無色の世界』の作文集

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無色の世界』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

4/18/2023, 4:17:56 PM

意識を手放す直前、瞼の隙間から見えたのは無色の世界だった。

何があったかは覚えていない。瞬間的なショックで忘れてしまったのだろうか。目を覚ますと、視界は真っ暗闇に沈んでいた。手足は動かそうと思えば動かせそうだが、重い風邪をこじらせた時のように不自由だ。床はふかふかしていて絨毯のような感触。居場所も状況も分からない。
 
突如戸が開く音がした。襖の音だろうか?そのまま誰かに両手で持ち上げられる。
「僕の可愛いお人形さん。」
男の声がした。歳はまだ若い方か?私は声の主に抱かれ移動する。そうして再び別の場所に立たされると、真っ暗な視界のまま服を脱がされた。いかがわしいことでもされるのだろうか…。たちまち嫌な予感がしたが、それはすぐに新しい布生地が肌を包む感触とともに打ち消された。少しサイズが大きいようで、だぶつくような重さがある。布の擦れる音が微かに聞こえる。胸のあたりの締め付けと、袖口がやたらに大きいところからして、どうやら着物を着せられているようだ。着付けが終わると、またも抱き抱えられた先で今度は何かに座らせられる。大きな人の手が優しく頭を撫でてくる。背後で気配がする。2つの人の手が、慣れた手付きで私の髪を梳かしていた。髪は背中ほどまで伸びていたが、普段の私の髪はそこまで長くないはずだった。
 ああ、今の私は文字通り人形になったのか。もしくは私の魂だけが人形に宿ったのか。どちらにしても、今の私は自分の意志で動くことは困難なようだ。
 
 ふわりと和らいだ髪をそっと手に取り、スンスンと息を吸い込む音がする。匂いを嗅いでいるらしい。手は再度頭をひと撫ですると、私を抱き上げて胸に収めた。仄かに白檀の香りがする。男は大事そうに私を抱きながらどこかを静かに移動している。湿った冷気が頬を撫でる。風の匂いや草木のざわめき、野鳥の声が遠巻きに聞こえる。男が見ているであろう景色が目の前にあるのだろうが、いかんせん今の私の目は一筋の光も捉えることが出来ないのだ。

4/18/2023, 3:54:42 PM

わたしにはなにもない

得意なことも
心から好きだと言えるものも
大切にしたいと思えることも

なんにもない

それはまっさらな紙みたいに
なにもないつまらないわたし


そんなわたしに君はいう

無色だからこそ何色にでも
染められるんだ、と

すこしずつわたしの色を見つけられたなら…


そして、わたしの世界は色づき始める


__無色の世界

4/18/2023, 3:51:43 PM

お母さん、おもちゃ、絵本、花、空。私の世界でそれらは全て「灰色」という色で彩られていて、人はそれを「無色」と言う、らしい。
私は生まれた頃から母に病院へ連れて行かれるまで、皆が私と同じ世界を見ているものだと思っていたがそれは当たり前でなく、全色盲という異常であると言われた。そう言われた幼い頃の私は、何を言っているのか理解できなかったけど。
絵の具の違いがわからない。夕日が綺麗だという感情がわからない。
小学校の先生や友達は私の灰色の世界を知って、私の当たり前を受け入れてくれたけど、私は皆の当たり前を受け入れることも、皆の世界すら知ることができない。
そんなことを経験するうちに、私は塞ぎ込んで自分の世界だけに引きこもるようになった。
この、何色なのかもわからない色の濃淡で染められた世界を表現できるのは私だけ。コンプレックスの裏返しのように私はデッサンにのめり込むようになった。
高校生になった私は、いつものように美術室で石膏像のスケッチをしていた。
目の前にある男の顔をした石膏像は、窓から差し込む光によって濃い影を作り出している。黒は私にとって1番強くて安心する色。黒であれば皆と共有できる。ずっと夜であればいいのに、そうすれば私も皆と同じ世界にいることが出来るのに、そう思って寝れない夜もあった。小さい頃は。
影を作る石膏像は厳格な雰囲気を纏って、綺麗だと感じた。そう感じると同時に影に対して飽き飽きする気持ちも隠せない。
これが私が美しいと感じるもの。
そう思い聞かせながら鉛筆を走らせた。
そうしているとふいに人の気配を感じて、反射的に美術室の入口に目を向ける。
明るくて、白い。
そこには今まで見たことがないくらい、淡い女の子が恥ずかしそうに立っていた。
「す、すみません!失礼しました!」
彼女は目が合った瞬間びっくりしたようで、そう言って慌てて入口から走り去っていく。
まって、と口が動く前に体が動いた。
椅子から立って入口の方へ走る。私の後ろでガタンとキャンバスが倒れた音がしたが関係ない。
もう1回見たい。彼女の色を。
私の周りにいる人間は全て灰色で彩られている。
だけど彼女は白色だった。
急いで彼女の後を追い、手を掴む。
全力疾走したせいで、息が上がって言葉が出ない。
「描かせて。」
やっと出た短い言葉と共に顔を上げる。
戸惑いを隠せない彼女の姿を見た私の鼓動は更に大きく速くなる。
次に描くべきものは影じゃない。光だ。
私は彼女を見てそう確信した。

