ヨルガオ(短編小説)

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「…あいつ……一体何処まで……」

「…うっ……風が……」

「きゃあああっっ」

「……いっ…た……」

「…あんな上から落ちたんだ……」

「どうしよ…と、とりあえず、そこの洞穴に……」

「いった、い………これじゃあ嵐が止んでも集落まで歩けない…」

「……暗いし…どうしたら……うぅ…」

「………………」

「…………あ…れ」

「私…眠って……。ここは……」

『あ、起きたか?』

「えっ!?…な、なん……いっ!…………」

『おいおい、あんまり動くなって!怪我してんだから』

「……なんで分かったの…嵐は…!?」

『嵐はさっき止んだ。もうすぐで着くから大人しくしてろって』

「……………」

(ずっと私の事探してくれていたんだ)

(冷たいけどあったかい……)

「ありがとう」


ー澄んだ瞳ー

7/30/2023, 10:31:33 AM