『無色の世界』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【無色の世界】
私の心は無色透明の空っぽだ。
みんなは色とりどりの心を持っているのに。
それは成長の証。これからどんな色にもなれる可能性の色だって、大人は言う。
心にもない事ばっか言いやがって。
私には何にも無いって、私が一番分かっている。
周りを妬んで、恨んで、心がどす黒く濁っていく。
そうして私の心は真っ黒になった。
やっと空っぽじゃなくなったのに、全然心は満たされない。
どうして?
あの時の無責任な奴らのせいだ!
私に無いものばっか持ってる奴らのせいだ!
こんなにも惨めな思いをしてるのは全部周りのせいだ!
八つ当たりして、周りに嫌われて、その事でまた他人を恨んで、それを繰り返して。
疲れ果てて何もかもどうでもよくなった時。
気付いたら世界が無色になった。
昔の私とおんなじな、空っぽで無色の世界。
何も感じない、心が安らぐ透明な世界。
あぁ、しあわせ────
君の居ない世界は色を無くした世界
忘れたくて楽しんで…
忘れたくて…
ほっそりした横顔…
確かに君だったよ…
モノクロームビーナス 池田政典
思い出はモノクローム彩を付けてくれ
もう一度そばに来て華やいで麗しのcolorgirl
君は天然色 大瀧詠一
君は僕を彩るクレパス
僕を何色にも変えてしまう
時には風色にも染めてくれる
時には悲しみの中の希望も彩る
そんな君が好き
大好きです🍀(笑)
その白紙の上にはひとつだけ色があった。
鉛色。
下書きの鉛筆の色。描きかけの漫画の、主人公たちの顔も吹き出しの中身も白紙のまま、ただ丸と四角で構成された動きのようなものが見えるだけの。何を描こうとしたのか、こんなに荒い筆致でなにを焦っていたのか、誰に何を伝えようとしていたのか、今となっては思い出せない。ただその紙面に向かって殴り書きをしていた時の鉛筆の感触、中指にできたペンダコ、部屋の明かりを目ざとく見つけた父親が早く寝ろとドアを開けやしないかとハラハラしていたこと。
もう30年も前のことだ。
今になっても、中指のペンダコはずっと消えることはなかった。小指の外側はいつも鉛色に汚れていた。ずっと描き続けていた。なにが正しいかは分からなかった。ただ描くのが楽しかった。
それで良かった。
【お題:無色の世界】
無色の世界
無色の世界とはどんな世界だろう。実際に経験していないので分からない。色がないと何が危険で、何が安心なのか分からないと思う。
でもいいこともある。肌の色の差別は無くなるだろう。肌の色が違うだけで何が違うのか。自分たちが優れていると思っているだけで、同じ教育を受ければ何も変わらないと思う。
ただ、食べ物に関しては悲惨なことになると思う。色がないと視覚的な刺激がなくなり、食欲が減退する。匂いや味だけでは満足できない。視覚的情報で処理をする割合が多い人間にとって、一番重要なはず。
また、四季を愛でることもできなくなる。桜の花見も無くなるし、秋の紅葉も存在しない。俳句や短歌もないだろう。歌詞の内容も淡白で味気ないものになる。
色のある世界で良かったと思う。
→言葉遊び。無色≒無職
色彩と、感情や生活は密接に関係している。
淡い色に恋心を乗せ、鮮烈な激情に原色を結びつけ、黒の闇に恐怖し、白に光の天使を重ねる。
色を通じて、人は世界や社会と接触する。
それは生活の手応えでもある。液晶画面を強く押すと虹色に滲むのと似ているかもしれない。
世界が無色だったら?