4/18/2023, 3:41:41 PM

貴女が居なくなってから私の世界はモノクロのように無色の世界が広がっている。失ったあとに貴女がどれほどまで偉大だったかを思い知らされまた、私が貴女にどれほどまでに依存していたのかを理解せざるをへなかった。好きだった花も色がなく。今ではどれがお気に入りの服だったのかも分からない。この無色の世界で私はどのように生きるべきなのか無色の世界で一人考える。

4/18/2023, 3:40:37 PM

君と出会ってから
毎日が信じられないほどカラフルになって
その色鮮やかさに目眩さえ覚える

いつまた、
あの頃のどうしょうもない世界に引き戻されるのか

その不安が、日増しに心を蝕んでいくだけ

4/18/2023, 3:37:13 PM

色がついている世界は、確かに日常生活から生かされており、色があるおかげでそれぞれの個性を表現出来たり、区別をつけることがある。一方で無色の世界は、色の分別がなく、もし私たちの世界から色がなくなったら、不便になってしまうだろう。しかし、色が無くなったからこそ、いい点も出てくると思う。例えば、最近はSDGSの一環として、ジェンダー問題も上げられる。現在でも、男子は黒や青、女子はピンクや赤といった固定概念を撤廃できると思う。

4/18/2023, 3:37:08 PM

私は何色にもなる

パステルカラーで染めたり

時には真っ黒にしたりして

産まれた時は無色の世界

何もわからない 何も知らない

大人になるという事は

複雑なんだ

4/18/2023, 3:34:49 PM

『無色の世界』

部屋の物を全部 白黒灰色に してみた

出来るだけ周囲の無駄なものを排除したかった

この部屋の空間で 唯一私の身体だけに
色がついている 不思議な

空間と私が 乖離 している

自分が、別世界に来たような気がしてきた

それでも カーテンを開ければ このとうり
いつもの近所の町並みが ある

はず だったのに
外の景色、白黒じゃないですか!?

私の、身体も!!

ただでさえ 灰色の気分なのに
見るもの全てが、神経に障るのよ

白黒灰色も、色だよね?
もっと 無色透明に しなければ

無色透明に、しなければ。

4/18/2023, 3:31:38 PM

「無色の世界」

            夜汽杏奈

「あなた方は生きる楽しさを伝えてください」
誰かがコメントしていた

バウムクーヘンの年輪
楽しいも楽しくないも
感情の波は穏やかでいい

「生きること≒楽しいこと、は良いことと決めつけ、それを伝え、執着させてしまうのだとしたら、死や病気に対する恐れや不安を強くさせてしまうことに繋がりかねません」
私はそう、コメントした

