『澄んだ瞳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夏休みになるとどこに行ってもいる。大変申し訳無いがそれがとても憂鬱で、夏休みなんて早く過ぎ去ってくれと思ってしまう。
デパート、スーパー、コンビニ、カフェ、レストラン。どこに行っても逃げ場はない。勘弁してくれと降参気味にイヤホンを耳に突っ込んで、聞こえないように防ぐことしかできない自分が厭らしく思える。
前はこんなにも子供が苦手じゃなかったのだ。恐怖の対象ではなく愛情を抱く対象だったはず、なのに。
いや、原因はわかっている。どんなに忘れたくても心が、脳が、体が覚えていた。
僕はあの日、澄んだ瞳に殺された。
純粋な気持ちが当時怯えきって何もかもが敵だと思いこんでいた僕の心を無残に殺したのだ。
愛らしく悪を知らぬ小さな手の群れと、その笑い声が。
僕だって同じだった。子供の頃があった。
だから心の中で謝る事しかできないのだ。
16.『澄んだ瞳』
Nの話をしよう。
Nは私の彼女で、かれこれ付き合いは長く、10年以上は
一緒に居る為か、彼女の奇行や、よく言えば天然、悪く言えば何も考えていない発言には慣れているのだが、
唯一慣れない物がある。
Nの澄んだ瞳だ。
私を見る時、Nは何時も新しい何かを望む様な、
私の反応を楽しむ様な、脅迫とも言える様な瞳を向ける。
私は人より身長が高く、女性にしては高めの170㎝以上
あるのだが、Nは150㎝くらいと小さめで、立っていると
確実にNが上目遣いという形になる。
私が人の頼みというか、Nの頼みに弱い事を知っている
かの様に、Nは私の腕に体を押し付けて可愛く控えめな
上目遣いを向けておねだりをする。
お前それ誰にでもやってんのか?
そう思う時もあった。
最初は鬱陶しいとしか思わなかったが、
今となってはNは私以外におねだりをしない事に
少しの優越感がある程には落ち着いた。
私はプライベートではカラコンを入れたりウィッグを
被ったり、その日その日で装いを変えるのが
好きなタイプだ。化粧も服装によってコロコロ変えている
ため、日によって雰囲気が違う。
対照的に、Nは普段から服の雰囲気も化粧も変えない。
髪型は私が担当しているのでコロコロ変わるが、
N自身、自分が気に入っている物をずっと使い続けるタイプ
の人間なので、一度決めたスタンスは基本崩さない。
カラコンを入れる事も怖がったり、つけまつ毛も
苦手意識を出す。だからNの目元は基本いつも変わらない。
変えないのか一度聞いてみたら、
「だって〇〇が見つけてくれなくなっちゃうでしょ?」
と、カラッと笑った。
飽きるほど見てるんだから見失うわけ無いのにね。
Nの目元を気に入っていた私は特に何も言う事なく、
「ふーん」
と話を流した。しかしNは食いついて来た。
「え、似合ってない?」
「いや、そーゆー訳じゃない」
「何々?」
興味津々な子供の様に澄んでいて、明るい瞳が私を覗く。
思ってみれば、私はNの瞳から逃れられた記憶がない。
「あ、いや別に…」
この瞳を向けられると、私は忽ちタジタジになってしまう。
脅迫とも思える瞳が逃してくれない雰囲気を発する。
冷たい瞳でない事が、私をより不安にさせる。
この優しい瞳をみんなに向けてると思うと、
何とももどかしい。
いっそその瞳をくり抜こうか。
何度思ったんだろう。
歪むことの無い瞳はいつもNの感情を示している。
不安ならば揺れ、涙を流し、嬉しくても揺れ、涙を流す。
その瞳が欲しい。その瞳が憎い。その瞳が惜しい。
仕舞い込んでしまいたい。
そんな瞳で、私を見ないで欲しい。
私を見離さないで欲しい。
相対した気持ちをグッと堪えて、
私はNに微笑みかけると、
今日もNは満足そうにその目を細くして笑った。
うん。その顔が良い。それが一番可愛い。
澄んだ瞳には何が写ってる?
