お題:澄んだ瞳
「おねーちゃんはどこから来たの?」
唐突に、小さな男の子に言われた
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誰も私を見てくれない
一人で悩んで、傷ついて、傷つけて、嫌われて
それでも愛されたくて
そんな葛藤に悩んでいた15の夏──
私は自ら命を絶った
目が覚めた先はいつもの世界と変わらなかった
ただ、周りの目に私が映らないだけ。
私を嘲笑う同級生も街ゆくサラリーマンも
コンビニの店員も
私のことは見えていなかった
死んでも尚愛されなくて孤独な私の世界
「おねーちゃんはどこから来たの?」
私の世界を照らした声の主は小さな男の子だった。
7/30/2023, 10:45:37 AM