快晴の中まるで墓所から這い出てきた吸血鬼のごとく青白い肌と顔色を持つ彼女は浮いていた。日中ほとんど室内から出ることのない彼女のことを噂好きな人々は、犯罪の被害者なのだとか、実はロボットなのだとか好き放題言っているけれど。実際のところは、極端に体が弱いだけで、主治医に言いつけられている通りにごくわずかな散歩を月に数回行っているのだ。まぁこのような理由だから、今回のように日中にそれが行われることはまずないと言っていいだろう。
安らかな瞳をこちらに向けるまだ生まれて十何年程度しか経っていない小さなイキモノ。
小さなイキモノばかりを同じ部屋で展示しているここは、有名なショービジネスの勝者の遺伝子から作成されたイキモノを展示販売している。
イキモノたちからこちらが見えないようになっていて、ストレスなく生活している。
物憂げな空に引きずられ、
なにかを忘れている時のなんだかモヤモヤした気分のまま業務終了。
夜ご飯は何か作るか、それとも買って帰ろうか。
そういえば出先で中華を食べたから中華はやめよう。
あの業務は明日やらなきゃいけないな。
などなど。
考え事のせいで道を曲がり忘れ、いつもと違う道を通ってスーパーまで行くことにした。
スーパーまで薄暗い道を歩く。
都心から僅かに離れた住宅街は夜遅くともなれば
人気がない。
チカチカする街灯に照らされながら、去年流行ったホラー映画を思い出した。
切れかけの街灯の奥に、まだライトが着いたお店のようなものが見えた。
その瞬間、どこからともなく非常に美味しそうな出汁の匂いがして、なぜ今まで気づかないかったのか。
早足で近づいていると、
ガラガラと店が開いてバンダナを頭に巻いた、
痩せた青年が出てきた。
Love you
なんて今どき流行らないと思う
SNSが進化し、多様化が染み付いた社会では、
スタンプ一個で代用できる
それでも、
逆光で彼の表情は分からない。
ただ暖かな日差しが差し込む室内と、
対照的だったことを覚えている。