光と影は元々一つ
メトロノームの振り幅
誰かのリズムとメロディーは
どの章もどの♯も♭も
誰にも奪えない
鍵盤の上の一輪の薔薇
愛深き故
悪魔と散った遠い物語

統合するなら無となり
愛で包み統合するなら光となった
ニュートラルでいるか
森羅万象全てを信用し
宇宙へ手放すか
涙無しには語れない
その舞台の幕の内側で
誰にも気付かれず
永遠の熱いキスを交わすのか

世界がバラ色ならば幸せで
ダークなら不幸だと
どの時代も人は言う
人に優しくできる人は良い人で
頼るしかない人はダメな人で
お金持ちは偉くて
悪魔は悪者

誰がそんなことを、決めたの

全ては無色の無の世界から生まれた
生きることを感じる為に
存在を経験する為に
相対的なものは本当は一つだったと思い出す為に

とてつもなく果てしない次元の
宇宙の中で
好きも嫌いも感じ
良い悪いを判断してしまう、
未熟な自分も
全てを受け入れ、
森羅万象全てを信用し、
愛せたら、
ニュートラルになれたら、
手放せたら、

いつか無色の無の世界に
安らぎに似た想いを抱けるのだろうか

いつか悪魔の仮面の下で
涙すら忘れた瞳を
穏やかな愛で包めたら

この上ない優しい色の世界で
二人、微笑み、眠れるのだろうか

4/18/2023, 3:27:28 PM

ぽたっ、

無色の私の心の世界に、赤色のインクが落とされる。

それと同調して、私も怒る。

ぽたっ、

今度は青色のインク。

赤ではなくなって、紫へと変わる。

それと同調して、私も怒りと悲しみでこんがらがった気持ちになる。



なんにもない、透明な私の心は、自分の意思で感情を表すことが出来なくなった。
周りの人間に流されて顔や気持ちをコロコロ変える、ただの人形に成り果ててしまったのだ。

〜無色の世界〜

4/18/2023, 3:24:41 PM

無色の世界は無い。

皆、自分の価値観を持っているのだから。

4/18/2023, 3:22:13 PM

色が無い無色の世界。
 イメージするのは白黒の映画。
 でも、きっと無色の世界は白と黒もない。
 何色も入ってないパレットのようなもの。
 僕の周りが透明で自分のことすら見えない。
 存在の証明が出来ない世界。

 きっとその中で見た初めての色は灰色でも綺麗なんだろう。
 今の世界は色に溢れてる。
 元々は三原色だと信じれない程に。
 
 この世界で輝ける色に自分はなれない。
 ならば、せめて消えても分からない色になりたかった。
 なのに中途半端な使えない色に生まれてしまった。
 
 ( それなのに赤色に憧れる自分は罪深い。 )

4/18/2023, 3:20:57 PM

なぜ色は無くなったのだろう。よく考える。宇宙法則による絶対なのか、神さまの気まぐれか。はたまた睡眠不足の色たちが朝寝坊をして、私達のところにまだ到着しないのか。本当によく考えるのだ。答えは誰も知らない。科学も哲学も労働も説明できない。それでも私はよく考える。
世界から色が無くなって、全ては実際になった。より首の長いキリンが認められ、より口の大きいカバが認められた。比喩だ。人々の心は肥大化し、鋭く尖り、機能性を備えるようになった。分かりやすく、痛みやすく。人々は理科の実験をするように実際だけを追い求め、心の色を見ることを辞めた。最も、実験器具は片付けられずに放ったらかしのままだった。
私もいつの間にかそんな世界に染め上げられていたのだろう。君の異変に気が付けなかった。きっとまだこの世界に色があったら君はきっとものすごく顔色が悪かったと思う。でも気付けなかった。君は倒れた。泣きもせず。
いま私は彼女の(君は美しい女性だった。色がなくても。実際に)心を持っている。両手で小さく抱えている。磨り減らしていて川の下流に転がっている丸っこい石みたいだ。家に持ち帰ったらその姿かたちをデッサンしようと思う。デッサンは額縁にいれてとっておく。心はいつか磨りきれて海へ流れるかもしれない。だけどもし世界に色が戻ったら、色たちが長い夜から目覚め私達のもとにやってきたら、私は彼女の心を優しい蒼で塗る。
気付けなくてごめん。