輝かしい瞳の奥には
希望が満ち溢れ、
純粋な心に囲まれている。
私はまだ大人にはなりたくなかった
この目で汚れ切っているこの世の中を
まだ知り得たくなかった。
いつからだろう
このようになってしまったのは。
お題:澄んだ瞳
「おねーちゃんはどこから来たの?」
唐突に、小さな男の子に言われた
───────
誰も私を見てくれない
一人で悩んで、傷ついて、傷つけて、嫌われて
それでも愛されたくて
そんな葛藤に悩んでいた15の夏──
私は自ら命を絶った
目が覚めた先はいつもの世界と変わらなかった
ただ、周りの目に私が映らないだけ。
私を嘲笑う同級生も街ゆくサラリーマンも
コンビニの店員も
私のことは見えていなかった
死んでも尚愛されなくて孤独な私の世界
「おねーちゃんはどこから来たの?」
私の世界を照らした声の主は小さな男の子だった。
海のような瞳で僕を見ないで
何もかも見透かされていそうで
こわくなる。
今にも羽ばたいていきそうで
僕のそばから離れていきそうで
きらきら星降る瞳に溺れそうで
きらきらと
純粋で
透明な
何色でも染まれる瞳
そんな瞳を持つ者は
明日も変わらず生きれるだろう
未だ見ぬ未来に夢を見て
でも、無理は禁物
染まり過ぎるのも疲れるのだから
お題 澄んだ瞳
貴方のその
真夏の雲一つない空のような澄んだ瞳で
まるで全てを許すかのように見つめられると
どうにも自分の不甲斐なさに嫌気がさしてしまって
貴方のその深い海さえも
枯らしてしまいそうなる。
だからどうか許してほしい
今夜全てここに残して君の前から姿を消すことを。
それでも覚えていてほしい
時に我儘で時に無害な
私という雲を。
キラキラと輝く君の黒い瞳。茶色の瞳の私より綺麗な瞳だ。君の背に乗って何処までも行きたいかったな。私は暫し青い空を寂しげに見つめながら、思い出に浸っていた。
人混みの中でも目立つ君の澄んだ目を
奪って、染めてしまうのは星々と打ち上げ花火。
夏休みにしか会えない君に、もっと僕を見てほしいって思ったけどやっぱり言えないや。
星も花火も無くなってしまえば僕を見てくれるかな?
でも、無くなってしまったら君が涙を流すから
今年も僕は君の澄んだ目を眺めている。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いつも私のことを見てくれる貴方が好き。
星空に上がる打ち上げ花火を見ないで
私を見ている貴方が好き。
夏休みにしか会えない君に、もっと私を見て欲しいって思ったけど言えないや。
もっと色んなものに釘付けになればもっと私を見てくれるかな?でも釘付けになればなるほど、貴方が寂しげに私を見てくるから
今年も私は星空に浮かぶ打ち上げ花火を見ている。
君を見るといつも思う
僕の影が見えるほど澄んだ瞳
目が合っただけで君の世界に吸い込まれそうになる
誰もが虜になるその瞳は
いつしか僕だけのものになっていた
〈澄んだ瞳〉
【澄んだ瞳】
「……何ジロジロ見てんだよ」
視線がうるさいと思えるほどに凝視されていたので、思わずこちらから話をふっかけてしまった。
「いや?別に深い意味はないんすけど。柘榴さんって目ぇキレーっすよねーって感じで見てました」
なんだコイツ。
「当たり前だろ。神に愛されたとでも思ってもらおうか」
当たり前のこと言うなボケナスが。俺は左右で瞳の色が違って、左が昼の間全てを支配するような空。右が夜の間あらゆるものを把握する夜空。医学的観点から言えば虹彩異色症という生まれつきのものらしい。まったく、顔も良くてアクセントがあるなんて、どんなえこひいきだってんだ神様?
