君は運がいいよ。外したのが僕の前で」
「連れ去るのか、」
「別にそうしてもいいけど、君は綺麗な顔してるからね」
その言葉に理由もない寒気がした。
「それ、、褒めてるのか?」
「ううん、目印」
「、、は?」
少年は楽しそうに首をかしげたが俺には少し恐怖を感じさせた。
「次会った時、間違えないため」
森の中で、ざわり、と何かが動く気配がした。
「おや、君は人気者だね。それもそうか、都会生まれの綺麗な人間はレアだからね。でも先に目をつけたのは僕だから」
彼はそう言って俺の手首を掴んだ。
痛かったが、その手はすぐ離された。
痛みは引いてるはずなのに、掴まれた場所はいつまでも熱を持っていた。
「今日は帰っていいよ。仮面をつければまだ人間でいられる」
「まだってなんだよ、」
問い返した時、彼の姿は無かった。
その夜、寝る前に掴まれた手首を見た。
そこには見たことの無い赤い紐のブレスレットが着いていた。
それはまるで誰かに「ここだ」と示されてるみたいだった。
「特別な夜」
127.『夢を見ていたい』『どうして』『この世界は』
よう、相棒。
新年早々、牢屋にぶち込まれるなんてツイてない奴だな。
正月気分で浮かれて、お巡りにでも喧嘩を吹っ掛けたかい?
おっと怖い顔するなよ。
ただの冗談だ。
短い間だが、同じ牢屋の仲間同士、よろしくやろうぜ。
まずは自己紹介といこう。
オレの名前はモンテ・クリスト。
あらゆる刑務所から脱獄した、正真正銘の脱獄王さ。
……なんだよ、その目は。
ホントだぜ。
今も脱獄計画が進行中さ。
話を続けるぞ。
オレは、これまでに数えきれないほどの刑務所から脱獄した。
この程度の刑務所なんて、食堂で二人前を平らげるより簡単さ。
オレを留めておける監獄なんてどこにもない。
いつだってオレは自由を求めて外の世界へ羽ばたくのさ。
……なに、何度も捕まっているくせに偉そうだって?
おいおい、勘弁してくれよ。
オレくらいにもなれば、警察から逃げ切ることなんて造作もない。
けれど牢屋にいないと『脱獄』できないだろ?
そういうことだ。
どうしてそこまで脱獄にこだわるのか、理由を聞きたそうな顔だな。
そうだな、色々理由はあるが、一言で言えばロマンさ。
お前はこの世界をどう思う?
オレには、この世界はひどく退屈で、閉塞的で、何の自由もない場所に思える。
夢も希望もどこかに置き忘れたような、つまらない世界さ。
だからオレは脱獄する。
不可能を可能にして、世界中に夢を見せてやるのさ。
そうすれば、このつまらない世界も少しは面白くなるってもんだ。
誰だって夢を見ていたいからな。
……そろそろ時間だな。
ああ、さっき脱獄計画が進行中って言っただろ。
実は今、刑務所の建物の補修で工事業者が入っていてな。
その隙をついて脱獄する。
作業服と鍵は、あらかじめ『用意』してある。
あとはこの牢から出るだけってわけさ。
簡単だろ?
話を聞いてくれたお礼に、アンタも連れて行ってやりたいんだが……
生憎と服が一人分しかなくてな。
悪いがオレだけで脱獄させてもらう。
……なんだ、アンタはすぐに出られるのか。
じゃあ無茶な脱獄するよりここで大人しくしていたほうが利口だな。
それにしても本当に警官と喧嘩したとはね、ヒヒヒ。
俺ばっかり喋って悪かった。
短い時間だったが楽しかったぜ。
アンタ、聞き上手で話しやすいんだよ。
牢から出たらその才能を活かすと良いぜ。
じゃあな。
……
…………
………………
やっと出ていきましたか。
まったくあの人にも困ったものですね……
うん?
看守の私が、脱獄を見逃してもいいのかって?
いいんですよ、別に。
あの人、犯罪者じゃありませんし。
ただの業者の人間ですし。
いえ、フリじゃなくて、本物の職人さんです。
ちょうど、あなたがいる牢屋の壁を直しに来てましてね。
仕事が終わったから、自分の鍵で出て行っただけですよ。
あの人、腕はいいんですが、囚人をからかうのが趣味なんです。
あなたみたいに、何も知らない新入りにホラ話を吹き込むんですよ。
まったく、下手な詐欺師よりタチが悪い。
忙しい日々の褒美として
たまには自分を甘やかす
デパ地下の食品売り場で
少しばかり奮発していく
毎日やらないといけない
そんなことをときどきは
休む ある日の金曜日
【特別な夜】
買い物を急いで終わらせて、帰路へと急いだ。
部屋の飾り付けも
食事の下拵えも
プレゼントも
準備は万全。
あの人は、喜んでくれるだろうか?