何色にも染まらず、そもそも「色」という概念がない世界。
すべてが透明で、見通しがよく、美しい。
肌を掻きむしっても赤くならず、意思疎通は常にクリアで、カレーうどんも無色なら服を気にせず食べることができる。
整えられた世界というよりは、気遣いと気兼ねのいらない世界だ。
フラストレーションも無色。
初めこそ自由を感じても、次第に生活に張りと手応えを見いだせず無気力になる。
無色の世界は、無職の世界と同じ世界線にあるかもしれない。
テーマ; 無色の世界
【書く練習】
いきなり泊めてくれとやってきた奴
断れなくて泊めることになった
精神的に不安定になっていたので、助けたいと思った
なのに、うっとうしいと思ってしまう
なぜ私が、私だっていっぱいなのだ
大切な人に無理をさせてまで泊めることにしたが
私には何の特もない
だんだん嫌になる
私のストレスがつらい
人に優しくできなくて
優しくしてもやりたくないと思う私は薄情なのか
朝露が綺麗なこと。
窓のカーテンを開けた時
光の差し込みが綺麗なこと。
どんな道でも、咲いてる花が綺麗なこと。
生き物は全部、1人では生き続けれないこと。
暗い夜に隠されていても、月はあること。
ベランダの夜風が気持ちいいこと。
無色の世界だと 何も知らない、
気づけない 。
こんなにも世界が綺麗なこと。
それでも不満や苦労は沢山あって
何もない世界を望むこと
全て ないものねだり .
【無色の世界】
自分色に染めていこっかな♪
好きな色はあるけど飽き性だから
結局カラフルに染まりそう笑
大切な人たちの色にも興味ある
あなたの選ぶ色に染まってみるのもいいかも♡
今日も新たな色との出会いを楽しみに
お出かけしてきまーす♪
無色の世界を
色付けてくれたのは
何者でもない
貴方でした。
無色の世界
キミのいない世界
色づきを失い 足元ばかりの景色
よく聞くセリフだと
鼻で笑う キミの横顔に色がひろがる
なにもない。
なにもないと思っているから、なにもない。
ここにはソファもドアも窓もなにもない。
誰かを思わせる存在すらも。
ぼくも?ぼく?ぼくはだれ?
手を見てみた。
手とはなんなのか?広げてみたそれは、そこにあることはわかるものの、何があるのかわからない。
それもそうだ。
色すらない世界なのだから。
ぼくがぼくとしてここにあるだけで、ほかにはなにもない、そんな世界なのだから。
ぼく?ぼくは、なに?
どうしてここにあるの?
4/18『無色の世界』
「ねぇ、花見、花見行こうよ!」
「ああ、その内な」
「その内って、桜なんてすぐ散っちゃうんだよ!?」
「ああ、はいはい」
開花宣言が出てからずっと言っていた口約束。
毎年行っていたあいつとの花見。
その内、その内にと言っている内に、1週間が経った。
桜はとっくに葉桜混じりになり、花見もかろうじて出来るだろうかという頃。
「なぁ、花見だけどよ」
「ごめん、転勤が決まって、その準備で忙しいの」
ブツンと無情に切られた通話。
窓の外でははらはらと残り少ない花弁が散っていた。
それからあいつと花見をすることはなかった。
あれが最後のチャンスだったのだ。
4/17『桜散る』
公園に子どもを遊ばせに来ていたら、近所の小学生だろうか、女の子たちの会話が聞こえた。
「私、大きくなったらドレスを着るのが夢なの」
「お嫁さんになりたいの?」
「ちがうの。真っ赤なドレスを着たいの!」
「まっかな?」
「そう、真っ赤な」
「結婚式で着るの?」
「ううん、結婚式じゃないの」
「じゃあ何で着るの?」
「別に何でもない時に着るの!いつでも好きな時に着れるの!真っ赤なドレス。それが私の夢!」
「ふーん。叶うといいね!」
キャッキャと笑い合いながら、彼女たちは公園を出ていった。
(まぶしいなぁ。あんな頃が私にもあったなぁ)
4/16『夢見る心』
「やめて、お願い……。もうやめて……」
今にも泣きそうな声で懇願するが、相手には届かない。
聞く耳を持っているのかいないのか、名前を呼べば反応するが、すぐにまた再開してしまう。
「お願い……。もう片付けるのもいやなの」
やめさせようと手を伸ばしても、手を払われるか泣き叫ばれるので無碍に出来ない。
「ねぇ、お願い……」
床に手をつき懇願するママの声は、赤子には届かない。
延々とティッシュを引き抜き、周囲に散らす楽しさに夢中なのだ。
4/15『届かぬ想い』
神様へ
あんたが俺の大先輩だか上司なんだか知らないけどさ。
もしそんな存在だって言うなら、今すぐあの人を俺にくれない?