「うわーー出たぁー。柘榴さんの自信過剰〜」
「は?処刑処刑」
「いやわたしに死刑執行したら執行人減りますよ!?ヤバー!馬鹿じゃん」
「確定。お前は死罪」
「ふぁ〜w」
うざい。マジでうざい。……だが、その細めた目元から見える朱色。
その強く、しかしどこか透き通ったような色。
俺より綺麗な色をしていること、認めたくなかった。
産声をあげて
私を見た瞬間から
今も汚れを知らぬ
澄んだ瞳
我が子に願わずにはいられない
純粋さ
いつまでも忘れないで欲しい──
(2023.07.30/澄んだ瞳)
貴方のその澄んだ瞳に見据えられると
とても居た堪れないような気になる。
今日のお題
╭━━━━━━━━━━━━━━╮
澄んだ瞳
╰━v━━━━━━━━━━━━╯
「…あいつ……一体何処まで……」
「…うっ……風が……」
「きゃあああっっ」
「……いっ…た……」
「…あんな上から落ちたんだ……」
「どうしよ…と、とりあえず、そこの洞穴に……」
「いった、い………これじゃあ嵐が止んでも集落まで歩けない…」
「……暗いし…どうしたら……うぅ…」
「………………」
「…………あ…れ」
「私…眠って……。ここは……」
『あ、起きたか?』
「えっ!?…な、なん……いっ!…………」
『おいおい、あんまり動くなって!怪我してんだから』
「……なんで分かったの…嵐は…!?」
『嵐はさっき止んだ。もうすぐで着くから大人しくしてろって』
「……………」
(ずっと私の事探してくれていたんだ)
(冷たいけどあったかい……)
「ありがとう」
ー澄んだ瞳ー
澄んだ瞳で私を見つめる君。
どうかその目でこちらを見ないでくれないか。
屈辱や人に対する嫌悪。劣等感、その他諸々汚い感情。
私の内に秘めたもの。
君の目にはそれが透け見えているように思えてしまう。
だから、だから……
澄んだ瞳から、私をどこかに捨てておくれ。
『澄んだ瞳』
いつもキラキラしていたあの子
何の曇りもなく晴れ晴れしい子
よどんでいる私には、
キラキラ見えて眩しくて
羨ましかった
数年後
体調を壊し、仕事を休み
外に出る事も少くなった私に
先輩、赤ちゃん産まれました
名前は○○っていいます
と澄んだ瞳の赤ちゃんの写真が
送られてきた。
やっぱり彼女は明るいニュースを届けてくれた
赤ちゃんの名前も清々しい名前だ
あの子は、私の中で一点の曇もなく、
ずっとキラキラしている。
私は、素敵な子に出会えたんだなぁと思う。
#澄んだ瞳 -27-
澄んだ瞳が映し出す世界
美しい自然が広がり
そよ風が心地よく吹き抜ける
空は青く澄み渡り
白い雲が優雅に舞い
鳥たちが自由に羽ばたく
澄んだ瞳が映し出す未来
希望が溢れる光景が広がり
夢を追いかける人々がいた
澄んだ瞳が映し出す真実
世界の闇に目を向け
誠実な心で問い掛けよう
平和と愛を求めて
善意と勇気の力で
澄んだ瞳が輝く未来を創り出そう
澄んだ瞳さんへ
よく尖らせた睫毛が好きです。
睫毛の実らせた瞳
瞳と鐘はよくにている
鐘は月を呼びます
瞳は記憶を呼び覚ます
僕はこうして波が引く
押してくれる風が洞窟と交わる
純真無垢だった幼い子供は、自分の世界が広がるに連れて、その途方のなさに嫌気が差してきた。
輝きは失われ、外を拒む。
「心配すんな」
かつての自分に声をかけた。
「何年かしたら、変わるから」
男は、真っ直ぐな瞳で、少年を見つめる。
澄んだ瞳……。
そんな人間に、出逢ったことなど無い。特に、あの悪女は、どす黒く濁っていた。
人のおもいを躊躇いもなく踏みにじった売女……犯罪者の娘、人でなしの今井裕子。
そんな下衆に台無しにされた人生を歩んできた自分も、他人のことは言えないけど。
澄んだ瞳……。
透明感のある瞳のことかな?
そうだなぁ。エメラルドが、いいな。
肌は、限りなく白に近いピンク。髪は白に近いグレー。スタミナとスピードを兼ね備えた、ステイヤータイプ……って、あれ?