不安は、あるが、きっと大丈夫。
自分に言い聞かせ、特別な夜を待ち構えてる扉を開けた。
私の夜を特別にしてくれたのはあなただった。
「特別な夜」
「お手をどうぞ?お姫様」
いたずらっぽくそう言って、恭しく手を差し伸べると貴方はニコリと微笑む。
今晩、社交界デビューの私はちょっと躊躇いながらその手に手を重ねた。
そして重厚な扉の前でその時が来るのを待つ。
中では、貴族たちのざわめきとオーケストラの楽曲が漏れ聞こえてくる。
「どうした?緊張してるの」
私は口にするより先に頷いた。
ここに来るまで、この日のために礼儀やマナーを叩き込んだ。ドレスもアクセサリーも新調した。
でも。
想像以上にとても華々しくてきらびやかで、気後れしてしまう。
私と同じデビューする令嬢たちと比べてしまう。
「ふ、誰でも社交界デビューは緊張するものさ」
まっすぐ前を向いたままそう言った。
「とはいっても、この扉の向こうへ行けばそうも言ってられなくなる。そう、頭が真っ白になってね?」
貴方が私を見てウィンクを寄越す。
あまりの言葉に私は苦笑する。
「何それ?」
そんなごまかし方ってある?
「ミストラル伯爵、及びソラリス伯爵令嬢、ご入場!」
扉の両端で待機していた兵2人が扉を開く。
「さぁ、頭が真っ白なまま行こうか」
眩い光を放つ扉の向こう側へ優雅に貴方が私の手を引く。
あぁ、なんだか、もうどうでも良くなってきた。
こうなったら頭が真っ白でもいいわ。
「えぇ。」
私は微笑む。
特別な夜はこれからなのだ。
お題 特別な夜
特別な夜
今日予定ないやつで飲みに行くか
そう言って上司に声掛けされた
わたしと、あなた
いつもの夜だと思ってるだろうけど
今日は特別な夜
誰も知らなくて良い
わたしだけがそう思ってれば良い
夜空に浮かぶ真ん丸の満月。
月の光のパワーを受け、力がみなぎってる……気がする。
いや、そんな弱気になってはダメだ!
今日は特別な夜になる予定……いや、なるんだ!
同じ職場の田中さんに告白して、恋人になるのだから。
田中さんとは、仕事が終わってから近くの公園で待ち合わせをしている。
一足早く公園に来たのだが……。
三十分経っても、田中さんは来ない。
どうしたのだろう?
まさか事故に巻き込まれたんじゃ……。
念のため、連絡してみるか。
「ごめ〜ん!お待たせ〜」
スマホで連絡しようとしたら、田中さんの声が聞こえた。
「いや!俺も今来たところ……で」
スマホを持ったまま顔を上げると、田中さん……と男性がいた。
……誰だ?この男性は。
「紹介するね。この人は坂井君。私達、最近付き合い始めたの。帰り道同じで一緒に来ちゃったけど……迷惑だったかな?」
最近付き合い始めた坂井君?
突然のことで、頭の中が真っ白になる。
「い、いや全然!は、はははは……はぁ……」
今日は、忘れられない特別な夜になってしまった。
今日は特別な夜になるはずだった
それも、推しのコンサート!
しかし、尽くチケットがはずれ!
でも、自分が少し前に腰を痛めたから、逆に行けなくって良かったのかな?天気も荒れそうだから良かった良かな?
コンサートに参加されるみなさん、主催されるアーティスト、関係者のみなさん楽しんでください!
「特別な夜」
特別は、日常から外れるものではなく、日常の中から探すものだと自分に常日頃言い聞かせています。
特別は訪れるものではなく、引き寄せるものなのだと。
だから、どんな夜も、私にとっては特別な夜なんです。
「特別な夜」
忘れずに宵闇の空見上げよう来月下旬の惑星パレード
目立たないけれど、星のような輝きと優しさを持つあなたとハグをして、夢を見よう。
そうしたら、いつも泣いてばかりで、いつも夜になるのが嫌だった私も、救われるはず。
夜の暗さに怯えて泣いていた、過去の私を救ってくれたあなたと毎晩一緒に夢の中で会おう。