あんたよりも誰よりも大切で、誰にも渡したくないんだよ
4/14『神様へ』
無色の世界は
すべてをそのまま映し
きっときれいだろう
でも、「きれいなだけ」なんだよなぁ
「無色の世界」
無色でも形あるものなら
必ず陰影はあるはず。
もしかしたら
色を識別できる能力の代わりに
何かの感覚や能力が
欠落もしくはそもそも
備わっていないのか。
見え方が違うだけなのか。
あれは、いつもの事。
普通に朝に顔を洗い、歯を磨き、着替えネクタイを締める、スーツを着る。
そして、ドアを開けると・・陽炎の様のに見えて・・無色の世界だった。
「何だ、これは、」
ドア締めるが、ドアは失くなり、無色の世界には、分けの分かならない、無色の人間があふれていた。
《無色の世界》
無色の世界
羨ましいな
これからどんな色をつけるかは
あなた次第
僕とあなたでは同じ無色の世界から
色を付けても同じにはならないから
お互いに見せ合いっこして
完成までを楽しもう
無色の世界
振り返れば必ず居た筈の奴が、居なくなった。
それだけで世界の色彩が失くなるなんて、思ってもいなかった。
前世の記憶。
俺が何かの組織のアタマで、お前が副官。
お前の役目は、俺の背中を守る事。
いつも血に塗れていた。正義か悪かは興味がない。
戦いなんて思想の違いだけだから。
ただ、興奮していた。生きるか死ぬかの戦いだ。生物として間違っていない。
それが、失くなった。
溢れる血にいつも興奮していた。
あの赫さ、匂い。動かない死体と、それを成した自分の手。生き残った安堵もあった。
全ての感情が無になった。
ただ、後ろに誰もいないというだけで。
誰かを殺しても興奮しない。
死体という人形が増えていくだけ。
あの赫い血を見ても物足りない。
ひりつく空気、硝煙の香り、土埃の風の味。
全てが無色だった。
お前は簡単に死んだ。
流れ弾に当たって、呆気なく。
死体は回収出来なかった。する気がなかった。
どうでも良かったから。
入れ替わった副官はすぐ殺した。
当たり前のように俺の後ろに立とうとしたのが、見えないのに目障りだった。
誰も俺の後ろに立たなくなった。
命の危険性が増したというのに、少し安心した。
仲間も俺の死を望んだんだろう。
戦場で敵に囲まれた。助けは来なかった。
ただし敵も味方も俺を見くびっていたようだ。
片腕を吹き飛ばされながらも、生きて帰還した。
味方は全員、化け物を見る目で俺を見た。
ようやく気づいた。
自分の異常な強さを。
アイツだけが、俺を化け物として見なかった事を。
当たり前のように後ろにいたのは、本気で守ろうとしていたことを。
化け物のような俺を、アイツだけが人として見ていたことを。
無色な世界。当たり前だ。
お前を失った日から、俺は生きようとしていない。
敵に勝っても、戦果を上げても。
生き残ろうとも、殺す罪悪感が血と共に溢れようとも。
どうでもいい。どうでもいいんだ。
お前のいない世界で、生きたくない。
これは前世の記憶。
あと憶えているのは、隻腕になったことで退役させられたこと。
残った方の腕で、自分の腹を刺したこと。
最期に見た自分の血が、赫く見えなかったこと。
死に際に思い描いた、俺が振り返ると必ず見えたアイツの顔が。
鮮やか、だったこと。
「桜流し」
ちぃちゃん。せいちゃん。そして僕。