4/18/2023, 3:15:26 PM

みんなの好きな色は なんだろうか

うちは 黒が1番 落ち着く色かな
色って混ぜ続けると
最終的に黒になるでしょ
てことは 安全地帯だと思うから

あと、
黒って何色にも染まれないから
漆黒の強さっていうか
闇深さっていうかが
すごい好きだから

だから
この世は 色に溢れてていいよ
派手にカラフルでも微妙で曖昧な色でも
色、無いと 何もかもつまらないからね

あなたに会えて 私の世界には色がついた

なんて言葉は、ただの比喩
元からこの世界には色、ついてる
汚く見えるか 美しく見えるかは
たぶんその時の心の状態によるんじゃないか。

_ ₂₉

4/18/2023, 3:04:31 PM

無色の世界という言葉を聞いただけで怖く感じます
私たち人間はずっと色がある世界で生き続けてきました。色があることは当たり前と思っていますが、いざ無色の世界と考えみるとどうでしょうか?
例えば信号。信号の色で進んでいいのか、止まらないといけないのか。色で判断しています。では無色の世界だとどうなるのか?私達は日常生活において、色に頼っていることがわかります。今この世界にはこうした当たり前だと思っていたこと、日常が沢山あります
毎日に感謝して生きていくそれが生活している中で最も大切なことなのです


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?無色の世界は何色?
白黒でも白色と黒色がある?
ならば透明?でも透明も色だと思う
だとしたら無色の世界は何色?

4/18/2023, 3:01:57 PM

『この世界は何色?』

真っ赤な嘘、黄金時代、顔面蒼白、青天の霹靂…

この世には色を使った言い回しがたくさんある。

では、この世界は何色なのだろうか?と、問われれば、とても難しい質問である。

一人ひとりのキャンパスには無限の可能性と、無限のグラデーションがあるはず。

そう、これこそが多様性である。

真っ白な世界に自分だけの色を染めていく。

今日は気持ちが上がらない日だったので黒。
今日は悲しい日だったので青。
今日は最高の一日だったのでレインボー。
毎日変わる自分だけの色。何色だってかまわない。
毎日違ったっていい。

だからこそ、世界は無色でいいのだ。

貴方だけの色に染めよう。

                    人鳥

4/18/2023, 3:00:39 PM

【無色の世界】

ちょうど今読んでいるウェブコミックの中に、
余命半年と宣告された死神さんの物語がある。
それを読みながら、ぼんやりと

「あぁ、この世にはさまざまな色があるけれど、この世を離れたらまったく色のない世界になるのかなぁ」

と思った。

あの世=無色の世界

…かどうかは行ったことはもちろんのこと、
風の噂で見たことも聞いたこともないので
本当にそうであるかどうかはわからない。

ただ、私たちが生きているこの世界は
たしかに数多くの色で「彩られて」いる。
一口に「赤」や「青」といっても、
実は何百、何千という種類の色名がつけられている。

彩りに満ち溢れたこの世界は時として疲れるけれど、彩りが全く無くなった「無色の世界」に行きたいとは
思わない。だから、この世で出会う全ての彩りを大切にこれからも生きていきたい。

ただ…

色とりどりのインクをこれ以上増やすのは考えものだよな。たぶんもうとっくに100色超えてるし。

4/18/2023, 2:58:32 PM

1人になったウシガエル。

田舎の片隅に住んでいたウシガエルがまだ小さな子供だった頃。
ウシガエルは親から見捨てられ兄弟からも
意地悪をされ夜は殆ど1人でご飯を食べていた。
兄弟は従兄弟のおうちで賑やかに楽しく美味しい夕食を食べていた。
辛くて暗くて怖い毎日。

