はなればなれになっても、ずっと友達だよ!
___そういったあの子は、
どこに連れていかれたのだろうか。
ここは立ち並ぶビルの日陰にある孤児院。
無骨な建物の中には家なき子が集められている。
かつて今にも雨が降りそうな日に、
あの子は里親の家に引き取られていった。
その日から一度も会っていない。
いつも笑顔で、
ここに残る私の心配をし、
必ず手紙を送ると約束したけれど。
何年経っても連絡が来ることは無かった。
当たり前だ。
あれから8年が経ち、
ここの職員となった今なら、そう言える。
だってあの子は、
里親のところになんて行っていないし、
そもそもここは普通の孤児院では無かったのだから。
君が死んだ。
抜けるような青と羊雲が眩しい。
遠くまで行けそうな風が、
どこまでも続く草原に吹き付けた。
地面を背中に感じながら、
手を握ったままなのに君はもう返事をしてくれない。
否、もう二度と返事をしてくれないでしょう。
だがそれで良いのです。
すぐに僕も君に追いつくのだから。
実はもう目も開けていられないのです。
だから、
「また会いましょう」
_僕の愛しい人よ
突然の君の訪問。
バンッと開かれたアンティークのドア。
隙間から涼しい風が吹き込んできた。
彼はいつも秋の匂いを連れている。
「1年ぶりだな、アキタカ!」
「久しぶりだねルカ。ところで、
そろそろチャイムの存在を覚えてよ。
百歩譲ってノックでもいいんだけど?」
「だって、この1年間で話したいことが沢山できたんだ」
「」
誇らしさ、
これを他の言語で表すのは難しい。
心の健康とは程遠いところにあるここは、
スネアグレと呼ばれる小さな街だ。
色とりどりの食事、
正しい教育、
法の行き届いた生活とは対極的に。
排気ガスの味がする食事、
世の中ですべての違法な物の売買、
横行する分厚い茶封筒による取引。
そんなもので成り立っている。