僕らはずぅっと仲良しだよ。
桜の花が晴れた空を飾る頃。
とある公園で小さな子供が楽しそうに笑っていた。
3人の子供の横にはお父さんとお母さん。
恐らく一つの家族がお花見をしているのだろう。
少女の声が響く。
「晴流也!タッチ!」
「あっ…――う..うえーん」
晴流也と呼ばれた少年が泣いた。
「おいおい。こんなんで普通泣くかよ。」
晴流也と呼ばれた少年を馬鹿にするような他の少年の声がした。
「――ちぃちゃんも。せいちゃんも、もう嫌い!!」
晴流也が言った。
「「――は?」」
2人の声が重なった。
その瞬間2人の子供が晴流也にかけよった。
「ご…ごめんね」
少女と少年が申し訳なさそうに言った。
「――」
しばらく沈黙が続いた。
「――で?本当は?」
晴流也ではない少年が言った。
「――。嘘…。ちぃちゃんもせいちゃんも――大好き。」
晴流也が言った。
すると申し訳なさそうにしてたのが嘘のように2人の顔がいたずらっ子のようになった。
「ふーん」
照れたような少年と少女。
そのようすを少し離れた場所で両親がみていた。
「ふふっ。本当にかわいいわね。私たちの子たち」
「そうだね。ママ。」
「ね。パパ」
おしどり夫婦とはこのことだ。
とある小さな町の仲良し家族。桜坂家。
2人のおしどり夫婦と。
長男の晴佳(せいか)
長女の千晴(ちはる)
次男の晴流也(はれるや)
仲良しの五人家族。
町では顔が知れ渡っている。
ある日。
桜が空と大地を埋め尽くす頃小学校が始まった。
晴流也は入学。
千晴は2年生。
晴佳は3年生。
はじめての学校は晴流也にとって少し怖いもので、
玄関の前で体よりも大きく見えるランドセルを背負い
泣き出していた。
「晴流也。学校いかないの?」
お母さんが言った。
「――。だって学校誰もいないもん。」
泣き声混じりに言った。
お母さんはすっかり困ってしまった。
すると家の中から千晴と晴佳がランドセルを背負いやってきた。
「晴流也。行くぞ。」
「せいちゃん?」
「晴流也。相変わらず遅いなぁ。遅刻しちゃうよー」
「ちぃちゃん?」
「晴流也。んっ」
晴佳が小さな手を差し出した。
「うんっ」
晴流也が手を握った。
「ずるいっ。私も!」さ
千晴が晴佳のもう片方の手を握った。
「もう仕方ねぇなぁ。晴流也。千晴行くぞ。」
「うんっ」
そんな日常が続いた。
晴流也が中学3年生になったある春。
両親が死んだ。
「怪物」
この世界に蔓延る生き物。
人間離れした容姿で生き物を殺してまわる。
そんな怪物に両親は殺された。
両親が死んだ日。
空に浮かんだ月を見つめながら。
2人が家に帰ってこないと3人で話していた。
すると手紙が届いた。
『桜坂ご夫妻。死亡。』
少し大きく書かれた文字は僕らの目を釘付けにした。
「は?」
3人の声が重なった。
死亡。と書いた文のしたには
『怪物による襲撃により。男性頭を潰され即死。
女性足を切られ出血多量で死亡。
ご子息が望むのならば「愛奪還組」に入隊可能。
入隊希望の際は市役所にてご連絡をお入れください』
冷たい文だった。
それでも僕らの心を冷たく叩くのにはちょうどよかった。
沈黙が続く。
その沈黙を破ったのは――千晴だった。
「私。愛奪還組に入隊したい。」
「――なに行ってんだ。お前。」
「だってこのまま怪物に大切なものを奪われるのはや。泣き寝入りなんてしたくないっ!」
