特別な夜になった、気がする。
鈴木華子、29歳。
ブラック企業に務めて7年目。
今日も今日とて終電を逃して、
深夜に2駅分の徒歩帰宅が決定した。
会社は大通りにあり、
ハイヒールをシューズに履き替えて、
華子は歩き出した。
近所には小さな物流センターがあり、
トラックが出入りを繰り返している。
今日も徒歩か。
一昨日も徒歩で帰宅したのに、
ああこれ以上考えるのはいけない。
次はいつ旅行に行こうかな。
去年の春に行ったっきり行けてないなあ。
なんて考えながら、
僅かな街灯が照らす薄暗い道を歩き続けた。
ふと道端に小さい猫のような生き物が見えた。
猫派な華子は久しぶりに見る猫に吸い寄せられるように近づいた。
「可愛い」
「ウニャー」
返事までしてくれた!何を言っても返事ができないうちの上司と代わって欲しいくらいだ。
1/22/2026, 12:19:19 AM