大きくなって都会に出たウシガエルは、昔の傷を背負いながらいつも笑顔で人に優しくしていた。

でも、
またウシガエルは悪いうそつきな同い年のウシガエル達にだまされ、ほとんどの仲良かったウシガエル達に無視をされるようになった。
辛くて暗くて怖い毎日。

ある日優しいガマカエルに声をかけてもらった。
「こっちへおいでよ、ウシガエルくん」
それから花吹雪がいつも毎日降るような素敵な友情と出会いの日々を過ごし、人の優しさに心癒されながら笑って生きていた。

しかし、、
ウシガエルは自分自身を偉いと勘違いするようになってしまった。周りに恵まれたぶん自分を見失って人を見下すようになって行った。
まるで今まで自分がされたことをし返す様に無様な生き方をしてしまった。

気がつけば…
周りには今まで大切にしてくれた人も、叱ってくれた人もバカにして来た人すら居なくなっていた。

心が無色。
空っぽ。
虚無。

それから、、
ウシガエルはどう生きようか、何をすればいいのか、怖くなった。

何も無いところから何かを作るのはとても難しくて、何色からつければいいのか何をすればいいのか、動くことすら怖くなっていった。
周りからは無視という見張りを付けられ、塗れる色は黒に近かった。
これが本当の、ひとりぼっちか。。

身内も友達も知り合い全てが紺色に見えてスーパーのレジの人でさえ自分を嫌っているように見えた。

「どん底、奈落まで落ちよう、本当に堕ちよう」

ガマガエルは人を傷つけない程度に人と距離をとっていった。
心の中は
僕は上手くいく、今は「無」。
僕は上手くいく、今は「無」。
時が全て洗い流してくれる。
失敗って繰り返しちゃダメだ。
人を怨まず、マイナスはダメ。
ああ言えばこう言うには距離を保つ。
自己をちゃんとコントロール。
自分の時間を月1日は取って、人に会わない。
人を簡単に信じない。
自分も信じない。

結局ガマガエルが知ったのは孤独という
辛さと自己責任。

でもガマガエルは完全復活した。
何故でしょう。

4/18/2023, 2:50:30 PM

『無色透明』
眠れない夜 君を連れて車を走らそう 心地良い感覚刺激で君は眠りにつく ちょっとだけ開けた窓から
霧雨が君に降り注ぐ たまたまついてたラジオの曲は他愛がなくてなんか笑えた 君はまだ起きない 朝はまだ遠く遠い場所にある

4/18/2023, 2:48:58 PM

無色の世界

コンクリートで整えられた道には無機質な大量のクルマが行き来している。灰色の空を見上げると轟音を鳴らしながらヒコウキが飛んでいる。

私の世界は随分と変わってしまった。
AIといわれる人間にそっくりなロボットが、私たちと同じように生活している。目の色は同じだけど、その奥には何も見えない。光がないのだ。

私はただの学生。
只只毎日同じことの繰り返し。大学へ行って帰ってきて、バイトに行って、課題をして、ご飯を食べて寝る。

社会人の人たちもきっと似た様な生活なのかな。

特に、私とそう年齢も変わらない人達は、みんな同色のピカピカのスーツを身にまとって、お揃いの髪色髪型で、慣れない足取りで歩いている。

個性が必要と言う割には可笑しいなってたまに思うけど。実際はルールがあって、はみ出したものは異常だと言われる。



先程変わってしまったと言ったが、何が変わったかと言うとこの環境だけではない。


楽しくない。モノクロな、否、色などない世界になってしまった。感情の起伏もなく、目の色は無くなり、人間味は露わにならなくなった。

疲れた顔が剥がれなくなった人間。物価の高騰と賃金の低下。お金の為に身を粉にして働き、束の間の色を取り戻すためにお金を使う。そしてまた、お金を稼ぐ為に働く。

昔よりも便利になった世界だけど、何か大切なものが失われた気がする。

きっと戻れない、無色の世界から逃げ出すことなんて不可能で。

ここに色は必要ないのだから。

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