「――ちぃちゃん。」
千晴と晴流也の目には涙が浮かんだ。
「なぁ千晴。」
優しく子をなだめるような声で晴佳が言った。
「お前は俺が死んでもいいか?」
「な、なに?急に」
晴佳は千晴の目をじっとみた。
千晴は目をそらして言った。
「そりゃ。――やだよ。」
「そうか。なぁ千晴。俺もお前と同じだ。」
「っ――」
千晴は幼い子供のように涙を目一杯にためた。
「千晴。頼む。危険なことはするな。 な?」
「――うん。せいちゃんも晴流也も、ごめん。」
千晴が「ごめん。」といった瞬間。
僕ら3人は一気に安堵した。
そして、両親が死んだという事実に肩を揺らし、肩を並べて泣きじゃくった。
この瞬間だけは僕らは小さかったあの頃に戻った気がした。
「ねぇ。晴流也。」
「どーしたの?ちぃちゃん。」
何週間かたった日の昼。その日は土曜日で、学校が休みだった。
晴佳はバスケ部で練習に行っているため、今日は2人きりだ。
「晴流也はせいちゃんのこと好き?」
「ん?だいすきだよ。」
「へへ私も。――ねぇ。
私と晴流也、せいちゃんはずぅっと仲良しだよね。」
「そうだね。せいちゃんとちぃちゃん。そして僕。
僕らはずぅっと仲良しだよ。」
「へへ。ありがとっ」
「――?なにが?」
「別にー?」
今思えばこの日の千晴は怖かったんだろう。
親が死んで、一人になってしまうとなってしまうと思ったのだろう。
大丈夫だよ。僕らは一人じゃないよ。
僕ら3人はその事実を確めあいたかったんだ。
僕が高校1年生になった春の日。
桜が雨に濡れていた。
大雨が桜を打ち、華やかさを奪っていく。
どこか桜が泣いているようだった。
午後五時頃。
手紙が届いた。
冷えた空気に身を震わせながら震えた手でポストから手紙を取り出した。
数年前のあの日のように桜が咲いていた。
あぁ。嫌な予感は当たるらしい。
手紙を封筒から取り出すとあの日の記憶と。
――千晴との記憶を思い出した。
『桜坂千晴。死亡。』
「な、なんで。」
「晴流也?どうしたんだ?」
「せいちゃん。ちぃちゃんが…」
「――は?」
死亡の文字のしたには文章が添えられていた。
『怪物による襲撃により。桜坂千晴死亡。
多数の攻撃により身体は一部のみ回収。その為遺骨の受け取りは困難である。家族の死亡のため「愛奪還組」――』
あの日のような冷たい文章。
まだちぃちゃんは17歳だ。
まだまだこれからなのに。
なにより。
ずぅっと一緒だって言ったのに。
どうして。
「――千晴?」
晴佳が言った。
「――ちぃちゃん?」
僕らは一体なんのために生きてきたんだ。
3人で笑えるようになんとか生きてきたんだ。
なのになんでみんな―死んじゃうの?
なんで――。
「――也。――晴流也!」
晴佳の声で我に帰った。
「――せいちゃん?」
「大丈夫か?」
「う、うん。」
「本当か?」
「――。」
「――晴流也。大丈夫だ。大丈夫。俺がいる。」
その時僕の目から大きな雨粒が落ちていった。
海が目の前に広がっては消えて。
そしてまたできた。
そしてようやく気がついたんだ。
せいちゃんの目から涙が溢れていることに。
「――せいちゃん。」
「――晴流也。」
「僕ら3人は――ずぅっと仲良しだよね。」
「あぁ。俺らはずっと――」
その時のことだった。
ドンっ!!
鈍い音が家の中に響いた。
「な、なに?」
僕らが困惑していると衝撃に耐えられなかったのだろう。
僕らの家が半分潰れてしまったのだ。
下半分が。とかではない。
綺麗に家が縦に半分分かれたのだ。
僕らは運良く潰れていないもう片方にいたため助かった。潰れた方にいたらと思うと頭が恐怖で埋まった。
「あれ?ここにも人間がいるなぁ。」
そう言って現れたのは人間、魚、牛、虫を混ぜたようなあべこべな容姿の『怪物』
「――せいちゃん。あれ怪物だよ。」
「――あぁ。」
怪物が虫を払うように手を振ったとき。
手の延長線上にあった建物が綺麗に切れて崩壊した。
「さぁてと。どっちから殺そうか。
怪物の手が僕の方へ向いた。
ゆったりとした動作でいつもなら逃げられたかもしれない。でも無理だった。
心が追い付かないかった。
頭を恐怖が支配する。
チラリとせいちゃんの方をみる。
唇を強く噛み締めている。足は震え、歯はわずかに擦れあい、汗が首筋を伝う。
あぁ。そうか。僕らは死ぬのか。
目の前が真っ暗になった。
でも叶うことなら。せいちゃんだけでも生きられますように。
怪物が手を降った。
僕は目をそっと閉じた。
でもいくら待っても、死はこなかった。
目を開ける。そこには
「――せいちゃん?」
せいちゃんが立っていた。
「――」
せいちゃんが床に力なく倒れる。
晴流也は霞んだ目を見開き、そばによる。
「――せいちゃん。せいちゃんっ」
怪物が独り言のように囁いた。
「は?庇った?なんで?なんで?あぁ。そうか。そうなのか。愛しているからか。そうなんだろう?
愛とは殺す以外にもあるのか?」
そういって怪物は町の外へ消えていった。
「――せいちゃん。」
「――。晴流也?」
せいちゃんの腹には大きな切り傷があった。
もう。助からないだろう。
「せいちゃん。せいちゃんっ!」
「晴流也。」
「せいちゃんっ。」
「晴流也っ!聞いてくれ。」
「っ――。」
「なぁ。晴流也。千晴と俺は先に母さんたちに会いに行くよ。
晴流也の世界はいつか。いつかきっと晴れるから。
どうか。どうにか。
前を向いて。
胸を張って。
醜くてもいい。ダサくたっていいさ。
…笑ってくれ。 な?」
「せいちゃん…」
せいちゃんが「な?」というときは相手を子供扱いしてるとき。なだめるように優しく言い聞かせるとき。
ずっと、ずっと変わらない。
「――せいちゃんは変わらないなぁ。」
「ふんっ。ぬかせ。 格好いい男になれよ。」
「うん。もちろん」
僕は笑った。雨と涙でぐちゃぐちゃになりながら。
せいちゃんの目が安心したようにそっと閉じられ開かなくなるまで。
「すみません。桜坂晴流也と申します。愛奪還組に
入隊したいのですが。」
『桜坂さんですね。お送りする住所にてお待ちしております。』
ねぇ。ちぃちゃん。せいちゃん。
僕は。いや「俺」は格好いい男になるから。
見ててよ。
笑って生きてみせるから。
そしていつか。そっちに行くから。
待っててね。
次みんなに逢えるときまで俺は強くあるから。
でもねせいちゃん。
僕にとっての「格好いい」はせいちゃんだから。
愛奪還組に入隊してせいちゃんみたいに格好つけさせて。
そしてこれから出会う人たちと。
俺の家族が笑えるように。
「俺とみんなの世界が晴れるといいなぁ」
感知してる今、世界は色とりどりだし、
過ぎ去った時間はだんだん色あせるけど
記憶にあるかぎり
濃淡のあるグレースケールの映像として心に残り続ける
無色の世界は
未来、もしくはもう思い出せない過去のことかな
『無色の世界』
僕の世界から色が消えた
夢に飽きて
遠くを見据えることをやめた
ただ地面に座り込んで
ずっと動かない
怖いんだ
間違えることが
逃げたいんだ
失敗から
僕は
色を拾うことをやめた
お題『無色の世界』
夢の中で
キミに手を伸ばしても届かなくて
ただ、悲しかった
目が覚めたら
キミの服を握っていて
少しだけ恥ずかしかったけど
ちゃんとここにいるってわかって
凄く嬉しかったんだ
色のない朝でも
キミのぬくもりだけが
確かに残っていて
キミが入れてくれたコーヒーが
ほんのり甘くてあたたかい
ひとくち飲むたびに
さっきまでの悲しさが
少しずつほどけていく
キミが隣にいるだけで
ぼやけていた世界に
うっすらと色が戻ってくる
キミが隣にいてくれる
今日が土曜日で
本当によかった